縄文時代の食事では何を食べていた?古代の日本人の食生活をチェック

縄文時代の食事についてまとめました。縄文時代の基本情報をはじめ、古代の日本人の暮らしや食生活などを詳しく紹介します。縄文パンや縄文鍋など当時の食事を再現したレシピも取り上げているので、ぜひチェックしてみてください。

縄文時代の食事では何を食べていた?古代の日本人の食生活をチェックのイメージ

目次

  1. 1縄文時代の食事をチェック!
  2. 2縄文時代の食事は?どんな食生活?
  3. 3縄文時代の食事・食べ物
  4. 4縄文時代の食事再現レシピ
  5. 5縄文時代の食事は健康的で意外にも豊か

縄文時代の食事をチェック!

縄文時代にどのような食生活をしていたか気になったことはありませんか?本記事では、縄文時代の食事について徹底調査しました。当時の気候をはじめ、縄文人の生活や実際に食べていたもの、再現レシピなどを詳しく紹介します。歴史好きの方はもちろん、縄文人が作っていた料理を口にしてみたい方は必見です。

縄文時代の食事は?どんな食生活?

縄文時代の食生活といっても、具体的なイメージができる方は少ないのではないでしょうか?実は、縄文時代の人々は意外にも豊かな食生活を送っていたといわれています。当時の気候変化や使用していた道具などに触れながら、縄文人の食生活について学んでみましょう。

縄文時代はいつ?

縄文時代は、約17,000~15,000年前に始まったといわれています。しかし、いまだに明確な時期はわかっていません。ただ最近では研究が進み、約17,000~16,000年前に時代が確定されつつあるようです。これから先、新しい情報が見つからない限りはこの仮説が覆されることはないでしょう。

縄文時代は、約10,000年もの長い間続きました。次に長いとされる弥生時代でも、約800年しかありません。2つの時代を比較しても、当時の人々は食べ物に困らない豊かな生活を送っていたことが想像できるでしょう。

縄文時代の気候変化

縄文時代が始まった頃は、地球の気候がどんどん温暖化に進んでいった時期でもあります。ピーク時の気温は、現在よりも平均1~2℃高かったといわれています。気温が上がるにつれ、海面も上昇して植生も大きく変化しました。

始まりこそ乾燥した草原が広がっていましたが、日本海側に豪雪地帯があらわれます。その雪解け水によって森林が形成されていきました。

縄文時代の生活

縄文時代の人々が住んでいたのは、竪穴住居と呼ばれる半地下の土屋根住居です。地面に深さ50mほどの穴を円形に堀り、そこに柱を立てて屋根をかぶせていました。床には粘土を敷き詰め、中心部分で料理をしたり暖を取ったりしていたようです。竪穴住居の耐用年数はおよそ20年、10畳ほどのスペースに3~5人ほどが住んでいたといわれています。

縄文人は植物の繊維からとった糸で布を編み、服を作っていたともいわれています。実際、植物繊維を素材とした布が縄文時代の地層から見つかっています。他には、動物の毛皮や魚の皮で作った衣服を着ていたとも考えられています。

縄文時代の日本も、今と変わらず南北に長い地形をしていました。そのため、気候や植生に合わせた地域ごとの生活が営まれていたようです。自然に合った多様な生活スタイルも、縄文時代が長く続いたあかしといえるのかもしれません。

縄文時代の道具の発達

金属が使われていなかった縄文時代、道具として使用されていたのが石や木、動物の骨、ツノなどです。これらを加工して弓矢や槍、銛などを作り、獲物をとらえていました。現代でいう包丁の代わりには、石で作ったナイフが使われていたようです。

食材の調理や保存には、縄文土器と呼ばれる粘土で作った道具を使用していました。生の食材を口にすることもあったようですが、当時はその多くを加熱調理していたようです。縄文土器の型式も、地域やスタイルによってどんどん変化していきます。

農業をしていた可能性

これまで、農耕の始まりは弥生時代だといわれてきました。しかし、縄文時代にはすでに農業をしていたことが研究で明らかになっています。栽培されていたのは、小豆や大豆などの豆類、きびや粟などの穀類です。そのあと縄文時代の晩期から弥生時代にかけ、徐々に米を作る稲作が始まっていたものと考えられます。

縄文時代の食事・食べ物

豊かだったといわれる縄文時代には、一体どのような食べ物が食されていたのでしょうか?ここからは、縄文人の食事について紹介します。想像以上の多種多様な食生活に驚くこと間違いなしです。

縄文時代の食事・食べ物①植物採集によるもの

縄文人は、季節による恵みをふんだんに食事に取り入れていました。最もよく食されていたものが植物です。秋に収穫できる栗やくるみ、どんぐりなどの木の実は、縄文時代の人々の主食ともいえるものでした。

