チヌを使った料理のおすすめは?臭みの取り方や白子料理も紹介!

釣り人に人気のチヌですが、チヌっていったいどんな魚なの?食べられるの?と釣り人からしたらびっくりする質問が飛び出してきそうですが、チヌはクロダイの別の呼び名なのです。何故チヌという名前がついたのか?実は大阪とゆかりがあったチヌの話や、チヌが臭い理由など、臭みを取リ除く料理の仕方や、チヌのおすすめの料理方法、チヌの白子の料理方法などチヌを余すところなく食べられるよう様々なチヌの料理を紹介します。

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目次

  1. 1チヌってどんな魚?
  2. 2チヌの下処理と臭みの取り方
  3. 3チヌの白子の料理方法
  4. 4チヌのおすすめ料理方法
  5. 5チヌ料理を美味しく食べよう!

チヌってどんな魚?

チヌとはクロダイのこと

チヌとはクロダイのことで、出世魚です。地方によって様々な呼び名があります。関東では生まれた年の10センチ前後のチヌのことをチン、翌年の20センチ前後のチヌをチンチン、25~30センチ前後のチヌをケイズと呼びます。そして、30センチ以上に成長したものをクロダイと呼んでいるようです。

地方での呼び名の一例として、石川県の一部では、川にも上るためにカワダイと呼ばれていたり、山形県ではクロデ、千葉県ではクロデー、愛知県ではチンタ、島根県ではケンダイやチンダイ、その他にはイツツ、オオスケ、キシ、クロジヌ、チンチンカイズ、ヒダイ、マナジなど本当に多くの呼び名があります。

チヌと大阪の関係

関西から西の地域でチヌと呼ばれる由来は、大阪湾が茅渟の海(ちぬのうみ)と呼ばれていたそうで、神武天皇の皇兄、彦五瀬命(ひこいつせのみこと)が戦争で傷を負い、血が大阪湾に流れたことが由来という説があります。この茅渟の海で沢山獲れる魚がクロダイだったからチヌと呼ばれるようになったようです。
 

チヌの特徴は、胸びれが大きく口が突き出ています。雑食性で貪欲に食べる魚で、食用としての流通よりも釣り人の間で人気の高い魚です。冬以外は、比較的浅い水深1メートルあたりに大型のチヌがいることもあります。チヌの特徴で最も興味深いのが、2歳までは全てオスで3歳になると半数がメスに性転換します。

チヌの性転換の詳細は、9センチくらいの幼魚は性的にどちらとも言えない状態の未分化で、10~25センチくらいに成長したころに雄雌同体となります。その後、オスに性転換するチヌが多く現れますが、次の年になると多くがメスへと戻る性転換が行われるようです。

またお正月の睨み鯛に一般的には真鯛を使うところを、大阪では赤地(字)の真鯛でなく、黒字を願いチヌ(クロダイ)が使われていたそうです。チヌは大阪にとって馴染み深い魚のようです。しかし、現在の漁獲量は上位から、広島県、愛媛県、愛知県の順になっています。旬は春~秋で、春~夏は産卵期のために味が落ちるようです。

郷土料理にもよく使われるチヌ

千葉県ではチヌを雑煮の出汁に使い、愛媛県では、母乳がよく出る料理であるということで、チヌを産後に食べるそうです。また西讃地方の郷土料理で讃岐さつまにはチヌを焼きほぐし、ゴマ味噌であえてから、冷ました魚のだし汁でのばしたものが、各家庭で受け継がれているそうです。

また熊本県の郷土料理である、ぶえん寿司にもチヌが使われています。ぶえん寿司とは、新鮮な魚を塩を使わず酢でしめてご飯をまぜた、ほんのりとした甘みのある寿司で、天草や松島町などで祭りや結婚式などの祝いの席で出される料理だそうです。

チヌの下処理と臭みの取り方

刺身で食べる場合のチヌの臭みの取り方

チヌは釣り人に人気でよく釣れる魚ですが、釣りたてのチヌは新鮮なので、やはり刺身で食べたいものです。しかし、気になるのがチヌの臭いです。チヌの個体差にもよりますが、かなり臭いのきついチヌもいます。チヌが臭い理由として考えられるのが、雑食性であることです。人間と同じで食べ物によって体臭が違うのと同じなのです。

チヌはエビやカニ、カラス貝などを餌としますが、雑食性なので人が捨てたもの何でも食べるそうです。産卵期は特に浅い湾内で捕食しているので、潮の流れが悪い湾内の磯臭さがチヌの皮膚にしみつきまます。また生きているチヌは免疫が働いているので、臭いが発生しませんが、釣られて死ぬと免疫機能が働かなくなるので、細菌の増殖により悪臭が発生するようです。

さて、本題のチヌの臭みに対する対策です。チヌの臭みの場所は皮目ですので、鱗を落とす時は流水をかけながら行いましょう。それから、たっぷり目の塩を手に取り、チヌ全体のぬめりを取るように揉んでいきます。このヌメリが臭みの元ですので、しっかりと塩で揉んで取り除きましょう。そして流水で塩とヌメリを洗い流しましょう。

