妊娠中にカフェイン摂取はなぜダメ?1日の摂取量・影響など解説!

妊娠をするとカフェインを控えるように言われますが、カフェインがなぜダメなのでしょうか?カフェインが、妊娠中に及ぼす影響や摂取量によっては、どのようなことがおこりえるのかを調査しました。カフェインが含まれているものはコーヒーだけでなく、お茶やチョコレートなどもあって、妊娠中にどれも全く口にしないということは難しいです。なぜダメとされるかの理由と、どの程度の摂取量であれば影響がないのかの参考にしてください。また妊娠中でも安心のノンカフェインのおすすめも紹介しています。

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目次

  1. 1妊娠中のカフェイン摂取はなぜダメなのか?
  2. 2カフェインとは?
  3. 3妊娠中にカフェイン摂取がダメな理由と胎児に与える影響
  4. 4妊娠中のカフェイン摂取量
  5. 5妊娠中におすすめのノンカフェインのお茶とコーヒー厳選
  6. 6妊娠中はカフェインを控えて過ごそう!

妊娠中のカフェイン摂取はなぜダメなのか?

妊娠をすると、自分の体だけでなくて、お腹のなかで成長する赤ちゃんのために、栄養をとる必要がでてきます。お母さんとなる母体が食べたものが、赤ちゃんへの栄養となるために、成長を促すために食べた方がよいものと、口にするのは避けた方がよいものがあります。避けた方がよいものの1つがカフェインです。コーヒーを毎日のように飲む人もいるのに、なぜダメなのでしょうか?

コーヒーが好きな妊婦にとっては、コーヒーが全くダメというのは、慣れるまでに、つらい思いをする人もいるかもしれません。カフェインがなぜダメなのか、コーヒーだけでなくカフェインはさまざまな飲料などに含まれているので、どの程度であれば、胎児にも摂取量として影響がないのか、妊娠中とカフェインの関係をまとめていきます。

カフェインとは?

カフェインは、コーヒーや紅茶、緑茶などに含まれる食品成分のひとつです。コーラやココア、チョコレートなどにも含まれ、苦味を持つ化学物質です。コーヒーの樹、お茶の樹、カカオの樹などの植物が、昆虫などに食べられないように、自らの身を守るために合成されている成分と考えられています。人間が口にすると、眠気覚ましや興奮作用、利尿作用などがあり、この性質を利用して、解熱鎮痛剤などの医薬品にも使われています。

カフェインの効果やメリット

カフェインを口にすると、目が覚めるといった効果を実感したことがある人が多いように、コーヒーの覚醒作用は古来では薬として使われてもいました。コーヒーを飲むと、30分ほどして、脳にカフェインが到達して、計算力や記憶力の向上、疲労の抑制などに役立つという研究結果もあります。またカフェインが、交感神経を刺激することで、体脂肪の燃焼を促進するので、ダイエットにも効果的というメリットがあります。

カフェインには、覚醒作用のほか、血管を拡張させる、胃酸分泌を促進させる、といった効果もあり、食後のコーヒーは、胃が食物を分解させるのにも役立ちます。覚醒作用で集中力を高めてくれる反面、興奮物質のアドレナリンを放出させてしまうことで、リラックスの効果も期待できるので、コーヒーを飲むと、気持ちが落ち着くという人も多くいます。

カフェインのデメリット

カフェインを毎日のように、摂取していると、それが中毒のようになり、1日何杯かのコーヒーを飲まないと落ち着かない、といったことがあります。ただ、一般の成人であれば1日4~5杯のコーヒーから体内に入るカフェインの摂取量では、健康的な悪影響はないとされています。それでも、1日10杯とか、風邪薬などを連日服用しているなどによって、過剰な摂取量になった場合には、健康への影響がでることがあります。

多量なカフェインが、体にはなぜダメなのかというと、中枢神経が刺激され続けられることで、めまい、心拍数の増加、興奮、震え、不眠、吐き気などの健康被害といった悪影響がでます。こうならないために、カナダの保健省では、成人でも1日あたり、400mgまでのカフェインにするように呼び掛けています。これは、大き目のマグカップで飲むコーヒーなら3杯までという量です。

未成年の子どもが、カフェインをたっぷりと含んでいるエナジードリンクを、習慣的に飲むようになって、カフェイン中毒で亡くなってしまうということもありました。子どもは、夜遅くまで起きて、受験勉強をしていた、スマホゲームをしたかった、という理由はいろいろですが、カフェインは、体へのメリットもありますが、過剰な摂取量を続けることでデメリットも大きくなるということを理解しておく必要があります。

