2019年05月07日公開
2024年09月14日更新
ブランチングの意味!野菜の冷凍保存に欠かせない!向いている野菜は?
ブランチングという野菜の冷凍に欠かすことのできない、調理方法を知っていますか?ブランチングの意味すら分からない、という方も少なくないでしょう。今回は、そんな野菜を冷凍する際に欠かすことのできないブランチングの意味や、やり方、冷凍保存方法など詳しく解明していきましょう。冷凍することが困難であった野菜を、ブランチングをすることで冷凍が可能になる画期的な方法になります。
目次
ブランチングで野菜の冷凍保存が劇的に変わる?
最近よく耳にすることのある、ブランチングという言葉を知っているでしょうか?ブランチングという方法は、現在食材を冷凍して保存している方が多くいるといわれています。お肉や、下味をつけた料理、また作った料理を冷凍で保存している方も居ることでしょう。
そんな中で、野菜を冷凍する際にどのような保存を行っているでしょうか?そのまま野菜を密閉袋、もしくはそのまま冷凍保存を行っている方も少なくないでしょう。
ですが、今回紹介をするブランチングは野菜の冷凍に使えるイチオシのテクニックになります。冷凍をした野菜をより美味しく食べるためにおすすめの、ブランチングについて今回は解明していきましょう。
ブランチングとは?
まずは、ブランチングについて詳しく知っていきましょう。ブランチングという言葉を聞いたことがない、という方も多いことでよう。ブランチングの意味や、どのような方法なのかを初めに紹介をしていきます。
ブランチングの意味
ブランチングの意味としては、冷凍野菜にする前の野菜の下処理の意味を持っています。そのため、ブランチングという言葉と意味を知らずに、野菜を冷凍する前に同様の工程を行っている方も多いことでしょう。野菜を加熱することで、ついつい長期で保存しがちな野菜の変化や劣化を防ぐ働きを持っています。
ブランチングの意味として、加熱することが意味として成り立ちます。そのため野菜の下処理に加熱を加えている場合は、その全てがブランチングの意味として成り立つのです。
向いている野菜は?
ブランチングには向いている野菜と、向いていない野菜があります。向いている野菜の特徴として、水分量が多い野菜がブランチングに向いているといえるでしょう。中でも、カボチャやほうれん草などはブランチングされることの多い野菜としても知られています。その他にも、豆類やイモ類のように水分量が多いとされる野菜が挙げられるでしょう。
その反対に、ブランチングを行わなくても良い、向いていない野菜としてきのこ類が挙げられます。きのこ類は、水分量をそんなに含んでいないことから、ブランチングを施さずそのまま冷凍を行っても、味や見た目に変化が少ないといわれています。冷凍に強いことから、ブランチングをせずに冷凍保存を安心して行えるのです。
その他にもブランチングをしない野菜には、トマトや玉ねぎといった加熱処理を行うことで崩れる可能性のある野菜も含まれます。
2種類の処理方法がある
ブランチングは、野菜の加熱を行うものであるということが分かったことでしょう。そんなブランチングには2種類の処理方法があるといわれています。
まず普通のブランチングについて紹介しましょう。通常のブランチングは約100度ほどの熱で処理を行う方法です。一度熱加工をすることから、解凍後は加熱をする料理に向いているといわれています。100度の熱を野菜に与えることで野菜は軟化するのです。そのため、通常のブランチングでは野菜が少々柔らかくなります。
普通のブランチングと比べて、低温で処理をするのが低温ブランチングです。100度のブランチングに比べると低温ブランチングは60度ほどの熱で野菜を加工します。そのため、軟化を防ぐことができ野菜の形をそのままに解凍後の料理で楽しむことができます。
ブランチングのメリット
ブランチングがどのようなものなのか、また意味を知った上でここからは野菜に使用のできるブランチングのメリットを見ていきましょう。ブランチングの方法を使うにあたり、やはりメリットを知らないと取り入れることも難しいでしょう。野菜に使えるブランチングのメリットを知ることで、すぐにでも取り入れたくなること間違いなしです。
栄養をキープ
ブランチングに向いている野菜の多くは、そのまま冷凍をすることで野菜の中の細胞が壊されてしまい水分や栄養が流れ出てしまうといわれています。ですが、ブランチングを行うことで栄養はそのままキープされるため、野菜の栄養をしっかり摂りたいという方にもおすすめのできる調理方法のひとつなのです。
