2019年02月05日公開
2024年09月02日更新
【どくだみの花】の花言葉は?採取時期や育て方・チンキの作り方も!
どくだみの花の花言葉を知っていますか?春から夏にかけて道端に勢いよく咲いているのを見かけるドクダミですが、独特の臭いを放つため敬遠されがちです。実はドクダミにはさまざまな薬効があり、昔から十薬として親しまれています。今回はそんなどくだみの花の花言葉やドクダミの名前の由来、どくだみの花の育て方と採取時期、どくだみの花で作る便利なチンキの作り方、その活用法などについて詳しく紹介していきます。
どくだみの花とはどんな花?
どくだみとは?
どくだみは、ドクダミ科ドクダミ属の植物の多年草で、日本をはじめ中国や東南アジアが原産です。春から夏の時期にかけて成長し、5~7月の時期には中央に黄色いどくだみの花を咲かせます。白い花びらに見える部分は総苞(そうほう)といって、葉が変化したものです。ドクダミは葉がハート形をしており、丈は20~40cmくらいに伸びます。ドクダミは繁殖力が強く、地下茎を伸ばしてあっという間に広がっていきます。
どくだみの花は、よく道端でたくさん茂っているのを見かけたことがあるかと思いますが、道端や住宅の周辺、空き地や野山などあらゆるところで自生しており、特に半日陰を好みます。生命力が強く、抜いてもまた生えてくるのが特徴です。ドクダミという名前からして毒がありそうなイメージですが、実際は解毒作用があるといわれていて、昔から薬草として使われてさまざまな効果を発揮してきました。
ドクダミの名前の由来
ドクダミという名前は、「毒矯め(ドクダメ)」が語源となっており、当時ドクダミは化膿した切り傷などの薬として用いられて、毒を抑えるという意味から派生してドクダミに変化していったようです。ドクダミ自体に毒はありません。他にも、「毒矯み」「魚腥草(ギョセイソウ)」「地獄蕎麦(ジゴクソバ)」と呼ばれることもあったようです。
ドクダミの注意点
ドクダミの注意すべき点は、繁殖力が強いだけでなく独特の臭いがあることです。花だけでなく、葉や茎、根もすべて独特の臭いを放ちます。少しでも手に触れると、臭いが手について石鹸で洗ってもなかなか落ちません。これはデカノイルアセトアルデヒドという成分を含んでいるためで、強力な殺菌作用があるので多くの細菌の繁殖を抑えてくれます。臭いは乾燥させれば消えるようです。
どくだみの花の花言葉や豆知識
花言葉と由来
どくだみの花の花言葉は、「野生」「白い追憶」です。「野生」は、特別な手入れをしなくてもどこにでも繁殖する生命力の強さに由来した花言葉だといわれています。「白い追憶」という花言葉の意味ですが、まず追憶は過ぎ去ったことに思いをはせるという意味があります。どくだみは、昔から懐かしさを感じる象徴として使われてきました。
有名な詩人の和歌などでは、遠く離れた故郷や昔の記憶をどくだみの花を見て思い出す、という短歌がいくつか作られています。「白い追憶」には、白いどくだみの花を見れば昔の記憶や故郷を思い出して懐かしむ、そんな意味が込められています。
葉を乾燥させると十薬と言う
ドクダミは十薬という別名を持ち、さまざまな薬効があることから、葉を乾燥させたものを昔から薬として活用していました。現在でも、医薬品として販売できる薬効があるとして、厚生省告示の日本薬局方第二部に収載されています。ドクダミを煎じた液は、利尿作用や高血圧、動脈硬化の予防としても効果があります。臭いはほとんどありません。
葉は内服と皮膚に対して両方効果がある
ドクダミの葉は、お腹の調子が悪いときや解毒、利尿などに煎じた液を飲まれていましたが、漢方では解毒剤として活用されます。魚腥草桔梗湯(ぎょせいそうききょうとう)、五物解毒散(ごもつげどくさん)などの漢方薬に処方されますが、ドクダミ単体で漢方薬として活用することが多く、他の生薬と混ぜることはあまりないようです。
ドクダミは塗り薬としても活用することができ、傷薬や膿はもちろん、にきびや湿疹、靴擦れ、あせもなどにも効果があります。ドクダミの葉を水洗いして、よくもんで絞り出した汁をそのまま生薬として活用することもできます。
またドクダミ茶として飲むと、血行促進やデトックス効果、整腸作用、むくみの改善、美肌効果など、健康や美容だけでなくダイエットにも効果が期待できます。
どくだみの花の育て方と採取時期
品種は?
