焼き芋の皮は食べるもの？栄養は？食べる派・食べない派の口コミまとめ

焼き芋は秋になると出回り始め、焼き芋屋さんの音と匂いを聞くと食べたくなる方も多いのではないでしょうか？甘くて美味しい焼き芋は子供から大人まで人気があり、寒い季節に身も心も温まる美味しい食べ物です。

そんな焼き芋の皮をむいてから食べるという方もいれば、そのまま皮ごと食べるという方もいます。皮ごと食べるには、農薬や癌になるなどの昔からの噂が気になるという方もいるようです。しかしそもそも、焼き芋の皮には栄養があるのでしょうか？

他にも皮ごと食べるとおならが出やすいなどといわれることもあります。今回は焼き芋のいろんな噂を検証し、皮ごと食べるのはありなのかどうかを栄養面からしっかり解説していきます。

土の中で育った焼き芋の皮は衛生面でなんとなく汚いように思われる方もいるでしょう。農薬などの薬や焦げも気になるところです。それでは焼き芋の皮を食べても大丈夫なのかどうか見ていきましょう。

さつまいもは土の中で育つので、土からいろんなものが皮に付いて汚いと思われがちです。しかしさつまいもは出荷の段階で土などの汚れを水洗機を使って綺麗に落とされるようです。それでも気になる方は水で丁寧に習い流しましょう。たわしでゴシゴシする場合は皮がめくれないよう注意が必要です。

また芋掘りしたばかりの土が付いたさつまいもの場合は、洗う前に1～2時間ほど水につけておくと汚れが落ちやすくなります。ヒゲの辺りに土が残りやすいので、注意してしっかり洗いましょう。

さつまいもをしっかり洗って衛生面に気になるところはなくても、農薬が皮に付いていないか気になる方もいるようです。アメリカの調査によると、焼き芋の皮には農薬が残っているリスクが低い野菜だと発表されています。

さつまいもは土の中で育つため、農薬が付きにくい野菜です。また農薬はほとんど水に溶ける性質があるので、さつまいもをしっかりと洗って水気をふき取ることで安心して食べることができるようです。

黒く焦げた部分を食べると癌になるいう噂を聞いたことがある方も多いでしょう。しかし焦げることで発癌性物質を作り出すのは魚や肉などの動物性たんぱく質の場合であり、野菜の焦げは問題はないようです。また動物性たんぱく質の焦げも体重60kgの人が毎日1トンほど食べないと癌にはならないといわれています。

しかし焦げている部分はAGE（エージ）と呼ばれる物質が含まれます。これはタンパク質と糖が結合した糖化物質で、体内で蓄積すると老化を早めて健康に害を与える可能性があるようです。また焦げた部分はあまり美味しいとは言えないので、できるだけ焦げた部分を取って食べたほうが良さそうです。

また唾液には発癌性物質を抑える効果があるといわれており、しっかりと噛んで食べることで予防につながります。

焼き芋を食べるとおならが出ると昔から言われています。実際おならが出やすいと感じる方が多いようです。おならは焼き芋の食物繊維やでんぷんが小腸で分解されずに大腸にいって発酵してしまうのが原因です。おならを出にくくするためには、実は焼き芋の皮が効力を発揮します。

おならを出にくくするためには、発生場所である大腸に食べかすをできるだけ送り込まないよう消化を良くする必要があります。焼き芋の皮の近い部分にはヤラピンという消化酵素が含まれています。皮ごと食べることで消化が促進され、おならが出にくくなるというわけです。またよく噛んで唾液を出すことでも消化が促進されます。

衛生面や病気の面ではクリアになった焼き芋ですが、それではどんな栄養が含まれているのでしょうか？皮に含まれる栄養とその効果効能について解説します。

焼き芋には食物繊維が豊富に含まれています。食物繊維には腸内環境を改善する水溶性食物繊維と、排便を促す不溶性食物繊維があります。焼き芋にはこの2つの食物繊維がバランスよく含まれています。

さらにさつまいもは加熱することで食物繊維が約1.6倍にも増えます。焼き芋1本約300g食べると、約10gの食物繊維を摂取できます。1日に必要な食物繊維の量は18～20g程度なので、焼き芋を食べることで腸内環の改善や便秘解消の効果を高く期待できそうです。