細胞組織が壊されるのを最小限に抑えることができるため、野菜の栄養のみならず、旨味もしっかり残したまま解凍後に野菜を堪能することができます。
殺菌効果
ブランチングは、加熱を行う作業を意味していることから熱を野菜に与えることで殺菌効果が期待できます。野菜は栽培の時点から外気に触れて育っていることもあり、野菜の表面には少々の雑菌なども付着していることがあります。有機栽培などの野菜には、虫がついている可能性があるのも知られている情報でしょう。
そんな野菜の表面や中の雑菌や虫を、加熱処理を行うブランチングでは約99%殺菌することができるといわれています。そのため、熱を加えるブランチングは野菜を安心して食べるためにも行った方が良いといわれているのです。
酵素の影響を止める効果
野菜には多くの酵素や、ポリフェノールの含まれているものが多いのを知っているでしょうか?そんな、野菜に含まれている酵素などは日が経つにつれて酸化していきます。酵素などが酸化することにより、後程紹介をする野菜の変色などに繋がってくるといわれています。
ブランチングをすることで、酵素が酸化するのを防ぐ働きが期待できます。酵素は健康にも良いといわれているため、なるべくなら酸化するのを防ぎたいものです。ブランチングで、酵素が酸化するのを防ぎましょう。
冷凍耐性がアップする
もともと野菜は冷凍には不向きの食材といわれています。ブランチングをすることのできる野菜は、特にそのまま冷凍をするのには不向きといわれているものばかりです。ですが、ブランチングを施すことで野菜に耐久性が供えられます。
ブランチングに向いている野菜は、水分量の多いものがおすすめであることを紹介しましたが、この水分量が原因でブランチングを行わないで冷凍をすると、この水分が氷になり細胞を分解してしまうといわれています。加熱処理を行うブランチングを取り入れることで、野菜に含まれる組織が柔らかくなり冷凍にも向いた野菜に変化するのです。
変色や変質しにくくなる
酵素の箇所でも紹介を行ったように、野菜に含まれている酵素が酸化することで、野菜の変色や変質に繋がるといわれています。野菜をカットした断面などは、冷蔵で保存をしていても少し日が経つと変色しているのを見たことがある方も多いのではないでしょうか?
その変色が、まさしく酵素が酸化してしまっている要因になるのです。ブランチングをすることで、酵素が酸化することを抑える効果が期待できるため、野菜の変色や変質を防ぐ効果が期待できます。
解凍時にドリップが出にくい
ブランチングを必要とする野菜の多くは、水分量の多い野菜がほとんどです。ブランチングをせず、そのまま冷凍を行うと野菜に含まれている細胞が壊されることによって、水分として冷凍をした野菜を解凍した時に出てきてしまいます。この水分の中には、野菜の水分はもちろんのこと栄養や旨味なども一緒に流れ出てしまいます。
ブランチングをすることで、栄養や旨味はそのままに冷凍に適した野菜に変化をもたらすことができるため、ブランチングをした野菜は解凍をしてもドリップはそこまで出てくることはありません。解凍時のストレスも軽減することができるでしょう。
ブランチング処理の仕方
メリットが豊富なブランチングですが、その処理方法はどのように行うのが適切なのでしょうか?実は、ひと手間を加えるだけのブランチングは簡単な処理方法を取り入れるだけで、野菜に対してメリットが豊富になるのです。ぜひ簡単なブランチングの方法を知って、ブランチングを取り入れてみてはいかがでしょうか?
野菜をカットする
ブランチングを行う前にまず下処理を行いましょう。野菜は、適度な大きさにカットしておくのがおすすめです。使用する料理や、食べやすさを考えてカットをしてから処理を行うことで、カットしたまま冷凍ができ、尚且つ料理を作る際にはそのまま鍋やフライパンで使用することができます。
後々の料理の手間を省くことを意識して、野菜のカットなどの下処理も行っておくことで、時短にも繋がることでしょう。
電子レンジの場合
電子レンジでブランチングを行う場合には、耐熱ボウルの中に水を張り、その中にカットした野菜を入れて温めることで茹でた時と同じ効果を野菜に得ることができるでしょう。しかし、この方法は加熱力が高いことから、野菜の軟化を防ぐことは少々難しいとされています。
ブランチングは蒸すという意味も持っているため、電子レンジでブランチングを行う場合には、蒸すということを意識してみるのもいいでしょう。カットした野菜を水で湿らせたキッチンペーパーで包み、その上からふんわりとラップをかけてから加熱をすることで、野菜を蒸している状態にすることが可能です。ぜひ試してみてはいかがでしょうか?
