牛肉をレア・生焼けで食べてもいい理由は?加熱不足で食中毒にならない?

牛肉をレア・生焼けで食べてもいい理由を紹介します。豚肉や鶏肉の生食は危険で、牛肉が食中毒になりにくいポイントを解説します。焼肉を加熱不足で食べてしまったらどうなるのでしょう?そして、牛肉をレア・生焼けで調理する際の、注意点に注目しましょう。

牛肉をレア・生焼けで食べてもいい理由は?加熱不足で食中毒にならない?のイメージ

目次

  1. 1牛肉のレア・生焼けについて徹底調査
  2. 2牛肉をレア・生焼けで食べても大丈夫な理由
  3. 3牛肉以外の肉がレア・生焼けで食べられない理由
  4. 4牛肉のレア・生焼けが危険と言われる理由
  5. 5牛肉のレアステーキを美味しく焼くコツ
  6. 6牛肉のレア以外の焼き加減もおさらい
  7. 7牛肉のレア・生焼けまとめ

牛肉のレア・生焼けについて徹底調査

レアのステーキ

牛肉のレア・生焼けについて調査しました。牛肉の旨味を堪能できるレアは、生焼けとの加減が難しい調理法です。牛肉の正しい調理法を知ることで、生焼けの気持ち悪い状態を防げます。牛肉のレア・生焼けについて確認しましょう。

牛肉をレア・生焼けで食べても大丈夫な理由

肉を食べる際、生食は食中毒の原因になります。しかし、牛肉をレア・生焼けで食べても大丈夫なのは、なぜなのでしょうか?他の肉類と牛肉の違いを知れば、レアや生焼けが大丈夫な理由が分かるでしょう。レアステーキだけでなく、焼肉店で焼く場合の注意点も紹介します。大丈夫な理由を知れば、食中毒の原因を防げるでしょう。

理由①牛肉にはもともと寄生虫や菌がいないから

レアで焼かれたステーキ

牛肉の特徴は中心部分が無菌という点です。肥育環境や体質によって、寄生虫や菌がいないのがポイントになります。ブロック肉は、表面以外の内部が無菌になります。表面部分は菌が付着しやすく、増殖しやすい部分なのです。牛肉をカットし、ブロック肉になったときに、まな板などの菌が付着して増殖します。

牛肉の中心部分は無菌ですが、消化器官やレバーは注意しましょう。菌が潜んでいる可能性が高く、腸管出血性大腸菌O157やカンピロバクターの原因になります。牛肉を調理する際、長時間まな板に放置すると、菌が中心部にまで繁殖するので危険です。

理由②菌の付きやすい表面は過熱しているから

食中毒菌は、主に牛肉の表面に付着しているので、牛肉の表面と側面をしっかり焼けば、牛ステーキをレア(中が赤い状態)で食べても基本的には問題ありません。

菌は加熱することで消毒できます。牛肉を調理する際、表面は鉄板で加熱します。レアステーキの表面を85℃以上で焼きましょう。サルモネラ、病原性大腸菌、カンピロバクターなどの食中毒菌は、75℃以上1分間の加熱で死滅できます。レアよりも加熱時間の短いブルーレアは、食中毒の危険性があります。

食中毒の菌は体調に影響されます。疲れが溜まっている状態、睡眠不足状態は生食を避けましょう。大量に食べるとリスクも上るため、レアステーキは食べすぎないようにしましょう。

牛肉でもハンバーグはレア・生焼けはNG

牛肉は食中毒の可能性が低い食材ですが、ハンバーグを調理する際は注意しましょう。ハンバーグは、牛肉を混ぜ合わせて作る場合や、合い挽きのひき肉を使用します。牛肉の中心部分は菌がいないですが、混ぜて作るハンバーグは、表面の食中毒菌も一緒に混ぜ合わせてしまうのです。

