麦こがしとはどんな食べ物？作り方とアレンジレシピも紹介！

麦こがしは大麦やはだか麦を煎って、石うすで粉にした食材です。大麦が原料で栄養価も高いことから、日本がまだ豊かでなかった昭和20年代頃、子供たちの栄養の補うためのおやつとしてよく食べられていました。また古くから落雁などの和菓子の材料として使われていることでも有名です。

昨今の健康ブームで麦こがしが再び脚光を浴びています。本記事では麦こがしの特徴やカロリー、作り方や食べ方を詳しく解説します。おすすめのレシピや通販サイトも紹介しますので、ぜひチェックしてください。

はるか昔、豊臣秀吉や徳川家康も好んで食していたという逸話が残っているほど、日本では古くから使われている麦こがし。地方によってはったい粉や香煎、おちらし粉とも呼ばれていますが、どれも同じものです。このセクションでは和菓子の原料としてもおなじみの麦こがしの特徴や栄養、効能について掘り下げます。

大麦やはだか麦を炒ってから粉状に加工した麦こがしは、麦独特の香りと芳しさと麦の旨みがぎっしり詰まった食材です。色は灰褐色で、形状はさらさらとしたパウダー状です。見た目はきな粉とよく似ていますが、きな粉は大豆を挽いて粉にしたものであるため、原料も成分も全く異なります。

麦こがしは扱いやすいことから、和菓子、洋菓子問わず使われています。和菓子ではお茶請けとして有名な落雁や、黒蜜をたっぷり使用した生地に麦こがしを練りこんだ熱海名物の黒麦饅頭などで使われています。最近では麦こがしをプリンやシフォンケーキにアレンジした和洋折衷の洋菓子も登場し、年配の方だけでなく若い層にも親しまれています。

麦こがしは大麦を原料としているため、ヘルシーなイメージがありますが、実際のところどうなのでしょうか？麦こがしのカロリーは100gで391kcalです。小麦粉のカロリーが100gで368kcalであるため、麦こがしの方がカロリーが高いことがわかります。

また糖質は麦こがしは100gで61.6gであるのに対し、小麦粉は57gです。糖質もカロリーと同様に麦こがしの方が高くなっています。ただ麦こがしは消化も腹持ちも良いため、食べたからと言ってすぐに太るというものではありません。

上記の表は麦こがしに含まれる代表的な栄養素の一覧です。麦こがしは小麦粉と比較してカロリーも糖質量も高いですが、同様に栄養価も高いです。表を見てわかるようにビタミン、ミネラルをバランスよく含んでいます。

また食物繊維は小麦粉と比べて約6倍、マグネシウムは10倍、亜鉛は9倍も多く含まれています。これらの栄養素は血中悪玉コレステロールや中性脂肪の働きを下げたり、腸内環境をととのえ、便通をスムーズにするなどさまざまな効能があります。麦こがしはダイエット中の方や、高血圧で悩んでいる方にも有益な食材です。

麦こがしの作り方と食べ方について解説します。購入するものと思っている方も多いですが、材料さえ揃えれば自宅でも簡単に作ることができます。手作りすると添加物などの心配もありませんし、量もお好みで調整できます。和菓子や洋菓子など幅広い用途に使えるので、ぜひ手作りにチャレンジしましょう。

【材料】

• 大麦 1カップ
• 塩 小さじ1/2

1. 大麦をきつね色になるまでじっくり弱火で炒ります。
2. 粗熱がとれるまで冷まし、ミルで粉砕します。
3. 塩を加えて調整したら完成です。

麦こがしの作り方は非常に簡単です。大麦を炒って、ミルやフードプロセッサーで細かく粉砕するだけで作れます。上記では大麦を1カップ使っていますが、少ない量で良い方は大麦を半分にするなどして調整しましょう。注意点としては大麦を炒る時に​​​​​焦がさないように目を離さず作業を行うことです。焦がしてしまうと苦みが出てしまいます。

作り立ての麦こがしは香ばしさもいっぱいです。落雁などの和菓子を作ったり、ケーキやクッキーを作りたい時に覚えておくと便利です。

麦こがしはさまざまな食べ方で楽しめます。麦こがしに砂糖とお湯を入れ、練って食べるのは昔おじいちゃんやおばあちゃんが子供の頃に食べていたおやつの食べ方です。

麦こがしで和菓子を作るのも定番です。麦こがしで作る落雁や饅頭、もち菓子などの和菓子はほっこりとした味わいで幅広い世代に人気です。ほかにもクッキーやプリン、パンケーキなどの材料にしたり、ヨーグルトやトーストにかけて手軽に食べることもできます。

