ヤマメの特徴と旬は?味と食べ方やアマゴ・サクラマスとの違いも解説!

川魚のヤマメとは、どんな魚でしょうか?と聞かれてすぐに特徴をこたえられますか?それ以前にヤマメを見たことも、食べたこともない人も地域によってはおられるのではないでしょうか?実はとても美しく美味しいヤマメは、渓流の女王と呼ばれていたり、食べると身体にとても良く、昔は妊婦さんに食べさせていたり、ヤマメを食べると風邪や中耳炎が治ったなどという言い伝えもあるそうです。そんなヤマメの魅力をたっぷりと紹介したいとおもいます。

ヤマメの特徴と旬は?味と食べ方やアマゴ・サクラマスとの違いも解説!のイメージ

目次

  1. 1ヤマメは見た目が清楚で美しい魚
  2. 2ヤマメの特徴と旬について
  3. 3ヤマメの食べ方と味について
  4. 4ヤマメとアマゴやサクラマスの違いについて
  5. 5ヤマメは美しい魚で絶品!見つけたら食べてみよう

ヤマメは見た目が清楚で美しい魚

ヤマメとは、漢字で山女魚と書きます。見た目が清楚で美しいことと、山にいる魚という意味です。全長40センチくらいまで成長します。産卵期は9~10月で、繁殖期には体全体が黒っぽくなって、体側やヒレなどには不定形に、桜色から濃い赤色までの婚姻色が現れます。

地方名には、エノハ、コクレ、ヤマベ、マダラ、シマメなどがあります。寿命に関しては、色々と説がありますが、おおよそ3~4年と言われています。雄は1年目で成熟する個体もいますが、雌の成熟は2~3年目ころです。また、イワナやニジマスなど他の川魚に比べて、非常に警戒心が強い魚です。

ヤマメの特徴と旬について

ヤマメは渓流の女王と呼ばれる淡水魚

昔の人が、妊婦さんに産前産後の肥立ちが良くなり、母乳も沢山出るし、目の綺麗な子供が生まれるとか、病人にヤマメを食べさせると良くなったとか、中耳炎がなかなか治らないときにヤマメのあぶらを付けると治った、または、ヤマメの肝を食べたら風邪が治ったなどと、不思議な効能があることと、美しい姿が渓流の女王と呼ばれる由縁ではないでしょうか?

それと、なんと言っても見た目の美しさです。綺麗な流線形にパーマークという綺麗な斑紋が特徴で、清らかで冷たい石清水で育つ為、非常に美味しく釣り人にも人気の高級魚です。

ヤマメの生息地域と棲んでいる場所

ヤマメの生息地域は、関東より北の本州です。九州には一部生息しているところもあります。宮崎県と熊本県にまたがる沢の源流域には、他の地域との混種ではないと思われるヤマメの存在が認められています。本来は、ヤマメとアマゴの生息域が完全に分かれていたものの、放流が盛んになったために、生息域が乱れてしまいました。

水温の上限温度は24℃で、24℃になると餌を食べなくなり、26℃では死亡してしまいます。河川の上流域でイワナよりも下流域に生息しています。ヤマメはサクラマスの陸封型で、河川のみで生息します。ヤマメの生息に適した場所は、保水力のある緑が豊かな山がある、水が枯れることなく比較的流れのはやい渓流です。

また、ヤマメの生息域がイワナの存在の有無によって違う点があり、非常に興味深い観測結果があります。北海道から本州の河川で、イワナが生息している川では、イワナが単独で源流に生息し、それよりも下流にイワナとヤマメまたはアマゴが混在する短い領域があって、さらに下流にいくとヤマメかアマゴどちらかの単独領域となっています。

しかし、イワナが生息していないと言われている九州地方や四国では、夏の水温が20℃以下の渓流で、アマゴが源流域を占めています。また、九州地方ではヤマメかアマゴが源流域を独占しているそうです。また、イワナとヤマメとアマゴの間には、河床勾配や水温などの環境の条件によることと、生活空間、餌、産卵場所などをめぐっての縄張りと秩序の確立があるようです。

パーマークと呼ばれる斑紋が特徴的

ヤマメの美しい体の特徴は、体側に小判状の斑紋(パーマーク)があります。このパーマークは成長すると薄くなり、30センチを超えるとサクラマスのように銀色に近い色となりますが、ヤマメは、ほとんど30センチどまりです。尾びれには黒点は無く、頭部の背面を除いた背中に黒点が散在しており、朱色の点がありません。

ヤマメの旬の時期は?

