2019年09月16日公開
2024年06月15日更新
冷凍ブロッコリーの栄養素・効果とは?レシピ・解凍方法も紹介
ブロッコリーに含まれる栄養素には、どのようなメリットがあるのか知っていますか。この記事では、近年目にする機会も増えてきた冷凍ブロッコリーについて詳しく解説しています。ぜひ紹介している内容を参考に、改めてブロッコリーの魅力を再発見してみてください。
目次
「冷凍されたブロッコリーの栄養価は、生の時とどう違っているの?」
「最適なブロッコリーの冷凍方法や解凍方法が知りたい」
「冷凍ブロッコリーを美味しく食べられるおすすめのレシピを教えてほしい」
ブロッコリーに関して、このような疑問や悩みをお持ちではありませんか。
この記事では、冷凍したブロッコリーについて栄養成分やおすすめの冷凍・解凍方法について解説しています。いくつかレシピも合わせて紹介しているので、この記事を読むことで、普段の食生活に冷凍ブロッコリーを簡単に取り入れられるでしょう。
冷凍野菜や、美容・健康面から見た野菜の効果に興味のある人は、ぜひ一読して冷凍ブロッコリーを普段の食生活に取り入れてみてください。
冷凍ブロッコリーの特徴
近年、冷凍野菜の需要は増加傾向にあり、冷凍ブロッコリーもその1つでしょう。日持ちする便利な食材である冷凍ブロッコリーを食生活に取り入れるにあたり、気になるのは生との違いを含んだ特徴ではないでしょうか。
まずは、冷凍ブロッコリーの特徴について詳しく見ていきましょう。
栄養価は生のブロッコリーと変わらない
皆さんが冷凍野菜について気になるのは、栄養がない、美味しくないといったネガティブなイメージがついて回る点でしょう。しかし、製法を理解すると、実は冷凍後であっても生とほぼ変わらないことがわかります。
市販の冷凍ブロッコリーは、熱湯や蒸気で短時間下茹でを行うブランチングと呼ばれる特殊な加熱処理が施されています。ブランチングには殺菌効果と酵素の働きを抑える効果があり、収穫時に近い栄養価と鮮度を保つのに役立っているのです。
また、冷凍野菜は旬の時期にまとめて加工され、超低温で保管されています。旬の時期の野菜は、安くて美味しく栄養価も高いのが特徴です。これを超低温保存することで添加物を使わずに劣化を防いでいます。
ちなみに、ブロッコリーの旬の季節は冬です。旬の季節以外のブロッコリーを食べるよりも、冷凍ブロッコリーの方が優秀といえる可能性があります。
「栄養宝石の冠」と呼ばれている
欧米において、ブロッコリーは「栄養宝石の冠(Crown og Jewel Nutrition)」と呼ばれているのをご存じでしょうか。その理由は、ブロッコリーに含まれている栄養素の豊富さです。
ビタミンやミネラルなどの栄養素が多く含まれる緑黄色野菜の中でも、ブロッコリーは特にビタミンCを多く含んでいます。ビタミンCといえばレモンを思い浮かべる人も多いでしょう。
しかし、実は同じ100gで換算すると、レモンが50mgに対しブロッコリーは120mgと2倍以上の差をつけています。
しかも、ブロッコリーに含まれている他の栄養素についても考えると、貧血予防や骨粗しょう症の予防効果が期待でき、広い年代の女性におすすめできる野菜なのです。
出典・参照:ブロッコリー - カロリー/栄養成分/計算 | カロリーSlism
出典・参照:レモン - カロリー/栄養成分/計算 | カロリーSlism
出典・参照: 今月の野菜|独立行政法人農畜産業振興機構
ブロッコリーの栄養素と効果
まずは、生のブロッコリーに含まれている栄養成分について見ていきましょう。
ブロッコリーにはたんぱく質が含まれているため、筋肉トレーニングを行う人には重宝する野菜の1つに挙げられます。
また、ブロッコリーには、ビタミンC・食物繊維・カリウム・葉酸・β-カロテンが豊富に含まれているのが特徴です。これらの栄養素による効果も期待できるので、それぞれについて詳しく見ていきましょう。
栄養素 | ブロッコリー100gあたりの量 |
---|---|
カロリー | 33kcal |
たんぱく質 | 4.3g |
脂質 | 0.5g |
炭水化物 | 5.2g |
ビタミンC | 120mg |
食物繊維 | 4.4g |
カリウム | 360mg |
葉酸 | 210μg |
β-カロテン | 810μg |
ビタミンC
ビタミンCは、骨や腱といった体組織の結合たんぱく質であるコラーゲンを生成するために必須の栄養素です。
毛細血管や軟骨といった重要な体組織を正常に保つだけでなく、皮膚のメラニン色素の生成に対する抑制による日焼け防止作用や、ストレスや病気への抵抗力を高める効果もあります。
