2019年08月29日公開
2024年09月25日更新
ちくわぶは関東ローカルで関西には無い?おでん以外のレシピも紹介
ちくわぶといえば関東の冬の料理には欠かせないものですが、実は関西ではほとんど知られていません。そこで関東では人気のローカル食・ちくわぶの味や食感、カロリーなど基本情報をはじめアレンジレシピなどを紹介します。
ちくわぶは関東限定の食品だった!
関東、特に東京のおでんの具に欠かせない食品のひとつがちくわぶです。関東では当たり前の様に食べられていますが、実はローカルフードだということを知っていますか?関西・四国・九州など西日本ではほとんど知られておらず、スーパーや百貨店の食料品売り場でも見かけることはありません。北海道では食べている地域もあるようです。
ちくわぶとはどんな食べ物?
全国的にまだメジャーではないちくわぶですが、一体どんな食べ物なのでしょうか?名前だけならちくわと似ていますが、似て非なる食品です。ちくわぶとちくわの違いをはじめ、ちくわぶがどの様な食品から作られたのか?カロリーや栄養素はどうなっているのかなど調べています。
小麦粉からつくられた食品
ちくわぶの歴史は比較的浅く、明治時代から大正時代にかけ作られたと言われています。ちくわと名前が似ていますが、材料や作り方はまったく違う食品です。ちくわぶは小麦粉と塩で練った物を茹でて出来上がった食品です。何度も練ることでコシを出し、更に寝かせて小麦粉に含まれるグルテンを満遍なく行き渡らせる事で独特の食感を出しています。
ではなぜちくわぶと呼ぶのでしょうか?ちくわぶはいわゆる生麩の一種とされています。漢字では竹輪麩と書かれることからも分かる様に、ちくわに似ている麩の様な食品という意味なのです。
ちくわとの違いは?
ちくわぶは麩の一種ということが解かりましたが、ちくわぶの元となるちくわとは何が違うのでしょうか?一番の違いは原料です。ちくわぶの原料が小麦粉であることに対し、ちくわの原料は魚のすり身に卵白や砂糖・塩などを加えているという点です。すり身の魚は地域によって違いますが、スケソウダラやイワシなどが多く使われます。
またちくわぶは成型後は蒸すのに対し、ちくわは魚のすり身を棒に巻きつけて成型し焼いて出来上がります。そのためちくわぶにはちくわの様な風味がありません。
味と食感
ちくわぶの最大の特徴はグルテンが生み出すモチモチ感で、火を通すことでモチモチした食感が更に活かされます。また火を通すことで味が浸みやすくなります。
気になる味ですが、小麦を練って作られているためそのものの味はほとんどありません。その分調味料などの風味をしっかりと浸み込ませることが出来るので、好みの味付けにし易いのです。またギザギザとした形の為、味が浸みやすくなっています。つまりちくわぶとは、そのものの味を楽しむというより、食感を楽しむ食品と言えます。
カロリーと栄養素
小麦粉を原料としているちくわぶはカロリーや糖質などが高いのではないか?栄養はあるのか?など疑問が出てくることでしょう。小麦粉由来の食品とは言え、ちくわぶは意外とカロリーは低めです。ちくわぶ100gあたりのカロリーや栄養素は以下と成っているので食べる際の参考にしてください。
カロリー | 171kcal |
たんぱく質 | 7.1g |
脂質 | 1.2g |
糖質(炭水化物) | 31.1g |
ちくわぶは関東中心の食材
ちくわぶは主に関東地域を中心とするローカル食材で、中でも東京で8~9割消費されています。近年テレビ番組で取り上げられたことで全国的に名前を知られることになりましたが、まだまだその知名度は高くありません。
では、ちくわぶは全国的にどれくらい知られているのでしょうか?全国的な知名度や関西でちくわぶを購入できる店を調べています。
関東ではおでんの定番具材
関東のおでんに必ず入っていると言っても過言ではない食品がちくわぶです。中でも東京をメインに千葉県や神奈川県の一部ではおでんの具として欠かせませんし、関東のコンビニのおでんの具としてもはずせません。関東の冬を彩る定番食品のひとつと言えるでしょう。
関西の人は全く知らない!?
関東ローカル食品のちくわぶは、全国的にどれくらい知られているのでしょうか?ある調査では食べていた・見たことがあるの合計が68.5%なのに対し、まったく知らないという答えが31.5%となっていました。これを更に細かく見るとまったく知らないと答えた地域は京都・大阪・兵庫・奈良県が占めていることがわかりました。
一方食べたことがある・見たことがあると答えた県は北海道や宮城・山形・福島など東北地方をはじめ、東京・埼玉・千葉群馬・茨城など東日本に集まっているという結果がでています。九州地区においては見たことがあると答えたのが福岡県・佐賀県・熊本県という結果でした。
また東海中国エリアも関西地区と同じく知らないという答えが多く、関東を中心とした東日本以外ではあまり知られていないという結果が出ています。
関西でちくわぶを買うことはできる?
