仙台駄菓子の有名店を紹介！仙台駅で買えるお店は？歴史や種類も解説

都心からのアクセスも良く、観光地として人気の仙台には数多くの銘菓が存在します。その中でも仙台土産として今注目されているのが、仙台駄菓子と言われるお菓子です。駄菓子と聞くと小さい頃、お小遣いを握りしめて駄菓子屋で買ったお菓子を想像するのではないでしょうか？

しかし仙台駄菓子は、私たちが知っている駄菓子屋とは全く違うものです。仙台駄菓子とはどのようなお菓子なのか？仙台駄菓子の歴史と共に、その魅力について解説していきます。仙台駄菓子の名店や、仙台駅周辺の駄菓子屋についても紹介するので参考にしてください。

仙台駄菓子は私たちが駄菓子屋で買うお菓子とは全く違う、歴史ある郷土菓子です。仙台駄菓子とはどのようなお菓子なのか？その歴史と基本知識について解説していきます。

仙台駄菓子と聞くと多くの方がイメージするのは、街の駄菓子屋で買った小さい子供向けのお菓子を想像することでしょう。しかし仙台駄菓子は、そのイメージを大きく覆す、とても歴史のある仙台の名産品です。仙台駄菓子の歴史はとても古く、その起源は江戸時代にまで遡ります。

江戸時代の庶民は、高価な白砂糖を使った上菓子を口にすることを禁止され、黒砂糖を使用した雑菓子（駄菓子）しか口にすることができませんでした。上菓子は大名や武士のためのお菓子、駄菓子は庶民のものとされ、駄菓子屋の地位は菓子屋の中でもっとも低いものでした。

その駄菓子が仙台で発展したのは、かの有名な伊達政宗のおかげと言われています。茶の湯を好んだ伊達政宗の影響で仙台に駄菓子が広がり、さらに仙台が米の産地だったことから、今の仙台駄菓子の原型になるさまざまな駄菓子が作られました。

そのような経緯で庶民の間に駄菓子が広がり、祭りの日ともなると多くの駄菓子屋が軒を連ね賑わっていたと言います。

仙台駄菓子は大名や武士のための上菓子と違い、庶民のための地位の低いお菓子でした。その仙台駄菓子が注目されるようになったのは、昭和の時代に入ってからのことです。それまで全国にあった駄菓子屋がどんどん衰退していく中で、仙台駄菓子は「品質の良さ」と「種類の豊富さ」から一躍脚光を浴びることとなりました。

駄菓子と呼ばれる素朴なお菓子は全国各地に多数ありますが、仙台駄菓子の種類は特に多く、今でも50〜60種類の駄菓子が作られています。今では歴史ある郷土菓子として、仙台の名産品のひとつにもなっています。さらにグルメ漫画「美味しんぼ・宮城編」でデザートとして登場したことで、仙台駄菓子の存在を知ったという人も多いようです。

仙台駄菓子は今もひとつひとつ丁寧に職人の手によって手作りされています。手作りのため店ごとに製法や味が微妙に違い、保存料や添加物を使わずに今も昔と変わらない味を楽しめるのが仙台駄菓子の魅力です。

仙台駄菓子は種類がとても豊富で、今も50〜60種類ほどあるといわれています。その中でも特に人気のある、仙台駄菓子の定番を紹介していきます。

丸くてころんとした形が特徴的なマコロンは、仙台駄菓子の中でも人気の高い定番商品です。マコロンは、フランス菓子のマカロンを模して作られたと言われていますが、どちらかというとアマレッティというイタリア菓子に近い見た目をしています。

マカロンがアーモンドの粉を原料にするのに対し、マコロンはピーナッツの粉末を原料にしています。ピーナッツが原料ですのでとても香ばしく、一口サイズでついつい手が伸びる美味しさです。定番はプレーンですが、駄菓子屋によってはごま味やチョコ味、コーヒー味などアレンジ商品の販売もあります。

マカロンのようにカラフルではなく地味な見た目ではありますが、カリッとした食感と香ばしい風味はとても美味しく人気があります。マコロンは仙台駄菓子の中でも定番中の定番ですので、ぜひ食べてみることをおすすめします。