妊娠中にカフェイン摂取がダメな理由と胎児に与える影響

妊娠中にカフェインの摂取量が多くなると、なぜダメといわれるのか、どんな影響があるのかを調査しました。ただ、影響があると考えられているというもので、なぜダメとはっきりとした理由や、カフェインの摂取量の影響は解明されていない面もあります。安全に出産できるように、カフェインの摂取量に気をつける方が、母体にも胎児にも悪影響が少ないということです。

貧血を起こしやすくなる

カフェインには、渋みや苦味の成分であるタンニンという物質が含まれています。この成分が、体の中へ入ると、カルシウムや鉄分と結びついて、利尿作用により、体外に排出させてしまいます。妊娠中でなければ、排出される量に問題はないのですが、妊娠中のカフェインの摂りすぎにより、胎児の分としても必要なカルシウムや鉄分が不足することで、妊婦が貧血を起こしやすくなり、胎児にはカルシウムが届かなくなります。

妊娠中に口にするカフェインは、胎盤を通じて、胎児も同じようにカフェインを摂ることになります。内臓器官の生育がまだ不完全な状況の胎児は、カフェインを分解して排出することができません。そのため、母体がカフェインを大量にとると、母体が貧血状態にあることで、胎盤の血流を減少させてしまいます。あわせて胎児にも大量のカフェインが影響して、興奮状態になり眠りにつきにくく、成長へ悪影響がでてしまいます。

高血圧を誘発する

妊娠中、特に20週以降には、高血圧への注意が必要となります。高血圧になることで、むくみがでたり、ひどい場合には、母体に脳血管障害が起きることもあります。妊娠中に高血圧になりがちな原因ははっきりとは、解明されていませんが、カフェインを摂ることで、血流が悪くなり高血圧を誘発する恐れがあります。

母体が高血圧になると、胎児への影響も大きく、血流が悪くなるので、必要な栄養や酸素が届きにくくなってしまいます。そうなると、成長すべき内臓や脳が成長しにくくなり、低体重での出産になったり、最悪の場合は胎児の状態で死んでしまうこともあります。そうならないために、妊娠後期であれば、帝王切開で赤ちゃんを誕生させて、酸素を強制的に送る必要もでてきます。

胎児への酸素や栄養が行き渡らない恐れも

高血圧を誘発するところでもふれましたが、カフェインも栄養や酸素も、母体の胎盤を通じて、胎児に送られます。胎児はこの胎盤がなければ、成長することも生きていくこともできません。また母体がとったカフェインも胎児に届きますが、このカフェインを消化したり体外に排出できない胎児には、カフェインが蓄積していくと考えられています。この点がカフェインがなぜダメなのかということに大きくかかわります。

成人している人にもカフェインが蓄積すると、脳への影響があるように胎児でも脳への影響も考えられます。母体と胎児の血流が悪くなることで、低酸素状態、発育障害、といったリスクが高くなってしまいます。妊娠中のお母さんは、リラックスするつもりで、コーヒーを多量に飲んで、カフェイン摂取量を高くしてしまうと、胎児のカフェイン摂取量も高くなるということを知っておく必要があります。

早産や死産・流産率も高くなる

母体、そして胎児のカフェイン摂取量が高くなると、血流が悪くなり、酸素も栄養も届きにくくなり、最悪の場合、死産ということにもなりえます。妊娠初期の場合は、カフェインの摂取量が1日に200mgを超えるような場合は、流産の確立が2倍になるという研究もあります。また後期になってからは、カフェインの摂取量が多くなると、切迫早産と関連があるとする考えもあります。

妊娠中であれば、自分のためだけでなく、胎児のためにも、カフェインをおさえて、胎児の栄養や酸素がしっかりと届くような、食生活をする必要があります。早産、流産、死産といったことにならないためにも、妊娠中はカフェインの量を気にした生活をしてください。

妊娠中のカフェイン摂取量

カフェインが、なぜダメなのかというと、妊娠中の母体にも胎児にも悪影響をおこす可能性を高くするということになります。では、カフェインがなぜダメというだけではなく、絶対に飲んではいけないということは言われてはいません。そこで、妊娠中に適量とされるカフェインの量を調べました。

妊娠中のカフェイン摂取量目安

妊娠中のカフェインがなぜダメと言われるのか、理由がいくつかありましたが、絶対に飲んではいけないとはされていません。過剰なカフェイン摂取量にならないように、妊婦はコーヒーの摂取量を1日3杯程度までにすべきと、世界保健機関でも提唱しています。英国では、コーヒーならマグカップ2杯程度に制限するようにとされていて、日本では明確な規定はありません。

