いしるとは能登の魚醬油!いしる焼きや鍋など使い方も紹介!

いしるという調味料を使った料理を食べたことがありますか?いしるは能登地方に昔から伝わる魚を発酵させて作った液状の調味料です。魚のうま味が強く、濃厚なコクがありくせになる美味しさです。いしるが特産の能登地方では、いしるを使ったいしる焼きやいしる鍋なども名物として食べられています。今回はいしるの使い方や、いしるを使う料理など調査しました。ぜひ、うま味の強いいしるを使って、美味しい料理を食べてください。

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目次

  1. 1いしるとは何?
  2. 2魚醤とは?
  3. 3いしるの作り方
  4. 4「いしる」と「いしり」
  5. 5いしるを使う伝統料理
  6. 6いしるの使い方アレンジ
  7. 7いしるを使って料理を美味しく!

いしるとは何?

「いしる」という調味料を知っていますか?いしるは石川県能登地方で昔から作られている魚醬です。能登地方と言えば、日本海の海の幸が有名ですが、その豊富な海産物を有効活用して作られたのがうま味の詰まった魚醬のいしるです。

魚醤とは?

魚醬(ぎょしょう)とは、魚介類に食塩を漬け込んで長期間発酵させて作った液状の調味料です。昔ながらの伝統製法で作った魚醬はシンプルに魚介類と塩のみで作られているものがほとんどです。魚介のうま味が熟成された調味料になります。魚醤油(うおしょうゆ)という言い方をする場合もあります。醤油は大豆を発酵させて作られたものですが、それと同じように魚醬は魚介類を塩漬けにして発酵させたものです。

発酵して黒っぽい液体で見た目はほぼ醤油のような魚醬ですが、塩分濃度がかなり高く、醤油と同じ感覚の使い方をすると塩辛く感じます。大豆から作られた醤油は植物性のたんぱく質なので、あっさりとした香りと味わいですが、魚介類を発酵させた魚醬は香りも味わいも独特のくせを持っています。ですがその分、魚介のだしがしっかりと出てうま味も強く、一度味わうと病みつきになる美味しさです。

いしるの使い方は基本的に醤油と同じように使えます。だしに入れて煮物や鍋物にしたり、醤油のように刺身に付けても美味しいです。イカや魚に付けて焼けば、香ばしく美味しい焼き物になります。お浸しに掛けてもいいでしょう。もともとの材料が海産物なので、魚介類との相性がよく、魚介を使った料理ならどんなものでもおすすめです。ただ、醤油に比べて塩分が多いので、量を控えめに使い味の調整をして食べてください。

いしるは日本三大魚醬

魚醬は海産物が手に入りやすい港町で発達してきました。秋田県で作られている「しょっつる」や香川県の「いかなご醤油」と共に能登のいしるは日本の三大魚醬と言われています。いずれも海沿いの街で、豊富に取れる海産物を保存のためや有効活用するために魚醬という形にしてきました。石川県のいしるは質が良く、魚醬の生産量が日本一となっています。

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いしるの作り方

いしるの原材料はいわしやサバなどの青魚です。青魚を丸ごと使う場合が多いですが、頭部や内臓を利用していしるを生産していた時代もあったようです。材料の魚の重量の約20%程度の塩を使い、魚、塩と交互に桶に入れ熟成させます。1年程度熟成させたら、桶の下の方に液体が貯まってきています。その液体を取り出し、殺菌のために火にかけ、冷めた後に上澄み液を濾しとったものがいしるです。

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「いしる」と「いしり」

能登地方の魚醤は、いしるといしりと言われるものがあります。いしるは日本海側の外浦に面した輪島港や蛸島港、富来福浦港といった地域でよく採れるイワシやサバなどを使って作られてきました。それに対し、「いしり」は富山湾に面した内浦地区の小木港や宇出津港でよく採れる真イカの内臓を使い、作られたものです。現在の日本の魚醬で内臓を使うのは、能登のいしりだけです。

いしりはイカの内臓を利用するので、いしるより風味が強いのも特徴です。濃厚なコクがあり、いしると比べても匂いが強いので好みが分かれることもあります。風味は違いますが、エリア的に近く使い方もほぼ同じなため、全国的に能登地方で作られた魚醬をすべていしるという言い方をする場合もあります。

いしるを使う伝統料理

能登地方ではいしるは身近な調味料として、日常的な使い方をしてきました。能登の新鮮な海産物と合わせた美味しい料理もたくさんあります。海産物を取り扱う飲食店に行くと、いしるを使った料理がメニューとしておいてあります。いしるを使い、炙り焼きにしたいしる焼きは能登地方の名物です。

