すき焼きの正しい食べ方を関東風・関西風別に解説!美味しく作るポイント!

関東と関西で違うすき焼きの作り方や食べ方を徹底解説します!牛肉、ネギ、焼き豆腐といった具材は共通していても、関西は水分の多い白菜を多めに使うといった特徴があります。それぞれのすき焼きのレシピと美味しい食べ方をチェックしましょう。

すき焼きの正しい食べ方を関東風・関西風別に解説!美味しく作るポイント!のイメージ

目次

  1. 1すき焼きの食べ方・作り方は関東・関西で違う?
  2. 2すき焼きの食べ方の違い【関東風・関西風】
  3. 3すき焼きのレシピ
  4. 4すき焼きの食べ方は関東と関西で大きな違いがある

すき焼きの食べ方・作り方は関東・関西で違う?

和食を代表する料理の一つでもあるすき焼きには、関東風と関西風の2種類があります。甘辛い味付けにした牛肉を味わう調理法は同じですが、味付けの方法や食べ方に違いがあります。

すき焼きの原点は、江戸時代に農作業の合間の食事として農機具の鋤(すき)を使った料理にあります。かつては鋤の金属部分を火にかざして魚や野菜を焼く食べ方をしており、この鋤で焼く調理法から、すき焼きという名前になったといわれています。また、薄く切った肉の剥き身(すきみ)を焼く料理からすき焼きと名付けられた説もあります。

明治時代になって、庶民にも肉を食べる文化が広がります。そのころには、横浜の牛鍋屋と、京都ですき焼きを提供する店の人気が高まり、そこから、牛鍋に由来する関東風と、京都で誕生した関西風のすき焼きが根付きました。その後、すき焼きは関東と関西の2つの食べ方が定着したのです。

すき焼きの食べ方の違い【関東風・関西風】

関東と関西のどちらのすき焼きも、明治時代に広まったものです。調理法や味付け、食べ方など、関東と関西で違う点をみていきましょう。

煮るか焼くか

関東と関西のすき焼きの大きな違いは、調理法にあります。関東は煮る調理に対して、関西は肉を焼く調理法です。この違いは、発祥となった料理の違いでもあります。関東のすき焼きは、牛鍋から始まった鍋料理なので、肉や具材をグツグツと煮込みます。一方、関西のすき焼きは、牛肉を焼いて味わうことがメインで焼き肉に近い料理です。

関東のすき焼きは、割り下という合わせ調味料で煮込みますが、関西のすき焼きでは、割り下は使いません。焼いた肉に直接砂糖やしょう油で味を付けてから、野菜の水分で煮ています。同じ鍋を使い煮る調理であっても、味付けの方法が異なるのです。

割り下を入れるタイミング

割り下は、すき焼きに味を加える合わせ調味料です。しょう油、みりん、出汁や酒、砂糖を合わせて作るのが一般的です。割り下を使うのが基本の関東風すき焼きでは、ネギと肉を鍋で焼き色を付けたら、割り下を入れて煮込みます。他の具材も加えて割り下で煮るので、出汁でいくつもの具材を煮込む鍋料理のように味わえます。

関西風の場合は、割り下を使わないのが特徴です。牛脂で牛肉を焼いたところに、砂糖を直接加え、しょう油と酒を入れて味を付けます。その後、白菜などの野菜を加え、野菜から出る水分を使って煮ていきます。水分が少なく味が濃いようなら、水か酒で薄めて調整します。

入れる具材

すき焼きのメイン具材は、牛肉です。関東でも関西でも共通しています。地方によっては、豚肉を使うエリアもあります。今では牛肉を薄くスライスした薄切り肉がすき焼きの定番ですが、かつては厚く切った牛肉で作られてたこともありました。牛のバラ肉だけでなく、リブロース、肩肉、もも肉なども使われます。

すき焼きで牛肉に次いで欠かせない具材が、ネギです。関東では、太さがあり白い部分が長い根深ネギや長ネギが主流です。牛鍋屋が繁盛したころは、牛肉の臭みを消すために長ネギがたっぷりと使われていました。関西では、全体が緑色の葉ネギがよく使われます。長時間煮込まなくても食べやすく、焼く調理法の関西風すき焼きにはぴったりです。

他の具材は、春菊、シイタケ、焼き豆腐などです。季節によってきのこ類を加えたり、春菊の代わりに水菜を使うすき焼きもあります。関東のすき焼きでは、小麦粉をこねて作ったちくわぶを具材に加える場合もあります。関西風すき焼きは、野菜の水分で煮るので水分の多い白菜を多めに加えます

その他の違い

関東風すき焼きは割り下で煮込むので、肉や野菜の旨味も溶けだし、まろやかな美味しさを味わえます。割り下が同じなら、作る人によって味が変わることが少ないです。関西風すき焼きは、肉を焼いて濃いめの味付けをするので、野菜を多めに添えた食べ方をします。肉を焼く度に味付けをするので、調味料を加える人によって味が変わりやすいです。

