2019年07月20日公開
2024年09月22日更新
フィンランド料理の代表的な料理を一挙紹介!日本人におすすめのものは?
フィンランド料理を食べたことはありますか?オーロラやムーミンといったイメージを持つ人も多いフィンランドですが、料理となるとあまり思い浮かぶものがないかもしれません。実はフィンランドの定番の中には、日本でもおなじみのデザートもあり日本人が好んで食べているチーズなどの乳製品を使った料理も多くあります。そんなフィンランド料理の定番と日本人にもおすすめな料理をみていきましょう。
目次
フィンランド料理とは?
北欧の国フィンランドは、スウェーデン・ノルウェー・ロシアと国境を接しています。高い山がなく、国土の大半が平らな土地です。氷河が削られてできた湖とタイガの森で覆われた自然豊かな国です。このような土地柄からフィンランド料理には、豊かな自然の中で育まれた食材を使った、体を温める料理が多くあります。
素朴な料理が多い
フィンランドは食材の種類が日本のように豊富ではなく、ジャガイモやカブなどの根菜類・湖や近海で獲れる魚・森に実るベリー類やきのこ・酪農で得る乳製品や肉といったものが主になります。香辛料をたっぷり使うということはなく、味付けは塩かハーブのディルまたは乳製品を使ったものが多くを占めています。
そのため、素朴な味わいの煮込み料理やオーブンで焼く料理が多くなっています。この調理法も暖炉で部屋を暖めながら、調理も同じ火元で進めるという暮らしの知恵によるものです。
乳製品もよく使われる
フィンランドは酪農に力を入れている国で、乳製品は重要な輸出品です。家庭でも乳製品は良く使われていて、そのまま食べるだけでなく、料理に味を加える調味料の一つです。素朴な料理が多いフィンランド料理ですが、チーズやバター・ヨーグルトといった乳製品を毎日食べているので、栄養的にはバランスがとれています。
フィンランド料理の評判
フィンランド料理やべぇな…
— BHBF778ドイツ兵 (@bhbf778) April 26, 2019
イギリス料理は見てて「うわマジで不味そう!」という感情が出てくるがフィンランド料理の場合「あっこれ食べたらダメだ」と脳が危険信号を出してくる。
聞いた話ではイギリスのうなぎゼリー、マーマイト、ハギス、星を見上げるパイ、フィッシュ&チップスにも勝てるとか… pic.twitter.com/HdOW4o5BJJ
ヘルシンキが忘れられなくて、冬。みんなで六本木ヒルズの期間限定フィンランド料理レストランに行ってきました。ああ…なにもかも懐かしい。このベリーのソースが大好きなの。またみんなで行きたいなぁヘルシンキ。 pic.twitter.com/QG2z7O8DZn
— 💎りぜりん💎 (@harurize) January 14, 2019
フィンランドは衛生的な環境が整備されているので、観光客が外食をしてお腹を痛めるということは皆無です。ただ、物価と同様にレストランの食事は高めの値段設定になっています。フィンランドの人たちも外食するのは特別な日だけで、利用するのはマクドナルドやケバブ・ピザといった手ごろな価格のファストフード店が多いです。
フィンランド料理は日本人からみると珍しい食材もあり、世界一まずい料理と評されるものもあります。美味しいと期待していると、裏切られるということもあるようです。素朴な味が好みの人であれば、フィンランド料理も好きになるでしょう。
フィンランド料理の代表的な料理【定番編】
フィンランド料理の定番と言われるものには、地元で収穫できる食材を使った伝統的な料理が多いです。フィンランドへ行くことがあったら必ず出会える料理の中で、日本人にもおすすめな定番を紹介します。
ルイスレイパ
今日のご飯は作る元気もないのでルイスレイパ(ライ麦パン)。8月のフィンランドは8時でも結構暗い。 pic.twitter.com/MtTJDInU8q
— Satoko Matsuo (@patokotokotoko) August 14, 2014
フィンランド料理で主食というと、ライ麦パンかジャガイモ、お粥のように炊いたご飯です。主食で最も良く食べられているのがライ麦パンで、数種類あります。伝統的な焼き方で人気があるのがルイスレイパで、ライ麦100%の生地を発酵させて薄く丸い形に焼いています。