牛肉でレアハンバーグを作る場合、塊肉をしっかりと面部分を削ぎ落とし、中心部分を使用します。ひき肉にする機械も洗浄しましょう。ハンバーグはレアや生焼けにせず、表面を強火で焼きます。次に、じっくりと弱火で中心部分に熱を加えましょう。

調理中に赤い肉汁が出ないか確認し、食べるときに断面を確認することをおすすめします。生焼けを食べてしまったら、口に残っているものは吐き出します。腹痛が起きた場合、病院で診察を受けましょう。

牛肉以外の肉がレア・生焼けで食べられない理由

牛肉は調理方法や部位によって、レアや生焼けでも食べられます。牛肉以外の肉は、レアや生焼けは危険です。牛肉が大丈夫なのに、他の肉が食べられない理由を解説しましょう。

豚肉や鶏肉はレア・生焼けでは食べられない?

生焼けの牛肉

牛肉以外の肉で、豚肉や鶏肉はレア・生焼けは食べられません。牛肉と違ってE型肝炎ウイルスやサルモネラなどの食中毒菌、寄生虫がいるためです。新鮮なものでも、レアや生焼けは危険です。しっかりと焼かれていないものを食べてしまったら、腹痛や下痢につながります。生食を販売・提供することが禁止されています。自宅で加熱用を生焼けで食べてしまったら、無理にでも吐き出すようにしましょう。

豚肉は生食販売が禁止されている

豚肉や豚レバー等豚の内臓も、生で食べるとE型肝炎ウイルスや食中毒菌、寄生虫による重い食中毒が発生する危険性があるため、生食用として販売・提供することが法律で禁止されています。

豚肉は2015年6月12日から食品衛生法に基づき、生食用として販売することが禁止されています。以前は食べる事ができても、現在は販売や提供することができないのです。豚肉の生食は食中毒で気持ちが悪い状態だけで済みません。そのまま食べてしまったら、命に関わる危険性があるのです。

豚肉を生で食べてしまったら、サルモネラ菌やカンピロバクター等の食中毒のリスクがあります。E型肝炎ウイルスは、発熱、吐き気、下痢、嘔吐などの症状が出ます。E型肝炎ウイルスは、肝臓で増殖し糞便中に排出されます。直接口から食べていなくても、皮膚の傷から、ウイルスが体内に入る場合があります。

焼肉店で牛肉と一緒に、鶏肉や豚肉を焼くことがあるでしょう。牛肉と同じ感覚で焼くのではなく、鶏肉や豚肉は全体と内部をしっかり加熱しましょう。75℃以上に1分間加熱します。ノロウイルス考えると、85℃以上に1分間加熱することが理想です。

鶏肉はカンピロバクターやサルモネラ菌などが危険

豚や鶏は、腸内などに、カンピロバクターやサルモネラなどの食中毒菌をもっていることが多く、肉を加工する際に、腸の内容物によって、肉や内臓肉の表面が食中毒菌に汚染されることがあります。

鶏肉の場合も生食が危険です。「鶏たたき」や「鶏刺し」は、カンピロバクターやサルモネラ菌の危険性があります。肉の表面を焼いて殺菌するだけでは、食中毒の危険性があるのです。カンピロバクターは鶏の腸管に生息する最近です。食肉処理の際に腸管が破れると、内蔵肉を汚染します。

牛肉のレバー、豚の肉やレバーの生食用の販売は禁止されています。鶏肉について内蔵肉の規制はありません。食中毒の危険性を考えると、生食は危険性が高いといえるでしょう。カンピロバクターによって死亡することは稀ですが、手足のまひや呼吸困難を起こす「ギラン・バレー症候群」につながる場合があります。

生の豚肉や鶏肉を食べてしまったら、自分で判断せずに病院に相談しましょう。生焼けを食べてしまったら、下痢や嘔吐を起こすからです。食中毒は命の危険性があり、菌が含まれた食材を食べてしまったら、深刻な状態の可能性があります。病院で診察を受けて、食中毒になっていないことを検査しましょう。