どくだみの花の品種は、よく見かける白く4枚の総苞を付けたどくだみの花の他に、八重咲きのヤエドクダミや葉の色が異なるゴシキドクダミなどがあります。どちらも観賞用で、ヤエドクダミは白い総苞のどくだみの花をたくさんつけるため華やかな印象を与えます。ゴシキドクダミの「ゴシキ」は「五色」という意味で、葉に赤やピンク、クリーム色などの斑が入ることにちなんで名づけられています。別名カメレオンとも呼ばれます。
ドクダミの植え付けから採取まで
ドクダミの育て方は、基本的に半日陰を好んで生息しますが、日が当たって乾燥している場所でも育ちます。日陰の方が背丈が伸び、簡単な育て方で何も手入れをしなくてもどんどん繁殖していきます。地下茎を発達させて地中深くまで伸びるので、繁殖させすぎると周りの植物に影響を与えることもあります。寒さにも強いですが凍結や霜には弱いので、鉢植えの場合は凍らないように注意が必要です。
ドクダミの植え付けは4月と10月の時期が最適となります。肥料はほとんど必要ないですが、鉢植えの場合に緩効性化成肥料の置き肥を施しておくと花つきが良くなります。水やりは、庭に植える場合はあまり必要なく、鉢植えの場合は乾いていたらたっぷり水を与えます。極端に乾燥すると花が咲きにくくなるので、受け皿に水をためて腰水栽培を活用する方法もおすすめです。
土は一般の草花用の培養土など特に選ばなくても育ちます。ドクダミはよく育って繁殖するので、全体に陽の光が当たるように間引きをします。広がり過ぎるのを防ぎたい場合の育て方は、地下茎が伸びないように遮る囲いをしておくのがいいでしょう。
ドクダミを採取する場合は、排気ガスがかかるような場所や犬の散歩コースになっているような道端のどくだみの花を採取するのは避けておいたほうがよいでしょう。採取に適した時期は、開花時期の5~7月頃になります。梅雨から梅雨明けの前くらいが、花が栄養を蓄えていてもっとも良い時期といわれています。
かぶれないようにゴム手袋をして、どくだみの花は意外に硬い茎なのではさみや鎌などで採取するのがおすすめです。ドクダミがすっぽり入るくらいの大きめのゴミ袋などを用意し、あとで干しやすいように長めに刈り取ります。採取したドクダミは水でよく洗って土や汚れを綺麗に落としたら、少量ずつに束ねて逆さに干して乾燥させます。
ドクダミの病気や害虫対策
ドクダミは特に病気になることもあまり見られず、害虫が付くということもほとんどないので、特に何か対策が必要ということはありません。ドクダミは、特別な世話がいらないので育てやすい植物です。
どくだみの花で作るチンキ
チンキとは、ハーブなどを高い度数のアルコールに漬けて保存しておくための浸剤のことをいいます。アルコールはエキスを抽出するだけでなく、防腐剤の役割も兼ねています。一度付けておくと1年間保存できるので、化粧水や入浴剤などいろいろな用途に活用することができる便利なアイテムです。それではドクダミの葉とどくだみの花から作るチンキの作り方を紹介します。
チンキの材料
- ドクダミ適量
- ガラスの保存容器(今回は2個)
- アルコール(38度以上の焼酎や40度のウォッカなど)
チンキの作り方
今回説明する作り方では2つのチンキを作るので、どくだみの花部分と葉の部分とに分けておきます。使用するガラスの保存容器を煮沸消毒し、乾燥させておきましょう。準備ができたら、どくだみの花と葉をそれぞれ別の保存容器に8分目くらいまで入れます。
アルコールをそれぞれの容器に、どくだみの花と葉がひたひたになるように9分目くらいまで入れます。ドクダミが空気に触れないように、1日1回瓶を軽く振ります。漬けてから4日ほど経つと、透明の液が少し色づきます。しっかりフタをして置いて、1~3か月くらいは冷暗所で保管して、花と葉を取り出したらドクダミチンキの出来上がりです。
チンキの活用法と効果
この作り方でドクダミをチンキにすると、ドクダミ特有の臭いがなくなりいろいろな活用法ができます。そのまま好きな量を湯船に入れれば入浴剤として活用でき、あせもやアトピーなどに効果が期待できます。たらいにお湯を入れドクダミチンキを10mlほど入れれば、足湯としても活用できます。また精製水でドクダミチンキを薄め、お好みでグリセリンを足して混ぜると、化粧水になります。
ドクダミチンキをそのままいつも飲んでいるお好みのドリンクに数滴垂らして飲んだり、うがい薬として使う活用法もあります。ドクダミチンキをスプレーボトルに入れておけば、虫よけの効果があり虫よけスプレーとしても活用できる優れものです。
どくだみの花でチンキを作って常備薬にしよう!
いかがでしたか?身近でよく見かけるけど独特な臭いで敬遠しがちなどくだみの花について、花言葉や由来、どくだみの花の育て方や採取時期、どくだみの花で作るチンキの作り方とその活用方法について詳しく紹介してきました。簡単な育て方で繁殖しやすいどくだみの花は、内服しても軟膏としても効果のある薬として使うことができ、またどくだみの花から作るチンキはいろいろな用途に活用できる優秀なアイテムでした。
今回紹介したどくだみの花の採取時期や育て方、ドクダミチンキの作り方を参考にして、ぜひドクダミチンキを作って薬や美容などさまざまな用途に役立てましょう!