2019年09月29日公開
2024年09月29日更新
ノンアルコールでも酔うって本当?酔ったような状態「空酔い」を解説
ノンアルコールのビールやチューハイなのに、何故か酔うという人が少なからずいるそうです。この酔った様な状態を空酔いと言いますが、これは果たしてどの様な原理で引き起こされているのでしょうか?今回はノンアルコールで酔う、その仕組みを調査します。
目次
ノンアルコールでも酔う可能性と原因が知りたい!
お酒が飲めない人でも、空気を壊すこと無く共に酒宴を楽しめるのがノンアルコール飲料の利点です。もちろんソフトドリンクだって構わないわけですが、それだとやはり何となく気分も盛り上がりにくい部分があります。そんな状況下で強い味方になるのがノンアルコールのビールやカクテルです。
当たり前の話ですが、ノンアルコールなのでいくら飲んでも酒に酔う筈がありません。にも関わらず、ノンアルコール飲料を飲んで酒に酔ったという方が少なからずいるそうなのです。普通に考えるとありえない話なのですが、多くの人がこの症状を経験した事があるというのですから、コレには何らかの原因が隠されているのかもしれません。
そこで本記事ではノンアルコールビールやカクテルを飲んで酔うという、その現象の謎について徹底調査してみました。果たしてノンアルコール飲料を飲んでも酔うという話は本当なのか?もし本当に酔うのであれば、それはどういった理由からなのか?などを調べてみました。
ノンアルコールでも酔うって本当?
まずはノンアルコールでも酔うという噂について、ノンアルコール飲料の定義などから考察していきましょう。ノンアルコールという名称が付いているわけですから、酔うという事は本来あるはずがないと考えるところです。しかしながら、ノンアルコール飲料で酔ったという方が少なからずいらっしゃるのもまた事実なのです。
この現象が引き起こされる背景には、一体どの様な理由が隠されているのでしょうか?ノンアルコールビールやカクテルは本当にノンアルコールなのでしょうか?
ノンアルコールはアルコール分0%ではない⁉
ノンアルコール飲料と聞くと、当然ながらアルコールが含まれていない飲み物であると考えるわけですが、結論から申し上げるとノンアルコール飲料にはアルコールが含まれていないわけではありません。ノンアルコール飲料にも実は微量ながらアルコール成分が含まれているのです。
ただし、これは以前のノンアルコール飲料に関するもので、現在発売されているノンアルコールビールやチューハイ、カクテルなどは全てアルコール0%の商品となっています。故にもしノンアルコール飲料にはアルコールが含まれているという話を聞いたら、その時は「それは出始めの頃の話だよ」と、正しい情報を教えてあげて下さい。
ノンアルコールの定義
酒税法の第2条にて、酒類とはアルコール分1度以上の飲料という様に定義されています。つまり、アルコール分が1%未満のものはお酒には当たらないというわけです。何故この様な定義がされているかというと、基本的に全ての清涼飲料水には1%未満の含有アルコール成分が含まれているからなのです。
故にアルコール耐性がない方が清涼飲料水を大量に飲んだ場合、そのアルコール成分によって酔う可能性も0ではありません。とは言ってもそこまでアルコール耐性がない方も珍しいので、本来はこの程度のアルコール量で人体に影響を与える事はほぼ無いと定義付ける事ができるのです。
ただしこの定義で考えた場合、アルコールは少なからず含まれている訳です。そうなると純粋なノンアルコール飲料とは言えず、道交法上においてもいろいろと面倒な問題が発生する事になります。それを加味してかどうかは分かりませんが、現在国内メーカーから発売されているノンアルコール飲料には一切のアルコール成分が含まれておりません。
ノンアルコール飲料は運転中に飲んでも大丈夫?
では自動車の運転中にノンアルコール飲料を飲んでも大丈夫なのでしょうか?結論から言うとこれは問題ありません。ただし、こちらは現在国内のメーカーから発売されているアルコール0%の商品に限ります。海外製ノンアルコール飲料にはアルコール量1%未満の商品も有るので、こうした商品を飲んでしまうと最悪の場合逮捕される可能性も。
ノンアルコールでも酔う「空酔い」とは?