関東ではコンビニのおでんの具としてあるほど一般的なちくわぶですが、関西をはじめ西日本でで見掛けることはほとんどありません。では関西をはじめとした西日本地区でちくわぶはどのようにして購入すればよいのでしょうか?
イオンなど全国的にチェーン展開しているスーパーでは一部取り扱っているケースもありますが、元々関西には無い食材のためほとんどにおいて関西のスーパーなどでちくわぶを購入することは難しいのが現状です。関西でちくわぶを購入したい場合は楽天やAmazonなどネットショップでの購入が確実です。
ちくわぶを使ったおでん以外のレシピ
ちくわぶと言えばおでんというほどおでんの材料として定番化していますが、おでん以外の料理でも活躍するのがちくわぶです。メイン料理として、スイーツとして美味しく頂けるちくわぶを使ったレシピを紹介します。
鶏肉とちくわぶの煮物
- 鶏モモ肉1枚(胸肉でも可)
- ちくわぶ2本
- じゃがいも小2個
- A出し汁300m
- A砂糖大さじ3~4
- Aみりん大さじ3
- A酒大さじ4~5
- A醤油大さじ4
- 鶏モモとじゃがいもは食べやすい大きさに、ちくわぶは斜め切りにする
- 鶏モモ肉を少量の油で炒める
- Aの材料に鶏モモ肉とちくわぶを入れ15分程度煮込む
- 鶏モモ肉とじゃがいもに火が通ったら出来上がり
濃い目の味付けが好みの方は濃い口醤油を使うことをおすすめします。またちくわぶはクタクタになるまで煮たほうが味がしっかりしみ込んで美味しくいただけます。
ちくわぶの和風バター炒め
- ちくわぶ2本
- ベーコン30g
- 好みの野菜適量
- 大葉1枚(好み)
- バター10g
- 醤油大さじ2
- みりん大さじ2
- すりおろしにんにく少量
- ちくわぶは3mm程度の輪切りにして10分ほど茹でる
- ベーコンは一口大に野菜は食べやすい大きさに切る
- 大葉は千切りにしておく
- フライパンにバターを入れ、茹でたちくわぶとベーコン、お好みの野菜を加えて中火で炒める
- 野菜がしんなりしたら、みりん・醤油・すりおろしニンニク少々を加えて絡める様に炒める
- 水気が無くなったら、皿に盛り付け好みで大葉を乗せて出来上がり
あっさりした鶏肉と、モチモチ感のあるちくわぶの相性は抜群です。このレシピではじゃがいもを加えていますが、好みの野菜に変更してもいいですし、じゃがいもを入れず鶏肉とちくわぶだけでも美味しく出来上がります。鶏肉はモモ肉・胸肉以外に手羽先などを使っても美味しくなります。こっくりした煮物が好みの方には手羽先がおすすめです。
ちくわぶの黒蜜きな粉がけ
- ちくわぶ80g
- きな粉適量
- 砂糖好みの量
- 塩ひとつまみ程度
- 黒蜜好みの量
- ちくわぶは1cm~2cm程度の輪切りにし15分程度茹でる
- 茹であがったちくわぶをしっかり水切りする
- きな粉・砂糖・塩を混ぜちくわぶにかけ、さらに黒蜜をかけたら出来上がり
ちくわぶは茹でることでもっちり感が増すため、餅と白玉の間の様なモチモチ感を味わえるようになります。黒蜜が無い場合は、きな粉を振りかけて安倍川餅のようにして食べても十分美味しさを味わえます。このレシピは、ちくわぶの食感を最大で味わうことができるため出来たてを食べることがおすすめです。
ちくわぶをいろいろな料理にアレンジしよう!
テレビ番組で取り上げられたことで知られるようになってきたちくわぶですが、実は関東ローカルの食品で西日本ではほとんど知られていないことが解かりました。関東ではおでんの具として一般的ですが、ちくわぶそのものに味がほとんど無い為、癖が無く食感を楽しむことができます。
そのため、様々な調味料や出汁との相性が良く、おかずからスイーツまで幅広く活躍するのがちくわぶです。低カロリーなためカロリー制限ダイエットをしている人にもピッタリな食品ちくわぶで、様々な料理アレンジを楽しんでみてはいかがでしょうか?