ヤマメの旬は春から夏にかけてで、3月~8月ごろと長い期間美味しく味わうことができます。食べるのに良い旬とは別に、希少種になりつつある天然のヤマメは、保護の目的で禁漁期間が定められています。地域によって、禁漁期間が違うので必ず確認をするようにしましょう。

旬といえば、どの食材にも旬の時期がありますが、川魚の旬というのも海の魚と同じ様に、種類によって違いがあるのでしょうか?まず川魚の代表の中の一つ、鮎の旬はというと、6月~8月ごろまでですが、7月が特に骨の柔らかい若あゆの旬のようです。また、好みの違いにより、落ち鮎と言って産卵前の子持ちの鮎は8月下旬~10月頃が旬のようです。

そして秋と冬が旬の鰍(カジカ)ですが、スズキ目カジカ科で声が渓流に住む河鹿カエルに似ているとされ、魚へんに秋と書くのは秋の季語であるためです。3月~6月に産卵期を終えて、夏には荒食いをし、脂が乗るのが秋のようです。地域によっては春まで旬のようで、このカジカを焼き枯らし、さらにもう一度炙り熱燗を注いだ、ごり酒または、かじか酒があります。

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ヤマメの食べ方と味について

ヤマメの味とは?

渓流の女王と呼ばれ、山女魚という名前といい、良いイメージばかりのヤマメです。もちろん、味も日本人の好きな味で、淡泊でありながら程よい脂ののりがあり、食感もプリプリとして見た目とともに人気の味のようです。

本来、澄み切った水で餌となる昆虫も豊富に生息している、自然がそのまま残った環境で育つヤマメは、匂いにもクセがないのでその脂も臭みがありません。しかし、近年は養殖されてから放流されたヤマメが大半ですから、生活排水がある近くに長く生息していたりするヤマメの場合、洗剤のような味や匂いのする個体もいるようです。

ヤマメの書き込みやブログなどに、ちょくちょく書かれている身がピンク色のヤマメが時々いて、味がいいということですが、サケ・マス科は本来白身の魚ですが、甲殻類を餌として食べると身が赤くなるようで、養殖のものの場合、餌に甲殻類を入れているそうです。それと同じ様に、ヤマメもサケ科ですから餌によって身の色がピンクになる個体もいるのででしょうか?

ヤマメの陸海型であるサクラマスは、海で甲殻類を多く捕食して体も大きくなり遡上に備えて、多くの甲殻類でエネルギーを蓄えることにより身がピンク色になり、卵までもが赤色になります。元々同じ種類のヤマメとサクラマスですから、陸封型のヤマメでも30センチを超える個体になると、捕食したヨコエビや川虫などの影響でピンク色になると考えられています。

実際にヤマメに海老だけを与えて育てて、みごとなピンク色のヤマメの刺身を頂けるお店が渓流の近くにあるそうです。どれだけ味が違うのか食べてみたいものです。

ヤマメの一番おすすめの食べ方は塩焼き

澄み切るほどの綺麗な渓流で釣れたヤマメの食べ方は、そのものの味が良いので塩焼きで食べるのが一番お勧めの食べ方です。旬の時期に旬のもを食べるという日本の習慣を、楽しむことができるのも、釣りの醍醐味かと思いますので、美味しい天然のヤマメの味を塩焼きで味わう為に、釣りを始めてみてもいいかもしれません。養殖と天然の違いも分かりやすい食べ方です。