うさぎ玉は、あんこと米飴、麦芽水飴、黒砂糖、こうせん粉などを練って作られた仙台駄菓子です。しっかり練ることで粘りが出たあんこ玉に、白い砂糖衣をかけた姿からうさぎ玉と名付けられた、丸くて可愛らしい駄菓子です。

店によって原料に多少の違いはありますが、あんこを使ったしっかりした甘さで仙台駄菓子の中でも特に人気の高い商品です。温かいお茶を用意して、じっくり味わってみてください。

仙台駄菓子には「ねじり」と言われる、もち米と水飴を主原料にした駄菓子がいくつもあります。その中でも特に人気が高く定番になるのが、きな粉で作られたきなこねじりです。きな粉や水飴、黒砂糖などを練ったきなこねじりは、きな粉の香ばしさと優しい甘さがたまりません。

噛むとねっちりした独特の弾力を感じ、やみつきになること間違いなしです。さらにねじりは店ごとに、ラインナップが異なる点も魅力です。黒糖、ごま、しぐれなど、店ごとにさまざまな種類が揃っていますので、ぜひ食べ比べてみることをおすすめします。

パンはパンでも味噌が入った、ソフトクッキーのような固めの仙台駄菓子がみそパンです。パン屋さんのパンのようなふっくら柔らかな食感ではなく、素朴な焼き菓子のようなサクッとした食感が特徴です。小麦粉や砂糖に仙台味噌を加えた、甘さと塩気のバランスが絶妙な仙台駄菓子です。

みそパンは仙台駄菓子の一種ですが、福島や岩手など他県でも食べられているので知っている方も多いのではないでしょうか？さらにみそパンの他に、黒糖で味付けした黒パンも人気があります。黒パンも味噌パン同様、固めの焼き菓子のような素朴な甘さの仙台駄菓子です。

次に紹介する仙台駄菓子は、落雁のようなしおがまという駄菓子です。しおがまは宮城県塩釜の名物菓子ですが、今では仙台駄菓子として多くの店舗で作られています。主な原料は砂糖、塩、水飴で、しそを加えるのが大きな特徴です。今でこそ気軽に食べることができますが、元は伝統ある高級和菓子という扱いでした。

しその風味がきいた甘すぎないさっぱりした後味で、お土産として人気の高い仙台駄菓子です。しおがまは駄菓子屋以外にも、仙台の和菓子屋に行けば必ずといっていいほど置いてある宮城を代表するお菓子です。店ごとにいろいろなしおがまがあるので、ぜひ試してみてください。

翁飴は秋田や新潟の名物として知られている飴菓子ですが、仙台駄菓子のひとつとしても親しまれています。米水飴、麦芽水飴、砂糖などに寒天を加えることで、柔らかく口の中でとろりととろける食感になります。柔らかくお年寄りにも食べやすいことが、翁飴の名前の由来という説があります。

翁飴は約400年ほど昔から、食されてきた伝統ある飴菓子です。当時からほとんど変わらない歴史ある味を、堪能してみてください。

ぶどうにぎりは餅を粒状に焼き上げ、水飴や黒糖を混ぜて丸く仕上げた仙台駄菓子です。その名の通り、丸い粒がひとかたまりになった様子はまるでぶどうのように見えます。代表的な仙台駄菓子のひとつで、詰め合わせには必ずといっていいほど入っている定番の駄菓子です。

水飴や黒糖を混ぜているのでねっとりした食感で、ついつい何個も手を伸ばしたくなることでしょう。焼き上あげた餅はおこしのような食感で、口の中でほろりと崩れていきます。同じような形状ですが白い方は「えそべ」という別の仙台駄菓子になります。

えそべの方がぶどうにぎりより食感が軽く、シュワっと口の中で溶けていきます。似ていますが食感が違うぶどうにぎりとえそべ、ぜひ食べ比べてみてください。

仙台駄菓子が買える有名店を5店舗紹介します。宮城を代表する有名店ばかりですので、観光の際はぜひ訪れてみてください。

仙台駄菓子の名店としてまず名前が上がるのが、1885年創業の老舗「石橋屋」です。石橋屋は仙台駅から少し離れていますが、地下鉄河原町駅からすぐの場所にあるので店舗に足を運ぶ観光客も多いようです。特に春先になるとみることができる見事な枝垂れ桜は、石橋屋のシンボルになっています。

