ネグローニカクテルの特徴とレシピ!知っておきたいイタリア発祥の歴史
ネグローニカクテルというお酒を知っていますか?ネグローニはドライ・ジンとカンパリとスウィートヴェルモットをステア(混ぜる)したもので、見た目の綺麗さと飲みやすさで男女共にとても好評です。今回はネグローニの特徴やレシピについて説明していきます。レシピに関しては基本からアレンジ編まで紹介するので、是非自宅で作ってみてください。また、ネグローニはどのようにして誕生したのか、その歴史についても見ていきましょう。
ネグローニとは?
みなさんはネグローニという言葉を聞いたことがありますか?ネグローニとは、イタリア生まれのカクテルの名前です。この記事では、このお酒についての文化的なことや、来歴、味の特徴などを調べました。
イタリアのジンベースのカクテル
ネグローニはイタリア生まれのジンベースのカクテルです。ジンとカンパリとスウィートヴェルモットをステア(混ぜる)したカクテルになります。
イタリア生まれのお酒なので、料理もイタリアンが合うかもしれません。テイスト的には甘苦いので、お肉料理が合います。イタリアンのメニューでいうと、タリアータ(日本風に言えば牛肉のタタキ)やトリッパのトマト煮込みなどと一緒に飲むといいかもしれません。
食前酒として人気
このカクテルは食前酒(アペリティフ)として人気があります。ネグローニにはオレンジスライスが入っているので、オレンジの爽やかな香りが食事前に口の中をさっぱりさせてくれます。
このカクテルの名前のもとになったカミ―ロ・ネグローニ伯爵も、食前酒として楽しんでいました。特にお酒が強い方になら、食前酒(アペリティフ)として飲むと食欲を掻き立ててくれていいかもしれません。
カクテル言葉
花に花言葉があるように、カクテルにもカクテル言葉があります。ネグローニのカクテル言葉は初恋です。
オレンジの果皮のほろ苦さとスィートベルモット甘さが初恋を連想させることから、この言葉がつけられたと言われています。また、オレンジの爽やかさが青春を思い出させてくれることから、カクテル言葉が初恋になったという話もあります。
初恋の相手と飲むのも良し、昔の初恋を思い出しながら飲むのも良いのではないでしょうか?
味わい
カンパリは色が赤くて甘いリキュールなのかと思いきや、甘さより苦味が強いリキュールです。カンパリはもともとBitter All’uso d’Hollandiaという名前でこの日本語訳は、オランダ風苦味酒であってそれほど苦いということです。
スウィートベルモットは甘い味わいも感じる強めなカクテルです。スウィートヴェルモットは、イタリアン・ヴェルモットとも言われています。
このカンパリとスウィートヴェルモットを材料にしているので、ネグローニには少し苦味の味わいの中に甘いフレーバーがあるお酒です。
歴史
イタリアのフィレンツェにある老舗カフェ・カソーニの常連客だったカミーロ・ネグローニ伯爵が愛飲していた食前酒(アペリティフ)のカクテルがネグローニです。考案した人は、カフェ・カソーニのバーテンダーであるフォスコ・スカルセリでした。
カミ―ロ・ネグローニ伯爵が愛飲
もともとカミーロ・ネグローニ伯爵は、食前酒(アペリティフ)として、アメリカーノというカクテルを飲んでいたそうです。しかしもの足りなくなったのか、フォルコ・スカルセリに違うものをリクエストしたことから新しいカクテルが生まれました。これは1920年頃だと言われています。
アメリカーノはカンパリとスウィートヴェルモットを、ソーダで割ったカクテルのことです。それを伯爵はソーダで割るのではなくて、ジンで割ってくれと言いました。アルコールに強かったと言われている伯爵は、この新しいお酒が大のお気に入りになったと伝えられています。
フォスコ・スカルセリは、伯爵のためのオリジナルカクテルとしてこのカクテルを振る舞っていましたが、どうせなら他の色々なお客さんにも飲んで欲しいと伯爵本人に確認をとりました。そして伯爵本人から許可を得て多くの人に愛されるお酒になったのです。
リストランテ・カソーニ
イタリアのフィレンツェにあるネグローニが誕生した場所であるカフェ・カソーニですが、リストランテ・カソーニとも呼ばれています。
