2022年03月14日公開
2024年11月20日更新
カエンタケを食べてみたらどうなる?特徴や症状・治療法も解説
カエンタケを食べてみたらどうなるのかを、詳しく調査しました。カエンタケは猛毒のキノコなのか、食べてみたら死亡する恐れがあるのかを徹底解説。また、摂取したときの症状や治療法もまとめており活用できるため、ぜひ参考にしてみてください。
目次
カエンタケを食べてみたらどうなるのか詳しく解説
カエンタケは摂取すると、死亡する可能性が高く大変危険な猛毒を含んでいます。猛毒のため、触れるだけでも身体に異常が表れます。しかし、個性的な見た目をしているため、見分けやすいのも特徴です。
この記事では、カエンタケを食べてみたらどのようになるのか、わかりやすく掘り下げます。また、誤って食べてみた場合の治療法や対処法も詳しく掲載します。ぜひチェックしてみましょう。
カエンタケはどのようなキノコ?
カエンタケの特徴
カエンタケは炎のような形状をしており、見た目が名前の由来にもなっている猛毒のキノコです。根元から3~10本程の細く赤い枝のようなものが、上に向かって生えています。また、カエンタケは根元から先端にかけて赤さが濃くなっています。
高さはまちまちですが、大きいサイズのものは20cmほどです。また、味は苦さを強く感じられるといわれています。さらに、カエンタケは本州や四国、九州によく見られ枯れて倒れた樹木の近辺に生息することが多いです。
カエンタケに形状が似た食用のものもありますが、似たような形状のキノコを見かけても安易に採らないようにしましょう。
図鑑の写真や絵で勝手に鑑定しないようにしましょう。キノコは発生時期、場所などで形態が異なることがあります。キノコ狩りへは、キノコをよく知っている専門家と行きましょう。
カエンタケの危険性
猛毒のカエンタケですが、致死量は約3gといわれています。そのため、ティースプーン1杯分を食べただけで、十分に死亡する恐れがあります。
また、カエンタケの怖いところは、直接食べなくても危険なところです。空気中に浮遊しているカエンタケの胞子を吸い込むだけでも、身体に異常が出ることがあります。さらに、触れるだけでも危険といわれています。触れると皮膚が炎症を起こし、火傷のような症状が出るからです。
最悪の場合、皮膚の移植もあり得るほどの重い疾患に悩まされます。山中でカエンタケを見かけても、近づかないのが無難でしょう。
カエンタケを食べてみたときに現れる症状
症状①摂取数十分以内
摂取すると、数十分以内に身体に異変がおこります。カエンタケを食べると、主に消化器系に集中して異常がみられるといわれています。そのため、腹痛と下痢におそわれるでしょう。また、同時に激しい吐き気も催します。
どの毒キノコも摂取後数十分で、同じような症状が表れます。しかし、カエンタケの場合は吐瀉物にも毒性が含まれているため、肌に触れないようにしてください。
肌に付着するとカエンタケの毒性によって、皮膚がただれ痛みを伴う可能性があるからです。吐瀉物を処理する場合は、必ずゴム手袋を装着した上で行いましょう。
症状②摂取後数時間
カエンタケを食べてみたら、神経系にも毒の影響が及びます。時間にして数時間後に影響が出ます。悪寒や身体のしびれ、頭痛に発熱と容態はさまざまで、苦痛に悩まされるでしょう。また、ひどくなると白血球が著しく減少し、呼吸困難におそわれます。
白血球が減少すると身体の抵抗力が落ちるため、身体も衰弱化します。さらに、喉の痛みや渇きも強く感じるため、人によっては動くこともままなりません。このように、カエンタケを食べて数時間経過すると、死亡する可能性が高くなります。
症状③摂取24時間後
カエンタケを食べてみたときから24時間が経過すると、死亡するリスクがさらに高まるでしょう。運良く死亡を免れたとしても、全身の内臓に相当なダメージを負うことが予想されます。腎不全や肝不全などを起こし、入院することも考えられます。
後遺症としては、人工透析を行う生活になる恐れもあるでしょう。脳に障害が残ることもあり、言語障害や運動障害を患うこともあります。
カエンタケは摂取すると、一生付き合っていかなくてはならない疾患を抱えるほどの猛毒を含んでいます。毒キノコの中でも、非常に怖いキノコといえるでしょう。
カエンタケを食べたり触れたときの対処法
カエンタケを食べてみたり、触れたりしたときの対処法を掲載します。カエンタケは摂取、もしくは触れると重度の疾患におそわれます。
しかし、正しい対処をすることで症状を和らげることは可能です。対処法を学んで、もしものことがあった場合には、適切な処置を行いましょう。
対処法①吐き出して救急車を呼ぶ
カエンタケを誤って食べてしまったら、救急車を必ず呼びましょう。専門医に診てもらうことで、死亡のリスクを軽減できるためです。時間が経てば経つほど、それだけ容態もひどくなります。
