2022年03月04日公開
2024年11月19日更新
豚こまを柔らかくするには?下ごしらえや加熱方法・アレンジレシピも
豚こまを柔らかくする方法について解説します。豚こまが固くなってしまう原因や、柔らかくする下ごしらえの方法を詳しく説明します。固い豚こまが柔らかくなる調味料や、美味しく食べられるレシピも紹介しているため、ぜひ参考にしてください。
目次
豚こまを柔らかくする下ごしらえと加熱方法とは?
豚こまは肉の中でも価格が安く、毎日の食事に活躍してくれます。しかし、焼くと固くなってしまったり、パサついてしまうこともあるでしょう。
本記事では、豚こまが固くなる原因や、柔らかくするための下ごしらえ方法を紹介します。豚こまの固さや食感に悩んでいる人は、ぜひチェックしてみてください。
豚こまが固くなる理由は?
理由①解凍の失敗
豚こまを買ってすぐに使わない場合は、冷凍保存することもあるでしょう。この冷凍した豚こまは、上手に解凍しないと仕上がりが固くなります。特に、短時間で急速に解凍すると、肉汁が溢れて固くなる原因となります。
レンジは使わず、冷蔵庫でゆっくりと解凍するのがおすすめです。また、レンジで解凍すると、中まで溶けないことがあります。部分的に凍っていると加熱時間が増え、焼きすぎで肉が固くなってしまいます。
理由②タンパク質の収縮が原因
豚肉に含まれるタンパク質は、加熱すると「熱凝固」という変性を起こします。熱凝固が起こると筋原線維タンパク質が固まり、豚肉自体が縮んで硬化します。これは、加熱した卵が固まるのと同じ現象です。
また、加熱することで、タンパク質に入っていた水分も流出してしまいます。すると、水分を失った肉はパサつき、固い食感になってしまうのです。
食肉(筋組織)を構成する筋原線維は熱によりそのたんぱく質が変性し、線維状に収縮・凝固します。その間を満たしている筋形質たんぱく質も豆腐状に凝固します。また、結合組織中の肉基質たんぱく質も収縮するため、硬さが増します。
理由③部位による固さの違い
豚こまが安い理由は、さまざまな部位の端切れ部分を使っているためです。そのため、中にはモモやスネなどの、筋が多い部位がまぎれていることもあります。豚こまに使われている部位によっては、いつもよりも固い食感になることもあります。
理由④調味料を加えるタイミング
加熱中に調味料を加える人もいますが、塩分がある調味料は豚こまの水分を排出させます。豚こまを柔らかく仕上げるためには、火を止めてから調味料を加えるようにしましょう。また、醤油や味噌などは、あらかじめ肉に漬け込んでおくのもおすすめです。
豚こまを柔らかくする下ごしらえと加熱方法
下ごしらえ①豚こまを叩く
豚こまを柔らかくする単純な下ごしらえは、肉を叩くという方法です。豚こまを叩くことで筋繊維が壊れて、焼いたときに縮みにくくなります。時間があれば、叩いた上で筋切りをすると効果的です。
また、肉の筋繊維が壊れることで、水分量が5〜15%程度増えるともいわれています。そのため、しっかりと豚こまを叩くと、しっとりとした食感に仕上がります。叩くときはビニール袋に入れて、包丁の背や肉叩きなどで叩きましょう。
下ごしらえ②片栗粉でコーティングする
豚こまに片栗粉をまぶすことで、肉を柔らかくすることができます。片栗粉が肉の周りをコーティングし、水分を逃さず肉のパサつきを抑えてくれるためです。
片栗粉をまぶすと、肉に調味料が絡みやすくなるというメリットもあります。中華料理など、タレが多いメニューのときに試してみましょう。
下ごしらえ③豚こまを柔らかくする食材に漬ける
タンパク質分解酵素が入った食材に漬けると、豚こまを柔らかくすることができます。使用できる代表的な食材は、玉ねぎ、キウイ、パイナップル、ショウガなどです。これらの食材に豚こまを漬けておくと、筋繊維がほぐれて柔らかい食感に仕上がります。
