2018年09月14日公開
2024年08月03日更新
エコジョーズのメリット・デメリットは?エコキュートと比較してみた
エコジョーズというガス式給湯器の名前を聞いたことはありますか?同じような名前で「エコキュート」という給湯器もありますが、両方とも水からお湯を沸かす、という目的は同じものの、その仕組みも、サイズも、費用も異なります。この記事では給湯器そのもの概要を比較するだけではなく、購入時の補助金や維持費も詳しく説明していきます。エコジョーズとエコキュートの特徴を比較し、デメリットも把握した上で、どちらが自分の生活スタイルに合っているか選んでみてください。
エコジョーズについて詳しく知りたい!
これから冬に向けて寒くなる季節が始まると、家計の負担になってくるのが光熱費です。今話題の「エコジョーズ」はガス代が安くなる、と人気がある一方で、他のメリットがどのくらいあるのか、エコジョーズ導入によるデメリットはないのか気になります。また、特に同じく給湯器である「エコキュート」とは何が違うのでしょうか?仕組みや発生する費用を比較しながらエコジョーズについて理解を深めましょう。
エコジョーズとは?エコキュートと比較!
高効率ガスふろ給湯器エコジョーズとは?
エコジョーズは一般的に「高効率ガスふろ給湯器」「省エネ型高効率ガスふろ給湯器」または「潜熱回収型給湯器」と呼ばる給湯器の総称です。これまでの一般的なガス式給湯器では使われずに無駄になっていた、燃焼ガスの熱を再利用して効率的にお湯を沸かすことができ、さまざまなメーカがエコジョーズ製品を販売しています。
従来型のガス式給湯器と比較すると、ガスを有効活用できる分、年間のガス使用量が約12-13%削減でき、ガス会社によっては、エコジョーズ専用の割引プランもあります。初期費用や本体価格が従来型の給湯器よりも高いといわれていますが、お湯の使用量や家族の生活スタイルによっては、長期的に見ると環境にもお財布にもやさしい給湯器なのです。
電気給湯器エコキュートとは?違いを解説
「エコキュート」は、「電気給湯器」、「CO2ヒートポンプ給湯器」などと呼ばれる給湯器の種類です。エコジョーズが都度ガスを使ってお湯を沸かすのに対し、エコキュートは大気中の熱と電気のエネルギーでお湯を沸かし、一旦タンクに貯めて使う仕組みです。自然界の熱を併用することで、電気の使用「量」を抑え、且つ電気代の下がる深夜に電気を使うことから電気使用「料」も抑えることができます。
エコジョーズの仕組みを解説
エコジョーズがお湯を温める仕組みを説明します。お湯が必要になると、エコジョーズはガスによって1500℃の熱で一次熱交換器を加熱します。このとき発生する排熱ガスが二次熱交換器を温めるエネルギーとなります。冷たい水はまず初めに二次熱交換器で温められ、その後さらに温度の高い一次熱交換機で温められて、お風呂やキッチン等に送られます。
エコジョーズは地域によっては補助金も!
環境エネルギーを節約するために、県や市町村ではエコジョーズなどの高効率電化製品の導入に対して補助金を出している場合があります。例えば北海道小樽市では、家のリフォームの際、エコジョーズを設置すると費用の十分の一、上限30万円までが支給されます。(但し、前年の所得制限等、細かい条件があります。)全国的にみると北海道や東北地方、関東、甲信越等の東日本側で補助金制度がより充実しているようです。
エコジョースのメリットは?
コンパクトで場所を取らない!
エコジョーズはサイズが小さく、敷地に余裕のない家庭やアパート、マンションに設置が可能です。エコジョーズの大きさは約50x25x75cmとコンパクトでベランダの壁に備え付けられ、屋根の下にもすっぽりと収まるコンパクトサイズです。本体の色も壁紙に合わせ選べ、配管カバーでパイプも目立たなくすることができます。
一方エコキュートは約63x80x220cmの貯湯タンクと80x30x64cmのヒートポンプユニットから成り、畳一枚分のスペースが必要になります。ヒートポンプとは、エコキュートの特徴である、大気中の熱を使って水を温める機器です。庭や十分な敷地がある家でないと設置は難しいでしょう。貯湯タンクの高さは大人の身長を超えるので、人によっては外からの見た目も気になるかもしれません。
熱効率がよく環境にやさしい!