ビタミンC不足は、コラーゲンの合成を止めることにもつながり、壊血病の症状が現れてしまいます。具体的な症状には、血管がもろくなったことによる出血や貧血・筋肉減少・心臓障害・呼吸困難などが挙げられ、特に注意が必要です。
出典・参照:ビタミンC|厚生労働省eJIM
ミネラル
無機質とも呼ばれるミネラルとは、体を構成する4元素以外のものの総称です。代表的なものはカルシウム・リン・カリウムなどが挙げられます。
ミネラルは体内で合成できない栄養素であるため、食事を通して摂らなければなりません。欠乏症といったさまざまな不調の原因は、ミネラル不足が多いです。
また、ミネラル同士は互いに影響を与えあうことがあります。バランス良く摂っていくことが大切です。
出典・参照:ミネラル | e-ヘルスネット(厚生労働省)
食物繊維
第6の栄養素ともいわれることもある食物繊維は、整腸作用など健康にとって重要な役割を果たす栄養素です。水溶性と不溶性の2種類があります。どちらの食物繊維もビフィズス菌などの腸内にある善玉菌の餌になるため、腸内環境の改善に役立ちます。
水溶性食物繊維で期待できるのは、小腸における栄養素の吸収速度を緩やかにすることによる食後の血糖値の上昇を抑える効果です。また、コレステロール値の低下や高血圧の予防効果も見込めます。
もう1つの不溶性食物繊維は、水分を吸収して便の容積を増やすことにより大腸に刺激を与える効果を持っています。排便がスムーズになるだけでなく、有害物質も一緒に体外に排出するので、大腸がんのリスクも減らせるでしょう。
出典・参照: 食物繊維 | e-ヘルスネット(厚生労働省)
カリウム
カリウムは、細胞内の浸透圧を一定に保つ効果を持つ栄養素です。
体液のpHバランスの維持や神経刺激の伝達、心臓機能や筋肉機能の調節、細胞内の酵素反応の調節といった、体全体に影響を与えています。
また、腎臓でのナトリウムの再吸収を抑制する働きがあるため、ナトリウムの排出を助ける作用もあります。
ただし、腎臓の機能が低下している場合、過剰摂取による高カリウム血症に気をつけましょう。四肢のしびれや心電図異常などの症状が現れるので、注意が必要です。
出典・参照:カリウム | e-ヘルスネット(厚生労働省)
葉酸
葉酸は、ビタミンB12と共に赤血球を作るため「造血のビタミン」とも呼ばれる水溶性のビタミンの1つです。また、DNAやRNAなどの核酸やたんぱく質の合成を促進する効果も持っているため、細胞の生産や再生を助けてくれます。
普段の食生活の中で葉酸不足になる事態はめったにありませんが、欠乏状態が続いた場合、子どもの場合、巨赤芽球性貧血などを引き起こすことがあります。
出典・参照:葉酸の働きと1日の摂取量 | 健康長寿ネット
β-カロテン
レチノールという別名もあるβ-カロテンは、ビタミンAに変換されて作用するカロテノイドの一種で、強い抗酸化作用を持っているのが特徴です。
また、ビタミンAに変換されなかった場合でも本来のカロテノイドとしての作用が期待できます。動脈硬化の予防や、老化やがんの発生に対しても効果があると考えられており、美容や健康に関心がある人から支持されている栄養素でもあるのです。
出典・参照:カロテノイド | e-ヘルスネット(厚生労働省)
冷凍ブロッコリーを使ったレシピ
それでは、冷凍ブロッコリーを使ったレシピを3つ紹介します。どれも手軽に作れるものばかりで、普段の食生活に取り入れやすいレシピです。
ぜひチェックして自分のレパートリーに取り入れてみてください。
見た目も味お洒落!海老とブロッコリーのチーズペッパーサラダ☆
冷凍ブロッコリーと海老を組み合わせたサラダです。
こちらのサラダは、粉チーズやオリーブオイルといった自宅によくおいてある調味料で作ることができます。
海老はカロリーが比較的低く、たんぱく質が含まれている食材です。ブロッコリー同様に冷凍されたものもあるため、そちらを使えば季節を問わず作ることができます。
【ブロッコリーと長芋のもっちり和風チーズチヂミ】だし風味♬︎
ブロッコリーのホクッとした食感が
美味しい和風チーズチヂミです🇯🇵♬︎ だしの風味と濃厚チーズ🧀
にんにくの香りがなんとも
絶妙なバランスで。。
ひとつ食べたらパクパクっと
止まらなくなってしまいます🙈 ブロッコリーも長芋も栄養満点◎ お子さんの健康的なおやつ🥦
ダイエット中のママの軽食に🥢
パパのお酒のおつまみにぜひ🍺✨
もっちりとした和風味のチヂミの中に冷凍ブロッコリーで食感をプラスしたレシピです。
長芋は、とろろご飯のように生で食べられることも多い食材ですが、お好み焼きなどの加熱するレシピにおいても人気があります。
和風だしの風味とピザ用チーズ、にんにくの香りが一体となった生地は絶品で、ブロッコリーと長芋の組み合わせにより栄養もしっかり摂れるレシピです。
