2019年12月25日公開
2024年10月06日更新
豆腐の消泡剤を解説!表示の見分け方や安全性は?赤ちゃんでも平気?
豆腐の消泡剤を徹底解説します。豆腐に使用されている消泡剤とは、一体どういった効果があるものなのでしょうか?身体に害は無いのでしょうか?併せて表示の見分け方・安全性・赤ちゃんでも平気なのかも紹介します。
豆腐に使われる消泡剤とは?
豆腐製造で消泡剤が使われる理由
群馬県甘楽郡甘楽町小幡87-2
— 辛口食いしん坊 (@a1b641806b9a42b) April 15, 2019
とうふや 豆忠 マメチュウ
完全無添加
消泡剤(グリセリン脂肪酸エステル)
は使用されていません!
この寄せ豆腐 280円
豆腐が好きではない私がこれをまるっと完食できるほどうまい。
誰が食べでも絶対うまいというはず!
近ければ毎日食べたい… pic.twitter.com/7Ns7St6RIr
豆腐の材料と言えば、大豆やにがりを思い浮かべるでしょう。実は、市販で売られている豆腐には消泡剤など食品添加物が使用されている場合があります。食品添加物と聞くと大抵悪いイメージが浮ぶ方も多いはず。しかし、使用されている消泡剤に身体への害はありません。
豆腐に使用されている消泡剤は、泡を消すため使用されています。原料は大豆ですが、大豆の中にはサポニンという成分が含まれています。サポニンは、水に溶かすと泡立つ性質がある天然の界面活性剤と呼ばれる乳化剤の一種です。
不使用の場合、仕上がった製品の中身が気泡だらけになります。気泡状態のままだと日持ちも悪くなります。歯ごたえの良さや豆腐の仕上がりを綺麗にするには、気泡の元となる泡を消すために消泡剤が必要となるのです。
消泡剤の種類
よし、悶々とするから
— 小手鞠@脚やせ中 (@kodemari_bi) July 18, 2019
ガツグイで発散しよう。
この豆腐、常温で半年もつんだって。
油脂系消泡剤
グリセリン脂肪酸エステル
シリコーン樹脂
どれも入ってないし、優秀。
油引いて焼いて、バター醤油美味しい。
(めんどくさくて小麦粉まぶす、
すらしない) pic.twitter.com/zpGFSqqKxP
豆腐に使用されている消泡剤には、シリコーン系消泡剤と有機系消泡剤の2種類があります。どういった効果があるものなのか、詳しく見てみましょう。
シリコーン系消泡剤
シリコーン系消泡剤は、タイプや特性・用途によって、シリコーンオイル型・溶液型・オイルコンパウンド型・エマルジョン型・自己乳化型・特殊形状型といった種類に分類されます。水性・非水性である油や溶液の両方の発泡液で消泡力が発揮されています。
豆腐に使われているのは、シリコーン系消泡剤のエマルジョン型が多いです。豆腐の中に成分が残らないこと・加工助剤に分類されることから、製品の原料として表示されることはありません。
有機系消泡剤
有機系消泡剤は、界面活性剤・ポリエーテル・高級アルコールなどの種類があります。水性の発泡液にて、強い消泡力を発揮します。
消泡剤不使用の豆腐との違い
離乳食に良さげなお豆腐見つけた。
— やすこ(男の子ふたりの母) (@yack2019) February 5, 2019
国産大豆だし、消泡剤も使われてないし、小分け。 pic.twitter.com/6ZsgDILWVO
消泡剤不使用の豆腐との違いは、見た目の差はそれほど変わりません。不使用の豆腐の製造は、大豆とにがりのみ使用しています。不使用の場合、煮沸中に出る泡を各お店毎に独自の工夫で取り除く作業をしています。職人技とも言えるでしょう。日持ちに関しては、不使用の豆腐はあまり持たないためすぐに食べることがオススメです。
味については、泡を消すことで製造中に灰汁が混入し灰汁入りになります。さらに、にがりが多く入ることで味がしつこく感じる場合もあります。
豆腐に使われるその他の添加物
今朝のお豆腐。静岡県沼津市花園町「諸星豆腐店」さんの『木綿豆腐』
— 野良(減塩・糖質制限中) (@dasugemaine1) October 2, 2018
まるでキメ細やかな、絹ごしのような滑らかな舌触り。凝固剤は硫酸カルシウムか?🤔 湯豆腐、鍋料理に最適!😊 pic.twitter.com/0FyxYRe9St