刺身でチヌを食べるには、三枚おろしにしますが、チヌの鱗と頭を取った後に内蔵を取る時が要注意なのです。臭みの元である内蔵を傷つけないようにしてください。お腹を切り開くときは慎重に内蔵を傷つけないようにします。そして流水で洗いながら、内蔵を取り出すことをおすすめします。

更に、三枚におろした後に皮にも付いている臭いを取るために、さっと熱湯をかけます。熱湯をかけてもまだ臭いが気になるようなら、皮をひいた後に湯引きをしてください。鍋で沸かしたお湯にさっとくぐらせるだけです。食べるときはポン酢ともみじおろしが臭いを和らげてくれるので、おすすめです。

また、釣りでチヌを手に入れた場合は、すぐに血抜きをしておくと臭みを消すのに効果的ですからおすすめします。血抜きの仕方は、エラの裏側に包丁を入れて海水の中で強めに揺することで出来ます。包丁の代わりにハサミでエラを切り取ってから、血抜きをするやり方でもかまいません。可能であれば、釣ってすぐに内蔵とエラを取っておきましょう。

煮付けで食べる場合のチヌの臭みの取り方

チヌの煮つけ料理で臭みを取る方法は、他の料理と同じくしっかり皮のぬめりを塩で洗い流し、内蔵をつぶさないように取り出し、熱湯をかけてから煮つけにします。大きめのフライパンを使えば尾頭付きの一匹丸々煮つけることもできますので、食卓が豪華になりおすすめです。

フライパンに酒、みりん、醤油、生姜1カケを入れて煮立ててから、臭み取りの処理をしたチヌを入れていっきに沸騰させます。沸騰したら中火にして更に味を浸み込ませます。時々煮汁をチヌにかけながら煮ることで、上側の身にも味が付けられます。煮汁に少しトロミが出てきたら火を止めて完成です。

味噌汁やお吸い物で食べる場合の臭みの取り方

チヌのアラを使って、味噌汁やお吸い物を作ると美味しい出汁が出てたまらなく美味しいので、おすすめします。しかし、きちんと臭み対策をしましょう。適当にぶつ切りしたチヌのアラを、重ならないようにして並べ、塩をふります。10分ほど置くと、余分な水分とともにチヌの臭みが出ます。あとはお酒で洗うと臭み対策は万全です。

更に、熱湯をかけて丁寧に洗い流せば磯臭さは無くなるでしょう。臭み抜きをしたチヌのアラを鍋で沸かしますが昆布を一緒に水から入れます。必ず水から沸かしましょう。これは、アラの骨の部分から旨味を引き出すためです。沸騰直前に昆布は取り出しましょう。

鍋の水が沸騰したらアクが出てきますので弱火にして、アクを丁寧に取り除きましょう。少しアクが残るくらいで丁度いい出汁になります。充分出汁が出たら一旦火を止めて、味噌をときましょう。火をかけたまま味噌を入れると、味噌の風味が飛んでしまいます。

どうしても臭いチヌはソボロにしよう

前述したようにチヌの臭みの強さは個体差があり、どうしても臭みの強烈なチヌの場合、とりあえず臭み抜きの処理をしてから、チヌのソボロにしましょう。チヌの水分を飛ばしてしまうソボロの料理はそれだけでも臭みが消えますし、味付けも香りを付けて臭みを消すようにします。

チヌの臭み取りの工程が終わったら皮を引きます。骨のある部分を切り取って、刺身くらいの切り身にします。電子レンジで2分くらい加熱して、火が通ったら小さく刻みます。皮もみじん切りにしておきます。フライパンでみじん切りにしたチヌの身と皮を乾煎りして水分を飛ばしてから皿に入れておきます。今回は中華の調味料を使って味付けをします。

油を少々敷いたフライパンでみじん切りのニンニク1カケを弱火で炒め香りを油に移します。そして、豆板醤小さじ1と紹興酒大さじ2、オイスターソース大さじ1、醤油小さじ1、砂糖小さじ1、いりごま大さじ1を入れてよく混ぜます。完全に水分を飛ばしたら完成です。熱々の白ご飯にのせて、卵の黄身やネギを散らして食べるのがおすすめです。

このチヌのソボロは、カレー粉で味付けしてお弁当に使えば、熱い夏でも食欲をそそるお弁当が簡単に出来て便利です。水分を飛ばしているので冷蔵庫で日持ちもするので、チヌのソボロを使って三色丼なども簡単でおすすめです。

チヌの白子の料理方法

チヌの白子の料理方法の説明をします。白子の料理で大事なことは、白子を包丁で傷つけないことです。チヌの腹を切るときに皮だけを切るように気を付けて裂いていきましょう。深く切らないことが重要です。それから白子を取り出す時のもう一つの注意点ですが、チヌの胆嚢を潰さないことです。これを潰すと白子に苦みが移ってしまうので気を付けましょう。

チヌの白子の料理は沢山ありますが、鮮度が良ければシンプルに白子ポン酢で頂くのがおすすめです。チヌの腹から取り出した白子を水に30分漬けて置きます。これで血抜きができます。それから、白子を熱湯にくぐらせて氷水に入れて冷やします。氷水から白子を取り出し水分を拭きとります。ポン酢にもみじおろしや薬味ネギを入れて食べましょう。