ほっこり♪満足!『ウインナーと野菜のポトフ風ミルクスープ』
具だくさんが特徴の、ほっこりするミルクスープのレシピです。
冷凍ブロッコリー以外にも、玉ねぎ・人参・じゃがいもといった野菜に、しめじとウインナーが入ったレシピです。隠し味としてオイスターソースを少量加えることで、コクと旨味がプラスされます。
材料を小さめに切っているため食べやすさもアップしているので、ぜひ一度試してみてください。
冷凍ブロッコリーの冷凍方法
皆さんがブロッコリーを冷凍保存する時に気になるのは、「生のまま」か「下茹でしてから」なのかという点ではないでしょうか。
これに関しては、どちらが正解だとは決めきれないというのが実情です。どちらの方法であっても約1か月もつという点は共通していますし、それぞれでメリットがあります。
今回は、「生のまま」と「蒸した後」の冷凍方法について、手順やそのメリットを詳しく紹介します。
生のまま冷凍する
ブロッコリーを生のまま冷凍した場合のメリットは、シャキシャキの歯ごたえを維持できる点とビタミンが抜けにくくなる点です。
まずは、茎を切り落として小房に切り分けます。大きい房の場合は、茎の軸に切れ込みを入れてから手で割くと良いでしょう。
次に、水を張ったボウルに切り分けたブロッコリーを入れて、揺すり洗いします。洗い終わったら、ペーパータオルでしっかりと水気を拭き取りましょう。
最後に、3〜4房ずつブロッコリーをラップで隙間のないように包んでから、重ならないように冷凍用保存袋の中に入れて冷凍します。
蒸した後に冷凍する
栄養や味わいを損ねず冷凍保存したい場合は、先に高温で短時間加熱を行っておくと良いでしょう。中でも「蒸す」という加熱方法がおすすめです。栄養素がお湯に溶け出したり、破壊されたりするのを最小限に抑えられます。
まずは、ブロッコリーを小房に切り分け、揺すり洗いをします。次に、フライパンに並べ入れて水を約4分の1カップを加え、蓋をして弱めの中火で3〜4分蒸していきます。この時、ブロッコリーのツヤ出しのためにオリーブオイルを大さじ1程度回し入れると良いでしょう。
蒸し終わったブロッコリーをざるに取り、十分に冷ましてから水気を取ったら、冷凍用保存袋に入れて、空気を抜いてから冷凍させます。
冷凍ブロッコリーの解凍方法
冷凍ブロッコリーは、解凍に時間がかかってしまうと水っぽくなったり、食感が柔らかくなりすぎたりすることが難点です。これを避けられる解凍方法はいくつかありますが、特におすすめなのはフライパンを使った蒸し焼きにする方法です。
油を引いていないフライパンに冷凍ブロッコリーを入れて大さじ1〜2程度の水を加えて蓋をし、中火で2〜3分ほど蒸し焼きにします。その後、蓋を開け水気が飛ぶまで加熱すれば完了です。
ただし、フライパンを使った解凍は、軽く焼き目が付くことがあります。そこで、焼き目を付けたくない人におすすめの解凍方法をこれから3つ紹介します。
冷凍のまま調理する
最初に紹介する方法は、冷凍ブロッコリーをそのまま調理に使うことです。
解凍に時間がかかって水分が出てしまうと、栄養素も一緒に流れ出てしまいますが、この方法の場合だとそれを避けることができます。特にシチューやスープといった煮込み料理に使う時におすすめです。
ただし、加熱時間が短いとブロッコリーの芯までしっかりと解凍できない場合があることに注意しましょう。
湯通しする
次に紹介するのは、湯通しによる解凍方法です。
冷凍ブロッコリーをさっと熱湯で1分間茹でるだけと簡単でありながら、水っぽくなることを避けられます。ただし、やや柔らかめの食感に仕上がります。
また、この解答方法を使って炒めものに使う場合、油が跳ねるのを避けることができるというメリットもあることを覚えておくと良いでしょう。
電子レンジで解凍する
最後に紹介するのは、電子レンジを使った解凍方法です。
ポイントは、電子レンジに入れる前に冷凍ブロッコリーをペーパータオルで包むことです。こうすることでペーパータオルが余分な水分を吸収してくれるため、程よい食感が味わえる仕上がりとなります。後は、これを600Wで2分程度加熱すれば解凍完了です。
ただし、使っている電子レンジの仕様によっては加熱時間が変わることもあります。説明書などを確認しておくと良いでしょう。
冷凍ブロッコリーの栄養価を理解して美味しく食べましょう
冷凍ブロッコリーは、正しい冷凍方法を行うことで生の状態のブロッコリーとほとんど変わらない栄養素を残しています。解凍方法にも注意が必要ですが、どれも簡単かつ一手間で防げるものばかりなので、全体を通して使いやすい食材だといえるでしょう。
ネット通販でも冷凍ブロッコリーは入手できます。今回紹介したレシピなどを参考に、栄養バランスの取れた食事を作ってください。