ライ麦パンを食べ慣れていないと、パンを発酵させた酸味が気になるかもしれません。その場合は、ジャムやチーズなどと合わせて食べるのがおすすめです。
グリッリ・マッカラ
ソーセージをグリルで焼いたものがグリッリ・マッカラです。フィンランド人には大きなソーセージが好物という人も多く、夏のバーベキューや冬のキャンプファイヤーを囲む時に必ず登場するのがソーセージです。そのままかじるか、マスタードを添えて食べています。
カレリア・パイ
カレリアパイはフィンランドの名物料理です。もともとフィンランド東部のカレリア地方の郷土料理でしたが今ではホテルの朝食になるくらい一般的になりました。パイ生地にの中は米、卵バターをつけて食べます。 pic.twitter.com/itluE7qwMu
— マトカトリ (@matkatori) February 2, 2014
カレリア・パイはフィンランド東部のカレリア地方が発祥で、ライ麦で作るパイ生地でジャガイモ・米・ニンジンを包んだものです。パイのことをピーラッカという地方もあるので、スーパーマーケットではカレリアピーラッカという名前で売られていることもあります。
パイの中の米は牛乳で炊いてあるので、ライ麦のほのかな酸味の中から野菜とお粥の甘さが染み出すような味です。バターを塗って食べることもあります。
ピッティパンヌ
肉料理の付け合わせにも登場するのがピッティパンヌです。角切りにしたジャガイモ・玉ねぎ・ソーセージを炒めるシンプルな料理です。フライパンで炒めるだけという手軽さから家庭料理の定番でもあり、ここに目玉焼きを乗せたものが朝食でも食べられています。
キャセロール
炒めたニンジンとご飯にバターと砂糖を加え、ベーコンや野菜と合わせてオーブンでこんがりと焼き上げたものがキャセロールです。家庭によって具材は異なりますが、フィンランドではクリスマス料理の定番でもあります。
フィンランド料理の代表的な料理【肉/魚料理編】
酪農が盛んなフィンランドでは肉といえば牛肉か豚肉が多いですが、トナカイの肉も伝統的な食材の1つです。また、海と湖があることから、淡水魚も海水魚も日常的に料理されています。
ポロン・カリストゥス
フィンランド料理の独特な食材の1つにトナカイ肉があります。高タンパクで低カロリーな上に、ビタミンやミネラルが豊富で、フィンランドでの貴重な栄養源になっています。トナカイ肉を使ったスープがポロン・カリストゥスです。元々はラップランドの伝統料理ですが、フィンランドのどこでもお目にかかれる料理です。
ポロン・カリストゥスはシチューの一種ですが、水分は少ないです。お皿の上にマッシュポテトや柔らかく炊いたご飯を広げ、その上にトナカイのホロホロになった肉をのせて味わいます。
カラクッコ
フィンランドの魚と豚肉をライ麦パンで包んで焼いた惣菜パン「カラクッコ」。魚を食べつけない国の人はこの断面に拒否反応が出るらしいですが、日本人には美味しいと思う。過去写真を整理していたら色々出てきて面白い。 pic.twitter.com/XZdB4P75X1
— Fukuya北欧ヴィンテージ (@Fukuya_20CMD) October 1, 2014
カラクッコは、フィンランドの湖で釣れるニシンに似たムイックという魚を具にした大きなパイです。ムイックをぶつ切りにしてベーコンや野菜などと合わせ、パイ生地で包んで焼きます。オーブンでじっくりと火を通すため、骨まで軟らかくなります。
ニシンの酢漬け
フィンランド料理のニシンの酢漬けは、日本の南蛮漬けに近い料理です。油で揚げたニシンをニンジンや玉ねぎなどの野菜と合わせて酢漬けにします。ライ麦パンにのせて食べたり、マッシュポテトと合わせて食べたりします。
似たような料理にニシンの塩漬けもあり、世界一臭い缶詰と言われるシュールストレミングとしても知られています。元々、スウェーデンの漁師たちの食べていたものが、フィンランドの漁師に伝わり食べられるようになったそうです。
ニシンの酢漬けも塩漬けも、酸味のあるライ麦パンと合わせるか、甘く炊いたお粥と合わせて食べることで臭みを軽減しています。
ザリガニ
トナカイに並んでフィンランド料理ならではの食材がザリガニです。塩とハーブのディルだけで茹でたザリガニを食します。フィンランドでは、真っ赤に茹でられたザリガニを大皿に盛りつけ、家族や親しい友人たちとパーティーをする習慣があるのです。テーブルにザリガニが山盛りになる光景は、フィンランドの夏の風物詩です。
