白子の部位は精巣?卵巣は猛毒?下処理方法や食べ方を解説!
白子を知っているという方は多いと思いますが、どの部位か知っていてよく食卓に出るしどんな栄養があるか知っているという方は少ないのではないでしょうか。白子は魚の精巣部位です。ふぐの白子は有名ですが、毒は含まれていないのでしょうか。今回は意外と栄養豊富ながらも低カロリー高タンパク、ぷるんとした食感で濃厚な味が美味しい白子に注目して下処理の仕方やおすすめの食べ方をご紹介します。
目次
白子の部位は魚のどこだか知っている?
スーパーなどでも見かける白子ですが、なんとなく魚の内臓というのは分かるものの、具体的にどの部位なのか知らない方も多いのではないでしょうか?白子は魚のどの部位なのか、どんな魚のものなのでしょうか?
白子とは?どこの部位?
白子とは魚の精巣の部位なのでオス1匹に1つしかない貴重な部位です。特に魚自体が貴重なとらふぐの白子は高級食材として知られています。その他にもタラやサケの白子が美味しく、よく出回っています。
魚類の精巣
出典: https://uoko.net
白子は魚類の精巣という部位を食材として扱う時の呼び名です。オス一匹にひとつで、量も限られていますが、産卵期に入る冬1~3月頃が最も大きく、価格があがりますがとても美味しい旬の時期です。
人気な白子がとれる魚
高級料理としてふぐの白子はよく聞いたことがあるかと思いますが、そのほかにもタラやサケ、アンコウの白子も絶品です。更に一般にはあまり出回らないイカの白子もあります。ふぐ以上に数が少なく貴重なので、よく高級料亭などで食されています。スーパーなどで気軽に買えるのはタラや鮭の白子です。
味
味はクリーミーでとろっとしてとても濃厚なホワイトソースのようです。濃厚ですが味自体はタンパクであっさりとしています。
水洗いするなどの下処理をしっかりとした後、そのものの味を楽しめる食べ方の焼き白子や、ポン酢に付けたり天ぷらにしたり、鍋に入れたり食べ方は様々です。とろけるように濃厚でタンパクな味はお酒にもごはんにもよく合います。
食感
食感はとろっとしていてクリーミーです。タンパクながらもねっとりと濃厚な味が口の中で広がります。下処理の仕方や食べ方によっても食感が変わってきますが、ぷちっと周りの膜が破けて中からとろっとした他にない独特な食感と味が魅力的な食材です。
色々な呼び名
一般的にスケソウダラの白子を助子(スケコ)マダラの白子を(マコ)と呼びます。北海道ではタチ、青森県ではタヅ、岩手県ではキク、京都では雲子(クモコ)と呼ばれるなど、地方によって呼び方が違ったりもします。
白子の下処理方法
白子は内臓の部位なので新鮮な魚でないと生臭く美味しく食べられません。いろいろな食べ方がありますがどの料理でもしっかりと下処理が肝心なので手を抜かず基本をしっかり知っておきましょう。
水洗い・筋の処理
まずは水で丁寧に洗います。膜が破れないように優しく、しっかりとぬめりや血を落としていきます。洗うのは臭みを無くす重要な下処理なので丁寧に行いましょう。
水で綺麗に洗ったら水を切って、白子同士をつないでいる筋を切ります。この下処理で白子の食感が変わってくるのでなるべく丁寧に慎重に行ってください。
切る
次に食べやすい大きさに切っていきます。だいたい食べやすい一口大に切るといいでしょう。包丁やキッチンバサミを使ってもいいです。
湯煎
70~80℃のお湯で、白子1個につき30~40秒湯せんします。沸騰させすぎると食感が損なわれてしまいます。逆に温度が低すぎると細菌が増殖してしまうので、この細菌が死滅する温度である70~80℃の温度を守るようにしてください。
酒を入れた氷水で冷ます
湯せんにかけた白子を氷水に入れて冷まします。この氷水に酒を入れるのがポイントです。これをすることで臭みや洗ったときの水っぽさが無くなります。
水分をふき取る
最後にキッチンペーパーでしっかりと水分をふき取ります。最後の下処理なので一番味に影響します。ここで手を抜くと水っぽい仕上がりになってしまうのでしっかりと水分をとりましょう。
白子の栄養と効果
濃厚でカロリーが高そうな白子ですが、実際はどのような栄養素が含まれているのでしょうか。意外に白子にはビタミンなどの栄養も豊富で美肌にもよい食材です。どれくらいのカロリーでどんなビタミンが含まれているのか具体的に見てみましょう。
カロリー
タラの白子のカロリーは100g62kcalと意外と低カロリーです。しかも脂質もほとんどないので意外にヘルシーな食材です。
しかしコレステロールやプリン体を多く含んでいるので痛風の方にはおすすめできません。血中コレステロールの上昇によって動脈硬化を招いたりもするので摂りすぎはよくありません。
ビタミン類
内臓の部位である白子にビタミンが含まれているなんて思われないかもしれませんが、白子にはビタミンD、ビタミンE、ビタミンB1、ビタミンB2などのビタミンが豊富に含まれています。
ビタミンEはアーモンドに豊富に含まれています。強い抗酸化作用がありアンチエイジング効果が期待され若返りのビタミンともいわれています。ビタミンB群は美肌に良いとされています。白子を食べれば美肌効果が期待できます。
ナイアシン
ナイアシンはビタミンB群の仲間で、水溶性ビタミンです。糖質、脂質、たんぱく質からエネルギーを作り出す酵素を補助する働きをします。循環や消化の促進するので、血行をよくしたり皮膚の健康維持に大切な栄養です。
カリウム
新しい皮膚を作るのに使われるカリウムを含んでいるので、ビタミンに続き美肌を作る栄養があります。また、余分な塩分を体外に出す働きもあるので高血圧の予防になります。内臓の部位なのに高血圧予防になるとは驚きの成分です。
タンパク質
白子は低カロリーで高タンパクの食材です。皆さんが知っている三大栄養素であるタンパク質が豊富に含まれています。
ふぐの白子を食べる時は卵巣に注意?
