ケールの特徴と栄養素を解説|効果的な食べ方やおすすめレシピも紹介
青汁に入っていることで有名な、ケールに含まれている栄養素をご存知でしょうか。本記事ではケールに含まれる栄養素について解説し、効果的に摂取できるレシピを紹介しています。この機会にケールについて詳しく知り、日常生活に正しく取り入れてみましょう。
ケールは栄養豊富な野菜として、青汁としてもおなじみの野菜です。ケールが健康に良いことは広く知られていますが、「青汁は飲みにくい」という固定概念から、なかなか手が伸びないという方も多いのではないでしょうか。
この記事ではケールという野菜についての知識や、ケールに含まれる栄養素とその効能、効果的な食べ方や活用レシピを紹介していきます。
ケールの良さを栄養面からしっかり理解しておけば、ただ摂取するのではなく、健康効果を明確に意識して取り入れていけます。また、ケールの特徴を知っていれば、自分好みの調理方法に合わせた品種を選び、美味しく食べられるようになるでしょう。
この記事を読んで、ケールに含まれる栄養素や適した調理方法などを把握し、積極的に取り入れてみてください。
ケールはどんな野菜?
ケールは地中海沿岸原産のアブラナ科の野菜です。キャベツの原種に近く、温暖な地域では1年中栽培可能な野菜でもあります。ケールはその栄養価の高さでも有名ですが、実際にどんな野菜でどんな栄養を持ち、健康や美容にどんな効果効能を持つのかといったことは、意外と知られていない野菜でもあります。
そんなケールですがキャベツの原種に近いとはいえ、キャベツのように丸くなることはありません。まさに結球しないキャベツともいうべきケールという野菜について、まずは基本的なことから見ていきましょう。
ケールの特徴
ケールは、地中海沿岸原産のアブラナ科の野菜で、キャベツやブロッコリーの原種です。
地中海原産のため、温かい地方が栽培に適しており、気候があっていれば1年中栽培・収穫が可能です。日本では、茨城県や鹿児島県などで栽培されています。
ケールの種類
ケールは用途に合わせて品種改良されてきたため、いくつか種類があります。それぞれのケールに特徴があり、使われる調理法も異なります。
コラード系ケールは、葉の形が楕円形をしていて、ブロッコリーの葉の形に近い種類です。栄養素の高さから「スーパーグリーン」として親しまれ、葉は若干硬めなため、加熱調理に向いています。
カーボロネロは、結球しない葉キャベツの一種類でもあります。日本では黒キャベツとも呼ばれていますが、見た目ほどクセはないものの味の濃い種類です。煮崩れしにくいので、煮込み料理におすすめの種類です。
ゴズィラーナは新品種のケールです。カーボロネロよりも幅広で丸い葉をしていて、少し柔らかい種類でもあります。ゴズィラーナは青臭さやクセがほとんどなく、加熱調理で甘味が引き出されます。生食には向いていません。
カーリー・ケールは葉に切れ込みが入って、その葉の縁がパセリに似て細かく縮れる種類のケールの総称です。苦味やえぐみがほとんどなく、葉も柔らかいため、ケールの中では生でも美味しく食べやすい、サラダにもおすすめの種類です。
ケールの栄養素
ケールにはさまざまな栄養素が、豊富に含まれています。
ケールの種類によって含まれる栄養素の量に差はありますが、カルシウムは牛乳の約2倍、βカロテンはトマトの約5倍、ビタミンCはキャベツの約2倍と、栄養の種類だけでなく量も豊富です。このように豊富な栄養を含んでいるからこそ、「緑黄色野菜の王様」や「葉野菜の女王」とも呼ばれるのです。
ここでは、そんなケールの栄養素について詳しく見ていきましょう。
ケールに含まれる栄養素 | 主な効能 |
---|---|
食物繊維 | 人の消化酵素で消化することのできない物質 |
カリウム | ナトリウムを排出する作用があり、塩分の摂り過ぎを調節できる |
葉酸 | DNAと他の遺伝学的物質を合成するために必要不可欠。細胞分裂にも必要 |
ルテイン | 食事から摂取した場合、白内障や加齢黄斑変性症のリスクを低減 |
ビタミンK | 骨の形成に必要 |
カルシウム | 骨や歯を形成する |
ビタミンC | 免疫系が適切な働きをするのを助ける |
食物繊維
