2018年06月27日公開
2024年07月20日更新
ソルベとは?ジェラートやシャーベット・グラニテとの違いを解説!
ソルベとはフルーツを凍らせて作った、さっぱりとした風味のデザート。ジェラートやシャーベット、グラニテとともに夏にぴったりの冷たいスイーツです。。でもジェラートやシャーベット、グラニテとどこが違うのでしょうか。ここではソルベの意味や、その他の冷たいスイーツとの違いについて詳しく解説しましょう。また、フルーツを使ったレシピも紹介します。いろいろなソルベやシャーベットなどを作って、夏を楽しんでください。
目次
ソルベとシャーベットやジェラード・グラニテとの違いは?
ソルベ、シャーベット、ジェラード、グラニテと、夏になると食べたくなる冷たいスイーツ。どれもよく聞く言葉ですが、どこが違うのでしょうか。ミルクを使ったのがジェラードやアイスクリームというのは分かりますが、ではソルベとシャーベットの違いはどこにあるのでしょうか。そこで、ここではソルベやその他の氷菓の意味や違い、冷たいデザートの作り方などを紹介しましょう。
ソルベとは?
ソルベ(sorbet)とはフランス語で果汁やお酒を使った細かい氷のお菓子を意味します。ソルベやグラニテと呼ばれる氷のお菓子は、フランス料理のコースの中で登場することがあります。前菜と主菜の間や、魚料理と肉料理の間に「お口直し」として出されることが多く、懐石料理の「箸洗い」に近い感覚でしょう。冷たくさわやかな風味がお口をリセットし、次のお料理をより楽しむことができます。
ソルベの歴史
ソルベはフランス語で、その語源はアラビア語の「シャルバート」と言われています。シャルバートは、果物などから作ったシロップに水と砕いた氷を入れた飲み物を意味します。そのシャルバートは、9世紀にシチリアを征服したアラブ人によってヨーロッパに渡りました。
やがてシャルバートは「ソルベット」と呼ばれる氷菓になり、15世紀にイタリアからフランスの宮廷に渡ったと言われています。フランスで「ソルベ」と呼ばれるようになった氷菓は、17世紀末にはパリの街のあちらこちらで売られ、広くヨーロッパに伝わって行きました。
その後、ソルベはアメリカに伝わり、英語で「シャーベット」と呼ばれます。それまでフルーツの果汁を使っていたソルベは、アメリカで大きく変化します。牛乳、卵白、ゼラチンなどを使うようになり、私たちが普通シャーベットと呼ぶ原型ができました。
ソルベとシャーベットとの違いは?
ソルベはフランス語ですが、シャーベットは英語です。ソルベもシャーベットも見た目は似ていますが、意味するものは異なります。ソルベは果汁やリキュールなどのお酒を凍らせたものであるのに対し、シャーベットはミルク、卵白、ときにはゼラチンが入っていることもあります。アメリカでは、シャーベットには乳脂肪分を1~2パーセント含んでいなければならないとされています。
シャーベットは牛乳が加えられているため、ソルベに比べて凍るのも溶けるのも遅くなります。ソルベはシャーベットに比べて高級なイメージがありますが、日本ではそれほど厳密に使い分けられていません。シャーベットによく似たものにスムージーがありますが、スムージーは材料自体を凍らせてジューサーで液状に変えて飲むものです。
イギリスのシャーベットとは?
イギリスではシャーベットというと、私たちが普通イメージするシャーベットとは異なるものを意味します。イギリスでいうシャーベットとは、口に入れるとパチパチとはじける粉のお菓子のことを意味します。日本では駄菓子屋さんで売られている、昔懐かしいお菓子。冷菓のほうは、ソルベやアイスクリームと呼ばれています。
ソルベとジェラートとの違いは?
それでは、ソルベとジェラートはどう違うのでしょうか?ジェラートはイタリア語で、「凍った」という意味からきているスイーツです。果汁や果肉に卵白や牛乳、砂糖、ハーブなどを使って作ります。一般的なアイスクリームに比べて、フルーツを多く使っているのが特徴です。ソルベより味が濃厚ですが、アイスクリームより乳脂肪分が低いため、ダイエット中の人にも好まれています。
ジェラートはイタリアのフィレンツェが発祥と言われています。コーヒーやミントなどを加えたものなど、いろいろなフレーバーがあり、イタリア人にとっては欠かせない夏のお菓子です。日本ではアイスクリームとジェラートを呼び分けていますが、本場イタリアでは凍ったお菓子を全て、ジェラートと呼んでいるそうです。
アイスクリームとジェラートとの違いは?