牛肉のレア・生焼けが危険と言われる理由

牛肉は表面に菌が付着する可能性があります。時間の経過、酸素や人が触れることで菌が付着します。豚肉や鶏肉の危険性とは異なりますが、牛肉のレア・生焼けは安全ではありません。生食の危険性について確認しましょう。

牛肉は無菌なはずなのに腹痛や食中毒が起きる理由

よく焼けた牛肉ステーキ

牛肉は無菌ですが腹痛や食中毒の危険性があります。牛肉は加工され、調理される間に菌が付着するからです。菌がついた牛肉を食べてしまったら、食中毒が起きるといえるでしょう。生食による食中毒は危険なので、腹痛や嘔吐の症状がでたら病院に行きましょう。食中毒は我慢しているだけでは改善されにくく、病院で薬を処方してもらいましょう。

大量に食べた場合、胃洗浄の処置も考えられます。食中毒は腹痛や嘔吐の症状が現れず、インフルエンザのような高熱だけということがあります。季節によって風邪と勘違いしますが、直前の食事を振り返り、生焼けを食べていないか思い出しましょう。

新鮮できちんと管理された牛肉だけがレアで食べられる

レアで焼かれたサーロインステーキ

飲食店は、牛肉がレア・生焼けで食べられるように管理しています。新鮮な牛肉を使用し、期限が過ぎたものは提供しません。個人で調理する場合、生焼けのままは危険性があります。安全性を考え、火をしっかりと通し、生焼けを防ぐのをおすすめします。夏場の腐りやすい環境は、新鮮な牛肉でも菌が発生する危険性が高いです。

また、ローストビーフは牛肉のかたまりを、オーブンでじっくり中まで蒸し焼きにした料理です。牛のたたきは、表面だけを焼き、氷水で冷やしたものです。ローストビーフより、牛のたたきがレアステーキに近い調理法です。店内が不衛生だと、肉の管理が安全か心配になります。

レアステーキは、プロの料理人でも難しい調理法です。味や鮮度を信頼できるお店を選ぶ、ということが大切です。高級レストランは、食材が高級品なだけではなく管理も厳しく行われています。安心安全に楽しめるお店を見つけ、レアステーキを楽しむとよいでしょう。

牛肉の生食・ユッケはなぜダメなの?

牛肉のユッケ

牛肉の生食・ユッケは販売や提供が禁止されています。牛肉のレバ刺しは、腸管出血性大腸菌による重い食中毒の原因です。牛肉のレバ刺しに代わり、豚肉のレバ刺しが提供されましたが、生食用は細菌や寄生虫の危険性がありました。牛肉に続いて、豚肉の生食用の販売・提供も禁止になったのです。

提供が禁止されているものは罰則があります。牛の生レバーは、2年以下の懲役または200万円以下の罰金です。豚肉の生食提供は、同様に2年以下の懲役または200万円以下の罰金となります。しかし、加熱用を生食用として提供する店が存在します。店側の責任にならないように、隠れメニューや隠語で提供しているのです。

ユッケとして食べるのは客の判断にしており、非常に危険な方法です。個人の焼肉店で食べてしまったら、食中毒の危険性が高いです。違法なメニューを食べてしまったら、警察に相談することが重要です。

2011年に起こった集団食中毒事件

富山県によると、食中毒は23年4月に発生。富山、石川、福井、神奈川の6店でユッケなどを食べた客181人が下痢や嘔吐などの症状を訴え、うち6歳男児を含む5人が死亡。多くの患者からO111が検出された。横浜市の店にあったユッケ用生肉から検出したO111と、患者の菌で遺伝子型が一致した。