焼き芋の皮にはカリウムの栄養成分が含まれています。その量は1個当たりご飯の18倍の490gにもなります。カリウムは細胞の浸透圧の維持や心臓・筋肉の機能調節などの働きがあります。また腎臓におけるナトリウムの再吸収を抑制して排出を促進する働きがあり、血圧を下げる効果があります。

カリウムは調理中に損失することが多く、まるごと調理する焼き芋はカリウムを損失することなく摂り入れることができる優れた食品です。

焼き芋の皮付近に豊富に含まれるクロロゲン酸は、ポリフェノールの一種で強い抗酸化力を持っています。老化や生活習慣病の原因になる活性酸素を取り除き、しみの予防や脂肪燃焼効果を発揮します。さらに発癌性物質であるニトロソアミンの発生を抑制する効果も期待されています。また血糖値を抑制する糖尿病予防の効果も注目されています。

さつまいもの皮は一般的に紫色をしていますが、この色素の成分がアントシアニンです。アントシアニンもポリフェノールの一種であり、クロロゲン酸と同じく抗酸化作用を持っています。アンチエイジング効果やしみの予防、生活習慣病の予防だけでなく、血行が良くなり冷え防止も期待できます。

他にも高血圧の予防や視力回復効果、肝臓を活性化する効果、花粉症を予防する効果など、美容だけでなく広く健康にも良い効果を発揮することが期待されています。

ヤラピンは消化酵素の一種であり、さつまいもを切ったときに出る白い液体のことです。ヤラピンは食品ではさつまいもにしか含まれていないといわれます。ヤラピンは昔から緩下剤として利用されています。ヤラピンと食物繊維の相乗効果によって、さつまいもを食べると便秘を解消できるといわれています。

ヤラピンは胃腸で消化されにくい成分なので、水分を保ったまま腸を刺激することで便秘解消の役割を果たしてくれます。熱にも強く加熱調理をしても変質しません。さらに胃の粘膜を保護する働きがあります。このように焼き芋には消化を助ける栄養成分を多く含んでおり、皮を食べても胸焼けをすることは少ないようです。

以上のように美容や健康に良い栄養をたくさん含んでいる焼き芋の皮ですが、実際に皮を食べるという人々の口コミを見てみましょう。

2017年8月にJタウン研究所が都道府県別に「焼き芋の皮、食べる？食べない？」をテーマをにしてアンケートを行いました。その結果、食べる派は41.8％、食べない派は58.2％と食べない派が優勢でした。

皮を食べるという口コミではパリパリとした皮や端が単純に好きという意見が多く見られました。低GIで腹持ちが良くて栄養も豊富であることや、便秘解消やダイエット効果を期待して食べる方も多いようです。また皮をむくのが面倒なのでそのまま食べるという口コミも見られます。

一方で、アンケートでは焼き芋を皮をむいてから食べるという意見が半分以上を占めていました。皮をむくことで焼き芋そのものを味わいたいという意見が多いようです。皮は人によって苦さを感じたり、硬さがあって食べないという口コミも見られました。

また、皮が焦げてたり厚みがあったりする場合には剥いて、皮が薄くて綺麗に焼けていたら食べる、という意見もありました。焼き芋は食べるけど皮はむくという子供も何人か見られ、皮を食べない派は皮自体に抵抗が強い方が多いようです。

焼き芋の皮は農薬や癌になる心配もなく、おならが出やすいということもありません。洗ってあるので衛生面でも汚いということもなく、むしろ皮ごと食べたほうがおならが出にくいとのことでした。焼き芋は皮ごと食べたほうが食物繊維やクロロゲン酸など美容や健康に良い効果効能をたくさん発揮してくれます。

焼き芋を皮ごと食べるという口コミや皮をむいてから食べるという口コミなどいろいろな意見があるようです。皮が気になる方も綺麗に洗って食べれば大丈夫です。ぜひ栄養豊富な焼き芋を皮ごと美味しさを味わって、体に良い効果効能を実感してみましょう！