もやしの栽培方法と育て方のポイントとは?キットで種から簡単にできる!
お財布にもお腹にも優しいもやしはいつでもスーパー等の店頭で安定した値段で並んでいます。またもやしを使用した料理レシピもたくさんあり、家庭ではひっぱりだこの野菜です。そんなもやしには種類があり、それぞれ特徴もあります。どの種類も比較的簡単に育てられるので家庭菜園初心者にはむいている野菜です。今回はもやしの栽培方法についてと、栽培する際に気をつけなければいけない点や、もやしの育て方のポイントについて紹介します。
目次
もやしとは?
もやしとは、穀物やマメ類の種を栽培し人工的に発芽させた新芽のことを指します。もやしの名前の由来は「萌やし」で、発芽させる意に由来し、発芽する野菜を総称してスプラウトと言います。スプラウトはその育て方によりカイワレ大根等の種から根を伸ばすアブラナ科と、もやし等の頭部に種子をつけた状態で伸びていく、まめ科とにグループが分けられます。
育て方もアブラナ科は根が伸びた後は光をあて栽培するのに対し、もやしは光を当てることなく暗室で栽培するという違いがあります。もやしの主な原料は大豆、緑豆、ブラックマペで単にもやしというと近年大豆や緑豆を発芽させた「豆もやし」を指すことが多いです。
もやしの種類と品種について
もやしの品種は大きく分けて大豆もやし、ブラックマッペ(黒豆もやし)、グリーンマッペ(緑豆もやし)の3種類があります。最近では見た目からは想像できないくらい栄養価が高く、野菜の王様として呼ばれるアルファルファ(糸もやし、紫うまごやし)も注目を集めています。日本で一般にもやしといえば、グリーンマッペのことを指し、日本国内のシェア9割をグリーンマッペが占めています。
グリーンマッペは太めのシャキシャキした歯ごたえが特徴です。一方、細長いブラックマッペも西日本地域では根強い人気があり、ラーメンや鉄板焼きなどの料理に汎用されています。また、豆の部分もおいしく食べられる大豆もやしは独特の歯ごたえと風味があり、韓国料理(ナムル、ビビンバなど)によく使われています。もやしの育て方はどれも同様に育てることができるので使用目的や好みに合わせて選んで栽培すると良いでしょう。
もやしの栽培適期は?
もやしは年中一定の価格で安定的に購入することができることからも検討がつくかと思いますが、室内での周年栽培が可能です。また、栽培方法も比較的簡単で家庭菜園初心者にも向いている育てやすい作物です。
もやし系スプラウト!瓶を使った簡単キットでの栽培方法について
もやしは手に入りやすいキットで簡単に栽培することができます。キットに使用するビンは熱湯や消毒液を使いよく洗浄した使用済みのジャムビンなどを用意します。この広口ガラスビンがキットの重要な道具の一つで、このビンにお好みのもやしの種をビンの10/1ほど入れます。(最終的に10倍ほどの体積にまで育つので種は入れすぎないように注意しましょう。)
出典: https://horti.jp
その後水を入れ、ビンを回すようにしてタネを良く洗い、種をこぼさないように丁寧に水を捨てて種に付着したごみを取り除きます。これを数回繰り返します。洗浄後ビンの半分くらいまで水を入れ、このキットの重要な道具の二つ目はビンに被せるネットです。ガラスビンの口(上部)にネット(ガーゼ等の通気性の良いもの)を被せます。このネットは栽培完了するまで付けたままですので外れないようにしっかりととめておきます。
ビン全体を遮光するためアルミホイルで巻き一晩つけます。翌日豆の状態を確認し豆の皮にヒビが入ってイルカ確認します。上のネットを外さず、中の豆が流れ出ないように水を捨てキレイにすすぎます。これを豆が流れないように丁寧に数回繰り返します。水を切ったらビンの周りをまたアルミホイルで巻き遮光します。
この豆の洗浄からビンの遮光までの作業を毎日繰り返し、4日から5日ほどで小さな芽が出てきて、7日から10日ほどで芽が伸びタネの10倍ほどの体積にまで成長します。もやしが好みの長さになれば完成です、ネットをとりボウルに入れ水洗いし豆の皮も取り除きます。
もやしの育て方は?栽培のポイントとは
もやしは家庭菜園初心者に向いている、比較的栽培しやすい野菜ですし、コツさえ掴めば量も安定して栽培することができますが、もやしの育て方には注意しなければならないポイントがあります。
もやし栽培ポイント1:雑菌に注意!
