カフェインの利尿作用で脱水を起こすのはなぜ?仕組みを解説!

カフェインという言葉をよく耳にすると思いますが、どのような飲料に入っているのかご存知でしょうか?コーヒーや紅茶、ココア、緑茶、ウーロン茶、コーラなどに含まれています。そしてそのカフェインには、利尿作用があります。利尿作用とは、他の飲料に比べておトイレへ行きたくなる回数が増える、つまり体に水分が溜まる時間が短くなり、場合によっては水分が多く排出されてしまうため、季節によっては注意が必要なため、それらについて紹介します。

カフェインの利尿作用で脱水を起こすのはなぜ?仕組みを解説!のイメージ

目次

  1. 1カフェインの利尿作用にはメリットやデメリットがある
  2. 2カフェインの利尿作用が脱水症状を起こす?
  3. 3カフェインの利尿作用のメリット
  4. 4カフェインの利尿作用のデメリット
  5. 5カフェインの利尿作用に気をつけよう!

カフェインの利尿作用にはメリットやデメリットがある

利尿作用には、メリットとデメリットがあります。利尿作用があるという事は、体内の老廃物を排出されるため、むくみ解消の効果や、肌荒れや美肌の効果があります。しかしコーヒーなどに含まれるカフェインは、カルシウムや鉄分の吸収を妨げてしまう作用があり、尿と一緒にカルシウムや鉄分が排出されてしまいます。そのため、骨粗鬆症のリスクが高くなってしまったり、また貧血が起こりやすくなってしまう可能性があります。

カフェインの利尿作用が脱水症状を起こす?

カフェインには利尿作用があるため、場合によっては体内の水分が多く排出されてしまう事があります。そのことから、長い間カフェインの利尿作用によって脱水症状を起こす可能性があるとされてきました。しかし米国医学研究所(Institute of Medicine)は、カフェイン含有飲料も1日に必要な水分補給になると結論しました。

しかしまだ、世の中はカフェインの利尿作用により、脱水症状を起こすと思われています。このカフェイン含有飲料も1日に必要な水分補給になるという結論を、そのまま信用するのは難しいと思う方も多くいます。

カフェインとは?

そもそもカフェインとは何でしょう?夜カフェインの含有飲料を飲むと眠れなくなると言われていたり、トイレが近くなる利尿作用があると言われています。その他にも、体脂肪を燃やす作用があると言われていたり、運動の能力をアップさせる作用があるとも言われています。しかし不眠の原因になったり、また胃が荒れたりもします。

カフェインは医薬品にも使用されています。カフェインの主な作用は覚醒作用、利尿作用、脳細動脈収縮作用です。眠気や倦怠感を避ける作用はありますが、不眠やめまいがあらわれることもあります。

習慣的にカフェインの含有飲料を摂取している人が、もし半日から1日全くカフェインを摂取しながった場合、色々な症状があらわれる事があります。その症状は、頭痛や疲労感、集中力の欠如などがあります。

カフェインの効果や効能

カフェインには色々な効果や効能があります。カフェインの利尿作用により、むくみの予防になります。また抹消の血管を広げる作用があることから、冷え性の予防にもなります。そしてエネルギーの消費を促す作用があることから、ダイエット効果も期待されます。むくみや冷え性の予防や、またダイエット効果にも期待されるなど特に女性には嬉しいカフェインですが、なぜ色々と注意点が言われるようになったのでしょう?

なぜなら、やはりカフェインにはメリットだけではなく、デメリットも多いからです。カフェインには、カフェイン依存というものがあり、カフェインを摂取しなければ落ち着かない状態になることがあります。健康な成人が1日に400ml以上のカフェインを毎日摂取していると、カフェイン依存になる可能性があります。ではなぜ、カフェイン依存症になるのでしょう?それはカフェインには、覚醒効果があるからなのです。

しかし、カフェインが含まれるコーヒーをよく飲む人には、2型糖尿病の発症が少ないと言われています。まだ因果関係は定かではないのですが、コーヒーに含まれるクロロゲン酸という物質とカフェインが、何か関係しているのではないかと思われています。またコーヒーを飲む人は、パーキンソン病の発症率が低いとの調査結果もあります。そのためカフェイン自体は、決して悪いものではないのです!

