2018年08月17日公開
2024年07月28日更新
床暖房で電気式とガス式との違いは?メリット・デメリットを比較!
床暖房があると足元がとてもポカポカして暖かく、一度使い始めるともう床暖房なしではいられなくなってしまうほど便利で優秀な私たちの身近な家電製品の1つです。そんな床暖房には電気式のものとガス式のものがあるのは知っていましたか?もちろん、電気式・ガス式とも床が暖まることには変わりありませんが、それぞれに違ったメリット・デメリットがあります。なので今回は電気式とガス式、それぞれのメリット・デメリットを比較して紹介していきます。その特徴からご家庭に合った床暖房はどっちなのかをぜひ判断してみてください!
目次
床暖房で電気式とガス式の違いを知ってる?
寒い時期になってくると、様々な種類の暖房器具がでてきます。中でも床暖房は部屋全体を高率的に暖めるのに優れている暖房器具だといえます。そんな床暖房には大きく分けると電気式とガス式の2種類あるということを知っていましたか?さらに言えば電気式の中でも電熱線を使用するものや電気シートを使用するなど細かい種類に分かれているのです。
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種類が分かれている床暖房ですが、全体の特徴として足元からじんわりと暖まることができ、風がないため空気や肌の乾燥の心配がなく、ほこりが舞ってしまうなんて心配もありません。また、ストーブなどと違って出し入れの手間がなく、火傷やコードに引っかかってしまうこともないので小さな子供やお年寄りがいるご家庭でも安心して使うことができます。
ですが、部屋が暖まるまでに少し時間がかかってしまうのも忘れてはいけないところです。また、床暖房を取り入れるには初期費用が掛かってしまい、設置工事も必要となってしまいます。ですが電気式やガス式など様々な種類のある床暖房は物によって初期費用が安いものや部屋が暖まるスピードが速いものもあるのです!
今回はそんな床暖房の電気式とガス式の違いからそれぞれのメリット・デメリットを比較し、紹介していきます。これから床暖房を設置しようか悩んでいる方はそれぞれのご家庭のニーズに合った床暖房を見つけてみてください!また、今まで床暖房に興味がなかった方にも興味を持ってもらえれば光栄です。
床暖房で電気式とガス式の違いを解説!
床暖房の設置は主に新築の際にするのが一般的となっています。ですが、最近では床暖房の快適さや便利さからリフォームで後から設置する方も増えてきているそうなのです!いざ床暖房を設置しようとしたときに床暖房の種類が一つではなかったことに気づく方も多いのではないでしょうか?
床暖房には電気式床暖房とガス式床暖房があり、その中でも複数種類が分かれているので思ったよりも複雑なのです。ですがそれぞれの違いを見てみると割と大きく差があるのでそれぞれの家庭のニーズに合ったものが見つけやすいと思います。まずは始めに電気式床暖房とガス式床暖房、それぞれの特徴を見ていきましょう。
電気式床暖房の種類について
電気式床暖房の種類は4つ、電気シートや電熱線などを使用するものがあります。まず1つ目が「蓄熱式床暖房」という電気シートタイプのものです。蓄熱式床暖房は主に電気代の安くなる深夜電力を利用して電気を貯め、日中は蓄熱した熱を放熱するというものです。なので、電気料金が高い昼間には電力を使用しないため割安で一日中快適に過ごせるというメリットがあります。
2つ目は「PTCヒーター式床暖房」というこれも電気シートタイプのものです。これは床面の温度が一部だけ上がったら、その部分だけ発熱を抑えることができ無駄な電力を使用しないというものです。例えば、一部だけ日当たりがいいとその部分は発熱を抑えることが可能になり、無駄なく床を均一に温めることができます。
3つ目は「電熱線ヒーター式床暖房」というものです。これは床下に電熱線のヒーターを内蔵し、床全体を暖める従来から使用されている一番イメージがしやすいものです。比較的施行が簡単で、安心性も高く、スポット暖房のように設定すれば暖めたい部分だけ暖めることができるメリットがあります。
最後の4つ目は「ヒートポンプ式温水床暖房」というものです。これは名前の通り床下にパイプを設置し、温水を巡らせて部屋を暖める床暖房になります。これから紹介するガス式の床暖房も温水式なのですが、ヒートポンプ式温水床暖房は空気の熱を使用して水を暖めるため、電気代を抑えることができるメリットがあります。
ガス式床暖房の特徴は?