カフェ・カソーニはその後、ジャコーザと店名が変わりました。そして2001年にはセレブリティ御用達のファッションブランドとして知られているロベルト・カヴァリの傘下になって、カフェ・ジャコーザ・ロベルト・カヴァリとして営業を続けています。
カフェ・ジャコーザ・ロベルト・カヴァリは、フィレンツェの多くのブランドが軒を連ねるトルナブオーニ通りに面したストロッツィ宮殿の中で営業しています。
ネグローニカクテルのレシピと愉しみ方
色々なカクテルの作り方がある中で、ネグローニはビルドスタイルという技法を使っています。そして、材料もすべて同じ分量なので簡単に作れるカクテルです。
材料と作り方
- ドライジン30ml
- カンパリ30ml
- スイートヴェルモット30ml
- オレンジスライス適量
- ロックグラスに大きめの氷を入れる。
- ドライジンを30ml、カンパリを30ml、スイートヴェルモットを30ml入れてステア(混ぜる)する。
- 最後にカットしたオレンジスライスをグラスに入れる。
3種類のお酒をステア(混ぜる)したカクテルです。お酒しか使わないので、少しアルコール度数は高めになっています。その独特の味わいから、好きな人はとことん好きになるカクテルです。
ドライジン、カンパリ、スウィートヴェルモットを同量混ぜるだけとも言えて簡単なレシピですが、その組み合わせは絶品です。ほろ苦さと甘さが絶妙なミックスになっています。
注ぐ順番で変わる味
カクテルには、初めに氷に当たった液体の香りを一番に強く発する特徴があります。なので自分の仕上がりのイメージよって、注ぐ順番は変化します。
苦味やお酒の強さを最初に感じたい人は、ジンやカンパリを最初に注ぐのをおすすめします。逆にお酒の強さや苦味よりも、飲みやすく甘い感じが欲しいという人はスイートヴェルモットを、初めにもってくるのをおすすめします。
このように注ぐ順番で、仕上がりのテイストも変わってきます。試行錯誤して自分の好みに合うオリジナルのネグローニを作ってみてください。
飲み方と愉しみ方
ロックスタイルのカクテルですので、氷が溶けだしてからの変化も味わいながら楽しむことができます。ただ氷が全部溶けてしまうと水っぽくなるので、氷があまり小さくならないうちに飲むのが楽しむ際のポイントになります。
グラスの中に入っているオレンジスライスは、飾りとして楽しんでもいいです。しかし、少しオレンジの甘みや爽やかさが欲しい人は、少し果肉を潰しながら混ぜると果物の甘みが増してさらに美味しくなります。
オールド・ファッションド・グラス
オールド・ファッションド・グラスは、背が低く円筒形に近い小形タンブラーです。そのデザインが古くより酒器として使われてきました。
口径が広く大きな氷がそのまま入るため、ウイスキーなどをロックで飲むときに用いられるます。丸く削った氷を入れて楽むことができるのも、このグラスならではです。容量は一般に180~300mlになります。
ネグローニのアレンジレシピ
ネグローニは普通の昔からある作り方でもおいしく飲めますが、アレンジすると楽しみ方の幅が広がります。ここでは甘めなネグローニ、アルコールが苦手な人におすすめなネグローニ、アメリカーノ、ネグローニ伯爵のレシピで楽しむという4通りのアレンジレシピを紹介します。
カンパリとスウィートヴェルモットはイタリアの特産物なので、イタリア風味から外れていくと面白いアレンジになるでしょう。逆にイタリアっぽさを強めていっても新しい発見が見つかるかもしれません。
ネグローニはシェイクせずにできるので簡単に作れるカクテルです。家庭で何度も作っているうちに、少し違うものが欲しいと思うときが来るでしょう。そんな時に活躍するアレンジレシピです。
甘めなネグローニ
- 甘めのジン30ml
- コーディアル・カンパリ30ml
- スイートヴェルモット30ml
- オレンジスライス適量
- ガムシロップお好みの量
- ロックグラスに大きめの氷を入れる。
- 甘めのジンを30ml、コーディアル・カンパリを30ml、スイートヴェルモットを30ml入れてステア(混ぜる)する。
- 最後にカットしたオレンジスライスとお好みでガムシロップをグラスに入れる。
ネグローニはもともと、甘みの中にも苦味があるカクテルです。苦味を抑えて甘みを出したいという人は、このレシピのようにジンを甘めのものに変えるといいでしょう。
