イカの旬の季節は?呼子や函館など名産地を種類別に紹介!
海に囲まれた日本は海産物に恵まれており、たくさんの種類の魚がスーパーの売り場に並びます。イカもその中の一つで、刺身や煮物、揚げ物、炒め物などさまざまな料理に使われています。また、イカにもアオリイカやスミイカ、ヤリイカなどたくさんの種類があり、種類によっておいしい旬の時期も異なります。イカの産地として函館や呼子が有名ですが、そのほかにも産地はたくさんあります。今回はそんなイカの産地ごとの旬の季節や種類ごとの名産地などを紹介していきます。
イカの旬の季節を産地別に紹介!
身近な食材であるイカですが、イカにもさまざまな種類があり日本全国で水揚げが行われています。水揚げされたイカはお刺身や寿司ネタに使われたり、塩辛やさきいかなどに加工されたりします。今回は身近な食材でありさまざまな方法で消費されるイカに注目していきます。最初に、産地別のイカの旬を紹介していきます。
イカの旬の季節は種類で異なる
さまざまな方法で消費されるイカですが、イカにもさまざまな種類があります。日本周辺の海に生息するイカだけでも80種類あると言われており、食用として食べられているのはごく一部です。一般的にイカといえばスミイカやアオリイカ、ヤリイカなどが有名ですが、種類によって食感や味わいだけではなく旬の時期も異なります。
呼子
九州の玄界灘に面する佐賀県の呼子は有名なイカの産地の一つです。呼子では主に甘みが強くイカの王様とも呼ばれている剣先イカと身が厚くて甘みも強いアオリイカが水揚げされています。剣先イカはヤリイカの仲間で、3月の下旬ごろがらから12月の始めごろにかけて水揚げが行われ夏に産卵前の夏の時期に旬のピークを迎えます。
対してアオリイカは11月下旬ごろから4月の中旬にかけて水揚げが行われ、12月から3月にかけて旬を迎えます。そのため呼子では年間を通して新鮮でおいしいイカをいただけます。
函館
北海道の本州寄りにある函館はさまざまなおいしい海産物をいただけることで有名ですが、イカの産地でもあります。函館では主にヤリイカとマイカが水揚げされています。函館のヤリイカは3月から5月にかけて旬を迎え、お刺身としてよく食べられますが産卵前の雌のヤリイカを卵ごと煮付けにして食べることもあります。
対してマイカは7月から9月にかけて旬を迎え、イカ焼きや内臓ごと焼く鉄砲焼きにして食べられています。
青森
函館の向かい側本州の青森もイカの産地ですが、青森ではスルメイカとヤリイカが水揚げされています。青森のヤリイカは12月から4月の中頃にかかて水揚げが行われ旬を迎えます。対して、青森のスルメイカは5月ごろから水揚げが始まり、7月から10月にかけてが旬になります。青森のイカ漁は八戸を中心に行われ、首都圏を中心に全国各地へ出荷されています。
熊本
熊本県もイカの産地として有名ですが、熊本県で水揚げされているのはコウイカです。コウイカは甲の部分に石灰質のいかのふねと呼ばれる貝殻を持っており、身は肉厚ながらも柔らかいことから刺身で食べられます。また、刺激をすると大量のスミを吐くことからスミイカとも呼ばれています。
熊本県のコウイカは4月から5月にかかてが旬で、その時期になると熊本新港にはコウイカを狙う釣り客で賑わいます。
博多
九州の中心都市である博多もイカの産地として有名です。博多では主にヤリイカとコウイカ、アオリイカが水揚げされています。身が肉厚でスミイカとも呼ばれるコウイカの旬は春先の4月から5月にかけてで、ヤリイカはそれよりも長い4月から8月にかけてが旬になります。対して、アオリイカの旬は非常に短く、6月いっぱいがアオリイカのおいしい旬の時期になります。
山陰
日本海に面した山陰地方でもイカの水揚げが行われています。山陰地方で水揚げされるイカを地元では白イカと呼んでいますが、正式には剣先イカのことを指します。山陰地方で水揚げされる剣先イカの旬は7月から9月にかけてで、その時期地元では白イカを活き作りで提供するお店がたくさんあります。
佐渡
日本海に浮かぶ新潟県の佐渡周辺もイカの産地として有名です。佐渡周辺ではスルメイカやヤリイカ、アカイカ、アオリイカが水揚げされます。スルメイカは8月ごろから2月ごろにかけてが旬の季節で、ヤリイカは2月から3月が旬になります。そしてアカイカとアオリイカは9月10月が旬の季節です。
イカの種類別の名産地
イカにはスミを大量に吐くことからそう呼ばれているスミイカや漁獲量が日本で一番多いスルメイカなど、イカにもさまざまな種類があります。続いては、種類別の名産地を紹介して行きます。
スルメイカ
