牡蠣の旬はいつ？美味しく食べられる時期や産地・種類などを紹介！

日本では広島が有名な産地の牡蠣ですが、実は日本で流通している牡蠣は産地だけではなく2種類の牡蠣である「岩牡蠣（いわがき）」と「真牡蠣（まがき）」の2種類が存在します。この記事では牡蠣をより美味しく食べるために知っておきたい牡蠣の種類や産地や、いつごろが美味しく食べる旬の時期なのか、牡蠣の保存の仕方について、また旬の月におすすめな牡蠣を使った絶品簡単レシピも含めて詳しく解説しています。

生牡蠣でも焼き牡蠣でも蒸し牡蠣でも旬の時期の牡蠣は、旨味がぎゅっと凝縮しており美味しい牡蠣ですが、日本で9割以上のシェアを誇る種類の真牡蠣と岩牡蠣ですがともに旬の時期が違います。太平洋側での養殖に適している真牡蠣は旬の時期は冬になります。また世界の海のミニチュア版である日本海側で育つ岩牡蠣は夏が旬の時期とされています。

ウグイスガイ目イタボ牡蠣科に属するニ枚貝の牡蠣である岩牡蠣と真牡蠣は、似たような牡蠣の種類ですが旬の時期が分かれているのは育つ環境ではなく育ち方の差によって旬の時期が分かれています。太平洋側で養殖が盛んな真牡蠣の場合は、旬の時期が寒い季節の11月から4月と言われていますが、これは産卵期にあたる6月から10月の時期にたくさん産卵するためです。

真牡蠣が産卵直後は、栄養価が著しく低下しているため味や旨味も薄くなっています。そのため旬の季節が産卵の月から時間を経過した冬が旬の時期となります。また真牡蠣はほとんどが養殖のため、秋から冬にかけて出荷することができるのも冬の時期に旬として流通される理由となります。岩牡蠣と比較すると小さいですが旨味が強く濃厚なミルキーな味が特徴と言えます。

岩牡蠣は旬の時期は6月から9月となります。おなじく産卵期は6月から10月ですが、少しづつ産卵するため産卵後も品質に差はあまりなく、ゆっくりと育った牡蠣は夏が旬となります。また岩牡蠣は天然物がほとんどで海女さんがもぐって獲るのですが、冬場は海が冷たいためもぐれないので、夏に出回ることが多いのも特徴です。こちらは殻や身が大きく旨味がつまった汁が多いのが魅力的です。

牡蠣の特徴として旬はどこできまるのかというと産卵期が指標になります。なぜなら産卵するために体内に栄養を多く保有させ、産卵の際に体内に保存している栄養素を使い切る性質を持ちます。そのため牡蠣が一番うまいと言われる時期は岩牡蠣、真牡蠣の2種類とも月は違いますが、産卵する直前になります。とりわけ岩牡蠣は身が大きく膨れ上がり海のミルクと呼ばれるのも納得な栄養素を保有します。

牡蠣の旬の中でも11月が美味しい時期というのは非常に有名です。なぜなら上記でも既に記載しましたが産卵に向けて栄養を体内に保有するのですが、夏の月に産卵した場合は栄養を使い切っていますので、冬の時期に向けて栄養を補給するために、食欲旺盛となります。11月が旬の牡蠣は栄養がぎゅっと凝縮していますので、非常に美味しいと言われています。

フランスでは、牡蠣の旬の時期の覚え方の一つとして「牡蠣はRが付く月に食べると非常に美味しい」という言われ方もしています。このRの付く月というのは英語のアルファベットの頭文字から取られており、牡蠣の旬の時期を囲む「September（9月）」から「April（4月）」までの時期のことを指しています。この時期は産卵前で栄養を豊富に保有しているため牡蠣の味も非常に美味しくなります。

また逆にRが付かない月の牡蠣はあまりおいしくないと言われるのは、とりわけ真牡蠣の場合に当てはまり産卵によって栄養を使い切っているため、旬の時期の月の牡蠣に比べると旨味が減っていることから、Rの付く月に食べる牡蠣が美味しいと言われる表現との逆のニュアンスで利用されることが多々あります。
 

もみじ饅頭や厳島神社が有名である広島は、牡蠣の産地として知られています。なぜ広島県は牡蠣の名産地なのかというと、日本で生産されている牡蠣の中でもダントツに出荷量が多く日本一を誇るためです。なんと国内産の牡蠣の中でも6割以上の水揚げ量を誇り、2014年の調査のもでは広島県の牡蠣の水揚げ量は116700トンとなり、2位の宮城県が20900トン、3位の岡山県は16800トンと2位以降を大きく離した量となります。