豆腐には、消泡剤の他に凝固剤という食品添加物も使用されています。凝固剤は製造に欠かせません。凝固剤により大豆に含まれているタンパク質成分が固まり、だんだん固形になります。
凝固剤にもいくつかの種類があり、豆腐に使用されている凝固剤で一番有名なのものは「にがり」です。食品衛生法で指定されている凝固豆腐の凝固剤は、塩化マグネシウム・塩化カルシウム・硫酸カルシウム・グルコノデルタラクトンの4種類が上げられます。
出来上がりから製品の使用用途にも違いが出るのが特徴です。製造者が自分でブレンドしたり、ブレンド製品をそれぞれ工夫して製造に役立てています。食品衛生法で指定され、使用基準等に基づいていることや防腐剤を使用していないことから、身体への害はありません。
なお、使用されている凝固剤は食品表示が義務付けられています。豆腐を購入する際、パッケージの表記を意識してチェックしてみましょう。
豆腐に使われる消泡剤の危険性は?
豆腐の消泡剤に害はある?
豆腐に消泡剤を添加したりしなかったりすると、消費者にどのような影響を及ぼすのか?
— FairFoodJapan (@FairFoodJapan) August 26, 2019
砕いた大豆を煮たときに生じる泡を消し、滑らかに仕上げるために消泡剤は使用される。消泡剤の成分は加工中に消滅するか、僅かに残るだけなので、「加工助剤」に分類され原材料欄への表示が免除されている。 pic.twitter.com/U7xzEvnQN9
豆腐には、製造過程において、次の2種類の添加物が一般的に使用されます。いずれも食品衛生法で指定され、その使用基準に基づいております。なお、防腐剤は使用されていません。
豆腐に使用されている消泡剤は食品添加物の一種ですが、「加工助剤」という項目に当てはまります。出来上がった豆腐に消泡剤の成分は残りません。成分が残らないことで、身体に害を及ぼすことはほぼありません。また、消泡剤を使用しているからといって品質が悪くなることもありません。
ただし、「100%害がない」とは言い切れません。赤ちゃんのアレルギー反応等気になる方は、消泡剤不使用の豆腐を選ぶと良いです。また、安全に食品を選ぶときは消泡剤の使用有無も大事ですが、それ以上に大豆製法など注目すべき表示があります。
量次第ですが、消泡剤として微量に使われるシリコーン樹脂、なんか化学物質が入っているかのように聞こえるけど実は、「土」の主成分であり微量なら元々毎日食べているものです。安全基準で認められた範囲での摂取は全く問題ないと納得できることでしょう。
消泡剤の使用については賛否両論?
豆腐に、味を悪くする消泡剤を入れない。
— うまや (@umaya8888) December 15, 2019
こんな単純な発想がなぜ出来ないのか、理解に苦しむ。
関西だと山陽食品のが安くて手に入るのになあ〜。
なぜ入れる。 pic.twitter.com/t9Mnls7T80
適切な材料に食品添加物を正しく使い、衛生管理に十分注意して作られていれば、どの豆腐も安全です。国産だから、オーガニックだから、より安全、という根拠はありません。
豆腐の消泡剤について、大手スーパーイオンで販売されている偽装豆腐に危険性があるといった注意を煽る内容のブログが話題になりました。著者が管理栄養士ということもあり、注目される記事でしたが、内容は管理栄養士の知識や科学的根拠というより個人の意見を述べている内容でした。
豆腐に炭酸カルシウム・レシチンが使われていることや、油にトランス脂肪酸が入っているということで著者は「その食べ物の工程に愛情を感じないものは避けるようにしている」、「偽装」と明記しています。食品添加物の使用は、昔ながらの製法に反しているといった意見も多くあります。
味の観点でも長年製造している方は、一般人が気付けない味の違いに気づいたりもするでしょう。昔ながらの製法は、歴史もあるため一つの安心材料にもなります。しかし、後からそれは問題があったと分かることもあります。消泡剤の使用にはメリットもデメリットもあるため、やはり賛否両論あるのは致し方ないのかもしれません。
安全性が確保されたうえで、どのような原材料・品質の豆腐を選ぶかはその人次第になります。他の意見に惑わされず、自分に合った食材を選ぶことが一番です。
赤ちゃんが豆腐を食べても安全?
