2019年10月01日公開
2024年09月29日更新
ココアのカフェイン含有量は?妊婦は飲んでも大丈夫なのか解説
ココアのカフェイン含有量は、ピュアココアか調整ココアかによって異なります。適量であれば妊婦や子どもが飲んでも大きな影響はありません。本記事ではココアのカフェイン量を種類別にまとめ、一日当たりのココアの適量について解説しています。
ココアのカフェイン含有量は?妊婦さんに影響がある?
寒い時にホッとひと息できる甘いココアには、微量ではありますがカフェインが含まれているのを知っていましたか?コーヒーや紅茶に比べココアには、一体どれくらいのカフェインが含まれているのか?また、妊婦や授乳中の女性、それに子供が飲んでも問題ないのか?について調べてみました。
ココアのカフェイン含有量
ココアには純ココア(ピュアココア)と調整ココア(ミルクココア)の2種類がありますが、これらはカフェイン量に差があります。
原料であるカカオマスから油脂分を取り除いて粉末にした純ココアは、ミルクや砂糖を添加した調整ココアに比べややカフェイン量が多いです。純ココアと調整ココア、それぞれのカフェイン含有量についてチェックしてみましょう!
純ココア(ピュアココア)
純ココアはカカオマスから油脂を取り除いて粉末状にしたもので、飲用だけでなくお菓子作りなどでもよく使われています。砂糖やミルクなどは加えられていません。純ココアのカフェイン含有量は、粉末100gあたりおよそ200mgと言われています。
一般的に純ココアを使って飲用する際には、1杯140mlあたり4gの粉末を使用します。そのため、1杯あたりのカフェイン含有量はおよそ6mgとなります。
調整ココア
調整ココアはミルクココアと呼ばれることもある、ピュアココアに乳成分と砂糖を添加して飲みやすくした粉末です。調整ココアはピュアココアと比べるとほとんどカフェインは含まれていません。粉末100gあたり19mgと微量です。
ミルクココア1杯あたりには調整ココアを20g使いますが、換算すればカフェイン含有量はほとんど気にならないという数値となるのが分かります。
調整ココアは糖分にも注意
カフェインの含有量をあまり気にする必要がない調整ココアですが、飲用時に注意しなければならない点があります。それは調整ココアには砂糖が多く添加されているという点です。粉末100gあたり74.9gの糖質量が含まれており、一杯あたりに換算すると9~12gの糖質量です。これは市販のコーラの糖質量に近い数値で注意が必要です。
コーヒーや紅茶と比較
玉露 | 160mg |
煎茶 | 20mg |
ほうじ茶 | 20mg |
玄米茶 | 10mg |
ウーロン茶 | 20mg |
紅茶 | 30mg |
コーヒー | 60mg |
インスタントコーヒー | 57mg |
純ココア | 6mg |
上記の表は飲料それぞれの抽出液100mlあたりに含まれるカフェイン量を表しています。文部科学省の日本食品標準成分表を元に作成しています。純ココアのカフェイン量はコーヒーの10分の1、紅茶の5分の1であることが分かります。
一般的なデカフェ、カフェインレスコーヒーは100ml当たり0mg~3mgのカフェイン含有量ですから、それと比べれば純ココアはややカフェインを含みますが、コーヒーや紅茶、煎茶などよりもずっと少量であると言えます。
ココアのカフェインの影響
カフェインは胎児への影響があるとされています。世界保健機関も妊婦のコーヒー摂取量を1日3~4杯までと推奨するなど、妊婦のカフェイン摂取量を制限する方針を取っています。ココアの場合コーヒーや紅茶に比べてカフェイン含有量は微量ではありますが、それでも妊娠中や授乳中の女性、または子供が飲用しても問題がないのでしょうか?