また広島は牡蠣の水揚げ量も非常に多いのですが、なんと広島での牡蠣の養殖の歴史は今から450年前の室町時代から行われていたようです。広島は日本の中でも地理的に波が静かな広島湾があり、島や岬が多いので牡蠣の養殖に適しているのも理由です。また広島湾には多くの河川水がながれこみ、牡蠣の栄養素のもととなる植物性プランクトンがたくさん流れ込みます。

牡蠣の産地の中でも広島の牡蠣が美味しいと言われる所以には、上質のプランクトンを食べ栄養豊富でぷっくりとした身の牡蠣が育つのも特徴です。広島が日本でも牡蠣の産地として有名なのは、恵まれた地形の広島湾の恩恵とともに古くから広島で栄えた牡蠣の養殖技術のノウハウの蓄積の賜物だとも言えます。広島で養殖されている牡蠣の種類は真牡蠣となります。

他の産地同様に広島県内で牡蠣グルメを楽しむのであれば夏場はさけて、9月から4月の時期がおすすめです。また広島では名物である牡蠣を使った加工品も多く販売されとり、「牡蠣のオイル漬け」「牡蠣めしの素」「牡蠣醬油」「牡蠣の佃煮」「牡蠣カレー」などお土産としても種類も多く人気を集めています。また広島の牡蠣の産地の地域では旬の時期には牡蠣小屋が多く並びますので是非訪問してみてください。

牡蠣の産地として広島県以外にも有名な産地である宮城県は、東北地方でも一番の水揚げ量を誇ります。宮城県の牡蠣の種類は真牡蠣になり生食用に用いられることが多い種類となります。旬の時期の牡蠣は広島県の牡蠣同様にぷりぷりで栄養満点で旨味が強いものになります。とりわけ宮城県の産地のものは三陸の自然の海で育てられているため大粒で大きいものだと拳程度の大きさがあります。

宮城県の牡蠣の旨さの秘密は、環境が整った地形にあります。実は牡蠣の養殖というのは海水と淡水がバランスよく交じり合った環境が作り出すものです。そのため栄養が豊富な淡水を作り出す自然豊かな山々が必要であり、海は広島海同様に波が静かである程度の水深が必要となります。海があればどこでも美味しい牡蠣の養殖ができるという訳ではありません。
 

また宮城県の牡蠣養殖の歴史は、松島湾野々島が始まりで1600年代と言われていますので、日本でも牡蠣の水揚げ量が日本一である広島県同様に、牡蠣の養殖産業はかなり古い歴史を持ちます。当時は養殖技術も進んでおらず1800年代に入ると広島から養殖技術を導入するも定着せずに、す立て棒刺柵という独自の技術が進化し今にいたります。外洋に海が開けている海で育った牡蠣は、濃厚で牡蠣の旨味が強いのが特徴です。

ちなみに宮城県産の牡蠣の種類は真牡蠣となり、旬の時期は梅雨から夏場の時期を除く9月から年を超えて4月となります。宮城県の産地の牡蠣も夏場は産卵の月となり多くの場合は牡蠣が産卵のため栄養を放出してしまい味が著しく落ちてしまいます。牡蠣を食べに宮城県に訪問するのであれば、牡蠣小屋なども多くオープンしており旨味が強い旬の時期が狙い目です。

北海道のカキの産地で有名なのは「北海道サロマ湖」「北海道厚岸」「北海道仙鳳趾」になります。まず北海道サロマ湖とは国内のカキの養殖でも一番北に位置する冷たい海水で育ち豊富なプランクトンが雄大な北海道の大地から注がれオホーツク海水が合わさったサロマ湖で育てられています。サロマ湖とは北海道最大の湖になり、カキの養殖のほかにも絶景の夕日が綺麗に輝く様は雄大で観光名所となっています。

サロマ湖では上質のプランクトンを保有しているためカキの養殖のほかにも、ホタテも養殖しており質が良いホタテと言えばサロマ湖と呼ばれるほどに、非常に有名な産地として知られています。サロマ湖産のカキは、牡蠣の身がこぶりでギュッと旨味が詰まった「一年カキ」と身が大振りで濃厚で食べ応えがある「二年カキ」の2種類になります。サロマ湖のカキの旬の時期は10月から3月となります。

続いて北海道の三大カキ産地の「北海道厚岸」は、カキをはじめウニやホタテ、ホッキ貝などを養殖しており「えもんシリーズ」としてブランド化しています。とくに日本のカキ養殖地でも厚岸の海水温度が低いことから、少しづつ時間をかけて真カキを養殖しているため国内ではここの産地だけが一年中カキを水揚げしています。水滴が下たるようにすこしづつ栄養を取り込んだカキは、身は大きく甘味が強いのが特徴です。
 