では、ヤマメの塩焼きをする為に、さばき方ですが、捌く前に表面のヌメリを取る為に、多めの塩をヤマメにすり込み洗い流します。ヤマメの腹を肛門から開いて内蔵を綺麗に取り出します。流水で洗い流しながら背骨の部分に血合いがあるので、しっかりと取り除きましょう。血合いや内臓が残っていると、臭みの原因になったり、カリっとした焼き上がりになりません。

出来れば、エラも取り除きましょう。キッチンペーパーで水気をしっかりと拭きとります。ヤマメに串を刺していきます。ヤマメがSの字になるように刺すのですが、最初に串をヤマメのクチから刺し込み、背骨を中心にして左右に縫うように刺します。ヤマメ全体に多めの塩を振りかけます。焼いている間に余分な塩が落ちるので、ヤマメが白くなるくらい振ってください。

尾びれと背ビレには、多めに飾り塩をします。炭火で焼くのがじっくり中まで焼けるので美味しく仕上がりますが、難しいようならグリルの中火で、焼き目が付くまで焼いたら完成です。炭火で焼く準備が出来る場合、焼き方のコツとして、川の魚は皮がら焼くのが常識ですので、背中の方から焼いていきましょう。遠火でじっくりと焼いて、皮が乾いたらひっくり返します。

魚の焼き方の基本、遠火の直火、炭に近づけすぎないように気を付けましょう。皮目がこんがりと焼けてきたら、少し遠ざけてじっくりヤマメに火を通すイメージです。ヤマメのお腹の部分から水分が落ちてきますので、それが止まったら食べごろです。水分が残り過ぎると、生焼けで、生臭さが残りますので慌てずじっくりと焼きましょう。食べ方は勿論かぶりつきでしょう。

焼けたヤマメは、頭と背骨以外は、骨が柔らかいので全て食べることができます。更に、残った頭と背骨の食べ方ですが、炭の弱火でカリカリになるまで焼き、塩を振ればおやつ感覚でポリポリと食べられます。香ばしい味でおつまみにもなりますし、天然のヤマメの自然の味を余すところなく、全部頂ける食べ方と言えるでしょう。

川魚特有の匂いを消す味噌焼き

塩焼きでも川魚の特有の匂いが苦手という人には、味噌焼きをおすすめします。塩焼きとは違う味わいを楽しみたい人にもおすすめの食べ方です。先ほどの塩焼きと同じ様に、塩でヤマメのヌメリを取り除き、捌いて内蔵とエラ、血合いを綺麗に洗い流します。味噌大さじ1に薬味ネギやミョウガ、大葉などを細かく刻んだものを混ぜます。

薬味と混ぜた味噌をヤマメのお腹の中に詰め込みます。グリルでじっくりと焼いたら完成です。甘目が好きな人は、酒やみりんを味噌に少し混ぜて作ってみてください。味噌は焦げやすいので、お腹の中に詰め込みましたが、皮にも味をつけたい場合、ある程度ヤマメに火が通ってから、薄く味噌を皮に塗ってから更に焼くといいでしょう。

もう一つの焦がさずに焼く方法として、アルミホイルに包んで焼いてから、最後の仕上げの段階で、アルミホイルを外し、表面をこんがりと焼くと焦げずに火を通せます。

他にも味噌を使った食べ方として、味噌、酒、みりんを大さじ2ずつ混ぜたものを、捌いたヤマメ全体に塗り付けてラップをし、冷蔵庫で一晩寝かせて味を染み込ませます。焼く前に表面の味噌を取り除いてからグリルでじっくりと焼きます。味噌味が染み込み、更に少し熟成された味となり、美味しい味噌焼きとなります。

洋風にアレンジしたムニエル

次は、洋風の食べ方を紹介したいとおもいますが、一番簡単でシンプルなムニエルの作り方です。ムニエルとは、元々フランス料理の一つで、魚に塩コショウで味付けをして小麦粉をまぶし、バターで焼く料理です。ムニエルにした食べ方での魅力は、小麦粉を付けることでカリっとした表面の食感と、閉じ込められた旨味が楽しめることです。