生卵に肉や具材を絡める食べ方は、関東と関西で共通しています。すき焼きが広まった時代に、熱い肉で口の中を火傷しないように、肉を冷ます役割が生卵にありました。当時は卵も牛肉も高級品で、この組み合わせは贅沢なものでした。そのため、卵と牛肉を組み合わせた食べ方のすき焼きが、ごちそうとして定着したのです。

生卵が苦手な人なら、溶き卵を使わなくてもマナー違反ではありません。料理店では、すき焼きに生卵が1人分に2~3個添えられますが、無理に使う必要はありません。生卵が苦手であれば、鍋の中の肉や具材の上に卵を割って加熱する食べ方もできます。しめのうどんや雑炊を作る時に、溶き卵を加える方法もあります。

すき焼きのレシピ

関東と関西のすき焼きは味付けの仕方が違うので、それぞれのすき焼きの家庭でも作りやすいレシピを紹介します。具材は好みのものを使ってください。

関東風すき焼き

  • 牛肉(すき焼き用):400~500g
  • 長ネギ:2本
  • 春菊:1束
  • しいたけ:6~8枚
  • しらたき(下茹でしたもの):1袋
  • 牛脂
  • しょう油:100cc
  • みりん:100cc
  • 酒:100cc
  • 砂糖:30g
 
  1. 割り下用に、小鍋に酒とみりんを入れ沸騰させてアルコール分をとばします。
  2. 1にしょう油と砂糖を加えて砂糖が溶けたら、冷まして割り下を作っておきます。
  3. すき焼き鍋を熱して、牛脂を入れて溶かします。
  4. 長ネギを入れて表面に焦げ目がつくように焼き、香りを出します。
  5. 続けて牛肉も広げて入れて軽く炒めます。
  6. 割り下をひたひたに注ぎ入れます。
  7. 割り下がフツフツと沸いてきたら、春菊以外の具材を加えて煮込みます。
  8. 最後に春菊を加えて、煮えたものから溶き卵につけて食べます。

関東風すき焼きの特徴である割り下は、市販されたものもありますが、家庭でも簡単に作れます。しょう油10、みりん10、酒10と同量に対して、砂糖3の割合いが基本です。甘さは砂糖で調整します。割り下が煮詰まり、味が濃くなってきたら日本酒やだし汁を加えて調整してください。

牛肉は長く煮込むと硬くなってしまうので、食べる分だけを加えて火が通ったものから食べます。牛肉や具材をひととおり食べた後のしめには、うどんがおすすめです。

関西風すき焼き

  • 牛肉(すき焼き用):400~500g
  • 白菜:1/2個
  • 焼き豆腐:1丁
  • 長ネギ:2本
  • 牛脂
  • 砂糖:大さじ6
  • しょう油:150cc(A)
  • 酒:100cc(A)
 
  1. すき焼き鍋を熱して、牛脂を溶かします。
  2. 肉を広げて入れます。
  3. 肉の片面が焼けたら裏返し、軽く火が通ってきたら砂糖を肉の表面にふりかけます。
  4. ひと呼吸おいて、(A)を合わせた調味料をかけます。
  5. 先ず水気の出やすい白菜を加えて、次に他の具材も加えます。
  6. 煮えたところから、溶き卵につけて食べます。

砂糖としょう油だけの味付けが関西風の基本ですが、家庭で作りやすいように日本酒を加えたレシピです。日本酒を加えることで、味が濃くなりすぎにくく、水分も補えます。関西風すき焼きでは、味が甘い場合はしょう油、辛ければ砂糖、味が濃ければ日本酒を加えて調整します。

牛肉を焼く時には、強火で一気に焼くと肉の旨味が閉じ込められます。焼いた肉に砂糖としょう油で味付けしたものを、先ず味わう食べ方もあります。上質な牛肉を提供する料理店では、まず牛肉の味を堪能してもらうために、焼いた肉に味付けをしたものを取り分けることもあります。その場合は、まず焼き立ての肉だけを味わうのがマナーです。

関東風、関西風でも砂糖に代えてザラメをを使うと、味に深みとコクが増します。具材に玉ねぎを加えると甘味が増すので、その場合は砂糖の量は控えめにしましょう。

すき焼きの食べ方は関東と関西で大きな違いがある

すき焼きは、関東と関西で味付けの仕方が異なります。関東は割り下を使って煮込み、関西では焼いた肉に砂糖やしょう油を直接ふりかけて味付けをします。具材は同じでも、調理の仕方で関東風にも関西風にもアレンジができます。家庭でもレシピを参考に、関東風、関西風それぞれのすき焼きを作り味わってください。

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