一般的にはカキの美味しい旬の時期というと、秋口から冬の月やまたは産卵が始まる前の春先までと言わていますが低温海水で育つ、北海道厚保岸のカキえもんの真カキは地元の方はもとより年中美味しいカキが食べれるということで、多くの方がカキを食べに訪問する観光エリアともなっています。北海道厚岸のカキは一年中が旬の時期となります。

最後の北海道のカキの産地で有名な北海道仙鳳趾。養殖しているのは真カキになります。 厚岸湾の端に位置する仙鳳趾は、カキの産地である厚岸と20キロ程度しか離れていませんが、厚岸産と仙鳳趾産では海水の特徴も大きく異なります。まず仙鳳趾の海は昆布がたくさん生息する入り組んだ作りになっておりプランクトンが豊富で、山々からミネラルを含んだ淡水が流れてくるため栄養満点のカキが育ちます。

また仙鳳趾産地のカキは、大粒で身がプリプリしており食感が良くコクや甘味が強いのが特徴です。カキの殻の比率に対して中身の身の割合がほかの産地のもの比べると非常に大きいのは海の環境が良いことが伺えます。最近は東京や大阪でもカキ専門店であるオイスターバーができていますが、仙鳳趾産のカキの旨さは高い評判となっています。厚岸産同様に海水が低いことから1年中旬であるのも特徴です。
 

伊勢神宮で有名な三重県もカキの産地として有名ですが、世界的なブランド牡蠣である「的矢かき」は生で食べても食あたりしないということで国内外問わず高い注目を集めています。生食で食あたりが怖いカキですが、的矢カキは三重県の志摩市の的矢湾の佐藤養殖場で生産されています。この産地のカキの養殖方法の特徴は海水から食あたりの原因となる雑菌を排除し、出荷前に浸して置くことで安全なカキとして生産されます。
 

一般的に日本で流通しているカキの種類に比べると、的矢カキの細菌数は12分の1程度と言われていますのでいかに安全に食べれるかが伺えます。またカキの養殖のためにハイポという薬品を使う養殖場もありますが、そういった化学物質や薬品も利用していないのでエグミがなく、海の豊富な栄養をとりこんだ自然なカキの味を楽しめるのも特徴と言えるでしょう。

的矢カキというブランドは日本でもダントツのブランド力を持ち、生カキを安全に思い切り楽しみたい方はチェックしてみましょう。カキの種類は真カキとなり旬の時期は11月から5月程度までとなります。また三重県のカキの有名な産地としては三重県浦村産真カキも人気です。浦村湾は地形上太平洋と伊勢湾からの海水に、曽根川と宮川の淡水が絶妙のバランスで交じり合いカキ養殖に適しているエリアです。

湾内にはカキの食糧となる栄養分が豊富なプラクトンと、河から流れる上質なミネラルを保有した淡水が流れているため、甘味や旨味、風味が一粒に凝縮されており成長が早いのも特徴です。旬の時期は一般的な真カキと同様に11月から5月程度となります。三重県浦村産のカキは、三重県の役70％ほどの水揚げ量を誇り、旬の季節には多くのカキ小屋が登場するので観光客でもにぎわいます。

ここまででカキの産地について触れてきましたが、日本で流通しているカキの種類は真カキと岩カキの2種類が大半です。真カキの旬の時期は11月から4月程度まで。岩カキは真カキとは反対に6月から9月までが旬の時期なので、1年を通じてカキの食べ比べを行いたい方は上手に旬の時期がずれているので真カキと岩カキがそれぞれ有名な産地を巡るグルメ旅も良いかもしれません。
 

旬の時期のカキは栄養満点で旨味が強いため寒い時期などにはとりわけ、カキが楽しみという方も多いと思います。しかし自宅でカキを購入して家族で楽しみたい場合に、すぐに食べてしまえばよいですがしばらく冷蔵庫で保存しておく場合には、しっかりとした保存方法を学んでおく必要があります。鮮度や風味を保ちながら上手く保存する方法を「殻付きカキ」「むき身カキ」それぞれについて見ていきましょう。
 

まず殻が付いたカキの保存方法は、その日中に食べるのであれば冷蔵保存、数日時間があくのであれば冷凍保存がおすすめです。冷凍保存は鮮度の劣化を遅らせることはできますが、はやり仕入れて早い段階で食べる方がより美味しく食べることが可能です。まず殻付きのカキの冷蔵保存方法ですが、準備するものが3点あります。水気を切るキッチンペーパー、ラップ、保存容器です。

保存方法としては、殻がついたカキを保存容器にそれぞれ並べます。次に冷蔵庫で保存した場合にカキの水気が飛びすぎないように水で湿らせたキッチンペーパーをカキに乗せます。その上からラップをカキが外と呼吸できるようにかぶせます。そのまま冷蔵庫で保管します。生カキはこの方法で鮮度を保ちながら2日程度は冷蔵保存することが可能です。