カフェインの1日の摂取量

カフェインにはメリットもあればデメリットもある、それは知られている事ですが、ほっとしたい時やもう一頑張りしようと思っている時など、ついついカフェイン飲料に手が伸びてしまいます。しかし2015年、九州の20代男性が日常的にカフェイン入り清涼飲料水を飲んでいたことから、カフェイン中毒で亡くなったことが発表され、カフェイン飲料の危険を気にしている方も増えてきました。

摂取しても安全な、1日のカフェイン量はどのくらいなのでしょう?100ml当たり、レギュラーコーヒーやインスタントコーヒーに含まれるカフェイン量は、約60mgです。紅茶ですと100ml当たりのカフェイン量は約30mg、ウーロン茶ですと100ml当たりのカフェイン量は約20mg、コーラですと100ml当たりのカフェイン量は約10~19mg、眠気覚ましドリンクですと1本当たりのカフェイン量は約100~150mgです。

1日に摂取しても安全と言われているカフェイン量は、その方の体格によって変わります。まだ日本には明確な数字はありませんが、海外では体重が40kgまでの成人の人ですと1日228mgまで、体重が40kg以上60kgまでの成人の人ですと1日342mgまで、体重が60kg以上80kgまでの成人の人ですと1日456mgまでと言われています。但しこの数字には、その人により若干差はあります。あくまでもこの数字は、健康な方の目安数字です。

カフェインを過剰摂取すると、急に血中濃度が上がり、吐き気や心拍数の増加、不眠、震えなどの症状が出る可能性があります。またカフェインの摂りすぎは低カリウム血症になる原因の1つとも言われています。カリウムの血中濃度が下がると、不整脈などの症状が起きることがあります。

また、カフェインには胃液の分泌を促す仕組みがあります。そのため、カフェインの過剰摂取は胃が荒れてしまう危険があります。特に、空腹時のカフェイン摂取は避けた方がいいです。

カフェインには利尿作用がある

カフェインには利尿作用がある事は、おそらくたくさんの方が知っておられると思います。ではなぜ、カフェインに利尿作用があるのか、その仕組みを知っておられますでしょうか?その仕組みについて紹介します。

まず、カフェインは交感神経を刺激します。すると腎臓の血管が拡張して、血液のろ過量が増えます。するとその血液のろ過量が増えることにより、尿の量も増えます。尿の量が増えるとトイレへ行く回数も増えるため、利尿作用があると言われる仕組みになります。例えばかなりの緊張状態になると、突然トイレへ行きたくなると思います。緊張状態が強いと交感神経が刺激されていますので、カフェインはその時と同じ仕組みになります。

利尿作用のある飲料は水分排出が多い

カフェインの含有飲料には、利尿作用があります。利尿作用があると言うことは、体の中の水分排出も多いという事になります。利尿作用があると体の中の老廃物が尿と一緒に排出されるため、むくみが解消される可能性があります。また、高血圧解消も利尿作用のメリットです。

しかし水分排出が多いと言うことは、同時にカルシウムや鉄分なども流れ出てしまう可能性が高いです。またトイレへ行く回収が増えるということは、夜中に何度もトイレのために起きなければならない場合があるという事にもなります。すると、睡眠の質も下がってしまいます。また、何度もトイレへ行くという事は、体の水分が排出される回数が増えるという事ですので、脱水症になる危険もあります。

メリットも多いのですが、カフェインにはデメリットも多いのです。そのカフェインの含有飲料を楽しみながらも、利尿作用を抑える仕組みはないのでしょうか?答えはNoです。残念ながら、カフェインが血中に残っている時は、利尿作用が継続してしまいます。

カフェイン飲料は水分補給には不向き

カフェインには利尿作用があるため、水分補給には不向きと言われてきました。多く摂取しすぎると、その利尿効果により脱水状態を引き起こす可能性があるためです。しかしカフェインの含有飲料も、1日に必要な水分補給になると結論づけられました。しかしなぜ、今だにカフェインの飲料は水分補給に向いていないと言われるのでしょう。

1日の摂取可能なカフェイン量を、きちんと把握しているでしょうか。その摂取可能量を超えると、やはりカフェインはデメリットの方が大きくなります。カフェインの含有飲料は100%水分補給にならないわけではありませんが、きちんと1日に摂取可能なカフェイン量を知っておく方がいいでしょう。

アルコールとの併用飲料で脱水症状のリスク高まる

アルコールにも利尿作用はあります。お酒は、飲んだ水分量以上の水分が尿として排出されるためです。ビールは特に利尿作用が強く、1リットルのビールを飲むと、1.1リットルの水分が尿として排出されると言われています。

アルコールを飲んでいる時は水分不足にはならないのですが、アルコールを飲酒してしばらくすると、体の水分は不足していくのです。そのため、アルコールがもつ性質の利尿作用と発汗作用により、脱水症状をおこしやすくなるのです。二日酔いの時におこる喉の渇きは、脱水症状からおこる原因ともいえます。

1日の安全なカフェイン摂取量を超えなければ、カフェイン含有飲料のみならさほど心配はいりませんが、アルコールと同時にカフェイン含有飲料を摂取すると、これらの仕組みによりいっきに脱水症状のリスクが高くなります。

カフェインがゼロの飲料はあるの?

