ヤリイカの美味しい食べ方は?さばき方やレシピも紹介!
ヤリイカはイカのなかでも比較的に高級な部類に入るイカとして扱われていますが、沖縄を除く日本列島の全域に棲息しています。ヤリイカの特徴は、その名のとおり槍の穂先のような美しい形をしていて、さばき方は扱いやすい部類に属します。ヤリイカのさばき方について、内臓を取り除くことから皮の剥き方まで詳しく紹介します。また、ヤリイカの旬や値段、あるいはヤリイカを使った美味しい食べ方や料理のレシピなども併せて紹介します。
ヤリイカとは?特徴や食べ方を調査!
ヤリイカに旬はある?
ヤリイカの寿命は1年です。早春から産卵期に入り、日本各地の沿岸に集まってきます。夏から秋にかけては小ヤリイカとして漁獲されます。冬になるといわゆるヤリイカの成体になり、メスはせいぜい20cmほどの体長ですが、オスは40cm近い体長のものも見られます。秋が旬の小ヤリイカも初物などは高い値段で取引されていますが、やはりヤリイカの旬は冬から春にかけてとなります。また、春先のメスがもつ真子も珍重されています。
ヤリイカの生態と特徴
生存中のヤリイカは透明な色をしていますが、興奮したり死ぬと茶褐色に変色します。やがて、白色に変わります。他のイカと比べたり自身の胴の長さと比べると、足が極端に短いのが特徴です。冬の海水温が7℃以下になるとふ化率が下がり、漁獲量は確実に減少します。このことからも、ヤリイカは北海道南部以南から九州にかけてのやや暖かい海水帯で、日本列島を取り囲むように棲息しています。
秋に獲れる小ヤリイカや、冬から春先にかけてのオスの成長した大型のヤリイカ、小型のメスのヤリイカが春先にもつ真子など、それぞれにヤリイカの旨味にも特徴があって、その美しい体型とともに高級イカとして喜ばれています。ヤリイカの旨味は濃いものではなく、淡いコリコリとした食感が特徴でもあります。ヤリイカは比較的深海に生息していて、主に釣りで漁獲されることが高い値段の根拠となっています。
ヤリイカの値段はどれぐらい?
ヤリイカの値段は千差万別と言ってよいでしょう。下は1kgが2,000円くらいから、上は13,000円などというものもあります。産地や鮮度あるいは生か冷凍かで大きく分かれてきます。内臓処理をした冷凍物で1kgが4,000円というものもありました。全般的に言って、けっして安い値段のものではありません。ヤリイカに限らず、近年はイカ全体が不漁傾向にあるのも無関係ではないでしょう。
ヤリイカは食べ方いっぱい楽しめる!
ヤリイカの食べ方はいろいろあって、料理の楽しみ方は豊富です。ヤリイカの身はイカの中では柔らかいほうで、火を入れてもそれほど硬くなることがありません。コリコリとした食感を楽しむ「刺身」は、代表的な食べ方になります。ヤリイカは身ばかりでなく、ミミやゲソも刺身に向きます。小振りのヤリイカを「炊き込みご飯」にしたり、いろいろな具をヤリイカの胴に詰めて「鉄砲焼き」にもできます。
ヤリイカは和風料理だけではなく、洋風料理にも幅広く使えます。野菜などと一緒にオリーブオイルで焼き上げる「ヤリイカのオリーブオイル焼き」やニンニクの風味が利いた「ヤリイカのアヒージョ」などです。
ヤリイカのさばき方
ヤリイカのさばき方①内臓と軟骨を抜く
ヤリイカのさばき方は、エンペラがある側を上にしてまな板の置きます。ヤリイカの胴の中に人差し指を滑り込ませ、胴と内臓がつながっている部分を指で切り離します。切り離したら、ゲソの部分を持って引き抜くようにすると内臓ごと抜き取ることができます。次にヤリイカをひっくり返して、胴に付いている透明な軟骨を引き抜きます。内臓も軟骨もあっけないくらい簡単に抜き取ることができるのが、ヤリイカの特徴でもあります。
ヤリイカのさばき方②皮を剥く
次にはヤリイカのさばき方で、皮の剥き方です。エンペラと胴の接合部に指先を差し入れます。胴の先端部に向かって、爪先で皮ごと切り開きます。先端部まで達したら、エンペラと皮をつかんだまま、クルリとヤリイカの裏側に折り返します。そのままゆっくりと引っ張っていけば、ヤリイカ全体の皮を剥き取ることができます。ヤリイカは、この皮剥き作業も比較的簡単なイカの部類になります。
ヤリイカのさばき方③身を開いて汚れを掃除
ヤリイカの身を開いて汚れなどを掃除します。ヤリイカの身を開くには、先ほど軟骨があった筋の部分に切れ目を入れて開きます。そこからヤリイカの先端に向かって、逆さ包丁で切り進めます。ヤリイカの内側に残っている内臓のカスなどを掃除したら、キッチンペーパーで薄皮をこすり取るようにすれば、薄皮はきれいにはがれます。これで、ヤリイカの掃除は完成で、ヤリイカを刺身にできる状態になりました。