【材料】

• 薄力粉 150g
• 麦こがし 80g
• 砂糖 25g
• バター 55g
• ベーキングパウダー 小さじ1
• 卵 1個
• 牛乳 100cc
• 塩 少々

1. ビニール袋に薄力粉、麦こがし、ベーキングパウダーを入れて振り混ぜます。
2. ボウルに移し、バターを小さく切りながら混ぜます。
3. 塩と砂糖を加えてさらに混ぜます。
4. 割りほぐした卵と牛乳を入れ、練らないように切り混ぜます。
5. 台に移してひとかたまりにし、袋に入れて冷蔵庫で1時間寝かせます。
6. 厚さが2.5cmになるまで伸ばし、丸く型抜きします。
7. 表面に牛乳を塗り、220度のオーブンで15分焼いたら完成です。

こちらは麦こがしで作るイングリッシュスコーンのレシピです。小麦粉で作られることが多いですが、麦こがしを使うと香ばしさも栄養価もアップします。生地を混ぜる時は混ぜすぎに注意しましょう。空気の層がなくなりスコーンが膨らみません。お好みでバターやジャムを添えてお召し上がりください。

【材料】

• 麦こがし 1袋
• 卵 2個
• 牛乳 250ml
• 砂糖 大さじ1
• バター 適量
• シロップ 適量

1. ボウルに牛乳と砂糖、卵を入れてよく混ぜます。
2. 麦こがしを加え、粉っぽさがなくなるまで混ぜます。
3. フライパンにバターを熱し、(2)を入れて片面2～3分ずつ焼きます。
4. 器に盛り、お好みでバターやシロップをかけたら完成です。

麦こがしを手軽に楽しめるパンケーキを紹介しました。大量に使えるので、麦こがしが余った時の消費にも役立ちます。作り方も非常に簡単で時間もかからないので、朝食やおやつの時間にぴったりです。麦こがし独特の芳ばしさとやさしい甘みを感じてください。

【材料】

• 卵白 100g
• グラニュー糖 60g
• 麦こがし 45g
• 粉砂糖 適量

1. ボウルに卵白を入れて泡立て、グラニュー糖を3～4回に分けて加えて混ぜます。
2. 麦こがしをふるい入れてさっくり混ぜます。
3. 絞り袋に入れ、天板に好きな形に絞り出します。
4. 粉砂糖を振りかけ、180度で18分焼いたら完成です。

麦こがしを使ったメレンゲクッキーを作りましょう。卵白を泡立てたメレンゲを生地に入れるので、ほろほろと崩れるような繊細な食感が楽しめます。生地はさっくりと混ぜるのが上手に作るポイントです。ゴムベラなどで泡をつぶさないようにリズミカルにさっと混ぜましょう。

【材料】

• アーモンドパウダー 45g
• 麦こがし 15g
• 粉糖 35g
• 卵白 2個分
• グラニュー糖 30g
• 無塩バター 50g 
• グラニュー糖 43g
• 生クリーム 50g
• バニラオイル 少々

1. ボウルにアーモンドパウダーと麦こがしを入れ、粉糖を振り入れながら混ぜます。
2. 卵白にグラニュー糖を2回に分け入れ、ツノが立つくらいのメレンゲを作ります。
3. (2)に(1)を加えホイッパー4～5回程度ざっくりと混ぜ合わせます。
4. 絞り袋に丸口金の大をセットして生地を入れます。
5. オーブンシートを敷いた天板に高さ1.5cm、直径約5cmの円形になるように絞ります。
6. 粉糖をふるいかけ、全てにふるい終わったらもう一度粉糖をふるいかけます。
7. 190度に予熱したオーブンで約12～14分焼きます。
8. グラニュー糖を手鍋に入れて弱火にかけます。
9. カラメル色になったら火を止め、生クリームを約2回に分けて混ぜ合わせます。
10. 弱火にかけてゴムベラで混ぜながらカラメルがなじむまで混ぜ合わせます。
11. ザルで濾して密着するようにラップをして常温で１時間程度冷まします。
12. 粗熱を取った(7)で(11)のクリームを挟んだら完成です。