特に玉ねぎは豚肉との相性が良く、くさみを消してくれるというメリットもあります。料理の味付けによって、使う食材を変えてみると良いでしょう。これらの食材以外にも、砂糖や酒を揉み込むという方法もおすすめです。
砂糖や酒をあらかじめ揉み込んでおくと、筋繊維が収縮するタイミングを遅らせることができます。酒は豚こまの保水性を高める働きもあるため、柔らかくしっとりとした仕上がりになります。
豚こまを柔らかく仕上げる加熱方法
豚肉は筋繊維の収縮で固くなりますが、温度変化が大きいと一層固い食感になります。温度変化を最小限に抑えるためにも、低温で加熱するのがおすすめです。
また、煮込み料理の場合は、長時間煮込むことで筋繊維が分解されます。煮込み時間が足りないと固い肉になるため、時間をかけてじっくり煮込みましょう。
豚こまを柔らかく食べられるアレンジレシピ
水晶豚こま
【材料】(1〜2人分)
- 豚こま肉 200g
- 長ネギ 1/3本
- ショウガ 5g
- 片栗粉 大さじ2
- A 醤油 大さじ1
- A 酢 大さじ1
- A 砂糖 大さじ1
- A 味の素 3振り
- A ごま油 小さじ1
- 塩 少々
- 糸唐辛子 適量
【作り方】
- 長ネギとショウガをみじん切りにします。
- 1にAを加えて混ぜます。
- 豚肉に塩を振りかけ、片栗粉を加えて全体的にまぶします。
- お湯を沸騰させ、豚肉を1枚ずつ入れて茹でます。
- 皿に4を盛りつけ、2をかけます。
- 糸唐辛子を乗せたら完成です。
片栗粉で肉をコーティングした、水晶豚こまのレシピです。片栗粉をまぶしてお湯で茹でるだけで、柔らかくプルプルとした食感に仕上がります。肉を一度に茹でるとくっついてしまうため、面倒でも1枚ずつお湯に入れましょう。
タレは前もって作っておくと、長ネギの辛味が飛んで食べやすくなります。お酒のおつまみや、ご飯のおかずにおすすめです。
豚丼
【材料】(2人分)
- 豚こま 400g
- A 醤油 大さじ2
- A みりん 大さじ2
- A 酒 大さじ2
- A 砂糖 大さじ1
【作り方】
- 豚肉と酒を袋に入れて揉み込み、30分置きます。
- Aをフライパンに入れて、中火で煮詰めます。
- 1を水洗いして、食べやすい大きさに切ります。
- 3を湯引きします。
- 4に片栗粉をつけて、中火〜強火でさっと焼きます。
- 5に2を絡めます。
- 器にご飯を盛りつけ、6と残ったタレをかけたら完成です。
酒で揉み込むことで肉を柔らかくする、簡単な豚丼のレシピです。酒に漬けるとくさみも取れるため、肉のにおいが気になるときにおすすめです。また、肉を湯引きすることで焼き時間が減り、肉が固くなるのを防ぐことができます。
タレは手作りしなくても、すきやきのタレで代用することが可能です。時間がないときは、利用してみてください。
豚こまの柔らかショウガ焼き
ショウガ焼きを作るときは、玉ねぎとショウガのすりおろしで豚肉を漬けましょう。肉を柔らかくできるだけでなく、味付けも同時に行うことができます。肉を焼くときは、固まらないようにこまめに箸でほぐしてください。
肉の色が変わったところですぐに火を止めると、加熱しすぎを防ぐことができます。豚こまで作ったショウガ焼きは、お弁当のおかずにも使えて便利です。
豚こまは下ごしらえを工夫すれば柔らかくなる
豚こまを柔らかくするポイントは、下ごしらえや調理方法にあります。豚こまが固いと感じるときは、一度自分の調理方法をチェックしてみると良いでしょう。
固くなる原因がわかれば、対処もしやすくなります。下ごしらえや調理法を工夫して、柔らかくて美味しい豚こまを味わいましょう。