ふぐには毒があるというのは誰しもが知っている知識だと思います。ふぐが持つ毒は「テトロドトキシン」といって肝臓、卵巣、皮に特に含まれています。
精巣である白子には毒は含まれていませんが、種類によっては毒があるものもあるので注意が必要です。
雌の卵巣は猛毒
ふぐがもつ「テトロドトキシン」という毒は卵巣に含まれています。この毒にかかると全身にしびれや麻痺が起こり、重症の場合は呼吸困難になって死亡するほどの猛毒です。
しかし、石川県白山市の美川地域、金沢市の金石、大野地区ではこの卵巣を2年以上糠漬けにして毒を無くして食用としています。注意が必要ですが、きちんと検査を受けて調理されたものは食べられる場合もあります。
また、ヒガンフグ、クサフグ、コモンフグ、サンサイフグは精巣にも毒が含まれているので食べられません。
ふぐは誰でも捌けない
ふぐには猛毒があるので一般の人はさばくことができません。ふぐ調理師免許という特別な資格を持っている人だけが調理することができます。国家資格ではなく各都道府県の定めた内容の試験を受けることで取得することができます。
白子の美味しい食べ方
白子はそのものがとても濃厚で美味しいので、そのものの味を活かせる食べ方がおすすめです。中でもよく食べられているレシピを紹介します。
白子ポン酢
- 白子
- ぽん酢
- ネギなどお好みの薬味
- 日本酒
- 塩
- 白子を食べやすい大きさに切る
- 塩でぬめりをとる
- 鍋に水を入れて日本酒、塩を入れてそのまま白子を入れる
- 優しく混ぜながら中火にかける
- 白子が膨れたら氷水にあげる
- ぽん酢とお好みのねぎなどの薬味を乗せる
白子天ぷら
- 白子
- てんぷら粉
- 水
- 油
- 白子に天ぷら粉をつける。
- ボウルに水をいれて、天ぷら粉を入れる
- 天ぷら粉を沈めるように優しく混ぜる。混ぜすぎるとサクッとした食感がでなくなるので混ぜすぎないようにする。
- 白子に衣をつける。
- 180℃の油で揚げる。なるべく温度を下げないようにするため、少量づつ揚げていく。
- 新鮮な白子は衣が揚がれば完成。
白子の保存方法
一度に食べきれなかった白子を保存したい場合どのようにしたらいいのでしょうか。特にとらふぐの白子を入手した場合は美味しく保存したいものです。美味しい白子をなるべく味が落ちないように保存できる方法も知っておきましましょう。
冷蔵保存
海水と同じくらいの濃度3%くらいの塩水に浸けて冷蔵保存するのが一番おすすめの保存方法です。かといって鮮度が命の食材なので2,3日を目安に消費してください。なるべく低温のチルドルームに入れてください。
冷凍保存
せっかくの食感が損なわれてしまうのであまりおススメはできませんが、長期保存したい場合は冷凍保存してください。水気をよくふき取ってひとつづつラップなどでしっかり密閉して冷凍庫に入れて保存します。
冷凍白子の解凍方法
冷凍した白子は冷蔵庫で自然解凍します。電子レンジなどでの解凍すると食感が損なわれてしまうので禁物です。
保存期限
冷凍しても劣化は進んでしまうのでなるべく早く消費しましょう。1ヵ月以内には食べきりたいです。
白子の部位を知って高級素材を美味しく食べよう!
白子は魚の精巣という部位だということがお分かりいただけたと思います。とらふぐの白子は高級食材でなかなか手が出ないかもしれませんが一度は食べたい味です。
タラやサケなどお手頃価格の白子も十分美味しいので、低カロリーでいて美肌にも効果がある白子をぜひ食べてみてください。