スウェーデンの研究では1日100mg以上のカフェイン摂取で流産のリスクが高くなり、イギリスでは300mg以上では50%の低体重児となるという研究結果もあります。産婦人科や助産師が多いようです。カフェインは1日200mg~300mgにとどめるようにと提唱しているものもありますが、1日に100mg以内にすることで、母体にも胎児にも影響がほとんどないと考えられます。

コーヒーなら1日1杯程度、玉露はやめて薄い緑茶、といったものに代えてカフェインの摂取量が多くならないようにする意識が必要になります。習慣的にコーヒーや濃い緑茶などを口にしていたのであれば、薄いコーヒーにするとか、1回に飲む量を減らしたり、カフェインを含まないコーヒーやお茶に変えていくという方法もあります。ただコーヒー大好きな妊婦が全く飲まずに、イライラするようではそれも胎児に悪影響となります。

妊娠期間は長くなるので、母体がストレスを溜めないようにすることも大切です。厳密にカフェインは200mg以下にしよう、と思うよりも、コーヒーの代わりにカフェインが少なく、リラックスできるハーブティーにしよう、緑茶の代わりにほうじ茶や麦茶にしよう、といったことや、1日1杯は美味しいコーヒーを飲むといったことで、ストレスもなく、胎児への影響もないようにする工夫が大切です。

カフェインを控える期間は?

カフェインを控える期間としては、妊娠が分かったらすぐにと、妊娠中全期間です。出産後も、母乳で育てている間は、カフェインを控える期間となります。妊娠初期は、胎児が流産しやすいリスクがあり、中期から後期は、母体が高血圧になる恐れもあり、早産や死産のリスクを高めてしまいます。

母乳には、母体がもつ免疫力など大切な栄養分が含まれていて、ぜひ生まれたばかりの赤ちゃんには飲ませたいものです。ただ、お母さんがカフェインを飲むことで、その母乳にもカフェインが含まれ、赤ちゃんがカフェイン成分を含む母乳を飲むことになります。カフェインをとっているお母さんの母乳を飲んでいる赤ちゃんは、カフェインを全くとらないお母さんの母乳で育つ赤ちゃんにくらべて、突然死症候群の発症率が高くなります。

コーヒーや濃い緑茶などが好きで、飲むのを控えていたお母さんが、出産して、ようやくカフェイン入りの飲み物を飲みたいという気持ちもわかります。母乳をあげた後に、薄めに淹れたコーヒーを味わったりといったタイミングを工夫していみる方法もあります。ただ、あまり我慢しすぎてお母さんのストレスになることは避けたいので、人工の粉ミルクなども上手く活用してください。

コーヒーや紅茶以外にカフェインが含まれているもの

カフェインというと、コーヒーのイメージが強いですが、緑茶にもカフェインは含まれています。100mlあたりのカフェイン量をみると、コーヒーには60mgのカフェインですが、玉露は160mg、エナジードリンクには70mg、紅茶は30mg、煎茶20mg、コーラ15mgほどが含まれています。

妊娠中には、風邪薬や鼻炎薬なども控える人がほとんどですが、こうした医薬品にもカフェインが数十mgから多いものでは200mgほど含んでいるものもあります。またチョコレートにも、原料となるカカオマスにカフェインが含まれていて、カカオ70%以上のチョコレートには、コーヒー1杯の1/3くらいのカフェインが含まれていることがあります。チョコレートは糖分の摂取量も上がってしまいますので、妊婦は量を控えてください。

さらに、妊娠中は体力も必要で、疲れもとれにくいからと、栄養ドリンクを飲む時にも気をつけてください。100mlほどの栄養ドリンクには、50mgのカフェインが含まれているものもあります。カフェインがなぜダメなのか、というだけでなく、母体として口にするものには、どんなものが含まれているのかを、意識して確認することも必要です。

妊娠中におすすめのノンカフェインのお茶とコーヒー厳選

妊娠中に、カフェインがなぜダメなのかを見てきましたが、カフェインを含まないお茶やコーヒーも手に入りやすくなっています。せっかくカフェインを控えるのですから、原料や原産国も確認した上で、安心して飲めるノンカフェインのものを見つけてください。おすすめのものを5つ紹介します。

むくみや冷えにも効く「たんぽぽ茶」

タンポポの根の部分を焙煎しているので、コーヒーのような風味もあることから、たんぽぽコーヒーとも言われるものが「たんぽぽ茶」です。中国では、漢方薬としても用いられていて、妊娠中に不足しやすい鉄分やカルシウムが豊富に含まれていて、特におすすめです。またイヌリンという成分が、便秘解消、高血圧予防といったことにも役立つので、妊娠期の健康維持から、出産後にも体に優しいお茶です。

