2019年08月30日公開
2024年09月26日更新
ドライアイスの保存を冷凍庫でする方法!最適な保存容器や保存期間は?
ドライアイスの保存方法と保存可能期間を解説!簡単にドライアイスの持ち時間を延ばす方法や、おすすめの保存容器を紹介します。保存方法ごとの比較や保存の際のワンポイントアドバイスなど、ドライアイスを長持ちさせるための情報満載です。
ドライアイス保存の基本とは?
室温で放置すればすぐになくなってしまうドライアイス。しかし、保存方法を少し工夫するだけで何倍も長持ちさせることができます。方法によっては半日近く保存することもできるので、ぜひ参考にしてみてください。
常温での保存時間
ドライアイスは常温で放置すると、すさまじいスピードで昇華して無くなってしまいます。1キログラムのドライアイスを常温(5~35度)に置いておいた場合、およそ2〜3時間で完全に昇華して無くなると言われています。そのため、すぐに使用しない場合は、以下に挙げる方法で溶けるのを防ぐ必要があります。
保存に必要な温度
基本的にドライアイスの昇華を完全に防ぐ方法はありません。しかし、保存するときの温度によって昇華を遅らせることは可能です。保存に必要な温度は、どのくらいの時間を保存していたいか?によって異なります。
例えば、一般的な冷凍庫ならば4~5時間程度の保存が可能とされているので、数時間後に使いたい場合は、冷凍庫の温度(約マイナス18度)で十分ということになります。
また、保存に最適な温度はドライアイス自身の温度と同じマイナス79度です。この温度で保存していれば、1キログラムのドライアイスを15時間程度保存することができます。次の日に使いたい場合は、マイナス79度まで冷却しましょう。
当然、保存温度を低く保とうとするほど難易度は高くなります。そのため、使用するときまで溶けずに残っているくらいの温度が保存に必要最低限な温度といえるでしょう。
ドライアイスを冷凍庫で保存する方法
保存方法
冷凍庫で保存する際は布や新聞紙などで包んで冷凍庫に入れておくのがおすすめです。そうすれば、冷気が逃げにくくなり長持ちさせることができます。また、タッパーや保存用の瓶などの密閉容器に入れるのは危険なので、布や新聞紙でぴっちりと包んだらそのまま冷凍庫に入れましょう。
保存期間
冷凍庫で保存する際の保存可能期間は、1キログラム程度のもので約4~5時間です。冷凍庫でさえ、その程度しか保存できないことを意外に思う方もいるかもしれませんが、ドライアイスの温度は一般的な家庭の冷凍庫の温度よりも約60度も低いです。そのため、冷凍庫に入れていても、あまり長持ちさせることはできません。
長持ちさせるポイント
保存する場所・温度にかかわらず、より長く保存させたいならば、布や新聞紙に包んで保存する、と覚えておきましょう。こうすると、冷気が逃げにくくなり簡単に保存期間を延ばすことができます。
また、冷凍庫で保存している間はドライアイスの下に氷を敷いておいたり、冷凍庫の開け閉めをなるべく控えるようにしましょう。そうすることで冷凍庫内の温度が低く保たれ、溶けるのを送らることができます。
保存の時の注意点
ドライアイスは取り扱い方を誤ると、命にかかわることもある危険な物質です。ドライアイスを使う際の注意点を挙げるので、その危険性を理解した上で正しく取り扱ってください。
まず、ドライアイスを密閉容器に入れるのは非常に危険なので絶対にしないようにしましょう。ドライアイスは気化すると体積が約800倍に膨れ上がります。
タッパーや魔法瓶、ガラス製の密閉容器などで保存していると容器が気化したドライアイス(二酸化炭素)の圧力に耐えられなくなり破裂する恐れがあります。飛び散った容器の破片などで怪我をする可能性があり非常に危険です。
次に、ドライアイスを素手で触ることのないように注意しましょう。ドライアイスは非常に低温なので、素手で触れてしまった場合凍傷・低温やけどの危険性があります。ドライアイスを取り扱う際は軍手など手を保護することのできる装備を心がけましょう。