次に殻付きのカキの冷凍保存方法です。用意するものはキッチンペーパーにフリーザーパックの2つになります。殻付きの冷凍保存方法は、まずは殻ごと水道水で綺麗に洗い流します。次にカキの殻についた水気を用意したキッチンペーパーで吸い取ります。フリーザーパックに重ならないように並べて冷凍庫に保管となります。生カキの冷凍保存は上記の方法で1か月となります。
 

次にむき身のカキの保存方法になります。殻付きに比べると比較的に保存方法は簡単になります。まず用意するものは生カキが密閉パックしてあるか、されてないかで分けます。密閉パックの場合は塩水と保存用の容器。密閉されていない場合はカキが重ならない程度の広さのお皿になります。密閉パックの保存方法は、まずは塩水と牡蠣を分けて保存容器に塩水と牡蠣をいれて冷蔵庫で保存します。

密閉されていないカキ身はしっかりと水道水でカキを洗った後に、重ならないように皿に並べて濡らしたキッチンペーパーを上からかぶせてラップを軽くかぶせて冷蔵庫で保存します。密閉パックで保存されている生カキは、開封していない場合はそのままパックに記載されている保存期限内に食べることが可能です。密閉されていない場合や密閉パックの残りは上記の方法で2日程度が保存目安です。

また冷蔵保存の場合は、密閉パックで未開封の場合はそのまま冷蔵保存が可能です。密閉されていないカキの身は、一粒づつカキを洗って水道水などで洗いましょう。次にキッチンペーパーで水気を取ったあとに一粒づつラップでくるんだ後に、フリーザーパックに入れて冷凍保存します。この保存方法の場合の保存期間の目安は1か月となります。
 

カキを冷凍保存した場合の解凍方法は、パック保存で未開封の場合はそのまま袋ごと温いお湯につｋて、カキの身がほどよくバラけてきたらザルに移して水道水でしっかりと洗い流しキッチンペーパーで水気をふき取ります。バラのむき身の場合は、一粒づつラップにくるみフリーザーパックに包んでいるので、パックごと冷凍庫から脱して自然解凍した後に水道水で洗い流しましょう。
 

殻付きの生のカキの賞味期限は、水揚げから5日程度が目安となります。冷蔵庫で保存した場合もそれ以上経過したカキは生で食べるよりは加熱した調理方法を選択する方が良いでしょう。加熱した調理方法でもきちんと冷凍保存して水揚げから1週間が目安です。カキの殻を押して殻が閉じるようであればカキが生きていることになるので、一度押してみて鮮度を確認しましょう。保存時間が長いほど鮮度が悪くなります。
 

旬の季節には非常に美味しいカキですが、買い過ぎてしまった場合はカキご飯で食べるものおすすめです。簡単に作れるカキご飯の材料と作り方は以下の通りです。めんつゆを使うことで非常に簡単に作れて美味しいカキご飯はカキが余った時にはおすすめのレシピです。

• 米2合
• カキ お好みで
• 青ネギ お好みで
• 調味料（めんつゆ、水、チューブの生姜適量）

1. 米を通常通りといだあとに、カキを水道水で洗います。青ネギは適量にカットしておきましょう。
2. 小さな鍋にめんつゆ、水、生姜を適量いれてひと煮たちしたら牡蠣を投入して2分ほど軽く火を通します。
3. 加熱が終わったら炊飯ジャーにお米とひと煮立ちさせたカキを入れて通常通り加熱したら完成です。
4. お茶碗に盛り付ける際に青ネギをパラパラと適量盛り付けて出来上がりです。

カキの風味や旨味を楽しめる料理方法になります。冷凍保存したカキなどを使う場合には非常におすすめです。材料と作り方は以下の通りです。

• カキ適量
• 生姜一欠片
• ニンジン、ピーマン、玉ねぎ、しいたけはお好みで
• 調味料（ごま油、豆板醤、片栗粉、砂糖、醤油、オイスターソース、酒、ブラックペッパー、水適宜）

1. まずはカキに片栗粉をまぶしてフライパンで軽く炒めて皿によけておきます。
2. 次に用意した材料を適量にカットした後に、ごま油を引いて炒めます。
3. 最後に砂糖、醤油、オイスターソース、酒、ブラックペッパーの調味料を入れてはじめに炒めたカキを投入してしっかりと味がなじんだら皿に盛り付けて完成となります。

カキの旬の季節や美味しく食べることが出来る時期や産地、種類などについて詳しく解説させて頂きましたが如何だったでしょうか？カキは種類によっては旬の時期が違ったりしますが、産地などによっては1年中養殖しているエリアもあります。またカキが美味しい旬の季節には、是非カキの産地で生カキや焼きカキ、蒸しカキなどを食べ比べしてみてください。