スルメイカはさまざまな調理法に向いているイカで、沖縄周辺の東シナ海から北海道周辺のオホーツク海まで幅広く生息しています。海で生きているときは半透明の身をしていますが、刺激をすることによって胴全体が赤褐色に変化するのが特徴です。全国各地で水揚げされていますが、名産地として知られているのは函館や青森といった東北エリアになります。
アオリイカ
アオリイカの生息域は広く、日本国内では北海道南部よりも南の沿岸をはじめ西太平洋やインド洋周辺にも生息しています。流通するイカの中でも比較的大きい部類で、見た目はコウイカと似ていますが硬い甲羅はありません。また、アオリイカの産地は関東よりも西のエリアで、呼子や博多などが有名です。
ホタルイカ
他のイカと比べて小さいホタルイカですが、一番の特徴は体が光ることで有名です。蛍のように光るホタルイカですが、産卵期を迎えて沿岸にやってくるところを狙って量が行われます。そのため沿岸にやってくる3月から5月にかけてがホタルイカの旬の季節です。ホタルイカの名産地として富山が有名ですが、兵庫でもホタルイカ漁がおこなわれています。
アカイカ
イカには地方によってさまざまな呼び方があるため、同じ呼び方でも地方によって違うイカのことをさしているときもあります。アカイカもそのひとつで地方によっては剣先イカのことをアカイカと呼ぶ地域もありますが、通常アカイカとは食用としているイカとしては最大級のバカイカやソデイカと呼ばれるイカをさします。
このイカがそのままの姿でスーパーの売り場に並ぶことは少なく、加工されて冷凍品として販売されることがほとんどです。アカイカは温帯や亜熱帯地域の海に広く分布しているイカでもあります。産地としてしあられているのは北海道や青森、岩手などの太平洋沿岸の地域です。
コウイカ
胴の部分に石灰質の硬い甲があることからコウイカと呼ばれていますが、関東周辺では大量のスミを吐くことからスミイカとも呼ばれています。関東ではスミイカと呼ばれているコウイカですが、関東から南シナ海にかけての海域に生息しているイカです。そしてその生息域内の中でも九州各地や瀬戸内海沿岸、三河湾周辺が産地として知られています。
ヤリイカ
日本周辺のほとんどの海域で生息しているイカで、体が槍のように細く尖った形が特徴です。春ごろに産卵期を迎えるため、産卵前の1月ごろから5月ころまでが旬の季節にあたります。主な産地として佐賀県の呼子が有名ですが、それ以外にも青森県や北海道、長崎県や宮城県でも漁獲されているイカです。
ケンサキイカ
ケンサキイカは中部地方から南の沿岸地域に生息するイカで、地方によっては見た目の色によってアカイカと呼ばれることがあります。夏ごろに旬を迎えるケンサキイカですが、玄界灘が産地として有名でで呼子や長崎が主な産地です。
イカの鮮度の見分け方と食べ方
旬の美味しいイカをさらに美味しく食べるためには、鮮度のいいイカを選ぶ必要があります。また、イカの種類によって適した料理も異なってくるため、食べ方にあったイカを選ぶことも重要です。
イカの鮮度の見分け方
イカを刺身や塩辛でいただく場合、鮮度が非常に重要です。鮮度を見極めるポイントは3つあり、エンペラの透明度と目と胴体のふくらみ、皮の色で判断していきます。獲れたてのイカの身は透明度が高く、目は黒々としていて胴体はふくらみがあり皮は赤黒い色をしているのが特徴です。
対して鮮度が落ちると透明度はなくなり皮も身自体も白っぽくなり、内臓がつぶれてしまうため胴体のハリがなくなってしまいます。
刺身がおすすめのイカの種類
新鮮な鮮度いいイカが手に入ったらお刺身で食べるのがおすすめですが、中にはお刺身には向いていないイカの種類もあります。さまざまな種類の中でお刺身に向いているのはヤリイカや剣先イカなどです。身の甘みが強く、呼子や函館などの産地では生簀で泳いでいるイカを捕まえて活き作りにして提供するお店も多くあります。
塩辛がおすすめのイカの種類
実と内臓を塩漬けにして作る塩辛に使うイカは鮮度が非常に大切です。作る中で加熱する工程がなく、イカ自体の持つ酵素や微生物によって発酵させて作っていくため慎重にイカを選ばないと食中毒を起こすことも考えられます。イカの塩辛を作るときに向いているのは肝がたくさん入っているスルメイカです。市販されているイカの塩辛のほとんどがスルメイカで作られています。
イカを旬の時期に食べよう!
今回はイカの種類ごとの産地や産地ごとの旬に注目してイカについて紹介してきました。イカはたくさんの種類があり、今回紹介した関東圏ではスミイカとも呼ばれているコウイカや漁獲量の多いスルメイカ、お刺身に向いているヤリイカや剣先イカ以外にもさまざまな種類のイカがあります。
新鮮なイカはお刺身でもいただくことができ、それ以外にも炒め物や揚げ物、煮物などどんな調理法でも合う食材です。一番おいしい状態のイカの旬の季節に、さまざまな調理法でイカを美味しくいただいていきましょう。