さらに昭和26年に京都の長屋をイメージして建てられた店舗は、平成6年に仙台市都市景観賞を受賞しています。店舗の裏には駄菓子資料館があり、仙台駄菓子の貴重な資料を無料で観ることができます。このように駄菓子のみならず、外観や貴重な資料も楽しめることから観光スポットとしても人気の高いお店です。

石橋屋のおすすめは赤あんと米飴、もち粉を練って作ったうさぎ玉です。石橋屋の店舗は宮城県内はもとより、全国に販売店があるので機会があったらぜひ食べてみてください。

仙台でもっとも歴史ある駄菓子屋として有名なのが、元禄8年（1695年）創業の老舗「熊谷屋」です。くず米などを材料に台所で作られていた駄菓子に、ごまや大豆、麦などを加え庶民に売ったのが熊谷屋の始まりといわれています。

熊谷屋は仙台が舞台のアニメ「Wake Up,Girls！」の登場キャラクター、林田藍里の実家という設定で、多くのアニメファンが多く訪れる聖地にもなっています。口承で駄菓子の製法を伝えるという昔ながらの伝統を守る一方で、アニメ関連の商品を多数発売するなど、新しい試みにも挑戦し続けています。

熊谷屋は仙台駄菓子の良さを知ってもらうために、お土産や贈答商品にも力を入れています。そのため詰め合わせの種類が豊富で、贈る人に合わせて選びやすいでしょう。

仙台駄菓子の名店「日立屋」は、1937年に創業された80年以上の歴史がある老舗です。伝統的な仙台駄菓子を作る一方で、若い世代にも仙台駄菓子を知ってもらいたいと、さまざまな商品を生み出しているのが日立屋の大きな特徴です。

特にお土産に人気なのがchacco（ちゃっこ）という、仙台駄菓子の詰め合わせです。ちゃっこ（小さい）という名の通り、昔ながらの仙台駄菓子を小さく現代風にアレンジした若者受け抜群の商品です。chaccoは見た目こそ現代風にアレンジされていますが、味はれっきとした伝統的な仙台駄菓子です。

一口サイズにアレンジされているため気軽に食べられて、価格が安いのでお土産にもってこいです。パッケージも可愛らしく、見た目でも喜ばれることでしょう。さらに仙台駅で販売されている「仙台ここち」は、生駄菓子という仙台駄菓子をアレンジした商品を1個から選ぶことが可能です。

伝統の仙台駄菓子に、現代のエッセンスを上手く融合させた日立屋の商品は、和菓子にあまり馴染みがない方にもおすすめです。

仙台駄菓子の定番、マコロンを作っている人気店が千臺まころん本舗（伊藤食品工業所）です。仙台では小さい頃おやつに食べていたという人も多い馴染みのある駄菓子で、駅やスーパーなど至る所で購入できます。千臺まころん本舗では、落花生を香ばしく焙煎、粗挽き、中挽き、製粉という過程を経て、ほとんど手作業でマコロンを作っています。

さらに伝統的なマコロンの他に、チョコ、ごまなど味のバリエーションが多数あるのもマカロン本舗ならではでしょう。贈答用の箱入りは、ミニマコロンが15袋入って1080円からとリーズナブルです。手軽な小袋の販売もあるので、自分のお土産用に好きな味を購入しても良いでしょう。

最後に紹介する仙台駄菓子の名店は、塩釜市にある五嶋屋です。塩釜駅から徒歩2〜3分の場所にある五嶋屋は、昭和35年創業から地元民に愛されてきた仙台駄菓子の老舗です。いかにも街の菓子屋といった懐かしい雰囲気の店内には、仙台駄菓子の他、大福やどら焼きなどの和菓子も並んでいます。

仙台駄菓子は自分用にちょうど良い袋入りや、贈答用の箱入りなど数種類が揃っています。地方の百貨店の催事で五嶋屋のお菓子に出会ったという方も多く、運がよければ宮城以外の場所でも出会えるかもしれません。