他には、山菜や根菜なども食していたことがわかっています。とちの実の殻も縄文時代の遺跡から見つかっており、実際に食べられていたものは50種類以上にものぼるようです。どんぐりやとちの実はそのまま食べられなかったため、アク抜きをしたりすりつぶしたりと食べ方も工夫されていました。

縄文時代の食事・食べ物②狩猟によるもの

縄文時代の食事というと、肉料理をイメージする方も多いでしょう。しかし、狩猟が行われていたのは主に冬のみで、あくまでメインの食事は植物でした。獲物の中で最も多かったのがイノシシや鹿などです。

その他、熊やたぬき、猿などを含めて計60種類もの動物が狩猟されていたといわれています。肉を食事にするのはもちろん、毛皮は防寒具としても重宝していました。

縄文時代の食事・食べ物③漁撈(ぎょろう)によるもの

植物の次によく食べられていたものが魚です。その種類は地域ごとに差があり、東北ではマグロやカツオ、真鯛などが獲られていたといわれています。宮城県ではアジや秋刀魚、東京湾の方ではスズキやクロダイなどが獲られていました。海のない地域では、鯉やフナなどの淡水魚が食されていたようです。

食用にされた魚を見ると、その合計は70種類以上にものぼります。他には貝類の収穫も行われていました。貝塚を調査したところ、350種類以上の貝類が食べられていたことがわかっています。

今のところ、縄文時代の1日の食事回数などは解明されていません。しかし、1回の食事には約1時間もかけていたといわれています。加工方法や調理法が限られる縄文時代は、咀嚼回数も現在と比べものにならないほど多かったのでしょう。

縄文時代の食事再現レシピ

最後に、縄文時代に食べられていた食事の再現レシピを紹介します。手に入りやすい食材でアレンジしているものもあるので、実際に作ってみたい方は要チェックです。ぜひ当時の食事を自宅で味わってみてください。

縄文時代のレシピ①縄文パン

【材料】

  • そば粉:50g
  • どんぐり粉(小麦粉):50g
  • きなこ:20g
  • はちみつ:大さじ2
  • 黒ごま:大さじ2
  • 山芋:50g

【作り方】
  1. 黒ごまはすり鉢ですりつぶします。
  2. 山芋は皮をむき、すりおろします。
  3. ボウルに全ての材料を入れ、軽く混ぜます。
  4. 水(分量外)を少しずつ加え、弾力が出るまでこねます。
  5. ラップの上に4の生地をのせ、平たくなるまで手で押さえます。
  6. フライパンにアルミホイルを敷いて火にかけ、5を乗せて弱火で10分焼きます。
  7. 焼き色がついたら裏返し、両面をこんがり焼いたら完成です。

縄文時代に食べていたとされる縄文パンの再現レシピです。本来はどんぐり粉を使いますが、こちらの動画では小麦粉で代用しています。生地をこねたら発酵させず、平たくつぶしてフライパンで焼きましょう。食感はポリポリとしていて、ごまの香ばしい風味と素朴な甘みが楽しめます。意外な美味しさをぜひ堪能してみてください。

縄文時代のレシピ②縄文鍋

【材料】

  • 昆布:適量
  • 水:適量
  • サメの切り身:適量
  • はまぐり:適量
  • ウド:適量
  • ふき:適量
  • 菜の花:適量
  • ぜんまい:適量
  • ワカメ:適量
  • 塩:適量

【作り方】
  1. 鍋に昆布、水を入れ、しばらく置いてだしを取ります。
  2. 山菜はアク抜きをし、食べやすい大きさに切ります。
  3. はまぐりは砂抜きをしておきます。
  4. サメは食べやすい大きさに切ります。
  5. 1の鍋に全ての材料を入れ、蓋をして火にかけます。
  6. 全体に火が通ったら完成です。

縄文人は縄文土器を使い、さまざまな食材を煮て食べていました。こちらは、その鍋を再現したレシピです。山菜にはアクがあるため、アク抜きをしてから鍋に入れましょう。塩のみでシンプルに調味しているので、素材の旨みが味わえます。

縄文時代のレシピ③縄文クッキー

マテバシイ(どんぐり)を粉末状に加工し、クッキーにアレンジしました。マテバシイは水に浸けて殻をむき、実を煎ってから細かくすりつぶします。卵や山芋などを混ぜ、オーブンで焼き上げたらできあがりです。サクサク食感と優しい甘みがたまりません。粉末にする際は、フードプロセッサーなどを利用すると時短になります。

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縄文時代の食事は健康的で意外にも豊か

縄文時代の食事について紹介しました。縄文人はさまざまな食材を食べ、想像以上に健康的な食生活を送っていたようです。その土地でとれる植物や魚、肉などを食べ、季節に応じた食事をしていたのでしょう。今後さらに考古学の発達が進むと、これまで以上にいろいろなことがわかるかもしれません。より詳細な解明に期待しましょう。

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