2011年に焼肉店が提供した和牛ユッケから、腸管出血性大腸菌O-111による集団食中毒が発生しました。死者5名を含む100人近い被害者が出ました。焼肉店で問題なのは、表面の肉を削り取るトリミングを行わなかった点です。牛肉がレアや生焼けで安全なのは、表面を加熱するか中央部分を使用する場合です。

生焼けでもレアでもない状態で、トリミングを行わない牛肉は危険です。該当店の焼肉を食べた客から、「腐ったような臭い」という苦情が出ていました。焼肉店を経営する社長は、提供した肉をユッケ用と思っていたそうです。加熱用を殺菌すれば、生食が可能という考えだったのでしょう。

焼肉を食べるときに、トングではなく箸で焼くのは危険です。肉の表面についた菌が箸につくからです。焼肉は表面を加熱して殺菌されますが、箸は加熱されません。トングが使いにくい場合、焼く専用の箸を用意しましょう。焼肉は肉の種類によって分厚さが異なります。焼肉が盛り上がって生焼けを食べないよう、しっかりと火を中まで通しましょう。

牛肉のレアステーキを美味しく焼くコツ

牛肉のレアステーキを、美味しく焼くコツを紹介します。レアステーキを焼くときは牛肉を冷蔵庫から出して、常温に戻します。フライパンを煙りが出るくらい熱し、一旦火を止めます。煙りが収まったら強火にかけ、牛肉を乗せましょう。強火で30秒、弱火で1分加熱でします。裏返したら、同じ時間焼いたら完成です。

厚切りの牛肉の場合、側面を立てて焼きましょう。立てるとき、トングで掴みながら焼くと簡単です。厚切り肉は、フライパンから下ろし、休ませながら火を入れましょう。芯の部分に熱が伝わります。約5分休ませ、表面の温度が生ぬるいくらいに下がったら、再加熱しましょう。

肉の厚さによって、一度で焼く場合と再加熱する方法があります。厚切り肉のレアは難易度が高く、焦らず、一度フライパンから下ろして熱を通しましょう。アルミホイルで肉を包んで熱を通す方法もあります。

レアステーキの焼き加減を学ぶために、カットした肉を調理するとよいでしょう。牛肉を横から見て、どれぐらいの時間で火が通っていくか、チェックします。肉の厚さや調理器具によって調整が必要です。レアステーキは繰り返し練習することで、美味しく焼けるコツを習得できます。

牛肉のレア以外の焼き加減もおさらい

牛肉のカットステーキ

焼き方 焼き加減・特徴
レア 表面は焼けているが中心は生。肉汁が多く柔らかい。
ミディアム・レア レアより火を通すが中心は生。肉汁がにじみ出る程度にする。
ミディアム 中心にも火を通し、薄ピンク色になる。肉汁が少し出る。
ウェルダン 全体に火が通った状態で、肉汁はほとんど出ない。
ベリーウェルダン 完全に中に火が通った状態。生焼けが苦手な人におすすめ。

レアステーキでも、中心温度は55℃以上にしましょう。そうすると、表面もしっかりと焼けたことになります。レアは牛肉本来の旨味を堪能できますが、新鮮なものでないと危険です。最初に表面を強火で焼き、肉の旨味を閉じ込めて殺菌しましょう。

牛肉のレア・生焼けまとめ

レアの赤身ステーキ

牛肉のレア・生焼けについてまとめました。菌をつけない、増やさない、殺菌することがポイントです。焼けていない肉を食べてしまったら、すぐに病院で診察を受けましょう。牛肉はもちろんですが、鶏肉や豚肉は危険度が増します。ユッケを好きな人は多いですが、食中毒は命に関わる病気です。肉の生焼けを食べてしまったら、すぐに食べるのをやめましょう。

牛肉のレアステーキを調理する際、鮮度が良いもの選び、表面はしっかりと焼きます。表面の菌がまな板に付着する場合があるので、切った牛肉の内側は付けないようにしましょう。火加減と調理法に気をつけて、美味しいレアステーキや焼肉を楽しみましょう。

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