お菓子作りの好きな方におすすめのダックワーズのレシピを紹介します。ダックワーズは和菓子の最中をイメージして作られた日本生まれの焼き菓子です。パリッと焼けた表面に反し、中はふわっとやわらかいのが特徴で、アーモンドの風味が口いっぱいに広がります。やさしい甘さのキャラメルクリームとの相性も抜群です。

【材料】

• 麦こがし 100g
• 砂糖 100g
• 水 25cc
• 水飴 100g

1. 鍋に水と砂糖、水飴を入れて火にかけます。
2. よくかき混ぜながら加熱します。
3. 火を消して麦こがしを加え、ダマにならないようによく混ぜます。
4. 固まったらしばらく冷まし、麦こがしをまぶしたまな板の上で棒状に伸ばします。
5. 包丁で5cm程度の長さに切り分けたら完成です。

げんこつ飴は練った水あめにきな粉をまぶした和菓子の一種です。こちらのレシピではきな粉を麦こがしに置き換えて作っています。2つの材料さえあれば誰でも簡単に作れるので、子供と一緒に和菓子作りにチャレンジするのも良いでしょう。生地に黒ごまや白ごまを練りこむと、また違った風味が楽しめます。

【材料】

• A強力粉 170g
• A麦こがし 30g
• Aきび砂糖 大さじ1
• Aインスタントドライイースト 小さじ1/2
• A塩 小さじ1/2
• Aバター 10g
• A水 125cc
• 甘納豆 適量
• トッピング用麦こがし 適量

1. ボウルに材料Aを入れ、よく捏ねます。
2. ひとかたまりにし、30度で70分発酵させます。
3. ガス抜きをし、36分割にして丸め、15分休ませます。
4. 生地を広げて中に甘納豆を入れ、カップに入れます。
5. 30度で30分発酵させます。
6. 霧吹きで水をかけ、麦こがしを振りかけます。
7. 190度で13分焼いたら完成です。

最後に紹介する麦こがしのおすすめレシピは、まん丸の形が可愛いミニパンです。中に入れた甘納豆がアクセントになり、やさしい甘さが際立ちます。小さなサイズで食べやすいので、子供のおやつにもおすすめです。

麦こがしはスーパーや製菓材料店で手に入りますが、通販でも販売されています。通販で買える人気の麦こがしを厳選して紹介します。

栃木県佐野市に本社を構える製粉メーカー、波里が販売している麦こがしです。国産大麦をじっくりと焙煎して作られる麦こがしは、素朴な香ばしさと美味しさが楽しめると評判です。お菓子作りや料理などさまざまにアレンジできるので、いくつかまとめて購入すると良いでしょう。波里の通販サイトから購入できます。

無農薬、遺伝子組み換え作物不使用の安全な材料にこだわったオーガニック食品を扱うムソーの麦こがしです。防腐剤などの添加物を使っていないため、賞味期限は短いですが、その分小さめのポーションで使い切りやすいサイズになっています。砂糖や塩を加えて練って食べたり、お菓子作りの材料にするなどアレンジしてお使いください。

国内産裸麦を使用し、丹念に焙煎して作られた自然の館の麦こがしは、豊かな香りが特徴です。1袋にたっぷり500gも入っている割にリーズナブルな価格設定になっているので、コスパを求める方におすすめの商品です。パンを作ったり、お湯に溶かして食べるなど日々の食事に活用しましょう。

こちらは製菓材料の大手通販、TOMIZの麦こがしです。六条大麦を100％使用し、昔ながらの煎り方で作られているため、味も香りも格別です。1袋200g入りで使いやすいので、家にストックしておくと役立ちます。TOMIZではほかにも製菓材料が数多く揃うので、欲しい材料と合わせて購入しておくととスムーズです。

麦こがしは栄養価も高く、芳ばしさとやさしい甘さで、さまざまな食べ方を楽しめる万能食材です。和菓子を作ったり、クッキーやパンケーキなどにアレンジするほか、アイスやヨーグルトにそのままかけて食べるのもおすすめです。

使い方も特別難しいものではないので、きな粉のような感覚で活用すると良いでしょう。今回紹介したレシピを参考に、お気に入りの食べ方を見つけてください。