最後に、ドライアイスを室内で扱うときは換気を忘れないようにしてください。ドライアイスとは個体の二酸化炭素のことです。密閉した室内でドライアイスが気化した場合、二酸化炭素が部屋に充満していき室内の酸素濃度が下がり、その結果、酸欠を引き起こす恐れがあります。
室内でドライアイスを使用する際は必ず窓を開け、換気扇のスイッチをオンにしましょう。また、二酸化炭素は空気よりも重く下のほうに溜まっていくため、扇風機などで部屋全体の空気を循環させるとよいでしょう。
ドライアイスに最適な保存容器
発泡スチロールやクーラーボックス
ドライアイスの保存容器として最適なのは発泡スチロール製の容器やクーラーボックスです。保存温度として最適なのはドライアイスと同じ温度であるマイナス79度ですが、その温度まで冷却することができるのは業務用の冷凍庫や専用の機械くらいで、一般家庭にある家電製品ではできないでしょう。
つまり、ドライアイスを保存するうえで大切なのは冷却ではなく保冷です。そのためには断熱性がよく、冷気を逃がさず保存できる発泡スチロールやクーラーボックスなど、断熱性の高い容器が最適です。
また、発泡スチロールやクーラーボックスに入れて保存する際も冷凍庫で保存するときと同じです。布や新聞紙でぐるぐる巻きにしたり、下に氷を敷き詰めます。そうすることで、冷気が逃げにくくなり、長い期間保存することが可能になります。
発泡スチロール・クーラーボックスで保存する際のポイントとしては、なるべくドライアイスと同じ大きさの容器を用いることです。そうすることで冷気がドライアイス自身を包み込み、昇華してしまうのを抑えられます。
つまり、小さいサイズのドライアイスならば発泡スチロール、1キログラム以上の大きいサイズのものならばクーラーボックス、というようにドライアイスのサイズに合わせて容器を選んで保存するのが良いでしょう。
なお、この方法で保存した場合は、約15時間程度保存することが可能です。常温保存や冷蔵庫・冷凍庫に比べてはるかに長持ちさせることが可能なので、発泡スチロールやクーラーボックスはドライアイスの最適な保存方法といえるでしょう。
一応、ドライアイス専用の保存容器というものがあり、専用容器ならば1週間で5%程度しかドライアイスが溶けません。しかし、やや高価で他に使い道もないため、現実的に見ればやはり発泡スチロールやクーラーボックスが最適です。
瓶や魔法瓶などは危険
ドライアイスの保存に瓶や魔法瓶などの密閉性の高い容器を用いるのは非常に危険です。ドライアイスは気化すると体積が約800倍まで増えます。密閉された容器の場合、昇華して体積の膨れ上がった二酸化炭素の逃げ場がなく密閉容器内の圧力が非常に大きくなります。圧力に耐えきれなくなった容器は破裂してしまいます。
その結果破裂したペットボトルや瓶などの破片、細かく砕けたドライアイスが体に刺さり大けがを負うリスクがあります。実際に密閉容器が破裂して怪我を負ったケースは多いので本当に気を付けましょう。
東京消防庁によると、都内だけでも平成25年から平成29年の間にドライアイスの不適切な保存方法による事故が15件発生し、18人もの方が救急搬送されています。特に小・中学生の事故が多いので、夏休みの自由研究などでドライアイスを扱う子供には注意が必要です。
ドライアイスの保存方法を知って賢く利用しよう!
ドライアイスは、そのまま置いておくだけでは、たったの数時間で溶けてなくなってしまいます。しかし、少しの工夫で保存可能期間を大きく伸ばすことができる上、正しく利用すれば何かを冷却したり保冷したりするときなどにとても役に立つ便利アイテムです。
オススメは、やはり紙や新聞紙にくるんで発泡スチロール容器やクーラーボックスに入れることですが、半日や数時間の保存なら冷凍庫・冷蔵庫にそのまま入れておくだけでも構いませんし、そのほうが簡単でしょう。ここで紹介した方法の中から自分がドライアイスをどれだけの期間保存したいかに合わせて最適な方法を選んでみてください。
ただ、取り扱いの際の注意事項が多く保存も決して簡単ではないので使用する際はくれぐれも誤った取り扱い方をしないように注意し、事故のないように気を付けてください。