えのきを生で食べられない理由は?加熱方法や食べた際の危険性も解説

えのきを生で食べられない理由を解説します。えのきを生で食べたときの危険性や、安全に食べられる加熱方法を詳しく説明!えのきを安全に食べるポイントや正しい保存方法、人気のレシピも紹介します。参考にして、安心して美味しくえのきを食べてください。

えのきを生で食べられない理由は?加熱方法や食べた際の危険性も解説のイメージ

目次

  1. 1えのきを生で食べられない理由や加熱方法を解説
  2. 2えのきを生で食べられない理由
  3. 3えのきを生で食べるとどうなる?
  4. 4えのきを安全に食べられる加熱方法
  5. 5えのきを安全に食べるポイント
  6. 6えのきを使った人気レシピ
  7. 7えのきを生で食べると体に悪影響を及ぼす危険性がある

えのきを生で食べられない理由や加熱方法を解説

鍋料理などに使われるえのき

えのきはシャキシャキとした食感と、クセのないやさしい甘さが人気のキノコです。加熱すると旨味が出るため、鍋料理をはじめ、スープや炒め物など、さまざまな料理で活躍します。

この記事では、生で食べられない理由や、食べたときの危険性を解説します。安全に食べるための方法や、おすすめのレシピも紹介するため、ぜひ参考にしてえのきの旨味を味わってください。

えのきを生で食べられない理由

理由①リステリア菌に感染している可能性がある

リステリア菌に感染している可能性がある生のえのき

生のえのきは、リステリア菌に感染していることがあるため、食中毒を起こす危険性があります。リステリア菌は、河川や土壌、動物の消化器官など、さまざまなところに存在する細菌です。

リステリア菌は熱に弱い菌のため、加熱すれば死滅します。75℃以上で1分以上加熱すると良いです。また、低温には強い菌で、冷蔵庫の中でも増殖するため、注意しましょう。感染すると、24時間から数週間で発症します。

主な症状は、発熱や頭痛、嘔吐などです。このような症状が表れた場合は、食中毒を起こしている可能性があります。自己判断をせず、早めに病院を受診しましょう。

リステリアによる食中毒

理由②フラムトキシンを含んでいる可能性がある

フラムトキシンを含む可能性のある生のえのき

生のえのきには、フラムトキシンというタンパク質成分が、含まれていることがあります。フラムトキシンは、溶血作用を持つ毒性物質です。特にO型の血液に作用します。

溶血作用とは、骨髄の中で作られた赤血球が壊れる現象です。赤血球の細胞膜が破れることで、赤血球に含まれるヘモグロビンが流れ出てしまいます。

ヘモグロビンは、体全体に酸素を運ぶ働きを持つ、赤色色素タンパク質です。溶血作用によってヘモグロビンが減ると、酸素が体の組織に行き渡らなくなります。そのため、溶血性貧血を引き起こす危険性があります。

フラムトキシンも、熱に弱い性質を持つため、加熱すれば溶血作用を抑えることが可能です。生のえのきを70度以上で3~5分加熱することで、不活性化します。

えのきには、フラムトキシンと呼ばれるタンパク質成分があります。フラムトキシンは人体に入ると強心作用と貧血を引き起こす原因となります。フラムトキシンのたんぱく質が、O型赤血球の細胞膜を破壊し溶血作用を起こす事が原因です。

毒きのこによる食中毒が発生しています - 長野市ホームページ

えのきを生で食べるとどうなる?