ガス式とは「温水式ガス床暖房」というものです。これはガス給湯器でお湯を沸かし、床下に設置されたパイプにその温水を巡らせて部屋を暖めるというものです。そのため先ほど紹介したヒートポンプ式温水床暖房と比較すると水が暖まるスピードが速いのが特徴です。いつでもすぐに足元からじんわり陽だまりのような温かさが感じられます。
部屋の一部だけでなく、部屋全体を暖めることになるので自宅にいる時間が長い方や、家族そろってリビングなどで過ごす時間が長いご家庭に向いているといえます。また、電気を使用しないため時間帯で異なる電気代を気にすることなく使用できるのも温水式ガス床暖房の特徴です。
床暖房の電気式のメリットとは?
4つの種類がある電気式の床暖房に共通して言えるメリットは、ガス温水式床暖房と比較すると初期費用が安いということです。また、構造が電気シートを設置するのみなどとシンプルなため、施工しやすくリフォームの際に設置することができるのも電気式床暖房のメリットといえますし、さらに4つを別々に見ていくと各種それぞれにメリットもあるので紹介していきます。
床暖房を電気シートで設置すると安く導入できる
一般的に、床暖房を電気シートで設置するのと温水式の床暖房で用いられる給湯器で比較すると電気シートの方が安く導入することができます。また、電気シートタイプでない電熱線ヒーター式床暖房も暖房パネルを設置するだけでいいので、ほかの方式に比較して初期費用を安く抑えることができます。
さらに電気シートの場合、厚さが1mmほどしかないのでリフォームの際にも手軽に安く取り入れることができます。必要な大きさのシートを組み合わせることで設置ができるため広さの調節がしやすく、部屋の一部分にだけ床暖房を取り入れたい場合には最も適しているのがこの電気シートタイプとなります。
オール電化の導入で電気代が安くなることも!
近年、人気急上昇中のオール電化住宅とはガスを使わずに全てのエネルギー、調理や空調、電気、給湯などを電気にするというものです。中でも床暖房の場合は、電気料金の安い深夜電力を蓄積して日中に利用するので暖房に関する電気代の安さはオール電化のメリットの中でも最大のメリットといえます。
オール電化を導入することで一番オール電化のメリット部分を活かせるのはヒートポンプ式温水床暖房となります。先ほども紹介しましたが、ヒートポンプ式温水床暖房は大気中の空気の熱を利用して温水を作るため、ヒーター式のものに比べて少ないエネルギーで効率的に多くの熱を作ることができます。
メンテナンスの必要が無く修理や点検費用が掛からない
温水式ガス給湯器と比較して、システムが電気シートや電熱線のみとシンプルな電気式の床暖房は一般的にはメンテナンスの必要がないとされています。また、メンテナンスや点検がないからあまり長くは使えないのではないかと思う方もいるかもしれませんが、その心配はありません。基本的に耐久年数は建物と同様の年数で使えると考えて大丈夫だそうです。
小さな子供がいる家庭でも比較的安心して使える
赤ちゃんなどの小さな子供やお年寄りの方がいる中、火の扱いは結構気を付けたりしなければならなく大変だし、心配でもあります。電気式の床暖房なら電気を使用しているため、灯油などの燃料補充もなく、火も使わないので安心して利用することができます。また、ガス式の床暖房もそうですが床下にシートやパイプなどを設置するためコードなどに引っかかってしまう心配がないので安心です。
床暖房のガス式のメリットとは?
温水式ガス床暖房は部屋数が多いご家庭や部屋の面積が広いご家庭にふさわしい床暖房となります。複数の部屋で同時に使用したとしてもしっかりと全体が暖まるので家族が各部屋で別々に過ごしていても誰も寒い思いをせずに足元からじんわりと暖まりながら過ごすことができます。
とてもパワーがあり暖まるのが早い
電気式の床暖房と比較してガス式の床暖房はパワーが強いため、とても速く部屋を暖めることが可能です。さらに温水式ガス床暖房には「ホットダッシュ」という床面を素早く暖める便利な機能がついています。この機能は床が冷えている状態で運転を開始すると、通常よりも高い温度のお湯を流してくれるので部屋がとても速く暖まります。
なので、床が冷たいとなかなか起きるのも億劫になってしまいがちな冬場の朝や出かけていて帰ってきたとき等の場面でホットダッシュ機能がついていると素早く部屋が暖まるのでとても便利で快適に過ごすことができます。電源を入れてから約30分で暖かくなるそうです。
低温やけどの心配が少ない
電気式の床暖房だと、床と体やクッションなどが接している面に熱がこもってしまい、温度が上昇することによって低温やけどを起こしてしまう可能性があります。ですがガス式の床暖房は温度が42度以上にはならないそうなので低温やけどを負ってしまう可能性はほとんどありません。
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温水式ガス床暖房は温水が循環しながら放熱するため、熱く感じることもなく40度以下の陽だまりのようなポカポカとした温かさを維持でき、快適に安心して過ごすことができます。また、床面の温度のムラが生じることもないのでより快適に過ごすことが可能です。
エコキューと導入で電気代が安くなる!
