2019年06月12日公開
2024年05月26日更新
魚に含まれる栄養とは?おすすめの魚と効果的な食べ方についても紹介
魚がとても栄養豊富だということをご存じでしょうか。この記事では、魚の栄養と体への効果、食べるのにおすすめの魚の種類や効果的な調理法などを紹介しています。魚を食べた方がいいことは分かってるけどなかなか難しい、そんな人はぜひこの記事をご覧になってみてください。
「魚は栄養が多いって聞いているけど、そんなに?」
「タンパク質が豊富な魚を食べたいけど、なかなか食べる機会がない」
栄養素の宝石とも呼ばれる魚ですが、具体的にどんな栄養があるのか、どんな調理法で食べればよいのか、よく分からない人も多いのではないでしょうか。
本記事では、魚に含まれている栄養と効果についてや魚の部位ごとに違う栄養、栄養が期待できるおすすめの魚の種類について紹介します。また、魚の効果的な食べ方についても紹介しています。
この記事を読むことで、魚が本当に栄養素の多い食べ物であることが分かるでしょう。
魚がもつ栄養素を知りたい人、魚をもっと普段の食事に取り入れたいとお考えの人は、ぜひこの記事をチェックしてみてください。
魚離れが深刻化する原因とは?
日本では古くから魚を食べてきましたが、近年では肉類の摂取が増え、魚の摂取量が減ってきました。農林水産省は、子どもが魚を好んで食べないことが魚離れに繋がっていると分析しています。
子どもの魚離れが深刻化した原因は、食卓の変化にあるでしょう。共働きで忙しい親をもつ子どもが増えて親と一緒に食事しなくなったこと、もともと子どもは骨のある魚を好まないのに加えて、調理に手間がかかることから親も魚料理を食卓に並べなくなったことが原因と考えられています。
魚の栄養と効果
魚がもつ栄養と健康効果には、どのようなものがあるのでしょうか。ここからは、栄養素ごとに詳しく紹介していきます。
魚に含まれている栄養は、それぞれ人体にとって必要で効果的なものばかりです。今まで知らずに食べていた魚の栄養と健康効果を知ることで、健康維持に役立てていきましょう。
タンパク質
タンパク質は、人間の体を作る筋肉や臓器を構成するために必要な栄養素です。タンパク質は肉に多く含まれていると勘違いしている人もいますが、魚と肉のタンパク質の量はほぼ同じで、さらに魚のタンパク質は肉よりも体内で利用されやすいという特徴があります。
出典・参照:たんぱく質|e-ヘルスネット(厚生労働省)
EPA・DHA
長寿になっている現在、できるだけ長く健康寿命を延ばしたい、若いままでいたいというのは多くの人の望みでしょう。魚に含まれる栄養素、EPAとDHAは体の老化を防ぐ効果が高いといわれています。
EPA(エイコサペンタエン酸)は血液がかたまるのを防いだり血中の中性脂肪を減らして血液をサラサラに、血管をピチピチにしてくれたりします。
DHA(ドコサヘキサエン酸)は、学習能力を高めたり記憶力を良くしたりするために欠かせない栄養素です。脳の働きを活発にしてくれるという働きも期待できるでしょう。
カルシウム
カルシウムには、骨や歯を丈夫にするだけでなく、筋肉の収縮や神経の安定に働きかける効果があります。
いりこや小魚にカルシウムがたくさん含まれているので、カルシウムを摂りたいときにはいりこや小魚を食べるようにしましょう。小魚を丸ごと食べれば、魚の内臓に含まれているビタミンDがカルウシムの吸収をサポートしてくれます。
出典・参照:カルシウム|e-ヘルスネット(厚生労働省)
タウリン
タウリンには血管をきれいにしてくれたり、疲れを取ったりする効果があります。その他に、視力が衰えるのを防いだり赤ちゃんの発達に関わったりするという効果もあります。
血圧を正常に保つことで血栓や脳梗塞を予防してくれたり、血液中の善玉コレストロールを増やしたりする効果もあります。タウリンが不足してしまうと高血圧や肝臓、心臓の臓器の機能の低下にも繋がってしまうので、魚を食べてバランスの良い食事を摂るようにしましょう。
出典・参照:タウリン|e-ヘルスネット(厚生労働省)
部位ごとに違う魚の栄養
魚はその部位ごとに含まれている栄養が変わります。部位ごとに紹介するので、魚を食べるときの参考にしてみてください。
・身……タンパク質・EPA・DHA