たんぽぽ茶でも、他のハーブティーなどとブレンドしてあるものもありますが、たんぽぽ茶のみのものは、ほんのりとした苦味もあって、コーヒーのように味わえるという口コミもあります。1カ月分で1,000円くらいのものから、2,000円くらいのものが多くあります。出産後のお母さんが飲んだところ、母乳の出が良くなった、お母さんの便通だけでなく、母乳を通じて赤ちゃんの便通も好くなったように感じている人もいます。

妊活中から効果的「ルイボスティー」

ルイボスティーは、南アフリカで育つルイボスから作られるお茶で、ノンカフェインで抗酸化作用があり、美容のために飲んでいる人も多くいます。ホルモンバランスや、老化しはじめている生殖器の正常化に役立つといったことから、妊活中からルイボスティーを飲む人もいます。またルイボスティーには、リラックスできて安眠へとつながる効果が期待できるので、妊娠中の不安やストレス解消などにも役立ちます。

ルイボスティーもさまざまなものが販売されていますが、煮出して味わうものの方が、健康効果が高いといわれています。1か月分で2,500円ほどで売られているものが多いです。実際に飲んでいる人では、肌の調子がよい、冷え性が改善されて、妊娠につながったみたい、ノンカフェインで冬はホットで夏はアイスで眠る前に飲んでいる、といった声がみられます。カフェインを控えたい出産直後にもおすすめです。

妊娠中の便秘予防に「黒豆茶」

黒豆茶は、ノンカフェインというだけでなく、女性ホルモンと似た働きをする大豆イソフラボン、アントシアニン、食物繊維、ビタミンE、ミネラルなどが含まれています。生理不順のために飲んでいたら、生理も周期的になり、便秘も解消された、つわりがひどいときに黒豆茶の優しい味に救われた、という人もいます。黒豆茶として販売されているものもありますが、黒豆を自分で炒って手作りする方法もあります。

手軽にゴクゴク飲める「むぎ茶」

麦茶は、熱中症予防のためにもすすめられている飲み物で、カフェインを含まず、原料の大麦に含まれるミネラルがたっぷりのノンカフェインドリンクです。妊娠中であれば、体が火照ったり、汗をかきやすくなって、失われやすいミネラルを補給する点でもおすすめです。他のノンカフェインドリンクと比べて、口に親しみやすいということもあり、他のものの香りや味が苦手という妊婦でも飲みやすいという特徴があります。

麦茶には、血圧を下げる効果もあるので、妊娠後期の高血圧になりやすい時にもおすすめです。ただ、体を冷やす飲み物えもあるので、妊娠中であれば、常温のものか温めた麦茶を飲むようにしてください。価格は様々ですが、焙煎した大麦を煮出すものが、ミネラルも豊富です。妊娠中だけでなく、出産後、子育てをしながら、2人目、3人目の妊娠中にも、子どもと一緒に飲めて、手軽に味わえるといった声もあります。

むくみや冷えの解消にも「ごぼう茶」

ごぼうは、根を食べる野菜として、食物繊維も豊富で飲み物としてでなくても、意識して食べる人もいます。ごぼう茶は、そのごぼうを煎じたもので、食べるのと同様に、食物繊維が豊富で、栄養効果も高く、利尿効果や糖尿病といった生活習慣病予防のために愛飲している人もいます。妊娠中であれば、ノンカフェインドリンクとして、便秘の解消、血流をよくすることと利尿作用で、むくみの悩みも解決してくれるようです。

ごぼう茶は、ティーバッグのようになっていて、煮出すものが多いですが、30包入りで1,000円前後とお手頃な価格のものもあります。ごぼうを薄切りにして、天日で干して、煮出せば手作りのごぼう茶も味わえます。香ばしさの中に甘みを感じるので、ストレス解消にも役立っているという口コミもあります。出産後も、ノンカフェインなので、子どもと一緒に冷やしたものを飲んでいるという人もいます。

妊娠中はカフェインを控えて過ごそう!

妊娠中のカフェインがなぜダメなのかというと、母体への悪影響だけでなく、胎児のは生育にも影響するということで、控える必要がありました。大切なのは、母体も胎児もリラックスして過ごすことなので、絶対にカフェインを口にしない、と強く思い過ぎるよりも、1日1杯程度のコーヒーや緑茶でリラックスして、他はノンカフェインの飲み物に置き換えて、安心しつつよい出産ができるように心がけてください。

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