まず、エコキュートとは何かを紹介します。エコキュートとはヒートポンプと呼ばれる技術を利用して、空気の熱でお湯を沸かす電気給湯器です。ガス代よりも電気代の方が安くなる深夜にお湯を沸かしてためておき、昼間にそのお湯を使うことでお湯が安く使えるのがエコキュートのメリットです。
空気中の熱を利用するため、お湯を沸かす効率は電気エネルギーのみの時に比べると電気消費量は約3分の1にまで抑えることができます。なのでエコキュートを導入すると、電気料金の安い夜間にお湯を沸かすという店と、電気と空気中の熱の両方を利用するという点の2つから電気代が節約できるということが可能なのです。
電気式の床暖房よりもランニングコストが安い
ガス式の床暖房は電気式の床暖房と比較すると、ランニングコストが安く済みます。例えば8畳の部屋の場合、電気式の床暖房の場合は月々約5,000円の電気代がかかります。ですが、ガス式の床暖房の場合は、ガス代と電気代の2つ合わせて月々約4,200円となるそうです。
1か月で約800円の差が出るとすると、1年では800×12で96,000円と約10万円と多額の差が出てしまうのです。さらに、床暖房は数年だけでなく何十年も使うものなので、先のことを考えると結果として約100万円以上の差が出てしまうなんてことも大いにあります。ですが、これから紹介するガス式の床暖房のデメリット部分と併せて考えると迷う人も多く出るようです。
床暖房の電気式のデメリットとは?
床暖房の電気式にはメリットとなる点が多くありましたが、デメリットも少なくはありません。ガス式の床暖房のデメリットも紹介するのですが、長い目で見ていくと最初の段階ではガス式の床暖房よりも魅力が多く感じられた電気式の床暖房の方がデメリットは目立ってしまうかもしれないのです。そんな電気式の床暖房のデメリットとなる点を紹介します。
暖まるまでに時間がかかる
やはり、ガス式の床暖房に比べてしまうと床が暖まるまでに時間がかかるので、結局床が暖まるまでの間にストーブやエアコンなどで暖まるなんて人も多くなっているようです。また、立ち上がるまでに時間がかかるということはその分電気料金もかかってしまうということも覚えておかなければなりません。
立ち上がるまでにかかる料金に加えて、それまでの間他の家電製品で暖を取ってしまった場合、さらに電気代がかさんでしまいます。せっかく初期費用がガス式の床暖房に比べて安く済んだのに、日々の積み重ねでそれが台無しになってしまうなんてことも起きかねないので注意が必要です。
電気結線部分が冷たく温度にムラが出る
床暖房は床全体が均一に温めるイメージが強いのですが、ヒーターなどの電熱線が張り巡らされた電気式の床暖房はその電気結線部分には熱を伝える均熱板がないものが多くあり、その部分は暖まらず冷たいままなので床面の温度にムラが生じてしまう場合があります。また、電気シートタイプのものも物によってムラが生じてしまう場合があるようです。
さらには、人と床や家具と床などが接している閉塞面などは逆に熱の逃げ場がないため温度が高温になりやすく、長時間床に触れていると熱く感じてしまう場合もあります。温度のムラに関しては電気式の方がデメリットが多いのでムラなく暖まりたい場合には温水式のものがおすすめとなります。
方式によっては光熱費ガス式に比べてが割高になる
ヒートポンプ式温水床暖房とガス式温水床暖房を1日8時間利用するという同じ条件で1か月のランニングコストを比較した場合、ヒートポンプ式温水床暖房よりもガス式温水床暖房の方が安く済んでしまうみたいです。その理由としてはやはり、立ち上がるまでの時間がネックとなっています。
ヒートポンプ式温水床暖房だけでなく、電気式の床暖房は先ほども紹介した通りパワーが強いガス式の床暖房と比較すると暖まるまでの時間がかかり、細かい電源のオンとオフの切り替えが苦手なためその分光熱費がかさんでしまいます。また、1日中床暖房をつけた状態でもガス温水式床暖房の方が安くなっているそうです。
また、電熱線ヒーター式床暖房も光熱費はかなりかかってしまいます。この方式は設置の際は、熱源パネルのみとなっているので初期費用はかなり安く済むのが魅力的な床暖房となっています。ですが、電気料金が安くなる深夜電力などを利用するのではなく、電源を付ける際の電力を利用するため昼間に長く利用すると他の方式に比べ光熱費が高くなってしまうのです。
低温やけどの心配がある
