押し麦の栄養とカロリーは?糖質制限ダイエットに効果的な食べ方!
押し麦という名前を聞いたことがあるでしょうか?押し麦などの雑穀は美容や健康にも効果があり、特に健康志向が高い方には人気を集めてきています。特に押し麦は、長期保存も可能な長寿健康食と称されて主食として食べられてきた歴史があります。その豊富な栄養成分は、カロリーが同じくらいの白米よりも栄養価が高く、食物繊維などが多く含まれ、糖質制限ダイエットに効果的な食品です。今回はそんな押し麦について、カロリーや糖質量、栄養成分と効果効能、糖質制限ダイエットに効果的な食べ方や注意点などを詳しく紹介していきます。
目次
押し麦の栄養やカロリーは糖質制限ダイエット向き?
健康に気を付けている方の中では雑穀米を食べている方も多いかと思いますが、雑穀米には玄米、古代米、大麦、もち麦、あわ、きびなどいろいろな種類があります。今回は特に、糖質制限ダイエットに向いている栄養素を多く含むといわれる、大麦の中の「押し麦」にスポットを当てて紹介していきます。
押し麦ってなに?
押し麦とは、大麦のうるち種を押しつぶした麦のことです。「大麦」は、麦の中でも小麦に次いで生産量の多い麦の種類の1つで、「うるち種」というのは穀物の中でもちもちしない種類の穀物のことをいいます。なぜ押しつぶすのかというと、大麦は米のように精製しただけでは吸水性が悪く火がなかなか通らないので、煮炊きしやすいように押しつぶす必要があります。押しつぶすことによって、歯ごたえや食感も良くなります。
糖質制限ダイエット向きの理由は大麦βグルカン
押し麦は白米と混ぜて麦飯にして食べられることが多く、穀物は高カロリーで高糖質なので一見ダイエットには不向きのように思われます。しかし押し麦には、大麦βグルカンという成分が豊富に含まれています。大麦βグルカンは、血糖値の上昇を抑えてくれる働きがあり、それによって体脂肪を蓄積するインスリンの分泌を抑えてくれます。
また大麦βグルカンには、中性脂肪やコレステロールを減らす効果があります。そのため押し麦は高カロリーの穀物であっても、糖質ダイエットに効果のある食物と言えるでしょう。
押し麦のカロリーと糖質量
押し麦のカロリーは、100gあたり340kcalです。白米のカロリーは100gあたり356kcal、もち麦は340kcal、オートミールは380kcalになります。他の穀物と比較すると、穀物の中では多少カロリーが低めですが、ほぼ同じくらいで高カロリーといえます。
また押し麦の糖質量は、100gあたり約68.2gです。白米は100gあたり約76.6g、もち麦は約65.2g、オートミールは約59.7gとなります。糖質量で比較しても、押し麦は他の穀物と同じくらいの高い糖質量を含んでいることがわかります。
押し麦は白米より糖質制限ダイエット向き
しかし、それでも白米より押し麦の方が糖質制限ダイエットに効果を発揮します。なぜかというと、押し麦は吸水性が悪いので白米よりも多めの水で炊く必要があります。そのため白米よりも含まれる水分量が多く、その分100gあたりのカロリーや糖質が低くなります。炊いた場合の白米の糖質量は150gあたりで約55.5gなのに対して、大麦は150gあたり約26.3gと、炊いた押し麦は白米の半分の糖質量となるのです。
押し麦の栄養とダイエット効果・効能
食物繊維による便秘解消
押し麦には、食物繊維の栄養成分が豊富に含まれています。全体の8%以上もの食物繊維が含まれていて、白米の約17倍にもなります。便秘になると老廃物が排出されずに体内に蓄積され、代謝も落ちてしまいます。押し麦には水溶性食物繊維が多く、腸内環境を整えて便秘解消の効果効能を発揮します。
それによって代謝もアップし、摂取した栄養をエネルギーに変える量が増えていき、さらに脂肪燃焼も効率よく行われ、健康やダイエットにも効果が期待できます。
大麦βグルカンが血糖値の上昇を抑える
押し麦には大麦βグルカンという栄養成分が豊富に含まれています。大麦βグルカンは、水を吸収してゼリー状に固まる性質を持っており、さらに胃の中の食物を包みながら消化器官をゆっくりと移動します。そのため先ほど紹介した通り、糖質の吸収を抑えて血糖値の上昇をゆるやかにし、体脂肪の蓄積を抑える効果効能があります。
さらに大麦βグルカンは、セカンドミール効果を発揮します。セカンドミール効果とは、例えば朝食に麦飯を食べると、その後の血糖値の上昇を抑えながら昼食後の血糖値の上昇まで抑えるという効果です。このため腹持ちが良くなり間食を減らすことができるようになるので、ダイエットに大変効果的といえます。
グルコマンナンで少量でも満足できる