ノンアルコールビール等を飲んで酔う状態の事を、空酔いというそうです。ではこの空酔いは本当の酔いとどの様な違いが有るのでしょうか?ここではノンアルコール飲料で酔う原因の空酔いについて、アレコレと検証してみたいと思います。
アルコール分0でも酔う理由
アルコール成分が0のノンアルコール飲料にも関わらず、飲んだ人が酔うのは空酔いが原因です。この空酔いはいわゆる乗り物酔いと同じ状態で、アルコールの酩酊とは違って単純に気持ちが悪くなるだけです。故にお酒を飲んで酔う状態とは、根本的に異なる状態であるということになります。
空酔いの症状
本来は乗り物酔いと同じ状態である筈の空酔いですが、人によってはアルコールで酔う場合と同じ様な状態になる場合もあります。ノンアルコールにも関わらず気分が高揚している人が良い例です。これは正確に言えばノンアルコール飲料に酔っているというよりも、その場の雰囲気に酔っていると言った方が正しいでしょう。
また、中には顔が赤くなったり体温が上昇する人もいるそうです。この辺りもお酒を飲んで酔う場合とほぼ変わりません。ただし、どんなに空酔いしたとしても酩酊状態になることは絶対にありません。酩酊状態はアルコールによって引き起こされる状態であるため、根本的には錯覚である空酔いでは起こり得る筈がないのです。
ノンアルコールビールでも空酔いする?
ノンアルコールビールでも空酔いはするのか?ということですが、これは当然です。飲んでいるノンアルコール飲料の種類によって異なるという物ではありませんので、どの様なノンアルコール飲料でも空酔いは起こる可能性があります。
ノンアルコールでも酔う「空酔い」が起きる原因
それでは空酔いが発生する原因は一体なんなのでしょうか?アルコールが含まれていないにも関わらず、まるで酒を飲んだ様に酔うわけですから、そんな空酔いが発生するにはそれなりの理由があると考えるのが妥当です。ではその空酔いが発生する理由についてみていきましょう。
アルコールの代わりとして飲むため
空酔いが発症する理由はズバリ錯覚です。皆さんはプラシーボ効果というモノを知っているでしょうか?キャンディを薬と信じ込んで飲み続けた結果、何らかの治療効果が見られたという有名なモノです。今でも治験の現場では、誰が本当の薬を飲んでいるか分からない状態で投薬実験を行っているそうです。
ノンアルコール飲料にも関わらず飲んだ人が酔うというのは、殆どの場合このプラシーボ効果によるものと考えられます。つまり、ノンアルコール飲料を本物のお酒として飲んでいる訳です。特にノンアルコールビールの場合、見た目も味もそっくりですので、知らされなければ分からない可能性もあるでしょう。
また、お酒の席で皆と飲んでいるうちに、その空気に酔う場合があります。周りは本物で自分はノンアルコールである事をいつしか忘れてしまい、同じくお酒を飲んでいるかの様な錯覚状態に陥ってしまう訳です。その結果いつの間にか空酔い状態となり、酔う筈がないモノを飲んで酔うという状態を発症させてしまうのです。
本物の味に近いため
また、味が本物のお酒に近いからという理由も考えられます。例えばノンアルコールビールの場合、あのビール独特の味わいをしっかりと再現しているので、ノンアルコールにも関わらず本物のビールを飲んでいるかの様な満足感を味わう事ができます。
河原でBBQをする事になったモノの、ドライバーである自分はお酒を飲む事ができない。そんな時に飲むのが烏龍茶ではさすがにテンションもあがりません。ビールの味をしっかりと再現したノンアルコールビールであれば、気分だけはしっかりと味わう事ができる訳です。しかし、それが人によっては空酔いに繋がってしまっているのかも知れません。
ノンアルコールでも酔う可能性があることを知っておこう
本記事では、ノンアルコールで酔う現象の謎についてまとめてみました。ただし酔うと言ってもアルコールに酔うのではなく空酔い状態になるだけで、酩酊状態となる心配はありません。ですが、何にせよノンアルコール飲料でも酔うことは間違いないようです。
こんな事が度々起こることはまず無いでしょうが、こうした可能性があるということも覚えておくと良いかも知れません。