ではヤマメのムニエルの作り方ですが、多めの塩でヤマメのぬめりを取ったら、内蔵とエラと血合いを綺麗に洗い流しておきます。キッチンペーパーで水分を拭きとったら、塩コショウをして小麦粉を薄くまぶします。今回は、魚の臭みを抑えたり食欲を刺激する意味で、ニンニクとローズマリーを使います。

フライパンでニンニクとローズマリーを軽く炒めます。焦げないよう弱火で、にんにくに少し色が付いたらオリーブオイルを入れてください。ニンニクとローズマリーを取り出し、ヤマメをフライパンに並べます。弱火で焼きはじめて、途中で中火にします。ヤマメの両面に焦げ目がついたらバターを入れて、ヤマメとバターを馴染ませます。

バターが全体にいきわたったら、火を止めてにんにくとローズマリーを戻し余熱で少し置いておき完成です。ヤマメに火が通っているかは、時々お腹の部分を覗いてみてヤマメの身が白くなっていたら、火が通っている証です。シンプルな食べ方なので、色々なソースをかけることで、アレンジのきく食べ方でおすすめできます。

魚のムニエルに使えるソース

ムニエルはバターを使ってソテーをするので、同じ発酵調味料の醤油も相性がいいでしょう。ソテーしたあとのフライパンにバターを足して、醤油を少し入れ火を入れ煮詰めたら、簡単にバター醤油のソースが出来上がります。ここに白ワインとレモン汁を少しずつプラスすれば爽やかな、レモンソースにもなります。ホタテ料理などのソースにも使えます。

次のソースは、粒マスタードマヨソースです。粒マスタード小さじ1、牛乳大さじ1、マヨネーズ大さじ3、砂糖少々を混ぜ合わせれば完成です。他のソースのように、ヤマメをソテーしたあとのフライパンで少し煮詰めてもいいでしょう。余ったソースは、翌朝食パンにチーズと一緒に乗せて焼き食べるのもおすすめします。

さっぱりとしてるのに栄養満点のトマトとナッツのソースです。トマト1個分を小さいさい目切りにします。ニンニクはみじん切りにして、アーモンド・カシューナッツ・ピーナッツ(好みのナッツだけでもOKです)を粗目に刻んで、トマトと混ぜます。レモン汁少々とオリーブオイル適量、塩コショウで味を調えたら完成です。鶏肉やパスタのソースにも使えます。

次も夏に向けてさっぱりして、夏に必要な栄養素も摂れる、バルサミコ酢のソースです。ソテーした後のフライパンに、白ワイン大さじ1、みりん大さじ1、醤油大さじ1、バルサミコ酢大さじ3、蜂蜜大さじ1、バター適宜を全て入れて煮詰めたら完成です。バルサミコ酢は肉、魚、野菜どんな食材にも合うので、色々な料理のソースとして使ってみてください。

ジェノベーゼソースが好きな人は多いでしょうが、ジェノベーゼの材料を揃えるのが少々面倒くさかったりする人の為に、バジルソースの作り方です。本当にシンプルです。バジルと塩とオリーブオイルさえあれば出来ます。バジル500g、塩小さじ1、オリーブオイル100㏄全てをミキサーで混ざるまで粉砕するだけです。フレッシュバジルが手に入ったら作りましょう。

骨まで食べられる南蛮漬け

旬の時期は、沢山釣れてしまうこともあるでしょう。そういう時は、余ったヤマメを南蛮漬けにしておきましょう。タレに漬けたまま冷蔵庫で1週間は日持ちしますし、これから食欲のない日にもさっぱりと食べやすい食べ方ができて、おすすめです。南蛮漬けのタレは、魚だけでなく、チキン南蛮、やかに玉、酢豚など用途が多いので、作り置きしておくと便利です。