押し麦には、グルコマンナンという栄養成分も豊富に含まれています。グルコマンナンは水分を吸収するので、お腹の中で膨らんで少量でも満腹感を得ることができます。腹持ちが良くなって、食事の量や間食を減らすことができるため、ダイエットに効果を発揮します。
ビタミンB群による脂肪分解を促進
押し麦には、ビタミンB群の栄養成分が多く含まれています。特にビタミンB2の栄養素が多く、白米の2倍の量を含んでいます。ビタミンB2は、体に不可欠な三大栄養素である糖質・たんぱく質・脂質をエネルギーに変えるのを助ける働きがあります。特に脂肪の分解を促進したり、細胞の再生を助けて皮膚や粘膜の保護や維持をしたりする効果効能があります。健康やダイエットだけでなく、美容にも効果を発揮する栄養素です。
押し麦にはうれしい健康効果も
押し麦には他にも、塩分の吸収を抑えて高血圧を予防したり、コレステロールを減少させて動脈硬化を予防したりする効果効能があります。また免疫力を強くするため、ガンを始めとしていろいろな病気を予防する効能が期待されています。押し麦は健康に良い上に、生活習慣病などの予防にも効果がある優れた食品であるということがいえます。
押し麦の糖質制限ダイエットに効果的な食べ方
押し麦をスープに入れる
押し麦を使った糖質制限ダイエットに効果的な食べ方として、押し麦をスープに入れる食べ方があります。押し麦をスープに入れると、グルコマンナンの栄養成分が水分を吸って膨張し、満腹感を感じさせてくれます。またスープで体が温まるので、基礎代謝が上昇して痩せやすい体を作ることができ、健康やダイエットに効果が期待できます。
白米を押し麦に置き換える
白米を押し麦に置き換える食べ方も、糖質制限ダイエットに効果的な食べ方です。押し麦と白米はカロリーに大差ありませんが、炊いた後の糖質量が押し麦では半分以下になります。また食物繊維がたくさん含まれ、大麦βグルカンにより血糖値の上昇を防いだり、ビタミンB群によって脂肪の分解が促進されたりと、押し麦は白米よりもダイエットに向いている効能がたくさんあります。
特に食事の時には必ずご飯を食べるという方は、白米を押し麦に変えるだけでダイエット効果がぐっと高まるでしょう。
押し麦をサラダにトッピングする
さらに押し麦をサラダにトッピングするという食べ方もあります。押し麦は粘り気がないので、白米のようにまとまりがなくポロポロとしています。押し麦をサラダに使うと、一粒ずつがプチプチとしていて食感を楽しむことができます。ライスサラダとして1食に置き換えれば、押し麦で足りない栄養素を野菜で補うこともでき、満腹感も得られて美味しくダイエット効果を発揮することができます。
押し麦で糖質制限ダイエットをするときの注意点
押し麦の食べ過ぎは高カロリーに
押し麦は糖質量が低く食物繊維が豊富なので、ダイエットに向いている食品です。しかしカロリーは、白米とほぼ同じくらいの100gで340kcalもあることに注意しましょう。いくら糖質量が低いといっても、食べ過ぎればカロリーの摂り過ぎになり、太る原因となってしまいます。ダイエットに向いているからといって、食べ過ぎないように注意が必要です。
押し麦を食べ過ぎると下痢の原因に
また押し麦を食べ過ぎると、カロリーの摂り過ぎになるだけでなく、消化器官の不調を起こす可能性があることに注意が必要です。押し麦は食物繊維を豊富に含んでいるので、腹持ちがよく少量でも満腹感を得られる反面、食べ過ぎると消化器官が処理しきれずに負担をかけてしまい、下痢を引き起こす原因ともなります。
下痢になると太りやすい体質になる原因ともなるので、押し麦を食べる量を減らすなど注意して摂取するようにしましょう。美容や健康、ダイエットのためにも適度な摂取を心がけることが大切です。
消化不良による胃もたれ
押し麦に含まれる食物繊維は、胃の中をゆっくり動いて消化に時間をかけるため腹持ちが良くなります。しかしその反面、消化に時間がかかり過ぎて消化器官に負担をかけてしまい、胃もたれを起こすこともあるので注意が必要です。消化不良や胃もたれを感じたら、押し麦の量を調整して体に負担がかからない量に抑えるよう注意して食べましょう。
押し麦は高カロリーだが栄養は糖質制限ダイエット向き
いかがでしたか?穀物の中でもダイエットに向いているといわれる押し麦について、カロリーと糖質量、栄養成分とその効果効能、糖質制限ダイエットに効果的な食べ方、ダイエットの際の注意点などについて詳しく紹介してきました。
押し麦は、カロリーは高いですが穀物の中でも圧倒的に糖質量が少なく、食物繊維や大麦βグルカンの栄養成分が豊富なため、糖質制限ダイエットに適した効果効能を発揮する優れた食品でした。白米と置き換えるだけでなく、サラダやスープなどより食べやすく効果的な食べ方を紹介してきましたので、食べ過ぎによるいくつかの注意点に気を付けながら、押し麦を美味しく食べて糖質制限ダイエットを成功させましょう!