スコーンの食べ方の正しいマナーは?アフタヌーンティーでの取り方は?
スコーンという名前がようやく浸透していき、お店でも見かけるようになりましたが、スコーンの食べ方の正しいマナーは?と聞かれたら答えられない人が多いと思います。最近、ホテルのラウンジなどで見かけるアフタヌーンティーが女性の間で大人気ですが、アフタヌーンティーでの取り方は?また、どのうような食べ方がエレガントに見えるのかを、まとめて紹介しています。イギリス発祥のアフタヌーンティーやスコーンのマナーに詳しくなって、美味しくいただきましょう。
目次
- 1アフタヌーンティーとは?
- 2アフタヌーンティーでの取り方やマナー
- 3スコーンの食べ方:スコーンとは?
- 4スコーンの食べ方:スコーンの歴史
- 5スコーンの食べ方:スコーンに合うジャムは?
- 6スコーンの食べ方:スコーンに合うクリームとは?
- 7スコーンの食べ方:ジャムとクリームの正しいのせ方
- 8スコーンの食べ方:正しい食べ方
- 9スコーンの食べ方:スコーンと紅茶のセットは何と言うのか?
- 10スコーンの食べ方:きれいにいただく
- 11スコーンの食べ方:クロテッドクリームは自宅で作れる?
- 12スコーンの食べ方:英国式イングリッシュスコーンのレシピ
- 13スコーンの食べ方:アレンジレシピ
- 14スコーンの食べ方やアフタヌーンティーのまとめ
アフタヌーンティーとは?
3段のティースタンドが優雅な雰囲気を醸し出しているアフタヌーンティーは、スイーツ好きな女性の間で大人気ですが、そもそもアフタヌーンティーの正しいマナーや由来を知らない人も多いと思います。アフタヌーンティーとは、イギリス発祥の喫茶習慣のことを言い、19世紀頃英国の上流階級の貴婦人の間で社交場として流行したのが始まりで、午後に開始し、主に紅茶やサンドイッチなどの軽食、スコーンや菓子を味わいます。
このように、紅茶文化が浸透しているイギリスでは、単に飲食を楽しむだけのものではなく、社交場として使われ、礼儀作法や女主人宅での室内装飾、家具調度、使用されている食器や銀のカトラリー、飾られている花や会話内容など広範な分野での知識や教養、そしてセンスが要求されました。上流階級に生まれた子供たちも現在で言うおままごとからアフタヌーンティーを知り、マナーもそこで学びながら貴婦人へと成長しているようです。
現在のイギリスでは紅茶が誰でも気軽に飲めるようになったことによって、上流階級から労働者階級まで幅広く普及した習慣となりました。高級ホテルやティールーム以外は気取った礼儀作法や堅苦しい会話等は無縁ですが、旅行が好きだったり紅茶好きで、何よりアフタヌーンティーが好きな女性には、女子力を上げる意味でも最低限の知識とマナーを知っておくと良いでしょう。まずは、アフタヌーンティーのマナー全般を紹介します。
アフタヌーンティーでの取り方やマナー
アフタヌーンティーのティーグッズとして、憧れなのがこの3段式ティースタンドです。3段が一般的ですが、お店によっては2段のところもあります。このティースタンドにたくさんのお料理やお菓子が盛り付けられますが、どれから食べていいのか、取り方に悩む人も多いでしょう。アフタヌーンティーは主に「下のプレートから順番に食べていく」のがルールになっています。下のプレートにはサンドイッチを置くのが基本です。