赤ちゃんへ豆腐を与える時期は、生後6ヶ月頃の離乳食初期から食べさせることができます。ただし、豆腐は原材料の大豆がアレルギー20品目食品に含まれています。初めて赤ちゃんに食べさせるときは、少量から徐々に進めましょう。
離乳食で豆腐を使う時のポイント
赤ちゃんが口にするものなので、原材料はシンプルで添加物が少ないものを選ぶことがオススメです。消泡剤や凝固剤は身体に害はなく、特に消泡剤は製造後に成分が残りません。しかし、どうしても気になる方はパッケージに不使用と書かれているものを選びましょう。
また、遺伝子組み換えの食材は長年の研究結果により、現在では人体にほとんど影響がないと考えられています。しかし、それでも気になる場合は国産大豆100%使用とパッケージに書かれているものを選ぶようにしましょう。
国産大豆使用という表記もありますが、商品によっては外国産の大豆も混じっていることがあります。赤ちゃんに食べさせる場合、パッケージの表記を確認して選ぶことが大切です。
豆腐の種類と表示の見分け方
豆腐には2種類の製法がある
充填豆腐とカット豆腐の違いが、見た目でわからない場合は、パッケージの「名称」欄を確認すればかんたんに見分けられますよ。
豆腐には製造方法の違いで種類が分けられます。水に浮いているものが「充填豆腐」・水が入っていないものが「カット豆腐」といった2種類の形態があります。2種類の違いを紹介します。
充填豆腐
充填豆腐は、豆乳とにがりを混ぜ合わせた内容液をケースに直接流し込み、そのままケース内で固める製造方法です。パック後に加熱するために密閉性が保たれ、賞味期限が長いことも特徴です。出来上がり後は水にさらされず、にがりの成分がそのまま風味として残ります。
水切りができないため、木綿豆腐は作れません。少しボソボソとした食感だと感じる場合もあります。
カット豆腐
カット豆腐は、昔ながらの製法で作られている水と一緒に容器にパックする方法です。調理の直前まで水にさらされているため、充填豆腐の製法と違い余分なにがり成分がある程度軽減されます。完成品をパックするので木綿と絹の両方の製品が作れることが特徴です。食感はつるりとしているため、カット豆腐の人気が高いと見受けられます。
成分表示で凝固剤の見分けるには?
豆腐の味を重視して選ぶとき、一番注目したいのが凝固剤でしょう。すべての製品が天然のにがりで固められているわけではありません。にがりは塩化マグネシウムです。天然由来のものと人工的に海水から塩化ナトリウムを分離させた粗製海水塩化マグネシウムという2種類があります。
最近では硫酸カルシウムやグルコノデルタラクトンなどの凝固剤を使っているお店や企業が増えました。凝固剤は濃度の薄い豆乳でも固まることが特徴であり、大量生産がしやすいです。しかし、味は淡白な仕上がりなためにがり使用時より味が劣るのが難点です。購入するときは、成分表記から凝固剤には何を使っているかチェックしましょう。
豆腐の消泡剤まとめ
豆腐の消泡剤についての安全性や表示の見分け方などを紹介しました。消泡剤や凝固剤は、食品添加物だからといって身体に害があるものではありません。どのような原材料・品質の豆腐を選ぶかはその人次第になります。他の意見に惑わされず、パッケージの成分表記をしっかりチェックして自分に合った食材を選ぶことが大切です。