甘いジンにはフランスのエギュベルジンや、イギリスのタンカレーのマラッカジン、オレンジフレーバーやレモンフレーバーがあるブルームスバリージンなどがあります。
また、簡単にガムシロップを増やして甘さを調整することもできるので、飲みながら自分好みの甘さにしてみましょう。
アルコールが苦手な人におすすめなネグローニ
- ドライジン20ml
- カンパリ30ml
- スイートヴェルモット30ml
- オレンジジュース
- ロックグラスに大きめの氷を入れる。
- ドライジンを20ml、カンパリを30ml、スイートヴェルモットを30ml入れてステア(混ぜる)する。
- 最後にオレンジジュースをお好みでグラスに入れる。
混ぜ合わせるのがすべてアルコールを含んだお酒なので、ネグローニはアルコールが高めの強いカクテルです。アルコールが苦手な人は、ゆっくり飲むしか解決法としてはないと思われるかもしれません。
実はレシピを少し変えることによって、アルコールが苦手な人にも合ったカクテルは作ることができます。使用されるお酒の中でもアルコールが一番高いのがドライジンなので、ドライジンの分量を少なく作ってみるといいかもしれません。
もしくは、少々味が変わってしまうかもしれませんが、オレンジスライスの変わりにオレンジジュースで割るとより飲みやすくなって美味しく楽しめます。
アメリカーノ
- ソーダ30ml
- カンパリ30ml
- スウィートヴェルモット30ml
- オレンジスライス適量
- ロックグラスに大きめの氷を入れる。
- ソーダを30ml、カンパリを30ml、スウィートヴェルモットを30ml入れてステア(混ぜる)する。
- 最後にカットしたオレンジスライスをグラスに入れる。
アメリカーノは、アメリカ人という意味のイタリア語です。ジンの代わりにソーダを用いるので、アルコール度数がぐっと抑えられて、飲みやすくなります。見た目はネグローニとほとんど変わりません。
カンパリの苦味が食前に合うので、このお酒も食前酒(アペリティフ)に分類されています。ただ、食前に飲むのに適したカクテルとされていますが、別に食前以外に飲んだらいけないという決まりがあるわけではありません。
いつもネグローニを飲んでいる人は、時々気分を変えてアメリカーノを飲んでみてはどうでしょう。カミ―ロ・ネグローニ伯爵はネグローニを飲む前はアメリカーノを飲んでいました。なおスウィートヴェルモットではなく、ビターヴェルモットを使うレシピもあります。
ネグローニ伯爵のレシピで楽しむ
- ドライジン30ml
- カンパリ30ml
- スイートヴェルモット(マルティーニロッソ)30ml
- 炭酸水(サンぺレグリノ)15ml
- オレンジスライス適量
- レモンの皮適量
- ロックグラスに大きめの氷を入れる。
- ドライジンを30ml、カンパリを30ml、スイートヴェルモット(マルティーニロッソ)を30ml、炭酸水(サンぺレグリノ)を15ml入れてステア(混ぜる)する。
- 最後にカットしたオレンジスライスをグラスに入れて、レモンの皮をツイスト(絞る)する。
ネグローニが考案された発祥地のカフェ・カソーニで当初、カミ―ロ・ネグローニ伯爵が飲んでいたレシピがこちらになります。
サンペレグリノの炭酸水を加えて、最後にレモンの皮をツイストすることが一般のネグローニと異なる部分です。スイートヴェルモットは、マルティーニロッソを使います。
カンパリのほろ苦い味が気になる人でも、少量の炭酸水を加えることで苦味が抑えられて美味しく飲むことができます。
ネグローニは歴史ある注目のカクテル
ネグローニの歴史や愉しみ方、レシピについて詳しく見てきましたが、その魅力を感じていただけたのではないでしょうか?もともと、ネグローニを知っていた人・飲んだことがある人もアレンジレシピを活用して、新たなネグローニの美味しさを堪能してください。
また、お酒の弱い人も「ジンベースは苦手」と諦めることはありません。ジンを減らしてオレンジを増やすなど分量を調整して、自分にあった飲み方をしてみてはいかがでしょうか?
1920年から今日に至るまで愛され続けているネグローニカクテル、自宅やBarで是非飲んでみてください。