もちろん、カフェイン自体は悪いわけではありませんが、ここでカフェインがゼロの飲料も紹介します。黒豆茶やルイボスティー、杜仲茶、麦茶などにはカフェインが含まれていません。また種類によっては、ハーブティーにもカフェインが含まれていないものもあります。

最近睡眠の質が低下しているように思う、胃腸がキリキリ痛むことが多くなった、なぜなのか自分でも分からないけどイライラしている、年々冷え性がひどくなっている、なぜなのか理由が分からないが倦怠感が強いなどの症状がある方は、もしかしてカフェイン依存ではありませんか?少しカフェイン飲料を減らして、カフェインがゼロの飲料を何回かに1回は飲むようにしてみては如何でしょうか?

カフェインの利尿作用のメリット

利尿作用が働くと、トイレへ行く回数が増えます。トイレへ行く回数が増えると、尿と一緒に体の中の不要な老廃物が排出されます。医療現場では利尿薬を、血圧を低下させる必要のある際に使用する時があります。利尿作用自体には、悪い面ばかりではないのです。

老廃物を出して美肌効果

体内の老廃物、つまり食品添加物や栄養を吸収したあとの食べ物カス、有害ミネラルなどを含む不要な物です。それらを尿と一緒に体から排出することにより、デトックス効果が得られます。すると、肌の調子が良くなるという仕組みです。また体から不要な物は排出されるため、新陳代謝も上がって脂肪が燃えやすくなります。つまり、ダイエット効果にも期待出来そうです。

不用な水分を出すことでむくみ改善

利尿作用が働くと、体の余分な水分が排出されます。それと同時に、むくみの改善に期待出来ます。むくみとは、血液中の体液が血管外に漏れ出るなどが原因で、血管外皮下組織にたまった状態の事です。足がむくみやすい方は多いですが、むくみを放置しておくことはいい事ではありません。なぜならむくみが原因の仕組みで、水太りがおこってしまうからです。余分な水分は体から排出させ、むくみのない生活を送りましょう。

カフェインの利尿作用のデメリット

利尿作用は、全ていい事ばかりではありません。利尿作用でトイレへ行く回数が増えると、当然体の水分も減ってしまいます。それが頻繁に起こると、夏などそもそも汗をかきやすい季節の時は、利尿作用が原因で脱水症状を起こす可能性もあるのです。春から夏にかけてよく聞く熱中症や嘔吐、下痢などの症状は、多くの原因仕組みは脱水症からくるものです。脱水症の症状が重い時は、命の危険にも関ります。

カフェインの利尿作用はカルシウムも同時に排出する

コーヒーなどに含まれるカフェインには、カルシウムの体の外へ排出してしまう仕組みがあります。最悪の場合は骨粗鬆症の原因にもなりかねませんので、1日のカフェイン摂取可能量を把握しておくといいです。

ではコーヒーなどに、牛乳を入れて飲むと牛乳のカルシウムが補ってくれるのではないかと思われた方もおられるでしょうが、残念ながらその答えはNoです。なぜなら牛乳に含まれているカルシウムは、人が吸収しづらいものなので、カフェインによって流れ出たカルシウムをその牛乳で補うことは出来ません。

貧血が起こりやすくなる

コーヒーなどに含まれるカフェインには、鉄分の吸収を妨げてしまう仕組みがあります。そのため、鉄分が不足して貧血を起こしやすくなってしまいます。女性の場合は特に、生理中のカフェイン摂取量に注意が必要です。

今はカフェインレスのコーヒーもありますが、それで鉄分吸収の妨げを防げるわけではありません。なぜならカフェインレスであっても、コーヒーの場合はクロロゲン酸、紅茶や緑茶の場合はタンニンという鉄分の吸収を妨げる成分が含まれています。ウーロン茶にもタンニンという成分が含まれているものもありますので、カフェインレスの飲料であっても注意して下さい。

肩凝りや腰痛や頭痛が悪化

コーヒーなどに含まれるカフェインには、自律神経を乱す仕組みがあります。そのため、体が不調な時は肩凝りや腰痛、頭痛が悪化する可能性があります。出来れば体が不調な時は、カフェインを避けた方がいいです。

カフェインの利尿作用に気をつけよう!

カフェインによる利尿作用は、全てが良い面ではありませんが、全てが悪い面でもありません。何事においても同じですが、極端に摂りすぎることがよくないのです。カフェインによりなぜ脱水症状が起きるのかを理解し、また1日に摂取可能なカフェイン量を知った上で、カフェイン飲料を楽しんで下さい。

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