いしる焼き

いしるに魚やイカなどの魚介類を漬け込み、焼いたものがいしる焼きです。同じ魚介のだしが出たいしるは、能登で取れる海産物と相性が良く、うま味が増します。焼くのでいしる独特の香りも飛び、あまり気にならなくいしるを使った料理ではおすすめの使い方です。能登地方に行けば、いしる焼きとして売られている物もありますが、いしるを使い魚に漬け込んで自分で作ることもできます。

いしる焼きでもいしるに漬け込む方法と、塗りながら炙り焼く方法があります。魚などをいしるに漬け込み軽く干した後に焼くいしる焼きなら、いしるのうま味が染み込み美味しいですが、塩辛い場合も多いので、水と同量のいしるを混ぜたものに漬け込むといいでしょう。いしるを塗りながら焼くいしる焼きなら、香ばしさが出るように、焼いていしるを塗ってと何度か繰り返すと香ばしさが増して美味しいいしる焼きになります。

いしる鍋

いしる鍋は能登地方では昔から食べられ来た使い方です。昆布のだし汁といしるで味を整えた鍋だしに野菜や魚などを入れると、体がぽかぽかとする美味しい鍋になります。いしるは魚のだしがしっかり効いた調味料なのでお肉を入れるより、海産物の方が相性がいいのでおすすめです。いしる独特の匂いも鍋だしを煮込むことで薄まりあまり気にならなくなります。

土鍋に昆布一切れと水400ccを入れて火にかけます。沸いてきたところで、いしるを大さじ1,2程度加え白菜や大根、白ネギなど鍋に入れる野菜を入れて煮込みます。野菜に火が通ってきた頃に、白身の魚やエビなどを鍋に加えるといしる鍋の完成です。使い方として醤油のように入れることができますが、塩味が強いので味見をしつつ控えめに加えましょう。

いしるの使い方アレンジ

いしるは魚介のだしのうま味が濃厚で、しっかりと塩味のきいた調味料なので色々な料理に使えます。昆布やカツオだしに加えるとうま味の相乗効果で美味しいので煮物などのだし汁にも加えるのもおすすめです。和食以外でも数滴入れて隠し味に使うと風味が増します。

いしるで浅漬け

旬の野菜をサッと漬けて出来る浅漬けにもいしるを利用できます。いしると水を同量、昆布を一切れ入れたものに野菜を一口大に切って入れます。キャベツや大根、キュウリなどなら1時間程度漬けておくだけで美味しくなります。固い人参やまるごとのキュウリなどなら一晩寝かすといいでしょう。急いで作りたいときなら、いしると野菜をビニールに入れ、もみ込むと漬ける時間を取らなくても味が染み、あっという間に出来上がります。

味噌汁などの汁物にもいしるのうま味

だし汁にいしるを加えて味噌を溶かすと風味のいい味噌汁になります。いしるは塩分が多いので、味噌は通常に比べてかなり減らして溶かします。具材は大根や人参などの野菜や豆腐、キノコ類などどんなものでも構いません。豪華な味噌汁にしたいときは白身魚など海産物のものを入れるのもおすすめです。アオサ海苔にいしるを少し垂らし、お湯をかけるだけでも簡単に澄まし汁にもなります。

だし巻き卵もいしるの風味で美味しく

だし巻き卵にいしるを加えると、いつものだし巻き卵とはひと味違うものができます。卵4個に、だし汁大さじ5~7を混ぜます。だし汁が多いとふわっとしますが、崩れやすくなるので好みで加減しましょう。砂糖大さじ1、いしる小さじ1/2程度を加えます。玉子焼き機で重ねながら焼くと美味しいだし巻き卵になります。しらすや海苔などを加えると海の香りが増して、さらにいしるの味わいを引き立てます。

隠し味の調味料として

野菜炒めやチャーハンなどの炒め物の味付けに使うこともできます。タイのナンプラーも同じ魚醬ですが、ナンプラーよりも匂いが控えめで、同じような使い方ができますが和食に合いやすい調味料と言えます。ラーメンの隠し味に数滴加えればコクが増します。焼きおにぎりに醤油を塗る使い方と同じように、いしるを塗って焼きおにぎりにすると香ばしい香りになり、生臭さを感じにくくなります。

いしるを使って料理を美味しく!

昔ながらの調味料いしるは、港町の豊富な海の恵みを生かしたものです。いしるの存在と使い方を知れば、いしるを入手して美味しい料理に使いたいと思うでしょう。醤油と同じように発酵しているのでうま味成分が強く、どんな料理にも合います。現在、日本では特定の地域でしか見かけない魚醬ですが、能登のいしるは生産量も多く、名産になっているので食べる機会も多く手に入りやいです。ぜひいしるを使ってみてください。

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