仙台駅は仙台観光の要となる駅で、その周辺には仙台土産を買えるお店が多数あります。その中から、仙台駄菓子を購入できる仙台駅近辺の駄菓子屋を3店舗紹介します。仙台駅を訪れた際は、ぜひ駄菓子屋へ立ち寄って仙台駄菓子を手にとってみてください。

仙台駅に直結しているエスパルでは、駄菓子屋の名店、熊谷屋の駄菓子を購入することができます。店先にはさまざまな種類の仙台駄菓子が並んでいますが、お土産におすすめなのは仙台駄菓子の詰め合わせです。手頃なものでは648〜1080円ほどで詰め合わせが購入できるので、贈る方に合わせて選んでください。

続いて紹介する駄菓子屋は、熊谷屋と同じ仙台駅のエスパルにある日立屋です。仙台駅エスパルの日立屋は、仙台ここちという生駄菓子を扱う店舗で、贈る人に合わせて駄菓子を自分で選べるのが特徴です。まず個数に合わせて箱を選んだら、ショーケースに並んだ仙台駄菓子を1個ずつ選びます。

味で選ぶもよし、見た目で選ぶもよし、選び方は自由自在です。贈る相手を思い選んだ仙台駄菓子は、きっと喜ばれることでしょう。選ぶ時間がない方や何を選んでいいかわからない場合は、仙台駄菓子の詰め合わせも販売されているので安心です。

仙台駄菓子の名店である石橋屋は、仙台駅から徒歩数分の場所にある、百貨店藤崎・本館地下一階に店舗があります。個包装された仙台駄菓子は300円ほど、お土産に最適な箱入りは1674円〜から販売されています。

仙台銘菓やお土産が並ぶ店舗の一角に、石橋屋も店を構えています。仙台駅から6〜7分の場所にありますので、観光がてら足を伸ばしてみてください。

仙台駅まで買いに行けない、という方も自宅にいながら仙台駄菓子を購入できます。仙台駄菓子を買う方法はいくつかありますが、通販で簡単に買う方法を紹介するのでチェックしてください。

先ほど紹介した仙台駄菓子の有名店の中に、気になる店舗はあったでしょうか？実は有名店のほとんどは通販で駄菓子の販売を行なっています。熊谷屋では仙台駄菓子の詰め合わせの他、駄菓子と並んで人気の高いゆべしやしほがま（しおがま）、飴類も一緒に購入可能です。

駄菓子は単品での販売もあるので、お気に入りの駄菓子だけまとめ買いということもできます。石橋屋でも仙台駄菓子の詰め合わせが8種類、単品駄菓子の購入ができます。日立屋や千臺まころん本舗でも詰め合わせや単品駄菓子の購入が可能です。

仙台駄菓子を食べたことがない人にとって通販は利用しづらいかもしれませんが、自宅で好きな時に好きな分購入できる点はメリットです。どの駄菓子を買うかゆっくり選ぶのも、楽しい時間になるのではないでしょうか？

通販を利用する場合は、直接店舗で購入する以外に楽天やアマゾンなどの通販サイトを利用するという方法もあります。楽天やアマゾンのアカウントを持っている方なら利用しやすく、さらに商品レビューは駄菓子を選ぶ参考になります。

他店舗の仙台駄菓子を一緒に購入できる場合もあるので、いろいろな店舗の味を一度に食べ比べすることも可能です。どの駄菓子を買うか迷ったり、気になる店舗が複数ある場合は通販サイトを利用してみると良いでしょう。

駄菓子と聞くと安い子供のためのお菓子というイメージですが、仙台駄菓子は歴史ある大人も楽しめる郷土菓子です。庶民が使うことを許された黒糖を駆使し、さまざまな駄菓子が作られ、400年経った現代にも伝わっています。

地方にはさまざまな駄菓子が存在しますが、仙台駄菓子はその種類の多さで群を抜いています。上菓子のように砂糖を使えなかった分、素材の持ち味を生かした素朴味わいが仙台駄菓子の魅力です。一口食べれば優しい味わいに、きっと懐かしい気持ちになることでしょう。