まず、使い方によって、食べ方も多様な南蛮漬けのタレの作り方を紹介します。酢50ml、醤油40ml、砂糖40gで、目安の分量ですので目分量で作っても出来るでしょう。砂糖と醤油を火にかけて砂糖を混ぜながら溶かします。少し冷ましてから酢を入れて混ぜ合わせます。最後に酢を入れるのは、酢の酸味と風味が飛ばないようにです。

できた南蛮漬けのタレにスライスした玉ねぎと人参の千切りを入れて馴染ませておきます。いよいよヤマメの調理です。きちんと捌いて下処理したヤマメに片栗粉を薄くまぶしたら、170℃くらいの油で揚げます、ヤマメから出る泡が小さくなって浮いてきたら油から揚げてそのまま野菜の入ったタレの中にヤマメを漬け込みます。

すこし置いて味が馴染めば完成です。夏の暑い日は、冷蔵庫で冷やしておけばすぐに一品として出せるので、便利です。鷹の爪もタレに入れておけばぴりっとアクセントにもなりますし、保存にも有効です。

ホットプレートで簡単野菜もたっぷり食べられるちゃんちゃん焼き

この食べ方をするのは大きめのヤマメが釣れたときにお勧めのレシピです。また、人が大勢いる時にも、一度にできてそのまま食卓に並べても豪華な食べ方です。野菜もお好みで色々と試せるので、材料の持ちよりにもピッタリな食べ方でもあります。釣ってすぐに外でバーベキューのようにしても、みんなで楽しめそうな食べ方でもあります。

キャベツ、玉ねぎ、にんじんなどの野菜をざっくりと食べやすい大きさに切っておきます。味噌、酒、砂糖、みりんを適量合わせて混ぜます。甘さは好みで加減してみてください。綺麗に下処理したヤマメを開きにするか、骨が気になる人は三枚おろしにしてください。ホットプレートに油をしいて、皮目を下にしてヤマメを焼きます。

ヤマメをひっくり返して、切っておいた野菜を全部いれて蓋をし蒸し焼きにします。野菜に火が通ってしんなりとしたら、混ぜ合わせておいた調味料を回しかけて、バターを適量何か所かに乗せたら、完成です。

夏野菜とヤマメの栄養たっぷり揚げびたし

麺つゆを使った誰にでも簡単にできる、上品なおかずのレシピです。丁寧に捌いて下処理したヤマメを一口大に切り、キッチンペーパーで水気をふき取ります。ナス、ズッキーニ、人参など好みの夏野菜も食べやすいサイズに切っておきます。野菜を順番に、素揚げして、同じ量の水で割った麺つゆにおろし生姜を入れ、そこへ揚げた野菜を浸します。ヤマメは酒大さじ2を振りかけて、片栗粉をまぶして油で揚げたら、野菜の入った麺つゆに漬けます。

味が馴染むまで、1時間ほど置いて完成です。暑い夏は冷蔵庫で冷やしてから食べると食べやすいです。彩りも良く、野菜の美味しい夏にぴったりのレシピです。野菜だけで作っても十分おいしいメニューです。

本当にヤマメは身体にいいの?

ヤマメには実に多くの栄養素が含まれています。昔、現代のように豊富に食料が手に入らなかった時代には、本当に体に良いとされた意味がわかります。現代になってこそ、具体的な栄養素とその効果効能がはっきりと立証されていますが、昔の人はどのようにして、ヤマメの効果効能を知ることができたのか、本当に感心します。

ヤマメに含まれるレチノールは、脂溶性ビタミンで、成長を促し、肌の健康にも効果があります。また、目の病気を改善し、粘膜の働きを助ける効果もあります。そして、ビタミンB1は栄養状況のよくなかった時代に多かった脚気(かっけ)の治療に役立ちます。このことから昔の人はヤマメの力を知っていたのでしょうか?