趣向を凝らしたフレッシュなサンドイッチが盛られています。サンドイッチであれば、具は何でも良いですが、より英国式を意識したい場合は「キューカンバーサンドイッチ」はいかがでしょうか?作り方は、サンドイッチに薄くバターを塗り、きゅうりのスライスを並べて軽く塩・こしょうしてサンドしたら出来上がりです。正しい取り方は、食べやすい1口サイズであれば、そのまま手で取って食べても大丈夫です。
1口でなかなか食べられない時は、取り方としてナイフやフォークを使い、切って食べます。また、3段ティースタンドから皿に取り分ける時も、ナイフやフォークを使うと、エレガントに見えます。下の段には味の薄いサンドイッチなどの食事系を置き、中段には温料理またはスコーンを置き、上段にはデザートを盛り付けます。そして正しい取り方は下から上へと取るのが一般的ですが、店によっては写真のようなアミューズがあります。
アミューズがあるお店は、アミューズから先に食べましょう。チョコレートが添えてある時は最後にチョコレートを食べます。アフタヌーンティーでの正しい食べ方の順番は、味の薄いものから味の濃いものへ移行するのが味を損なわない工夫でもあります。そんな理由から味の薄いサンドイッチを下段に、味の濃いスイーツは上段にくるようにしています。スコーンの正しい取り方のタイミングは、温かいうちに食べるのが良いです。
アフタヌーンティーは敷居が高いのでは?と感じ、服装選びに悩む方もいますが、これといった決まりはありません。ホテルでの非日常的な空間でのアフタヌーンティーには、デニムやスニーカー、パーカーなどのカジュアルファッションは避け、少し綺麗めの服装で雰囲気を楽しむのがベストです。どうしてもカジュアルな場所からホテルへ向かうといった場合は、すぽっと被れるワンピース1枚があればドレッシーになるので便利です。
アフタヌーンティーの紅茶の正しい飲み方
アフタヌーンティーでは、ポットで茶葉をしっかりと蒸らして淹れた紅茶を時間かけて楽しみます。飲み方は自由ですが、1杯目はストレートで2杯目はミルクティーで飲むのがおすすめです。英国式マナーでは女主人が客人に紅茶をサーブして回りますが、お店では店員がサーブしてくれるところもあれば、2杯目以降は自分でという所もあるので合わせます。ティーフードとの相性を考えて、フレーバーティーは避けた方が良いでしょう。
紅茶の注ぎ方は、スタッフに注いでもらった時に参考にすると良いでしょう。2杯目以降を自分で淹れる場合に覚えたいマナーは、ポットは利き手で持ちますが、その時蓋をもう片方の手で押さえずに注ぐのがポイントです。イギリス製のポットに習って、最近のポットは蓋にストッパーが付いているので、手を添えなくても落ちない構造になっています。心配であれば蓋を開けてストッパーがあるのを確認してから注ぐと良いでしょう。
基本的に紅茶はカップとソーサーがセットになって提供されますが、紅茶を飲む時にソーサーを持ち上げるのはNGです。カップのみ持ち上げて飲みましょう。ただし、ローテーブルや立食、座った際にテーブルとの距離が遠い場合は、ソーサーも持ち上げて飲みます。背筋がぴんとして、エレガントに見えます。ティースプーンはカップの奥に置きましょう。手前に置くと落とす恐れがあります。
アフタヌーンティーは、優雅な時間を過ごしたい場合は「ホテルラウンジでのアフタヌーンティー」が最適です。本格的な美味しい紅茶を楽しみたい場合は「紅茶専門店でのアフタヌーンティー」をおすすめします。紅茶専門店でのアフタヌーンティーでは紅茶が入ったティーポットの他に「差し湯」専用のポットも提供されます。茶葉は時間と共に濃くなるので、濃い紅茶を薄めるのに使います。用途に合わせてお店選びをしましょう。
スコーンの食べ方:スコーンとは?