白子は天ぷらにして、出汁の効いた薄口の天つゆにたっぷりと浸して食べても大変美味しいですし、焼き白子にしても美味しいです。白子の特徴は何んといってもクリーミーな食感でしょう。舌にまとわりつく濃厚でクリーミーな白子を堪能しましょう。

チヌのおすすめ料理方法

しっかり歯ごたえがあるチヌの刺身

チヌの身は大変筋肉質です。普通の刺身の切り方をすると、少し噛み切りにくいようです。おすすめの切り方は、筋繊維に逆らって削ぎ切りにしましょう。少し薄めに切っても歯ごたえがあるので、丁度よくなります。

鯛など白身の魚は焼霜や、湯霜と言って皮を付けた刺身をよく食べますが、チヌの皮は臭みがあるので、刺身に関してはおすすめできません。皮を引いて薄めの削ぎ切りの刺身で食べるのがおすすめです。

おつまみにも最高のチヌの唐揚げ

チヌの臭み取りの処理をすることも大切ですが、油で揚げる料理もまた魚の臭みを消してくれる料理の方法ですので、おすすめの料理方です。今回は魚の揚げ料理の中でも唐揚げを紹介します。三枚おろしにしたチヌを食べやすい大きさに切ります。キッチンペーパーで水気をふき取り、片栗粉をまぶして油で揚げます。揚げたてのうちに塩をふったら出来上がりです。

チヌの唐揚げに塩を振らずに、南蛮漬けにしたり、甘酢あんかけにしたりと色々とアレンジができます。また、竜田揚げにしてもおつまみにぴったりです。

シンプルで美味しいチヌの塩焼き

臭み取りの処理をしたチヌに塩をします。シンプルな塩焼きですので、臭み取りの処理は丁寧に行いましょう。血合いを取るときに歯ブラシを使うのもおすすめです。塩焼き用の塩の仕方は、たて塩つけと言いチヌの身全体に金串などを刺して穴を開けます。頭の上やカマのあたりも忘れないように刺しましょう。その後お酒で軽く洗ってから、塩水に2時間漬けておきます。

塩水の濃度は1リットルの水に10gの塩が目安です。塩水に漬けることでチヌ全体に塩分がまんべんなくつきますし、残っている臭みも抜けます。2時間が経過したら、チヌの水分をしっかりふき取ります。そしてチヌの身の厚い箇所に切れ目をいれます。こうすることで、焼く時間を短縮できるのと、身の薄い部分を焼き過ぎずパサパサにならないように出来ます。

あと、ヒレの部分が焦げてしまって見栄えが悪くなるのを防ぐ為に、化粧塩をします。背ビレと腹びれにたっぷりと指で塩をすり込みます。切り込みを入れた部分にも軽く塩を振ったら焼きます。切り身ならば家庭用のグリルに入りますが、姿焼きの場合はオーブンを180度くらいに設定して焼きましょう。

火が通っているかどうかの確認は、身の厚い場所に金串を刺して少し置きます。引き抜いた金串を唇に当ててみて、暖かければ火が通った証拠です。金串が冷たいようなら、もう少し焼きましょう。

グリルで焼くことによって臭みの成分を気化させて消せますが、フライパンに少量の油を敷いて焼く料理方も皮目をカリっとさせることが出来るので、更に臭い成分が消えやすいでしょう。また、フライパン調理の利点は、ニンニクやスパイスなどの臭い消しとなるものと一緒に焼くことが出来るので大変おすすめです。

チヌの炊き込みご飯

炊き込みご飯は、材料と調味料を入れて炊飯器のスイッチを押すだけの簡単で美味しい料理です。ます、お米2合は研いで水につけておきます。次に三枚おろしにしたチヌの腹ぼねと中骨を取り除きます。チヌの皮をバーナーで炙ります。バーナーが無い場合は、串で刺してコンロの火で炙ります。生姜を千切りにしておきます。

充分に水を含んだ米を釜に入れて醤油を大さじ2くらいと水で、炊飯器の2合の目盛りになるようにします。千切りの生姜を入れて蓋をし、スイッチを押すだけです。炊き上がったらチヌの身をほぐすように底から混ぜます。

チヌ料理を美味しく食べよう!

チヌの料理や臭みの取り方や、チヌの臭みの原因も説明してきました。臭みの原因を知れば、対処をすることで、気持ちの悪い魚じゃないことを理解してもらえたのではないでしょうか?鯛にも負けないほど美味しいチヌは、臭みの対策さえきちんとしていればとても価値のある魚です。

余ったチヌは、ソボロで活用すればヘルシーなお弁当になりオフィスでも注目されそうです。臭み抜きの処理をしたチヌの身は、カットして冷凍保存しておけば急なお客様のおもてなし料理にも活用できそうです。どんな料理にも使える白身のチヌを、アクアパッツァやオーブン焼きなど、自分流のレシピでも楽しんで作ってみてください。

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