更に、細胞の新陳代謝を促し、タンパク質をエネルギーに変換する代謝に重要な働きをするビタミンB2、水溶性のビタミンで酵素の働きを補助したり、脳神経を正常に働かせるナイアシン、血中の善玉コレステロールやホルモン、免疫抗体などを作りだし動脈硬化の予防をするパントテン酸、代謝に作用し筋肉や血液を作るのを助けるビタミンB6なども含まれています。

そして昔の人が産前産後の肥立ちに良いからと言われていた要因である、要素も含まれており、貧血の予防、細胞の生まれ変わりや、赤血球を作るのに欠かせない栄養素です。さらに細胞増殖に欠かせない成分であり、胎児の正常な発育に重要な役割を果たします。また、骨や歯を構成するカルシウムを含み、イライラやストレスの緩和をしてくれます。

また貧血の予防をし、細胞に酸素と栄養を届けるヘモグロビンを助ける鉄も含まれています。ヤマメは、他にも多くのビタミン群や、リン、マグネシウムも含む優秀な食材なのです。

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ヤマメとアマゴやサクラマスの違いについて

ヤマメにそっくりなアマゴとは?

アマゴとは、サケ目サケ科に属する川魚です。サツキマスの河川残留型のことをアマゴと言います。銀色の身体に綺麗な青緑色の斑紋が7~11個あり、朱色の点も散財しています。背中部分には、黒色の点があり、通常は25センチ前後ですが、30センチくらいまで成長すると、青緑色の斑紋が薄くなってしまう個体もいます。

主にプランクトンや昆虫、小魚を食べる動物食性で、産卵期は9~11月です。アマゴを漢字で雨子、雨魚、甘子、天魚などと書きます。雨が多い梅雨や初夏によく釣れることから、あめのうおが転訛して、あめごなどと呼ばれたことによります。アマゴはサツキマスの陸封型で、水温20度以下の渓流の上流に生息しています。

ヤマメとアマゴの違いは?

ヤマメは何年か産卵を繰り返しますが、アマゴは一回の産卵で死んでしまうという違いがあります。たまに生き残って翌年にも産卵する個体もいます。ヤマメとアマゴの見た目はほとんど同じですが、アマゴには、体側に赤い斑点があり、ヤマメにはないのが違いで、そこが見分けるポイントです。しかし放流が盛んになったことで、交雑種が天然の河川でも見られます。

赤色の点の有無以外の外見的な特徴の違いはあまりありませんが、生息地域が圧倒的に広いのがヤマメで、アマゴにも多様性は見られますが、ヤマメの方が河川ごとの多様性が沢山みられるという違いはあります。それから、ヤマメとアマゴの違いには、アマゴの降海型は一部の個体群に限られていて、ほとんどのアマゴが陸封型だそうです。

その他のアマゴとヤマメの違いというと、アマゴはあっさりとしたクセのない味ですが、ヤマメはワイルドで独特な匂いがあるようです。ではアマゴとヤマメの旬に違いはあるのでしょうか?ヤマメの旬は、まだ肌寒い3月から真夏の8月までと長い期間旬を楽しめる魚です。一方、アマゴの旬は、4月~5月が一番美味しく頂ける旬の時期と言えます。

ヤマメとサクラマスは同じ魚?

ヤマメとサクラマスは、卵の時にはどちらになるかわからないそうです。元々は同じ魚ですが、一旦海に行ってから、生まれた川に遡上してくる方、つまり降海型をサクラマスと呼びます。その逆で、海には行かずずっと川にいる方、つまり陸封型をヤマメと呼びます。育つ過程で、割と大きな個体の方が、陸封型になる傾向にあるそうです。

つまり、餌を沢山摂ることが出来るから大きくなれる訳ですが、餌取りに負けた小さな個体が、海に出ていくようです。そして、海に出た降海型のうち1割しか生まれた川に戻って来られないようです。

ヤマメとサクラマスの違いは?