アフタヌーンティーのマナーや取り方が理解できたところで、次はスコーンの正しい食べ方やマナーを紹介しますが、その前にスコーンの由来について説明します。スコーンは日本でも紅茶通にはよく知られ、お店でも見かけるようになりました。スコーンは元々イギリスの一般的な食べ物で、小麦粉を使った原始的なパンの一種です。素朴な味が特徴で、甘さ控えめなので、紅茶との相性も抜群によく、家庭によってレシピもさまざまです。
スコーンの食べ方:スコーンの歴史
スコーンは、スコットランドの速成パンが始まりだと言われています。速成パンとは、イースト菌で発酵せず、ベーキングパウダーやベーキングソーダーを加えて短時間で作るパンのことです。元々スコーンはオート麦を原料とし、鉄板の上で焼いていましたが、現在では小麦粉が原料となって、オーブンで焼きます。スコーンという言葉にはいくつかの説があり、1つはオランダ語で「良質の白パン」を意味する単語に由来したものです。
もう1つは「運命の石」に由来しているというものです。運命の石というのは、スコットランドのパースにあるスコーン城で、国王の戴冠式に用いられた椅子の礎石のことを示し「スクーンの石」と呼ばれていました。スコーンはそのスクーンの石の形に似ていたのでスコーンと名付けられました。スコーンの名前は、このように王様に関連するものから決まりました。
スコーンの食べ方:スコーンに合うジャムは?
スコーンは素朴で口の中が乾きます。それを補うにも相性の良いのがジャムです。その中でも「ベリー類のジャム」がとてもマッチングして美味しいのでスコーンを食べる時は用意しましょう。ストロベリーやブルーベリー、ラズベリーなど、どれを選んでも美味しいです。スコーンにジャムを付ける際の注意点は、スコーンに付ける度に瓶にスプーンを入れるのは不衛生です。正しい取り方は、小皿にジャムを移しそこから取ります。
スコーンの食べ方:スコーンに合うクリームとは?
スコーンに合うもう1つのトッピングは、まだ馴染みが少ないけれど、イギリスではスコーンに欠かせないクリームがあります。それは「クロテッドクリーム」と呼ばれるものです。1度食べたら病みつきになる美味しさです。クロテッドクリームとは、clotted(凝固した)cream(クリーム)のことで、脂肪分の高い牛乳を弱火で煮詰めたものを一晩置いて、表面に固まる脂肪分を集めたもののことです。
日本のスーパーでは、中沢乳業が販売している「中沢クロテッド」が割と手に入りやすいのでおすすめです。開封した直後はとろっと液状のクリームのようですが、空気に触れるとふわっとしたクリームになり、スコーンに付けやすくなります。また、冷凍しても大丈夫なので、期限内に使いきれなかった場合は冷凍保存も可能ですが、早めに食べきりましょう。取り方はジャムと同様に食べる分だけ容器に移し替えて衛生面に気を付けます。
スコーンの食べ方:ジャムとクリームの正しいのせ方
本場イギリスでは、ジャムもそうですがクロテッドクリームもこんもりと盛って食べます。その方が見た目にも食欲をそそり、スコーンも美味しくなります。甘酸っぱいジャムとふわっとした軽いクロテッドクリームがお口いっぱいに広がり、サクサクしたスコーンとマッチして最高な美味しさです。のせ方はジャムが下でクリームを上にした方がぽたぽたと落ちるのを防ぎ見た目にも良く、何より全て一緒に食べるのが美味しさの秘訣です。
スコーンの食べ方:正しい食べ方
先程、スコーンの由来で紹介したように、スコーンの名前の由来は王様に関連するものでした。焼きたてのスコーンは生地が盛り上がり真ん中に切れ目(腹割れ線)が見えます。「狼の口」とも言われ、真ん中の切れ目にナイフを入れてからいただく方がいますが、イギリスでは王に関連し、ナイフで切るのは謀反につながるイメージなので、ナイフを使わず切れ目から手で割るようにします。
手で割ったスコーンは、スプーンやナイフでジャムやクロテッドクリームを塗って食べます。美味しい食べ方は、必ず「スコーンが温かいうちに食べる」ことに限ります。冷めたスコーンではせっかくジャムやクロテッドクリームがあっても美味しさが半減してしまいます。そしてスコーンを丸ごとかぶりついたり、ぽそぽそと細かくちぎって食べるのはマナー違反なので、気を付けましょう。
スコーンの食べ方:スコーンと紅茶のセットは何と言うのか?