エンペラを刺身にする場合には、エンペラの皮も剥いておく必要があります。皮ごと胴から外したエンペラの、身と皮の間に指先を差し込んで皮を剥がしていきます。これも皮を剥がした後は、キッチンペーパーでぬぐって汚れや水気を落としておくとよいでしょう。
ヤリイカのさばき方④ゲソと目玉の処理
ヤリイカの胴の処理を終えたら、つづいてゲソと目玉の処理にかかります。最初の作業は、墨袋の取り外しです。ヤリイカの目玉が付いている部分と反対側の内臓に、筋状の黒いものがあります。それが墨袋です。墨袋の取り外しは一番気を使う作業で、強く引っ張ったりして袋を破ったりすれば大変なことになります。墨袋の除去が済んだら、ゲソのさばき方にかかります。まず目と目の間に包丁を入れて切り開きます。
切り開いたゲソから両方の目玉を取り除きます。ゲソの付け根に硬いクチバシが付いているので、これも取り除きます。目玉とクチバシを除いたゲソの汚れを水洗いして落としたら、水気をしっかりとふき取っておきます。これでゲソの下処理も完成です。
ヤリイカ料理の簡単おすすめレシピ
鮮やかさっぱりさわやかに「ヤリイカのマリネサラダ」
ヤリイカの旨味とヘルシーさを活かした「ヤリイカのマリネサラダ」のレシピです。さっぱりと彩も良く爽やかなヤリイカを楽しめる、しかも簡単なレシピです。
- ヤリイカ(刺身用)1パイ
- サラダ玉ネギ中1個
- かぶ1個
- アスパラ5本
- すし酢大さじ1
- オリーブオイル適量
- 酢適量
- クレイジーソルト適量
- サラダ玉ネギは薄切りにして水にさらした後、水気をよく切っておく。
- ヤリイカは皮付きのまま細い輪切りにして、軽く湯通ししておく。
- ボウルにヤリイカと玉ネギを加えて、すし酢で和えておきます。
- かぶは薄いいちょう切りにします。
- アスパラは斜め薄切りにして、45秒ほど塩茹でしてザルに上げておきます。
- ボウルにかぶとアスパラも加えて、オリーブオイル、酢、クレイジーソルトで味を調えたら完成です。
バターがふっくら香る「イカとコーンのバター炊き込みご飯」
ヤリイカをすべて使った「イカとコーンのバター炊き込みご飯」のレシピです。バターの香りがヤリイカとコーンを、さらに引き立てる炊き込みご飯になります。
- 米1合
- ヤリイカ1パイ
- コーン30g
- バター10g
- 塩少々
- ヤリイカは胴とゲソを切り離して、内臓の処理や掃除をしておく。
- 胴は巾1cmの輪切りにし、ゲソは吸盤を除去して2本ずつに切り分ける。
- 米は拓30分前に水洗いをして、ザルに上げておく。
- 炊飯器に米を入れて、炊飯器の目盛りどおりに分量外の水を加えます。ヤリイカ、コーン、塩少々も加えて、炊飯器にスイッチを入れます。
- 炊き上がったらバターを加え、全体によく混ぜ込んでから器によそいます。
ヤリイカの食感いきる「ヤリイカ&新じゃがうまうま甘辛煮」
春に食べたい「ヤリイカ&新じゃがうまうま甘辛煮」のレシピです。ヤリイカと新じゃがの食感の組合せに、甘辛の味付けが加わって絶妙な一品です。
- ヤリイカ(ボイル済み)250g
- 新じゃが150g
- ☆水50cc
- ☆酒・砂糖・醤油各大さじ1
- ☆生姜(すりおろし)小さじ1/2
- 新じゃがはよく洗ってから耐熱容器に入れて、4分加熱します。(この間に3.の手順を進めます)
- 鍋に☆の調味料を入れて加熱した新じゃがを加えたら、蓋をして5分ほど途中新じゃがを返しながら煮ます。
- ヤリイカの目玉、クチバシ、軟骨を取り出しておく。
- 鍋にヤリイカも加えて、煮汁をからめながらヤリイカが温まったら完成です。
炒めて絶品身が締まる「ヤリイカとキムチの炒め物」
秋口に獲れる小ヤリイカを活かした「ヤリイカとキムチの炒め物」のレシピです。小振りなヤリイカとキムチを炒めたものに豆腐がからめたおつまみにうってつけの料理です。
- ヤリイカ(秋口の小ヤリイカ)3パイ
- キムチ80g
- 豆腐100g
- 胡麻油適量
- フライパンに胡麻油を熱し、ヤリイカを焦げ目が付くくらいに炒めたら別の器に取り置いておく。
- フライパンにキムチとサイコロに切った豆腐を入れて、混ぜ合わせるようにしてよく炒める。
- ヤリイカを再びフライパンに戻して、炒めながら全体を混ぜ合わせたら完成です。
ヤリイカはどんな料理にも合わせられる美味しいイカ
ヤリイカのさばき方や旬、特徴、値段などを紹介してきました。あるいは、ヤリイカの特徴に合わせた料理や食べ方も併せて紹介しました。ヤリイカの旬は成長に応じていろいろあって、一年中と言ってもよいかもしれません。旬に応じたヤリイカの食べ方や、その料理のレシピもいくつか載せてみました。ヤリイカはけっして安い値段のイカではありませんが、どんな料理にも合わせられる美味しいイカでもあるのです。