えのきを生で食べたときの危険性

生のエノキを食べて食中毒を起こした人

生のえのきを食べると、フラムトキシンの溶血作用による症状と、リステリア菌による食中毒の症状が現れる危険性があります

フラムトキシンによって赤血球が破壊されると、酸素が体に行き渡らなくなり、貧血になります。貧血の主な症状は、だるさやふらつき、頭痛、動悸、息切れなどです。場合によっては、眼球が黄色くなる黄疸や、胆石、褐色尿などの症状が現れることもあります。

リステリア菌による症状は、発熱や筋肉痛、下痢、嘔吐などです。インフルエンザにかかったときと同じような症状が出ます。ひどい場合は、意識障害を引き起こす危険性があるため、注意しましょう。

免疫力が低い人は重篤になるケースもある

生のえのきを食べると重篤になる危険性がある妊婦

生のえのきを食べたことによる症状は、場合によって重篤化する危険性があります。妊婦や高齢者、基礎疾患のある人、子供など免疫力の低い人は注意が必要です。重症化リスクは、一般成人の数十倍になります。

リステリア菌は、お腹の赤ちゃんにうつる感染症です。流産や新生児死亡、新生児リステリア症を引き起こすことがあります。特に妊婦の人は、生で食べないように注意しましょう。

えのきを生で食べたときの対処法

生のえのきを食べてしまって病院を受診する人

えのきを生で食べてしまったとき、症状が必ず現れるわけではなく、健康な人は軽症ですむこともあります。

しかし、貧血や発熱や筋肉痛、食中毒の症状が現れた場合は、病院を受診するのがおすすめです。特に、妊婦や免疫力の低い人は、重篤化する危険性があるため、早めに受診してください。

リステリア菌による症状は、インフルエンザと似た症状でわかりにくいため、注意が必要です。また、発症するまで時間がかかり、急に悪化することがあります。生で食べてから数日経っても体調が回復しない場合は、自己判断はせず病院に行くようにしましょう。

えのきを安全に食べられる加熱方法

加熱方法①湯通し

生のえのきを安全に食べるために茹でるお湯

えのきに含まれるフラムトキシンは、熱に弱い成分です。70度以上で3~5分加熱すると、毒性が分解され、活性を失います。

また、付着している可能性のあるリステリア菌も、熱により死滅する菌です。65度以上で3~10分加熱することで死滅します。

食感を残したい場合は、沸騰したお湯で湯通しすると良いです。管理が行き届いている場合、1~2分の湯通しで安全に食べられます。根元の石づきは切り落とし、少しほぐしてから湯通しするとより安心です。

加熱方法②電子レンジ

生のえのきを安全に食べるために使用する電子レンジ

お湯を沸かさず短時間で加熱したいときは、電子レンジを使う方法が便利です。600Wの電子レンジですと、2~3分の加熱で安全に食べられます

電子レンジでの加熱は、ムラができやすいため、注意が必要です。石づきを切り取り、ばらしたえのきを耐熱容器に入れ、少し水をかけてふわっとラップをします。1分くらい加熱した後、軽く混ぜてから再加熱すると、全体に熱が伝わるでしょう。

フライパンを使う場合は、3分以上加熱するようにします。ムラなく全体に火が通るように、よく混ぜながら炒めると良いです。

えのきが腐っていたら加熱しても食べられない

腐りかけている生のえのき

加熱することで、フラムトキシンの無毒化やリステリア菌の死滅は可能です。しかし、それ以外の雑菌は、加熱によって死滅しない場合があります。

変色していたり、カビが生えている場合は、雑菌が繁殖しており腐っています。腐っていると、加熱しても食中毒を引き起こす可能性があるため、食べられないと考えた方が良いでしょう。

えのきを安全に食べるポイント

ポイント①新鮮なえのきの選び方

長さが揃っていて新鮮な生のえのき

新鮮なものは、1つの株の長さが揃っています。全体にハリがあり、軸は太くてカサは小ぶりです。新鮮なときは、株がしっかり詰まっていますが、鮮度が落ちると株が広がってきます。

色は、新鮮なものほどキレイな白色です。時間が経つにつれ黄色っぽくなり、傷むと茶色くなります。茶色っぽいものは、破棄した方が無難です。

生の場合、日にちが経つにつれて水分がでてきます。袋の内側に水滴が付いているものは、古いです。店頭に並んでいるときに水滴が付いている場合、購入しない方が良いでしょう。

ポイント②えのきの日持ち期間

生のえのきを保存するのに適している冷蔵庫

えのきは、高温多湿を嫌うキノコのため、常温での保存はおすすめできません。10度くらいの環境を好むため、冷蔵庫の野菜室での保存が良いです。冷蔵庫で保存すると、1週間くらい日持ちします。