ブラックソーセージ
グリルで焼くソーセージが好きなフィンランド人ですが、獣肉の血液なども肉と混ぜて作った黒いソーセージを好む人も多いです。ニンニクやディルなどを加えていますが、独特のクセがあり、食べ慣れない人には臭いが気になるかもしれません。食べる時にはコケモモのジャムをつけて食べます。
フィンランド料理の代表的な料理【スープ/シチュー編】
暖炉で調理もできるスープやシチューは、フィンランドの長い冬の定番料理です。味付けはシンプルなものが多く、日本でも作れる料理もあるので、寒い時に手作りしてみるとよいでしょう。
ロヒケイット
伝統的なフィンランド料理の一つがサーモンを使ったスープのロヒケイットです。サーモンをジャガイモ・ネギなどの野菜と一緒に煮込み、バターをたっぷりと使って味付けをします。サーモンのホイル焼きをスープにしたような味なので、日本人でも食べやすい料理の一つでしょう。
カリヤラシチュー
日本の肉じゃがのような家庭料理がカリヤラシチューです。カルヤラ地方の伝統食という意味で、カルヤランパイスティとも呼ばれます。塩とコショウで味付けした肉と野菜をオーブンで煮込むだけというシンプルなシチューです。
牛肉とニンジン・玉ねぎがあれば日本でも作ることができます。材料をぶつ切りにして塩コショウをし、厚手の鍋に入れて、ひたひたの水を加えてます。そして、高温に温めたオーブンで1時間以上煮込むか、弱火でじっくりと煮込みます。バターを加えて再度20~30分ほど加熱するだけなので作ってみてはいかがでしょう。
カーリカーリュレート
カーリカーリュレート?フィンランド料理初めて頂きました。(^^) #スオミ祭 pic.twitter.com/4f4m6H1ut6
— Toyoji (@toyoji_toyoji) January 6, 2018
フィンランド版のロールキャベツがカーリカーリュレートです。フィンランドではロールキャベツを鍋で煮込むのではなく、トマトソースなどと合わせてオーブンで焼き煮にしたシチューに近い料理になります。
軟らかく炊いたご飯や茹でたジャガイモと合わせて食べることが多い料理です。フィンランドではこのカーリカーリュレートに甘いシロップやジャムを添えて食べることもあります。
キノコシチュー
秋から冬にかけてのフィンランド料理の定番と言えるのが、キノコをたっぷりと使ったシチューです。森で採れるキノコをホワイトソースで煮込み、茹でたジャガイモと合わせて食べます。素朴な味ですが、日本のクリームシチューに近くおすすめ料理の一つです。
ヘルネケイット
お夜食です。フィンランド料理のヘルネケイットというえんどう豆のスープ。今日は火曜日ですが、なぜか木曜にたべるというスープ。濃厚でとても美味しいです!そしてクリスプブレッドも。
— はやぶち伶子「秘密の天使と愛の夢」ハーレクインオリジナル5月号 (@ayumimashy) October 2, 2018
フィン料理久しぶり〜(o^-^o) pic.twitter.com/IbjbqNfcN3
えんどう豆とベーコン、野菜類を長時間煮込んだスープがヘルネケイットです。具材が溶け始めるくらいまで煮込んでいるのでとろみがあり、寒い季節にもぴったりなフィンランド料理です。
フィンランドでは、18歳になると半年から1年の兵役義務が課せられます。その軍隊生活では毎週木曜日がヘルネケイットの日として食べられていた習慣が長く続いていました。その名残で今でも給食や職場の食堂では週に1度の定番メニューにもなっています。
フィンランド料理の代表的な料理【デザート編】
フィンランド料理は、煮込みやパイといったオーブンを使うものが多いですが、デザートも同じようにオーブンを使ったものが目立ちます。デザートは日本人の口にも合いやすく、おすすめのフィンランド料理といえるでしょう。
ブルーベリーパイ
フィンランドの森では7~8月にかけてブルーベリーがたくさん実ります。1年間食べる分を収穫し、各家庭でジャムにしたり冷凍したりして、冬の間も食べられるように保存をしています。
収穫時期には、摘み立てのブルベリーをたっぷりと使ったブルーベリーパイを、どの家庭でも手作りして味わうのが定番となっています。フィンランド料理のレストランなら、デザートの定番としてブルーベリーパイを出しているところも多いです。
シナモンロール