まず一番の違いは、先ほど説明したように、海に一旦出るか出ないかという違いもありますが、海から戻った時のサクラマスの大きさが40~50センチで3キロもの重さに成長するのに対して、陸封型のヤマメは20~30センチだそうです。重さも100グラムしかありません。この時期なら誰が見ても、その違いは歴然としています。

面白いのは、遡上してきたサクラマスが産卵する時です。サクラマスのペアの周りにヤマメの雄がいて、サクラマスの放精に混ざって一緒にヤマメも放精するそうです。時には、サクラマスの雌とヤマメの雄がペアになることもあるそうです。

サクラマスは、生魚になるとかなり大きくなり、寿司のネタとしても使われます。駅弁で有名な、ます寿司もサクラマスを使ったお寿司です。見た目も味も用途も全然違い、ヤマメとサクラマスの関係には驚くことが沢山です。ヤマメは一般の人が釣ってもいい魚ですが、サクラマスは釣ると法律で罰せられます。ここも大きな違いです。

しかし、ヤマメとサクラマスを区別する明確な定義があるのでしょうか?サクラマスには、ヤマメ系サクラマス、アマゴ系サクラマス、ビワマス、タイワンマスという4つの亜種に分けられています。例えば銀山湖に放流されたヤマメが、ダム湖を海のかわりとして大きく成長し、サクラマスほどの大きさになります。しかし、釣り人はそこでは自由に釣りが出来ます。

ここの項目で、最初に挙げたヤマメとサクラマスの違いに、海に出るか出ないかという違いからすると、銀山湖のサクラマスほどの大きさに成長しても、ヤマメということになります。成長過程での違い、釣り人から見た違い、食品として扱う人から見た違いなど本来同じ種として生まれた魚が、人間の都合で違う名前で扱われているがための矛盾も生じているのでしょう。

濃いピンクのアマゴ

ヤマメに濃いピンクの個体がいることに触れたので、アマゴもいるはずと調べてみました。アマゴの雄が産卵期が近づくと、薄いピンクから徐々に濃いピンクへと変わっていくのを婚姻色という現象のようです。これは精巣から出る雄性ホルモンによる求愛行動で開発刺激の役割をするそうです。ヤマメの場合、婚姻色は黒くなっていきます。

釣った川魚の保存方法

海の魚も、川の魚も同じで出来れば釣りたてに魚を絞めて、血抜きをして内蔵やエラを取ってしまうことです。そして、すぐに氷を入れたクーラーボックスで冷やしながら持ち帰ることです。冷凍保存する際には、綺麗に血合いなども洗い流した魚をキッチンペーパーで水気をふき取り、ジップロックに入れて中の空気をストローなどで出し、真空にしてから冷凍します。

海の魚と違って、小ぶりなサイズの川魚は姿焼きにすることが多いので、内蔵を取り除いた部分にキッチンペーパーを丸めて詰めて保存すると、魚の形が崩れにくくお腹の部分も陥没を防げます。甘露煮など大量に調理した時は、小分けにしてジップロックで真空状態にして冷凍しますが、解凍は袋のまま流水で解凍する方法が味を損ないにくく、早く解凍できます。

ヤマメは美しい魚で絶品!見つけたら食べてみよう

ヤマメについて、サクラマスやアマゴとの違いと比べながら紹介してきましたが、渓流の女王と呼ばれる理由がわかっていただけたでしょうか?どの魚も同じことなのですが、やはりその魚が本来生息に適した環境で育ってこそ、天然の美味しさが味わえるのです。川魚は源流に近づけばまだ、綺麗で自然豊かな環境が残っています。

しかし、河口に近づくにつれ、だんだんと家庭排水や魚の餌となる、昆虫などが生息するのに必要な環境も保てない状態になっています。川はやがて海に流れつきます。川の状態でその近辺の海の状態も良し悪しがきまります。美味しいヤマメを食べられるには、水を多く含んだ山、つまり緑豊かな森のある山が必要です。

美味しいヤマメを求めて、スーパーではなく渓流へ釣りに行くことにより、自然の豊かさを体感し、更にその豊かな自然の必要性も理解することとなるでしょう。ヤマメの放流も大事な活動ですが、食べる側も必要な量だけを釣って食べ、種を残す大切さを理解することで、美味しいヤマメを後世に残す必要性も感じてみてください。

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