救急車を待っている間は水やお茶などで口内を洗浄し、可能であれば吐き出してください。少しでも早く病院で治療をしてもらうためにも、自分の足で病院には向かわずに直ちに救急車を呼ぶことをおすすめします。
対処法②触れた箇所は石鹸で洗う
触れた箇所は石鹸でよく洗いましょう。カエンタケの毒は、水だけで洗っても簡単には落ちないからです。肌に触れると、毒はすぐに吸収され肌が焼けるような痛みにおそわれます。肌に触れたら、石鹸で確実に洗い流してください。
石鹸が周りにない場合は、しっかりと水で洗い後ほど石鹸を使って再度洗いましょう。また、カエンタケのエキスが目に入った場合は、目の粘膜が毒素を身体中に巡らす手伝いをしてしまいます。
目に入った場合は入念に水で洗ってください。容態を悪化させないためにも、救急車を呼んで早めに専門医に診てもらいましょう。
カエンタケを食べたときの治療法
治療法①胃・小腸の洗浄
カエンタケを食べた直後は、まず、胃・小腸の洗浄をします。最初の段階は、消化器系に影響を及ぼすからです。毒が身体に吸収される前に、処置をすることが理想です。
胃や腸内の洗浄は専門の機器がないとできないこともあるため、必ず大きい病院で診てもらいましょう。すぐに救急車を呼んで治療を行ってください。この時点でしっかりと応急処置ができれば、後遺症を免れることもあります。
治療法②血液透析
上記の洗浄が間に合わなかった場合、血液にまで毒素が浸透してしまいます。時間が経つにつれ、奥深くまで毒が回るからです。血液まで浸透してしまったら、内臓を守るために血液の透析を行う必要があります。
血液に毒素が回ったら、毒に侵された血液をチューブで排出し毒素を取り除いた血を体内に戻します。こちらの治療も、大きい病院ではないとできないことが多いため注意してください。
時間と治療費もかかりますが、命には代えられません。運が良ければ無傷で済む可能性もありますが、内蔵に多少のダメージを被ることも覚悟しましょう。
治療法③脳障害のリハビリ
さらに治療の時間が遅れると脳に多大な障害を伴います。脳がダメージを負うと、確実な治療法はありません。脳細胞が破壊されると、治す手立てがないためです。言語障害や運動障害が表れたら、地道にリハビリ治療を行うことになるでしょう。
しかし、リハビリをしても以前の状態に戻るのは難しいといわれています。脳細胞が破壊された場所にもよるため症状はさまざまですが、長い時間をかけたリハビリ生活を強いられるでしょう。
治療法④皮膚炎の治療
触れるだけでも、皮膚に多大な炎症を起こすカエンタケです。火傷のような症状で、強い痛みを感じます。ただれてあとが残ることもあるでしょう。皮膚の深くまで毒素が浸透していなければ、ステロイドを用いた治療法になります。
深くまで浸透していたら抗生物質を含んだ、より効力の高いステロイドを利用することになります。重疾患の場合は、皮膚の移植もあり得るでしょう。
カエンタケを見かけたらどうする?
カエンタケは山以外に発生することもある
山以外にもカエンタケが発生した事例があります。枯れた樹木の近くを好んで、カエンタケは育つからです。そのため、公園や住宅街にも発生します。自宅の敷地内にも、発見されたこともあるため油断はできません。
知らずに触れると強い炎症を引き起こすため、大変危険です。カエンタケは、主に夏から秋にかけて増えます。そのため、注意深く意識しましょう。
子供やペットが触れないよう注意する
家族で登山やハイキングする際には注意が必要です。カエンタケは、時期的に行楽シーズンに最も増えるからです。知識のない幼い子供が触れたりする可能性もあります。
赤く興味を引かれるような形状をしているため、つい触れてみたくなる衝動に駆られるでしょう。また、子供は大人よりも毒素が身体中に回りやすいといわれています。幼い子供は細胞が若く、代謝が良いためです。
そのため、子供からは目を離さないようにしてください。先述した公園や住宅街でも発生することもあるため、ペットを散歩させる際も気をつけましょう。
役所に駆除を依頼する
万が一カエンタケを発見したら、直ちに役所に連絡しましょう。駆除依頼をすることで、速やかに対応をしてくれます。カエンタケが頻繁にみられる地域では、各自治体でカエンタケの注意喚起を行っています。たかがキノコと、軽く考えないようにしてください。
カエンタケは毒キノコの中でも、トップクラスの猛毒を持つといわれているため非常に危険だからです。被害者を出さないためにも、見つけたら駆除依頼をしてください。
カエンタケを食べてみたら死亡する可能性もある
カエンタケは、殺人キノコといわれるくらいの危険な猛毒です。食べてみた結果、死亡する可能性があります。また、死亡しなくとも一生身体に残る後遺症を負う恐れがあります。カエンタケは毒性が強いため、触れることすら推奨されていません。
猛毒のため胞子を吸い込むだけでも、身体には悪影響を被ります。カエンタケは食べてみたら死亡するリスクが十二分にあるため、気をつけてください。