EKBERさんのシナモンロール。お店で食べる時間がなくて、フィンランドより連れて帰って来ました(笑)ばかすか買ったクッキーも、割れちゃってたよね💦#フィンランド pic.twitter.com/U9EmFkqB9s
— ☆みつまる☆ (@gold_star_455) July 3, 2019
フィンランドはシナモンロール発祥の地です。世界一美味しいシナモンロールはフィンランドにあると言われるほど、ポピュラーでおいしいデザートです。フィンランド語でシナモンロールのことをコルヴァプースティと言い、その形からか平手打ちされた耳という意味があります。
フィンランド料理のシナモンロールは、カルダモンを生地に加えシナモンを巻き込んで焼くのが定番です。小さなサイズのものもあり、コーヒーと合わせてカフェタイムに味わっている人も多くいます。
レイパユースト
英語ではキュッキュッと音がするフィンランドのチーズとも呼ばれるのが、レイパユーストです。チーズをオーブンで焼いたもので、朝食なら目玉焼きと合わせ、デザートの場合は、ジャムや生クリームをのせて食べます。
キーッセリ
いただきもののデザート、フィンランドのキーッセリ。ベリーのゼリーですが、片栗粉でトロミをつけるので簡単だとか。
— 佐藤晃子 (@akisato_) March 26, 2019
いわれないと片栗粉だと気がつかないかもしれない(まさか使ってると思わないから笑)次は自分で作ろう。 pic.twitter.com/iLGmeiMBkK
キーッセリは、フィンランド料理では珍しい冷やしたゼリーで、フィンランド語で甘いスープという意味を持っています。ブルーベリーやクランベリーなどのベリー類のジュースと砂糖を加えて煮込んだものを冷蔵庫で冷やして作ります。ホイップしたクリームをトッピングして食べることもあります。
ムンッキ
フィンランドの伝統的なお菓子がムンッキです。十分に発酵させた生地を小さく丸めて油で揚げ、砂糖をまぶしたもので、見た目は揚げドーナツに似ています。ドーナツのようにリング状のものもありますが、もっちりとした食感がドーナツとは異なり、おやつの定番として子供に人気のデザートです。
フィンランド料理で日本人におすすめなのは?
シンプルな味付けで肉や魚の臭みが気になる料理もあるフィンランド料理ですが、日本人でも食べやすい料理もあります。レストランで食べても味が好みでないこともありますが、安い価格でも食べられる日本人にもおすすめな料理をチェックしておきましょう。
各種スープ
フィンランド料理の魚や肉の臭みが口に合わないという時には、野菜スープがおすすめです。ジャガイモやニンジン・きのこなどシンプルな野菜のスープが多く、体も温まります。スープを専門に販売しているお店もあり、量と具材のボリュームもあるので、1杯でも十分にお腹を満たすことができるでしょう。
パンやサンドイッチなどの軽食
フィンランドの主食の1つが、寒冷な土地でも育つライ麦を使ったパンです。小麦のパンよりも色が黒っぽく酸味があり、硬さもあるパンなので食べにくいと感じるかもしれません。しかし、スープなどと合わせると日本人でも食べやすいパンになります。また、チーズや野菜を挟んだサンドイッチもおすすめです。
フィンランドを観光で訪ねていて、フィンランド料理が口に合わない場合はライ麦パンの他、サンドイッチやドーナツといったカフェにあるパンでお腹を満たす方法もあります。
ケーキや乳製品
ブルーベリーパイやシナモンロールのように、甘いものは日本人でも食べやすいフィンランド料理としておすすめです。食後のデザートとしてだけでなく、お腹にもたまるので朝食やランチの替わりにもなるでしょう。
酪農による乳製品が豊富なので、チーズやバターだけでなくサワークリーム・ヨーグルトといったものも日常的に食べられています。マッシュポテトやお粥のようなご飯の味が物足りなければ、チーズやバターを加えて味わってみてください。
フィンランド料理まとめ
フィンランド料理は、限られた食材の中でも栄養バランスが良くシンプルな調理法のものが多いことが分かりました。日本では珍しいトナカイやザリガニといったものもありますが、乳製品やデザート類は日本人にもおすすめしたい料理です。
フィンランドへ行った際には、まず定番料理が口に合うかどうかを試してみてください。口に合うようであれば、気候や風土に合わせて育まれたフィンランド料理の世界を旅してみてはいかがでしょう。