それではアイスクリームとジェラートはどう違うのでしょうか?日本では、アイスクリームは乳固形分15パーセント以上でそのうち8パーセントは乳脂肪でなくてはならないとされています。イタリアのジェラートは、乳脂肪分は通常5パーセントほどなので、日本ではアイスミルクという分類になります。
ジェラートとアイスクリームの違いはもう1つ、空気の含有量にあります。スーパーで売られているアイスクリームの空気の含有量は60~100パーセントです。一方、イタリアで作られているジェラートの空気の含有量は20~40パーセントと少なくなっています。空気の含有量が少ないと濃厚な味わいになり、なめらかな口当たりとなります。
ソルベとフラッペとの違いは?
日本では夏には欠かせないスイーツ・フラッペ。フラッペとソルベはどう違うのでしょうか?フラッペはフランス語で「氷で冷やしたもの」という意味です。氷を細かく砕いて、リキュールやフルーツシロップをかけ、アイスクリームや果物を添えたスイーツのことを指します。本来は、氷にリキュールを混ぜた飲み物だったのですが、日本ではかき氷と同じような意味で使われています。
フラッペスタイルと呼ばれるカクテルの一種があります。これは、クラッシュドアイスと呼ばれる細かく砕いた氷をグラスに入れ、上からリキュールなどのアルコールを注いだものです。また、フラペチーノとは、フラッペとカプチーノを合わせた造語で、スターバックスの登録商標になっています。最近では、フラペチーノもカプチーノだけではなくフルーツを使ったものなど、いろいろな種類のものが揃っています。
ソルベとグラニテとの違いは?
グラニテ(Granité)もフランス語で、「ざらざらした」「ごつごつした」という意味があります。「氷を削った」というような意味合いがあり、日本のかき氷に近いものです。果物や野菜、リキュールなどのお酒を使って作ります。ソルベと比べて氷の粒が荒く、しゃりしゃりとした食感が特徴です。ソルベと同じように、フランス料理のコースの中で、口直しとして出されることもあります。
グラニテは一般的にソルベよりも甘味が少なく、より氷に近いものになります。さまざなバリエーションがあり、レモンやオレンジなど柑橘系のフルーツを使ったものや、トマトなどの野菜を使ったものなどがあります。また、リキュールなどのお酒を加えたものなどがあり、さっぱりとした風味が好まれています。
イタリアのグラニータとは?
フランスのグラニテは、グラニータというシチリア発祥の氷菓を元にして生まれたものです。イタリアのシチリアでは、昔からレモンやオレンジ、コーヒー、アーモンド、ミントなど特産物を使ったグラニータが多く作られて来ました。グラニータはグラニテよりも果汁や甘味があり、氷ももっと細かいものです。地元では、グラニータはブリオッシュと一緒に食べる習慣があり、暑い夏には朝食として取ることもあります。
梅酒のソルベを作ろう
ソルベは家庭で簡単に作ることができます。ここでは夏にぴったりのソルベを紹介しましょう。まず最初に紹介する梅酒のソルベは、お好みの梅酒、はちみつ、水を混ぜ、冷凍庫で固めるだけ。途中、1~2回フォークでかき混ぜると、サクサクとした食感のソルベになります。仕上げにミントを飾ってもいいでしょう。大人向けのさわやかな夏のデザートです。
フルーツを使ったソルベを作ろう
ソルベは簡単に作れるので、いろいろなフルーツを使って作ってみましょう。レモンやオレンジなど柑橘系のフルーツを使うとさやかなデザートができます。「レモンとバジルのソルベ」は、レモンの果汁、レモンの皮、バジルの葉をミキサーに入れて細かく砕き、はちみつ・水あめ・砂糖を溶かしたものを加えて凍らせます。夏らしいさわやかな香りのデザートです。
生姜のソルベも、さわやかな氷菓です。グレープフルーツなどお好みのフルーツに、生姜のしぼり汁と砂糖を混ぜ、冷凍庫で凍らせます。かわいい器に入れれば、女子会やおもてなしにぴったりのソルベになります。その他にも、梨や桃、イチゴなど旬のフルーツでソルベを作ることができます。冷凍イチゴをフードプロセッサーに入れてかくはんし甘味を加えれば、簡単でおしゃれなソルベができあがります。
トマトのソルベを作ろう
野菜を使ってもソルベを作ることができます。野菜嫌いのお子さんにもぴったりのスイーツなので、ぜひ試してみてください。トマトのソルベは、驚くほど簡単に作ることができます。湯向きして凍らせたトマトをざく切りにし、砂糖とレモン汁を合わせてミキサーにかけます。冷凍庫に入れ、途中2~3回かき混ぜます。ていねいに何度かかき混ぜると、ジェラードのような食感になります。
トマトのソルベは、湯向きしたトマトを丸ごと凍らせてもできます。冷凍庫から出したトマトをざく切りにし、オリーブオイルや塩を加え、マッシャーで細かく砕きます。レモン汁をかけたり、国産レモンの皮をすりおろして飾りにしてもおいしくできます。
白桃のなめらかソルベを作ろう!