1週間で食べきれそうにないときは、冷凍保存がおすすめです。冷凍庫で保存すると、約1ヶ月持ちます。また、えのきは干して乾燥させてから、保存することも可能です。よく乾燥されていれば、3ヶ月くらい日持ちします。

ポイント③えのきの正しい保存方法

立てた状態で冷蔵保存するのが良い生のえのき

えのきの正しい保存方法は、保存したい期間によりさまざまです。1週間くらい保存したい場合は、袋から出し石づきを付けたまま、キッチンペーパーで包みます。ポリ袋に入れて口を閉じ、根元を下にして立てた状態で、冷蔵庫の野菜室に入れます。

1ヶ月くらい保存したい場合は、冷凍保存がおすすめです。冷凍する場合は、石づきを取り除き、ほぐしてから密閉袋に入れて冷凍庫に入れます。解凍すると水っぽくなるため、シャキシャキ感を残したい場合は、凍ったまま調理します。

さらに保存期間を延ばしたい場合は、乾燥させて保存することも可能です。ほぐした状態でざるに並べ、天日干しにします。時々ひっくり返しながら、全体に水分が抜けてカラカラになるまで干します。

えのきを使った人気レシピ

えのきピカタ

【材料】

  • えのき:1/2パック
  • ベーコン:1~2枚
  • 卵:1個
  • 小麦粉:大さじ1/2
  • 塩:少々
  • オリーブオイル:大さじ2
  • 粗挽きコショウ・しょうゆ:適量(好みで)

【作り方】
  1. えのきの石づきを切り落とします。
  2. 1を手でほぐしながらバットに置きます。
  3. 2を束ごとに交互に並べます。
  4. ベーコンをえのきと同じくらいの長さに切ります。
  5. 3を2の上にのせます。
  6. 卵に塩を入れ、よくかき混ぜます。
  7. 4の全体に小麦粉を薄くふりかけます。
  8. 6に5をかけてまんべんなくからめます。
  9. フライパンにオリーブオイルを入れ、中火にかけます。
  10. 7を8に平らになるように広げて入れ、焼きます。
  11. 焼き目がついたらひっくり返します。
  12. 裏面も軽く押さえながら焼きます。
  13. 再びひっくり返し、焼き目が付いていれば皿に盛りつけます。
  14. 好みで粗挽きコショウやしょうゆをかけます。

えのきを使ったピカタのレシピです。フライパンに薄く広げるようにすると、加熱時間が短くすみ、えのきのシャキシャキ感も楽しめます。

えのきの石づきは、バラバラにならないように、根元だけ切り落とします。えのきをバットに並べるとき、隙間ができるようにすると、全体に火が通すことができ安全です。束ごとに交互にすると高さが揃うため、裏返しやすく見た目もキレイになります。

裏返すときには、フライパンより一回り小さい蓋かお皿を使うと良いです。表裏両方ともしっかり焼くようにすると、焼きムラがなく安心して食べられます。

自家製なめたけ

えのきを使った自家製なめたけのレシピです。余って冷凍したえのきを、上手く活用できます。弱火でじっくり調理するため、しっかり加熱でき、安心して食べられるでしょう。

えのきは、冷凍すると栄養や旨味が凝縮されるきのこです。解凍してそのまま火にかけることで、栄養や旨味が逃げません。冷めてからもう一度火にかけると、さらに旨味が増します。

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えのきを生で食べると体に悪影響を及ぼす危険性がある

生で食べると危険性があるえのき

えのきはクセの少ない旨味やシャキッとした歯ごたえが特徴で、さまざまな料理にアレンジができます。栄養価も高く人気のキノコですが、生のままや生焼けで食べると、食中毒になる危険性もあります。

えのきを生で食べられない理由や、危険性を回避する方法を認識しておきましょう。また、正しい保存方法や安全に美味しく食べるレシピも参考にして、えのきを堪能してください。

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