上州牛とはどんなブランド牛？味・値段や本場群馬でおすすめの店を紹介

上州牛は関東圏の方ならば目にする機会も多いブランド牛です。スーパーなどでも取り扱っている為、一度は食べたことがあるのではないでしょうか？ですが関東圏を出てしまえば知らない方の方が多いブランド牛であることも事実でしょう。まずはこのブランド牛がどんな牛なのかについて紹介します。

上州牛の「上州」とは群馬の古い地名です。このことからもわかるようにこの上州牛は群馬のブランド牛であり、独自の飼料ときれいな飲み水を与えられて育った風味豊かな牛のことを指します。例え群馬で生まれた牛で有っても、育った場所と肉処理場が群馬で無かった場合は、その育った土地や処理された土地の牛として出荷される事に成ります。

上州牛とはもともと消費地として流通していた東京などの関東圏での通称です。群馬はもともと畜産の盛んな地域であり、豊かな環境で育った肉牛は以前から風味豊かな牛肉として親しまれてきました。1976年にJA群馬経済連(現在の全農群馬県本部)が中心になって群馬の肉牛肥育農家との協議を経て、改めて上州牛の定義を定めたのです。

1976年、上州牛の定義として和牛肉質等級「上」以上を「上州牛」であると位置づけました。ですが現在では群馬県内で生産された肉牛であることと、高度な衛生基準で管理された群馬県食肉卸市場で取引される牛肉であることの2点のみの基準となっています。

かつての品質基準が撤廃された理由は定かではありませんが、現在の基準において品質はブランドの基準には含まれないという判断と成っています。

また世界トップレベルの衛生管理方式である「HCACCP方式(ハサップ方式)」で育てられる為、衛生基準の厳しい国への輸出が厚生労働省からも認められています。全国でもこの認定を受けている施設は群馬の他では宮崎と鹿児島の2か所のみということからも、日本国内最高レベルの衛生管理で育てられた肉牛ということがわかります。

上州牛はかつて牛肉の全国大会である「全国和牛能力共進会」の枝肉部門において、5位入賞を果たした実績を持っています。そのため最高ランクの上州牛にもなると、通販サイトの扱いも松坂牛のA5ランクと同程度という、かなりの高価格帯の牛肉になります。

牛肉自体のランクや部位によっても差があるとはいえ、全国的に見ても十分高いレベルにあることがわかります。

上州牛は群馬のブランド牛だけあって提供している店も多く、定番のステーキからお弁当、串焼きやラーメンなど使われている料理もさまざまです。味の評判も上々で肉も脂も旨味がすごいという声が多く見られました。東京では倍はするであろうという声もあることから、もし群馬に出かけた際はぜひ食べておきたいところです。

そんな上州牛ですが、この牛種にはいくつか種類があることを知っていますか？普段は一括りで上州牛と呼んでいますが、実際には明確な違いを持つ複数の種類に分かれるのです。ここではそんな上州牛の種類とその違いについて詳しく紹介します。

上州牛とはホルスタイン種との交雑種であるF1種と呼ばれる牛と、一般的に黒毛和牛と呼ばれる黒毛和種の中でも群馬で生産された上州和牛に大別されます。どちらの肉が品質が良いのかという話になった場合、単純に考えれば和牛種の方が高品質と考えられるでしょう。

一方、交雑種であるF1種の牛も群馬県の栄養豊富な和牛専用飼料を食べて育つ為、暑さ、寒さに強く病気にもかかりにくい強い体質を持っています。さらに通常の和牛よりも身体が大きくなることから、肉牛としても優れた品種であることに変わりはありません。

また大自然の中でのびのび育つことから筋肉が発達し、結果として程よく身が引き締まることから赤身の部分には旨味が詰まっています。脂肪の乗りと赤身の旨さのバランスの良さこそが、美味しいだけでなく飽きのこない上州牛ならではの特徴を生み出しているのです。

上州和牛とは優秀な血統を持つ黒毛和種に独自の和牛専用飼料を与えて肥育した和牛のことを指します。古くから地元群馬だけでなく首都圏でも親しまれており、関東圏では最も馴染みの深い和牛のひとつでもあります。

上州和牛は群馬で生産された和牛であれば品質に関係なく名乗ることができます。ですがそのままでは美味しい牛肉を多く生産していても、中にはブランドとしての価値を下げかねない牛肉があることも否定できません。その為上州和牛の中でも特に肉質の優れた物を、「厳選上州和牛」として証明書を発行するようにしたのです。

厳選上州和牛の認定基準は上州和牛であることはもちろんですが、牛肉としての肉質等級が4等級以上であること、そして枝肉に瑕疵(欠けや問題点)が無いことです。上州和牛の中でも最も品質が優れている牛肉だけが、この厳選上州和牛を名乗ることを認められるのです。

上州牛を堪能するのであればやはり群馬の店で楽しむのが一番です。ですが土地勘の無い他県の方にはどの店がおすすめなのかわからないことでしょう。群馬自慢のブランド牛の味を堪能したり、お土産を購入するのにおすすめな店をいくつか紹介します。

上州牛をしゃぶしゃぶやすき焼きで堪能するのであれば、舟木亭をはずすことはできないでしょう。県内はもちろん県外からも多くのツアー客が訪れる上州牛の専門店です。特に太田店は北関東自動車道の太田桐生ICから1分という、個人客でも立ち寄りやすい好位置にあります。

また太田店限定のランチタイムでは舟木亭特製ランチにドリンクが1つ付いてきます。メニューも豊富で1日10食限定メニューや食べ放題コースの他、ステーキも要望すれば希望のグラム数にカットして焼き上げてくれるなど、牛肉の旨味を贅沢に堪能しつくせるおすすめの店です。

上州牛のステーキやハンバーグを楽しむのであればGGCがおすすめです。サーロインやヒレはもちろん、ミスジやイチボ、カイノミ、ザブトンなどの希少部位のステーキを100gから楽しめるだけでなく、オーダーカットでも注文することができます。2016年3月公開となった「セーラー服と機関銃～卒業～」のロケ現場にもなった有名店でもあります。

地域のイベントにも積極的に参加している店でもあり、イベント限定メニューとして「ぐんまちゃんバーガー」や「牛ステーキ串」も販売しています。高崎と前橋に店舗を構えているので、店に直接食べに行くのはもちろん両市のイベントに参加してみた折に限定メニューを探してみるのもおすすめの店です。

群馬県食肉卸売市場の直営店である肉の駅では、上州牛や上州和牛、厳選上州和牛の全てを購入することができます。本店では毎月毎週の土曜日を特売日としていて、市場直営店ならではの価格がさらにお買い得な価格と成ります。上州牛を使ったコロッケもあるので、立ち寄った際はぜひ食べて頂きたいところです。

そんな肉の駅は全部で3店舗ありますが、その中でもららん藤岡店は上信越自動車道の上り車線から直接利用できるハイウェイオアシス「ららん藤岡」内にあり、群馬に遊びに出かけた帰りに高速道路を降りることなく立ち寄ることが可能です。毎月第二土曜日が特売日になっているので、あえてその日を狙って群馬に出かけてみるのもおすすめです。

今回は上州牛について紹介して参りました。上州牛は群馬が誇る自慢のブランド牛であり、世界基準の管理体制の中で育てられたとても美味しい牛肉です。群馬に出かける機会が有ればその際は是非食べてみることをおすすめいたします。一度口にしてみればきっとその美味しさが分かる筈です。