3段のティースタンドと紅茶で提供するものを「アフタヌーンティー」と言いましたが、もう少し軽めのティーを楽しみたい場合、スコーンと紅茶のセットをオーダーすることが出来るのか疑問に感じたことはありませんか?実はスコーンと紅茶だけのセットもオーダーすることができます。本場イギリスではこのセットを「クリームティー」と言います。スコーンと紅茶の良いとこ取りのチョイスで軽めのティーにしたい場合はおすすめです。
スコーンの食べ方:きれいにいただく
アフタヌーンティーやクリームティーなど、スコーンが提供される場合、気になるのはスコーンからこぼれ落ちるぽそぽそとした生地です。ナフキンが用意しているお店が多いので、スコーンを食べる時は必ずナフキンを使いましょう。また、ジャムやクロテッドクリームを同席者と一緒にいただく時は、まんべんなく行き渡るようにきれいに取り分けましょう。ここでマナーの良し悪しが分かってしまうので、注意しましょう。
スコーンの食べ方:クロテッドクリームは自宅で作れる?
クロテッドクリームが手に入らない時、自家製することが可能です。作り方は、動物性生クリームを400~600ml用意します。厚手の耐熱グラタン皿に生クリームを注ぎ入れ、深さ2~3cmにします。ゴミが入らないようにアルミホイルで被せたら、80℃に余熱したオーブンで最低でも8時間は加熱して下さい。薄っすらと表面が黄色っぽくなったらオーブンから外し、室温に置きます。
完全に冷めたら、今度は冷蔵庫に8時間ほど寝かせたら完成です。この黄色いバターのようなものの下がクロテッドクリームになります。この黄色っぽいものも混ぜても構いませんが、口当たりが悪く感じる方は止めた方が良いです。自家製なので、好きなだけたっぷり付けられるのが嬉しいところです。冷蔵庫で3~4日以内に食べましょう。
スコーンの食べ方:英国式イングリッシュスコーンのレシピ
家庭でも簡単にできるスコーンのレシピです。家族やお友達とアフタヌーンティーパーティーはいかがでしょうか?スコーン9個の作り方は、薄力粉・強力粉各150g、ベーキングパウダー大さじ1弱、塩一つまみ、砂糖大さじ1の粉類全てをふるいにかけてからボウルで混ぜ合わせます。フードプロセッサーがある方はこれらを容器に入れて撹拌させます。そこに冷えたバター(有塩)60gを入れ、ヘラなどで細かく切りながら粉と混ぜます。
バターは1cm角にしておくと良いです。夏場に作る時はバター冷凍しておくと、さくさくのスコーンが作れます。バターが粉と合わさりダマのようになったら、卵1個と牛乳150ccをいれ、生地をまとめます。フードプロセッサーを使うとあっという間に生地にまとまるので便利です。ラップに生地を包み冷蔵庫で休めてから、型抜きをし、表面にハケで卵黄を塗ったら220℃に余熱したオーブンで15分ほど焼き上げて完成です。
スコーンの食べ方:アレンジレシピ
スコーンと言えば丸いイメージですが、自家製スコーンは少しアレンジして、スタバのような三角スコーンにしてみても楽しいです。メインの生地は紹介したイングリッシュスコーンで、トッピングにチョコチップやレーズンなどを入れたらまた違ったスコーンが味わえます。自分好みのアレンジ・スコーンを作ってみて下さい。
スコーンの食べ方やアフタヌーンティーのまとめ
今回は、スコーンの食べ方の正しいマナーについて詳しく紹介しました。スコーンを知る上で、アフタヌーンティーのマナーや取り方の順序についても知ることができました。正しいマナーや知識で、今まで以上にエレガントなアフタヌーンティーや美味しいスコーンを堪能しましょう。