出典: https://horti.jp
スプラウトを栽培する時全般にいえますが、スプラウトは雑菌に弱くデリケートです。使用する容器自体の消毒はもちろん、毎日もやしを洗う際にも容器の上にかぶさるようにつけたネットを外さず、直接もやしに手が触れないようにして洗いましょう。
もやし栽培ポイント2:スプラウト専用種子を使うこと
スプラウトを栽培する時には必ず、一般に売られている野菜栽培用の種子ではなく、スプラウト専用の無消毒種子を使いましょう。野菜栽培用の種子は農薬で種が消毒されていることがあり、これをスプラウト栽培に使用すると危険なレベルの残留農薬が混入してしまう恐れがある為です。スプラウト栽培用で使用する時にはスプラウト用と明記されているかどうかを事前に確認し購入するようにしましょう。
もやしのザルを使った栽培方法
もやしの豆と目の細かい竹製のザル、穴の空いた袋と竹製のザルを受けるボウルを用意します。豆を5から8時間の間たっぷりの水に浸けます。給水させた豆をザルにあげしっかりと水をきります。ザルの下にボウルを置いた状態で全体に袋を被せ1ヶ所に豆が偏らないようにならしたら、再度袋の中にボウルを敷いてから入れる作業を1日に2から3回ほど繰り返します。芽が生え成長したものから収穫して行きます。
栽培し収穫したもやしの保存方法
もやしは、水分が多く非常にデリケートな野菜です。収穫したらしっかりと水をきって密閉できる袋に入れて冷蔵庫のできれば野菜室で保管し、一日から二日と目安に使い切るようにしましょう。少しでも長く保存したい場合には、水に浸しておく方法もあります。プラスチック製のボウルやタッパーに生のままのもやしがひたひたになるまで水を入れ、ラップか蓋をし空気を入れないようにして冷蔵庫に入れます。
この時にステンレス製のボウルは使用を避けてください。保存中は毎日新しい水に取り替えるようにしてください。この方法で簡単に三日から一週間ほど保存できますが水に浸けている間にどんどんもやしは劣化し栄養素も水に溶け出てしまいますので注意しましょう。少し酢を入れた熱湯にくぐらせたもやしを冷蔵庫で保存する方法もあります。
お湯にくぐらせた後はキッチンペーパー等で水気をきっちり拭き取り、空気に触れさせないように蓋のついたタッパーに入れるかジッパーのついた袋に入れて冷蔵庫で保管してください。この方法では一日から二日保存できます。茹でる手間が面倒な場合は電子レンジで500wで15秒ほど温め、粗熱を取り熱湯にくぐらせた後と同様に蓋のついたタッパーやジップ付きの袋に入れ空気に触れさせないようにし冷蔵保存できます。
もやしを長期保存させる場合は、水洗いしたもやしの水をしっかり切った後蓋のついたタッパーやジップ付きの袋に入れ密封し冷凍保存できます。この方法で二週間から三週間もの間保存することができます。冷凍したもやしは解凍不要で調理できるので使い勝手はとても良いです。安売り等で多めに購入してしまった時には冷凍保存すると重宝するかもしれません。
節約もやし料理
煮て鍋の具材でも良し、肉などと焼いても良し、少しゆがいてサラダの具材として食しても良し、ともやしは安いうえにどんな調理方法にも合う様々なレシピに用いられる万能野菜です。もやしと少しの調味料さえあれば、立派な一品が出来上がります。もやしさえあれば給料日前のさみしい懐には優しく、強い味方になること間違いなしです。
もやしのマリネ中華風
材料は4人分想定です。大豆もやしを約400g、合わせ調味料(酢:大さじ4、しょうゆ:大さじ1と1/2、とりガラスープの素:小さじ2、豆板醤 小さじ1)、ごま油です。作り方は簡単です。耐熱容器に合わせ調味料を入れラップをかけずに約30秒加熱します。別の耐熱容器にもやしを広げ入れラップをかけずに約6分、電子レンジで加熱します。
加熱したもやしの水気をよくきり、温めておいた合わせ調味料を加え混ぜ、最後にごま油小さじ2を加えて混ぜ合わせ完成です。包丁も使わず電子レンジともやしと調味料さえあれば手軽にできる節約料理です。冷蔵庫で約3日ほど保存もききますので給料前や日常的に常備菜にもぴったりです。
もやしの栽培方法と簡単キットでの育て方のポイントまとめ
もやしは育てるのが比較的簡単で土も光も不要、約1週間ほどで収穫できてしまう手軽な野菜です。また日光をあてていないのにも関わらず、もやしにはビタミンやカリウムなどの、あの見かけからでは想像できないほどの栄養が含まれています。調理方法も煮ても炒めてもよしの万能な野菜です。今回ご紹介したもやしの育てる際のキットの使い方やポイント、注意点に気をつければ簡単にもやしを栽培することができます。
また育てる際に使うキットの道具もそれほど珍しいものではなく、種以外はいたって普段の生活で手に入るものばかりです。節約や健康にも強い味方になりますので、是非家庭栽培に興味がある方や節約したい方にはおすすめですので機会があれば試してみてください。