また、電子レンジの中にはスチーム機能のついたものも最近では多く見かけます。スチーム機能は、水蒸気で野菜を蒸すことができるので、スチーム機能のついた電子レンジを使用している方は、機能を最大限に生かしてみるのもおすすめです。
熱湯を使う場合
電子レンジでの作業は楽ですが、量が多かったり、電子レンジではしっかり加熱ができるのか不安な野菜には熱湯での処理方法がおすすめです。熱湯での処理方法は、鍋にお湯を沸かし、その中に野菜を入れて加熱する方法です。葉物であれば30秒ほどで十分なので、量が多くなりやすい葉物に向いている処理方法であるといえるでしょう。
また、熱湯も電子レンジでも両方にいえますが、どちらも野菜をかために仕上げることを意識するようにしましょう。かために仕上げるというのがこのブランチングの最大の魅力なのです。手間もそこまでかからずに、メリットを得ることができ、冷凍に弱い野菜を冷凍に向いた野菜に変化させることができるのがポイントといえるでしょう。
ブランチングした野菜の保存方法
最後に、ブランチングをした野菜の保存方法を見ていきましょう。ブランチングをした野菜は、そのまま保存を行うよりも少々手間がかかります。ですが、食べるときにはそのまま冷凍保存を行った野菜よりも美味しく食べることができるのは確実なので、保存方法までしっかりポイントを抑えて行っていきましょう。
しっかり冷ます
加熱を行った野菜は、そのまま冷凍庫に入れるのはNGです。まず、加熱を行った野菜はしっかり冷ます必要があります。茹でたりした後に、冷水につけることで急速に冷ますことができます。常温でゆっくり冷ますのではなく、一気に冷ますのがこのブランチングの特徴でもあります。
この作業をしっかり行うことで、野菜独自の色合いもそのままに維持しながら、冷凍保存を行うことができるため、野菜を茹でたり蒸したりするのも大切ですが、この冷やす工程もしっかり行うようにしましょう。
真空状態にする
加熱処理をし、一気に冷ました野菜は密閉袋などに入れてしっかり空気を抜きましょう。空気が入ってしまうと、そこへ霜などがついてしまいドリップの原因にもなりかねません。袋の中は、しっかり真空状態になっているのが好ましいでしょう。
最近では、真空状態にできるアイテムも揃っています。冷凍野菜をより美味しく食べたい方は、そのようなアイテムを使用して、保存に備えた準備を整えるようにしましょう。
金属トレイで急速冷凍
ブランチングをした野菜を冷凍する際には、急速で冷凍をすることが重要です。最近の冷蔵庫には、冷凍庫の機能に急速冷凍の機能が付いているものもあるでしょう。急速冷凍の機能が付いている冷蔵庫を使用している方は、そちらの機能を使用して野菜を急速に冷凍するようにしましょう。
中には、急速冷凍の機能が付いていない冷蔵庫を使用している方も多いことでしょう。急速冷凍の機能が付いていない方は、100円均一などでも販売のされている金属のトレイを使用するのがおすすめです。
金属トレイは、その名の通り金属でできているため、冷気をより食材に与えます。これは冷凍野菜に限らず、お肉や魚の冷凍にも使用できるので、冷蔵庫に合った大きさの金属トレイを購入してみるのもいいでしょう。
ブランチングをした野菜を密閉袋に入れたら平らになるように調節して、金属トレイの上に乗せて急速冷凍させたら完了です。
ブランチング処理で冷凍野菜を美味しく保存しよう!
ブランチングという言葉を知らない方も、ブランチングをすることでより野菜を美味しく冷凍するコツが分かったのではないでしょうか?
冷凍に向かないため、早く消費しなければいけなかった野菜も、ブランチングをすることで冷凍をして長期の保存が望めます。また、解凍後も調理の時短にも繋がるとされている冷凍野菜を、ぜひ自宅でも試してみてはいかがでしょうか?