低温やけどとは、体温より少し暖かい温度~60度以下の熱を発するものに長時間触れることによっておこるやけどのことです。電気式の床暖房の場合、体が接している面やクッションなどの接触面に熱がこもってしまうと44~45度にまで上がってしまうことがあります。
例えば、床暖房を使用した状態で寝てしまったり長時間同じ体制でいると、低温やけどを覆ってしまう可能性があります。なので疲労の激しい方や病人など自分の意志で体が動かせない方は十分注意が必要となります。また、お年寄りの方や赤ちゃんなどは皮膚が弱く低温やけどをおおいやすいので注意してください。
床暖房のガス式のデメリットとは
電気式の床暖房と比較して、パワーが強く立ち上がるまでの時間が早いガス式温水床暖房は光熱費が安くなるというメリットがありました。ですが、床下にパイプを巡らせるためかなり設置が大変となってしまうのも忘れてはいけない特徴の1つです。では他にはどのようなデメリットがあるのでしょうか?気になるデメリット部分を詳しく紹介します。
導入時の初期費用が割高である
ガス式温水床暖房の最大のデメリットとなるのが、初期費用の高さです。電気式の床暖房と比較した場合設置するのが複雑で、配管を施行し、熱源機を取り入れ、ガス給湯器を取り入れるなどの工事が必要となります。6畳の部屋に設置すると考えた場合、電気式の床暖房は約30万円程度で済むのですが、ガス式の床暖房の場合は約65万円と倍近い値段がかかってしまうそうです。
メンテナンス費用が必要である
熱源となる室外機や水を送るパイプなどは、約1~2年に1度交換やメンテナンスをする必要があるそうです。また、1年に1回以上は熱源機や寒冷地で使用する場合に必要となる不凍液と呼ばれる配管を循環させて凍結を防ぐ液体のチェックも必要となってくるので、メンテナンスが不要の電気式のものに比べるとメンテナンス費用が目立ってしまいます。
これらのメンテナンスを怠ってしまうと、パイプの場合は内管部分にミネラルが付着し、パイプが細くなり温度にムラが生じる可能性が出てきてしまいます。不凍液については、金属の腐食や不凍液の酸化が発生しやすくなり、液漏れなどの故障の原因につながります。
メンテナンスを怠り、もしも故障してしまったら修理や撤去の費用も約30~40万円とかなり高額になっています。また、工事も設置の時と同様に時間がかかってしまうのでメンテナンスは費用が掛かっても後のことを考えるときちんと行っておいたほうがいいでしょう。
メンテナンスとは別に、熱源機は10年程度で交換が必要となります。また、不凍液を使用している場合は、約3年ごとに全量交換がおすすめされています。温水パイプ自体は30年以上使用することができるようなので、交換の必要はそうそうないそうです。また、熱源機や不凍液の交換は専用の道具や知識が必要になるためきちんと専門店に依頼するのが安心です。
床暖房の電気式とガス式を比較して選んでみよう!
床暖房の電気式とガス式、双方のメリットとデメリットを比較して紹介しました。違いは分かっていただけたでしょうか?床暖房の種類は思った以上にあるのでなかなか決められないという方も多いと思うのですがそれぞれのメリット、デメリットを見ていくと自分の家庭に合った床暖房が見つけやすいのではないでしょうか?
電気式の床暖房で言えば、電気シートを床下に設置するだけでいいので初期費用が安く、部屋の一部にだけ取り入れたい方やリフォームの際にも施行が楽なので取り入れることができるため、最初のうちはあまり費用も掛からず工事も簡単で手軽に床暖房を設置することができます。ですが、ランニングコストは少し高くなってしまい、低温やけどの心配もあるのが注意点でした。
ガス式の床暖房で言うと、ランニングコストが安く済み、何よりもパワーが強いのが最大の特徴で床が暖まるまでの時間が短いのがとても魅力的な点です。さらに部屋の床全体がムラなく均一に暖まり、温度が40度以上になることがないので低温やけどの心配もありません。この一台あれば複数の部屋でも広い部屋も部屋全体を均一に温められます。ですが、初期費用が高く、メンテナンス費用が掛かってしまうのが少々痛いところです。
このような電気式、ガス式の床暖房の特徴を比較してご家庭のニーズに合ったものを見つけてみてください。また、床暖房自体エアコンやファンヒーターなどと違って乾燥の心配がなく、ほこりが舞うこともない、さらには触っただけですぐに火傷をしてしまうなんて心配もない長所が多くある暖房器具になっているのでぜひ床暖房の設置が視野になかった方も検討してみてください!