食物繊維は、人の消化酵素で消化することのできない物質です。第6の栄養素とも呼ばれています。整腸作用が期待でき、便通を整えて排便を促してくれます。
便秘解消作用が有名ですが、肥満や糖尿病、高血圧などの生活習慣病を予防・改善する効果も期待できるといわれています。
出典:食物繊維|e-ヘルスネット(厚生労働省)
参照:https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-016.html
カリウム
カリウムは、浸透圧の調整を担うミネラルの一種で、ナトリウムを排出する作用があります。塩分の摂り過ぎを調節する役目を果たしてくれる、重要な栄養素です。
不足すると脱力感や食欲不振や不整脈などを引き起こすことがあります。大量に摂取した場合は体内の調節機構が働き、摂取過剰にはなりにくいといわれています。
出典:カリウム|e-ヘルスネット(厚生労働省)
参照:https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-005.html
葉酸
葉酸は、DNAと他の遺伝学的物質を合成するために必要不可欠な栄養素です。細胞分裂に必要な栄養素であることから、人間の体を維持していくためには欠かせません。葉酸は野菜や果物、ナッツ、インゲン豆、エンドウ豆などの豆類、穀物に含まれています。
葉酸が不足すると虚弱になったり、倦怠感に襲われたり、イライラや動悸といった症状を引き起こしたりすることもあります。
出典:葉酸塩 | サプリメント・ビタミン・ミネラル | 一般の方へ|厚生労働省eJIM | 「統合医療」情報発信サイト
参照:https://www.ejim.ncgg.go.jp/public/overseas/c03/02.html
ルテイン
サプリメントの広告でもよく見かけるルテインという栄養素は、食事から多く摂取すると、白内障や加齢黄斑変性症のリスクが低減するといわれている栄養素です。
ルテインはカロテノイドという栄養素の一種であるとされ、体内でビタミンAに変換されないキサントフィル類に分類されています。ルテインを含め、カロテノイドには抗酸化作用が認められています。
出典:「健康食品」の安全性・有効性情報|〔国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所〕
参照:https://hfnet.nibiohn.go.jp/contents/detail41lite.html
出典:カロテノイド|e-ヘルスネット(厚生労働省)
参照:https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-007.html
ビタミンK
ビタミンKは、骨の形成に必要とされている栄養素です。
ビタミンKが不足すると、鼻血や、血尿、血液凝固などの症状を引き起こします。さらにビタミンK不足が慢性化すると、骨粗鬆症や骨折の原因となるので注意が必要です。
出典:「健康食品」の安全性・有効性情報|〔国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所〕
参照:https://hfnet.nibiohn.go.jp/contents/detail17.html
カルシウム
カルシウムは人体に最も多く含まれるミネラルで、骨や歯を形成するために必要な栄養素です。カルシウムが不足すると骨が十分に成長できないため、骨折や骨粗鬆症の原因ともなります。
また、カルシウムをきちんと摂取していても、ビタミンDが不足していると、カルシウムが体に吸収されづらくなるため、結果的にカルシウムが不足しているのと同じ状態となってしまいます。
出典:カルシウム | e-ヘルスネット(厚生労働省)
参照:https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-042.html
ビタミンC
ビタミンCには、酸化防止作用があります。人間の体が傷を負うと、修復するためにたんぱく質が必要になりますが、このたんぱく質を生成する過程ではビタミンCが必要です。
