2022年06月20日公開
2024年06月20日更新
ナスを色止めする方法を解説!色落ちの原因や調理のコツも伝授
ナスの色止め方法を解説します。ナスが色落ちする原因や、正しい色止め方法を説明!酢や塩水などを使った簡単な方法も紹介しているため、ぜひ一度試してみてください。味噌汁や煮浸しなど、料理別の色止め方法や、調理のコツもまとめています。
ナスが色落ちする原因と色止めの方法を解説
ナスはいろいろな料理に活躍しますが、変色や色落ちが激しい野菜です。きれいなナス料理を作るためには、色止め方法を知っておくことが大事です。
本記事では、ナスが色落ちする原因や、正しい色止め方法をまとめています。料理別の色止め方法も紹介しているため、ぜひ参考にしてください。
ナスが色落ちする原因
原因①低温障害
ナスはインドが原産地で、暑さに強く寒さには弱い野菜です。10℃以下では呼吸が止まってしまい、変色したり柔らかくなったりします。
そのため、冷蔵庫で数日保存していると、徐々に茶色っぽくなってしまいます。冷蔵保存した場合は、変色する前に食べ切ってしまうのがおすすめです。
原因②酸化
ナスの果肉部分には、クロロゲン酸という成分が含まれています。これはポリフェノールの一種で、空気に触れると酸化して茶色くなります。また、ナスに含まれているポリフェノールオキシダーゼという酵素も、変色する原因のひとつです。
クロロゲン酸と同じように、酸化することで茶色くなります。カットしたナスは酸化だけでなく、乾燥が原因でも変色します。冷蔵庫に入れると特に乾燥が進むため、ラップで包むなどして乾燥を防ぎましょう。
原因③調理・保存期間が長い
ナスは調理時間が長いと、徐々に変色していきます。新鮮なナスの皮はツヤツヤしていますが、このツヤの元はナスミンという成分です。ナスミンは水溶性で、水に溶けやすいという特徴があります。
そのため、加熱調理をすると水分と一緒に溶け出し、皮の色が抜けてしまうのです。また、調理後の保存期間が長くても、ナスミンが溶け出して変色してしまいます。
ナスを色止めする方法
方法①ミョウバンや酢を利用する
ミョウバンは硫酸アルミニウムカリウムの別称で、ナスの色止めに利用できます。色止めのやり方は簡単で、ミョウバンを溶かした水に、カットしたナスを浸けておくだけです。ミョウバンの量は、水1L当たり耳かき2杯ほどが目安です。
カットしたら皮目を下にして、30分程度浸けておきましょう。商品によっては、色止めするための目安量が記載されています。その場合は、書かれている分量を守って使用してください。ミョウバンがない場合は、酢水を使うのがおすすめです。
酢を使う場合は、1カップの水に大さじ1杯程度加えましょう。加熱すると酸味がなくなるため、炒め料理や煮物に利用するのがおすすめです。
方法②塩水に浸ける
塩水にナスを浸けると、変色防止に効果的です。塩を入れなくてもアクは抜けますが、色止めしたいときは塩を加えましょう。塩水の塩分濃度は、0.5〜1%程度が目安です。
塩分が濃すぎるとナスの風味が損なわれるため、塩の入れすぎには注意しましょう。ナスをカットしたら、空気に触れないうちにすぐ塩水の中へ入れます。ナスは水に浮くため、皿などで重しをしてください。
方法③油でコーティングする
ナスを油でコーティングすると、ナスニンの流出を防いで色止めできます。調理前に油を薄く塗るか、あらかじめ素揚げしておくのがおすすめです。
素揚げにしたナスは、調味料をつけてそのまま食べることもできます。味噌汁や酢豚の具材にしたり、マリネに利用するのも良いでしょう。
方法④レンジで加熱する
調理中の色落ちを防ぎたいときは、レンジで加熱する方法もあります。水を使わないレンジ調理は、ナスニンの流出を最小限に抑えることが可能です。
ただ、加熱後にラップをしたままにすると、水が溜まって色落ちしてしまいます。レンジでの加熱後は、すぐにラップを外すのがポイントです。
方法⑤鉄製品を利用する
ナスの色素は鉄と融合することで、きれいな青い色になります。青い色のまま安定するため、色落ちすることがありません。昔はこの性質を利用して、ぬか漬けに釘などを入れていました。
しかし、現在の鉄釘は錆止め剤が塗られているため、食品には利用しないほうが良いでしょう。その代わり、ナスの色止めに使える、「鉄玉」や「鉄玉子」という商品が売られています。よくナスの漬物を作る人は、これらの商品を使うのがおすすめです。
ナスの料理別の色止め方法と調理のコツ
ナスの味噌汁
ナスの味噌汁を作ると、色素が流れ出て汁が黒っぽくなります。これを防ぐためには、長時間煮込みすぎないことが大事です。出汁の温度が下がらないように、ナスを少しずつ入れて、短時間で仕上げましょう。
こうすることで、味噌汁が黒くなるのを防ぐことができます。ただ、料理の時間を短縮しただけでは、ナス自体の変色は防げません。
皮の色止めをしたいときは、あらかじめ素揚げしておくのがおすすめです。具材のない味噌汁を先に作っておき、食べる直前に素揚げしたナスを加えましょう。
ナスの揚げ浸し
揚げ浸しを作るときは、下ごしらえに時間がかかります。酸化で変色しないように、切ったらすぐに塩水に入れましょう。皮を赤っぽい鮮やかな色にしたいときは、酢水を使うのがおすすめです。塩水にさらしたら、水気をよく切ってから油で揚げます。
揚げた後は、間隔をおいて並べるのがポイントです。重ねてしまうと、その部分から変色してしまいます。十分に間をあけて、置くようにしましょう。
あとは煮汁に浸けて、空気に触れないようにラップとフタをしてください。これらのポイントを守ることで、色鮮やかな煮浸しが作れます。
ナスのぬか漬け
ぬか漬けは乳酸菌による発酵が進むため、ナスが褐色になってしまいます。色止めするためには、ミョウバンをすり込んでから漬けましょう。できれば小さめのナスを使って、丸ごと漬けるのがおすすめです。
切ると断面が変色しやすくなるため、食べる直前に切り分けてください。大きいサイズの場合も完全には切らず、半分に切り込みを入れる程度に留めましょう。また、ぬか漬けの場合は、鉄玉などの鉄製品を利用するという手もあります。
ナスの浅漬け
浅漬けのときの色止めには、ミョウバンを利用します。水に混ぜるのではなく、調味料と一緒にまずナスとなじませるのがポイントです。ミョウバンと調味料をなじまぜたら水を加え、ジッパー付きの保存袋に入れます。
あとは空気を抜いて1〜2日置いておけば、きれいな色の浅漬けが完成します。ナス1kgに対して、ミョウバンは小さじ1杯程度で十分です。
ただ、ミョウバンにはアルミニウムが含まれているため、えぐみを感じることがあります。えぐみが気になる場合は、ミョウバンの代わりに酢を使いましょう。
ナスの色止めは料理に合わせて行おう
ナスの色落ちは、ミョウバンや塩水、油などによって防ぐことができます。しかし、作る料理によって、最適な色止め方法も変わります。その調理法に合った色止めを行って、きれいなナス料理を作ってみましょう。