妊婦さんへの影響
妊娠中に過剰にカフェインを摂取すると、胎児に深刻な影響を及ぼす場合があると言われております。中には出生時の低体重を招いたり、早産・死産と関連するケースもあるそうです。また、妊娠中は通常よりも血液からカフェインが消失する時間が遅いという研究データも出ています。
イギリスの英国食品基準庁(FSA)では、2008年に妊婦が1日に摂取できるカフェインの上限を200mgと定めました。他の海外機関でも同様に、200mg~300mgの摂取上限を設けている例が多いです。この摂取基準と照らし合わせると、純ココアで作ったココアは厳しく見ても1日3~5杯程度なら妊娠中でも問題ないと分かります。
ただし、砂糖が添加されている商品を飲用する場合、糖質量の摂り過ぎには注意が必要です。妊娠中は体重のコントロールがしにくく、過剰に飲用すると急激な体重増加を招きます。摂取する糖分量の観点から言えば、調整ココアは1週間に数回楽しむ程度にするのがおすすめです。
子供への影響
子供は大人に比べてカフェインへの感受性が強いと言われています。カナダ保険省(HC)は2010年に、4歳~6歳の子供は最大45mg/日、7歳~9歳の子供は最大62.5mg/日、10歳~12歳の子供は最大85mg/日の摂取基準量を定めています。
ほとんど含有量がない調整ココアはもちろん、純ココアであっても妊娠中の女性と同様、子供が飲用するにも適量を守れば問題ないと言えます。ただしやはり砂糖や乳成分が添加されている商品を使う場合には、糖質量に気をつけましょう。過度な飲用は肥満や虫歯の原因となってしまいます。
ココアのカフェイン量の一日あたりの適量
本項では純ココアに含まれるカフェイン量を前提に、1日当たりどれくらいのココアなら適量と言えるのかについてまとめています。適量の目安を知って、安全・安心にココアを楽しみましょう。
成人の適量の目安
カフェインを摂取しても健康を害さない量、つまり1日当たりの摂取許容量ですが、これは個人差が大きいようです。ということで、こちらに関しての具体的な数値は国際的にも設定されていません。カナダ保険省では健康な成人で1日当たり400mg未満のカフェイン量を推奨しています。
この数値はコーヒーで言うとマグカップ3杯程度です。ココアであれば100mlあたり6mgのカフェイン量ですから、マグカップ300mlとして20杯くらいまでなら大丈夫という計算になります。単純計算ではこのようになりますが、ココアに加糖されている場合は糖質量が大変多くなってしまうので注意が必要です。
摂取しても問題ない時間帯
カフェインには脳を興奮、覚醒させる作用があることが分かっています。結果として眠気を抑制し、集中力を向上させる効果が期待できます。ただし夕方以降に摂取すると睡眠の妨害となる可能性があるので、摂取する時間については充分気をつけましょう。反対に朝に摂取することで目覚めよく、一日を気持ちよくスタートすることができます。
カフェインレスもおすすめ
カフェイン摂取が気になる人におすすめなのが、カフェインレスタイプの調整ココアです。種類多くはありませんが最近ではカフェインレスの商品も販売されていますので、気になる人はそういった商品を利用してみましょう。
寝る前は避けるべき?
先程申し上げた通り、睡眠前のカフェイン摂取は避けた方が良いでしょう。特に微量でもカフェインに反応してしまう体質の人は要注意です。どうしても飲みたい時は純ココアを避け、調整ココアのほうがカフェインも少なくおすすめです。
妊婦さんの適量の目安
妊娠中の女性や授乳中の女性の場合は、1日当たり200mg以内にカフェイン量を収めるようにしましょう。ココアの含有量を考慮すると、1日3~5杯程度なら妊娠中でも問題ないでしょう。ただし、糖分量が多いものもあるので産科医から体重増加を指摘されている人は要注意です。
子供の適量の目安
カナダ保険省が定めている子供のカフェイン基準量は、幼児は最大45mg/日、小学校低学年の子供は最大62.5mg/日、中高学年の子供は最大85mg/日と定めています。ココアの基準量と比べると、厳しく見ても3~5杯程度は問題ないという数字です。
ただし、妊婦と同様に糖分量の過剰摂取が気になるところです。肥満や生活習慣病に繋がる恐れがあるので、飲み過ぎないようにしましょう。
ココアのカフェイン量は適量を知れば安心!
ココアにはカフェインが含まれていますが、コーヒーや紅茶、緑茶など他の飲み物に比べ含有量は少なめです。なかでもピュアココアに比べミルクや砂糖を添加したミルクココアについては、そのカフェイン量はカフェインレスコーヒーに近いほど微量となっています。
カフェインの影響を受けやすい妊娠中や授乳中の女性、子どもであっても適量かつ適切な頻度であればココアを飲むのは問題ありません。ただしミルクココアの場合、糖質量が大変多いため摂取量に気をつけましょう。できればピュアココアを使い、砂糖の量を加減して飲むのが安心です。