また、ビタミンCには、鉄分の吸収を促し、免疫が適切に機能することを助ける働きもあります。
出典:ビタミンC | サプリメント・ビタミン・ミネラル | 一般の方へ|厚生労働省eJIM | 「統合医療」情報発信サイト
参照:https://www.ejim.ncgg.go.jp/public/overseas/c03/09.html
ケールの効果的な食べ方
ケールには多くの栄養素が含まれていますが、食べ方によっては栄養の一部を無駄にしてしまうこともあります。できるだけ栄養を無駄にすることなく、ケールの良さを体に取り込めるように、効果的な食べ方を知っておきましょう。
ここでは、ケールの栄養価をできるだけ摂取するためにおすすめの食べ方を紹介していきます。
青汁やジュースに加工する
ケールは青汁の素材として有名ですが、これは、青汁がケールの栄養を余すところなく摂取できる食べ方だからです。
ケールに含まれる栄養素には、熱に弱いものや水に溶けだしてしまうものなどもあります。青汁であれば加熱しないため、熱に弱い栄養素も残り、水に溶けだしてしまう栄養素も丸ごと飲み干せます。
「青汁はまずいもの」とインプットされている人も多いように、ケールだけで青汁を作った場合は挫折してしまう人も多いでしょう。いろいろな食材と組み合わせて、飲みやすい青汁を作ってみましょう。
生のままサラダで食べる
ケールは青汁のイメージからか、生では食べにくい印象を持つ人もいるでしょう。しかし、最近では生食に向く種類のケールもあります。サラダなら青汁同様、ケールの栄養素を失うことなく取り込むことができます。
サラダで食べるときは、生食に適した品種のケールを選びましょう。
加熱するときは汁ごと食べる
ケールを加熱すると、熱に弱いビタミンCのようなビタミン類は失われてしまいます。さっと湯通しする程度であれば、ビタミン類も摂取でき、苦みの緩和に役立ちます。
栄養価が高いので、ビタミン類をあきらめて加熱調理し、他の栄養を摂取するという選択も可能です。加熱調理して食べるときはスープや味噌汁のように汁まで食べてしまう料理がおすすめです。
ケールを使ったおすすめレシピ
ケールの食べ方は、青汁やスムージーだけだと思い込んではいないでしょうか。栄養豊富なケールは、いろいろな料理の素材としても活用されています。
ここでは、ケールを活用できるレシピを紹介します。自分が食べやすいように、さらにアレンジを工夫してみるのもおすすめです。ケールを美味しく食べられるレシピを開拓して、豊富な栄養を余すところなく摂取していきましょう。
ごま油香る!塩昆布で味が決まる♡栄養たっぷり納豆オムレツ
「ごま油香る!塩昆布で味が決まる♡栄養たっぷり納豆オムレツ」は、ケールをたっぷり入れたオムレツです。
ケールは苦みが気になるという方も多い野菜ですが、納豆や塩昆布など、風味や味の強い食材と一緒に調理することで、気になる苦みも緩和されます。
ケールとモッツァレラの桃ドレッシングサラダ
「ケールとモッツァレラの桃ドレッシングサラダ」はケールの苦みがあう、大人のサラダです。チーズや桃などの食材とケールが合わさることで、お互いのうま味を活かしたサラダに仕上がります。
使うチーズの種類によって、サラダの風味や味わいが変わるので、異なる種類のチーズで作ったり、複数種類のチーズを使ったりしてみましょう。
ケールの選び方
新鮮なケールを選ぶためには確認するポイントが2つあります。「鮮やかな緑色の葉」と「葉の表面に斑点がない」ことです。鮮やかな緑色で、葉と葉の表面に斑点がないことは、新鮮なケールの証です。
食べやすいという観点で選ぶのなら、コラード系ケールがおすすめです。カーリー・ケールも、苦みやえぐみが少ないので、ケールを苦手としている人も挑戦してみてください。
栄養豊富なケールを食べてみよう
ケールは栄養豊富で、積極的に毎日の食事に取り入れていきたい食材です。苦味があるから苦手という方も多いものの、含まれている栄養価の高さを考えると、調理方法を工夫して摂取すると良いでしょう。
一緒に摂取する食材によって、ケールの苦みを抑えたり、感じなくさせたりすることも可能です。
この機会に、栄養豊富なケールを日常生活に取り入れてみてください。