ソルベは本来はフルーツや野菜を凍らせて使って作りますが、ゼラチンを加えるとしっとりとしたなめらかなソルベを作ることができます。「桃のなめらかソルベ」は、桃の果肉、砂糖を煮詰めたシロップ、レモン汁をミキサーやフードプロセッサーでかくはんした後、水でふやかした粉ゼラチンを加えます。そして器に移し、冷凍庫に入れます。
全体が固まったら、再度フードプロセッサーでかくはんし冷凍庫に入れて保存します。フードプロセッサーがない場合はフォークで混ぜてもいいですが、その場合はしゃりしゃりとした食感のソルベになります。桃の他、マンゴーやメロンなどでもおいしく作ることができるので、ぜひチャレンジしてください。
バニラジェラートを作ろう!
誰もが好きなバニラのジェラードも家庭で作ることができます。まず、牛乳と生クリームを合わせて火にかけ、沸騰寸前に火を止めます。続いてボウルに卵黄と砂糖を入れてよく混ぜたら、温めた牛乳を少しずつ入れよく混ぜます。容器に移し冷凍庫に入れ、固まるまで4~5回、ブレンダ―でかくはんすると、口当たりのいいジェラードができます。
ヨーグルトジェラートを作ろう!
ジェラードにはヨーグルトを入れても、さっぱりとした味わいのデザートになります。ヨーグルト、生クリーム、グラニュー糖を入れて混ぜるだけ。後は冷凍庫に入れて、固まるまで30~40分おきにスプーンなどでかき混ぜます。お好みのフルーツを添えて、器に盛るとおしゃれです。ジェラートの甘さは、お好みで調整してください。
つぶしたイチゴやバナナなどを加えると、味の変化が楽しめます。また、ピューレにした桃とハチミツを加えると、優しい風味のジェラートができます。ヨーグルトはキッチンペーパーをのせたザルに上げ、冷蔵庫で一晩水切りすると、よりなめらかなジェラートになります。
グレープフルーツのグラニテを作ろう!
グラニテとソルベの最大の違いは、グラニテはソルベに比べて糖度が低いという点にあります。したがって、グラニテを作るときは、ソルベよりも甘くないフルーツを使います。レモンやグレープフルーツは、グラニテを作るおすすめのフルーツです。レモンやグレープフルーツとシロップを混ぜ、ざっくりと固めます。ソルベに比べて、混ぜる頻度も少ないので気軽に作ることができます。
グレープフルーツのグラニテは、白ワインを加えると大人の味になります。白ワインを加えてから一度沸騰させるとアルコールが飛び、お子さんやアルコールが苦手な方でも食べることができます。また、市販のジュースをそのまま凍らせても、おいしいグラニテになります。いろいろなジュースで試してみてください。
フルーツのシャーベットを作ろう!
簡単なスイカシャーベットの作り方は、適当の大きさに切ったシャーベットを冷凍させた後、グラニュー糖を加え手早くミキサーやフードプロセッサーでかくはんして、器に盛り付けます。また、缶詰をシロップごと凍らせてかくはんすると、手軽にフルーツシャーベットができます。飲むヨーグルトを加えてもおいしくできます。
シャーベットを作るコツは、かくはんする際にできるだけ素早く行い、また、できるだけ細かく砕くことです。そうすることによって、きめ細かなふわふわのシャーベットができます。ミキサーやフードプロセッサーがあると便利なのですが、ない場合はフォークを使って空気を含ませるようにしながら、できるだけ素早く混ぜるようにします。
暑い季節にはソルベを楽しもう!
ソルベの意味やその歴史、ジェラートやシャーベット・グラニテとの違いなどをご紹介しました。それぞれ少しずつ違いますが、はっきりと区別できないときもあります。あまり難しいことを考えず、好きなものを食べて楽しみましょう。フルーツを使った冷たいおやつは家庭でも簡単に作ることができるます。ここで紹介したレシピもぜひ試してみてください。