エコジョーズは水を二つの熱交換器で効率的に温めるるため、ガスの無駄使いが少なくて済みます。水を温めた後にエコジョーズから廃棄される燃焼ガスは、温度が50℃から80℃まで下がっており、熱効率は95%といわれています。一方、従来の給湯器は一つだけの熱交換器でお湯を温めるため、ガスも多く必要です。お湯を沸かした後に残っている熱交換器の熱は使われずに無駄になり、熱効率は80%です。
お湯切れの心配がなく、そのまま飲める!
エコジョーズは水道水を都度ガスで温めるため、使っている途中でお湯がなくなってしまう、ということがありません。20号以上であれば、台所とお風呂で同時に温水を使っても大丈夫です。エコキュートのお湯はタンクにたまったお湯のため、衛生上、飲料用として直接使うことができません。しかしエコジョーズは水道水を温めながら使うため、そのまま飲むことができます。料理中、すぐに水道からお湯を使えるのは便利ですね。
床暖房を導入したい人におすすめ!
ガス温水式床暖房と組み合わせると、高効率で水を温められるエコジョーズの効果がさらに期待できます。電気式の床暖房よりも、エコジョーズの加熱力はパワフルなため、立ち上がりも早く、寒い外から帰ってきた日などすぐに部屋が暖かくなります。電気式は立ち上がりまで時間がかかり、部屋が暖かくなるまでまちきれずに、エアコンや石油ストーブ等を使ってしまい、結果として光熱費がかさむ可能性が出てきてしまいます。
また、床全体を温水が巡るのでむらなく温めることができます。電気式の床暖房ではタイプによって電熱線が通っていないところや、器具の接続部分などが温まりにくい場合があります。ガス温水式床暖房では一定の温度以上は上がらないようになっているため、電気式床暖房で注意しなければならない低温やけどの心配もありません。常に40℃程度のぽかぽかで適度な温度が維持されます。
専用プランでガス代がお得になる!
東京ガスや大阪ガスではエコジョーズの導入により、ガス代が3%から4%割引される専用プランがあります。使用料にもよりますが、大手ガス会社では一般的な家庭で平均約1万円から1万2千円の節約になる試算をしています。季節によってはエコジョーズとガス温水式床暖房のプランを組み合わせてさらに割引率を6%までアップしているガス会社もあります。初期費用を含めても長期的な目で見ればガス代を節約できる可能性があります。
エコジョースのデメリットは?
初期費用がかかる
導入に費用が掛かるのがエコジョーズのデメリットの一つです。例えば屋外設置タイプ、24号フルオートタイプの本体販売価格は16万から20万円が相場です。同じ用量、機能で従来型の給湯器は10万円前後です。24号とは1分間に24リットルの水を25℃上昇させる機能、という意味で、目安としては家の中の2,3か所で同時にお湯をたっぷり使うことができるため、3-4人家族に適しています。
フルオートとは設定温度に設定水位まで自動でお湯を張り、保温ができるオート機能に、自動足し湯機能が付いたものです。工事費用の平均約5万円を足すと、初期費用として21万円-25万円発生します。エコジョーズ特有のドレン排水の設備工事も、住居環境によっては特別な工事が必要になり、費用がさらにプラスされるので、設置の際は業者さんにきちんと見積もりをしてもらうのがいいでしょう。
給湯器の一般的な使用期限は10年と言われています。初期費用が高い分、あまりお湯を使わない世帯では、月々のガス代と合わせてトータルで見たときに金銭的メリットが低いかもしれません。お湯をたくさん使う家、大人数の家族や床暖房を使う世帯は、ガス代の年間コストメリットが大きい分、デメリットが解消しやすいといえるでしょう。
隣接するアルミサッシに注意!
限られたスペースに置けるのが強みのエコジョーズですが、アルミサッシが隣り合っている場合は設置を考え直す必要があります。従来型の給湯器と比較するとエコジョーズは大量の湯気が出るのが特徴です。この湯気の酸性成分により、アルミサッシやフェンスに湯気が当たって腐食させてしまうことがあります。特にお隣の家との間のわずかな隙間にエコジョーズ設置を考える場合は、注意したほうがよいでしょう。
エコジョーズは特徴を抑えて賢く使う!
エコジョーズの特徴をエコキュートと比較しながら紹介しました。省エネ、ガス代削減等のメリットがある一方、高い本体価格による初期投資が気になる人もいるでしょう。トータルコストのデメリットと利便性を比較し、利便性をとってエコジョーズを使うという選択肢もあるかもしれません。今のガスや電気の使用量や内容、今後の家族構成等をよく比較して自分の家にベストなプランやタイプを選ぶことをおすすめします。