・卵……ビタミンE・ビタミンB1・B2
・頭や目玉部分……ビタミンB1・DHA・カルシウム
・皮……ビタミンA・ビタミンB1(黒い部分はビタミンB2)・コラーゲン
・骨……カルシウム
・血合肉……ビタミン・タウリン・鉄分
栄養が期待できるおすすめの魚
魚といってもたくさんの種類の魚がいます。そこで、ここからは栄養価が期待できるおすすめの魚を紹介していきます。
魚を食べた方がいいといわれてもどの魚を選べばいいのか分からないという人は、これらの種類から選んでみましょう。
イワシ
イワシは比較的安価で購入できる魚というだけでなく、EPAやDHAといった不飽和脂肪酸等の栄養を多く含んでいる魚です。また、ビタミンB2も多く含まれています。
日本でとれるイワシは、全国的にはマイワシ、北海道以南ではカタクチイワシ、西日本の海ではウルメイワシです。お刺身にしたり焼いたり煮たり、酢のものや天ぷらで食べられることが多いでしょう。
タコ
タコは生息域別に、関西地方のマダコ、北日本のミズダコ、北海道以南のイイダコの3種類があります。タコに含まれる栄養はタンパク質をはじめ、ビタミンB2とビタミンE、タウリン、亜鉛です。
タコを食べる際はお刺身やカルパッチョにしたりタコピラフにしたり、タコ焼きにすることでおいしく食べられるでしょう。
サバ
ひかりものや青魚として有名なサバには、マサバとゴマサバ、タイセイヨウサバの3種類があります。サバに含まれる栄養はタンパク質にビタミンDとビタミンB6、ビタミンB12、そして脂質となっています。
サバは缶詰があることから、比較的食べる機会の多い魚の1つでしょう。他にもさばの味噌煮が定番ですし、汁物にして食べることもあります。
サンマ
秋の旬の魚として一躍有名なサンマにも豊富な栄養が含まれています。サンマに含まれる栄養はタンパク質やヒスチジン、EPA・DHA、それにビタミンB12や鉄分などです。そのため、サンマはとくに女性におすすめの魚といえるでしょう。
サンマは焼き魚が有名ではありますが、梅とともに煮たものやロールキャベツにサンマを入れたレシピなどもおすすめです。
サケ
サケは魚の中でも比較的人気の高い魚です。サケに含まれる主な栄養は、タンパク質にDHA・EPA、ビタミンDとビタミンB群、そして抗酸化作用のあるアスタキサンチンです。
サケは皮やカマ、ハラスといった部位も食べられますが、皮にはタンパク質とコラーゲンが多く、カマにはEPA・DHAが多く、ハラスには脂質が多くなっています。生で食べたり焼いて食べたりすることが多いでしょう。
サーモンもサケと同じ魚ですが、サーモンが養殖なのに対してサケは天然という違いがあります。
魚の効果的な食べ方
魚は栄養価の高い食材ですが、調理方法によっては栄養の半分ほどが食べる前に無くなってしまう場合があるというのはご存じでしょうか。
魚に含まれる栄養をしっかり摂るためには、調理の中で栄養をなるべく失わないようにする必要があります。ここではおすすめの食べ方を紹介するので、参考にしてみてください。
お刺身にする
魚の栄養を逃がさないために効果的な食べ方は、なんといっても生のまま食べるお刺身でしょう。魚をお刺身で食べれば、EPAやDHAといった不飽和脂肪酸が加熱調理で失われることがありません。とくにEPAやDHA目当てで魚を食べたい場合はお刺身が向いているでしょう。
ただ、加熱調理しないことで食中毒等のリスクがあるので気をつけて調理してください。
加熱する場合は汁物にする
お刺身が苦手な人や、リスクを考えて加熱したい場合には汁物にするのがおすすめです。EPAやDHAといった不飽和脂肪酸は加熱調理で失われやすいですが、汁物にすれば栄養が流出しても汁そのものも食べられるため問題ありません。
栄養を効果的に摂りたいなら、焼いたり天ぷらにしたりするよりも汁物にして食べましょう。
栄養豊富な魚を料理に取り入れよう
魚の栄養やその効果、効果的な食べ方について紹介してきました。魚にはたくさんの栄養が含まれています。他でも摂れる栄養でも、タンパク質のように肉より魚の方が体内での効率がよいものもあります。
魚には赤身魚、白身魚、小魚といった種類がありますが、DHAやEPAはどの種類にも含まれています。健康維持のためにも毎日食卓に魚を取り入れ、バランスよく食べるようにしましょう。