2019年05月01日公開
2024年09月13日更新
カナディアンクラブはカナディアンウイスキーの代名詞!特徴と評価を調査
カナディアンクラブは世界中で親しまれているカナディアンウイスキーの一つです。カナダという土地、アメリカとの歴史があってこそ育まれた味があり、ストレートでもロックでも味わいやすいカナディアンウイスキーです。このカナディアンクラブが世界に広まった歴史背景、世界での評価やおすすめの飲み方を紹介します。普段はジャパニーズウィスキーを好んで飲んでいるという人でも、魅力を知って、カナディアンクラブを味わってみたくなります。
目次
カナディアンクラブは評価の高いウイスキー
カナディアンクラブは、カナダで造られているカナディアンウイスキーの中でも、世界中で親しまれているウイスキーです。カナディアンクラブは、カナダのウイスキーの中でも歴史があり、美味しさから高い評価をえてきました。
カナディアンクラブが造られるようになった歴史的背景から、味わいの特徴、熟成年数による価格の違いをまとめていきます。より味を引き出すための、おすすめの飲み方も合わせて紹介していきます。
カナディアンクラブはカナディアンウイスキーの一つ
カナディアンクラブは、カナダ原産のウイスキーの中の1種類です。世界の中でもクセが少なく飲みやすいと評価のあるカナディアンウイスキーが誕生した歴史と原料の特徴をみていきます。
カナディアンウイスキーとは?
ウイスキーは世界中で愛されてるアルコールで、その中でも五大生産地があります。スコットランド、イギリスの「スコッチ」、アイルランドの「アイリッシュ」、「アメリカン」「ジャパニーズ」そしてカナダの「カナディアンウイスキー」です。
カナディアンウイスキーは、他の四大産地に比べるとみかけることが少ないかもしれませんが、クセが少なくて飲みやすく、カクテルのベースとして使われていることも多いので、口にしたことのある人は多いかもしれません。
原産国と歴史
カナディアンウイスキーが造られるようになったのは、アメリカの独立戦争後、カナダに移住したイギリス系の農民が、17世紀後半に穀物を作り始めたことがきっかけです。大量に栽培された穀物の食用にするものの残りを、製粉所の中でウイスキーにしていたことが始まりです。
18世紀後半から19世紀になると、カナダ国内にいくつかの蒸留所が建てられ、ウイスキー製造が本格的に始まりました。この背景には、隣国であるアメリカで1920年から1933年まで施行された禁酒法が大きく影響しています。
アメリカには当時イギリスから、ウイスキーが輸入されていましたがそれも輸入禁止となると、隣のカナダから、国境を越えて密輸されるウイスキーが増えていきました。この時期に、急速にカナダのウイスキーの大量生産が始まり、現代までの発展につながっています。
アメリカでの禁酒法が廃止されてから、アメリカ国内でのウイスキーも製造が再開されますが、長期熟成さ
せた原酒がなかったために、その間もカナディアンウイスキーはアメリカ国内で確固たる地位を築き、世界へと広まっています。
特徴
カナディアンウイスキーの特徴は、軽快な味わいでクセが少ないという評価が大きいです。穀物栽培から始まっているので、原料はライ麦やトウモロコシ、大麦などを使っています。
その中でも、ライ麦主体の強い香りがあってアルコール度数の高いフレーバリング・ウイスキーと、トウモロコシ主体の香りやクセおのないブレンドに使われるベース・ウイスキーを合わせたものが「カナディアンウイスキー」と言われます。
カナディアンクラブもカナディアンウイスキーの一つで、厳しい寒さの中でも熟成が進むように、年間を通じで18~19度くらいに温度調節された貯蔵庫で熟成されています。
カナディアンクラブの味や香りの特徴と値段
カナディアンウイスキーの一つ、カナディアンクラブの味や香りの特徴をみていきます。特徴的なブレンド方法や、世界で親しまれるような価格ということが分かります。
味の特徴
カナディアンウイスキーは、ベース・ウイスキーが70~90%に、フレーバリング・ウイスキーを10~30%といった割合でブレンドしているのが定番です。そのため、ベースとなるトウモロコシを主体としているウイスキーのかろやかで、雑味のない味が主体となります。
カナディアンクラブにおいても、90%ほどがトウモロコシを原料とするベース・ウイスキーが占めているので、個性的な主張がない代わりに、飲みやすく軽快な味を造り出しています。カナディアンクラブの熟成年数が若いものはバニラのような甘さが特徴的で、熟成年数がたつほどピュア甘みになっていきます。
香りの特徴
カナディアンクラブの香りは、10%ほどの割合でブレンドされている、フレーバリング・ウイスキーによって印象付けられています。ライ麦を主体とした原料のウイスキーで、それだけでは力強い香りがありますが、ベース・ウイスキーによって薄まり、ブレンドされて熟成することで、カナディアンクラブらしい、まろやかで、華やかな香りになっています。
カナディアンクラブも熟成させる年数によって香りは変わり、熟成年数が経つほどよりまろやかな香りになるのという評価があります。
アルコール度数
カナディアンウイスキーには、アルコール度数40%以上で瓶詰めすることという、法的な定義があります。カナディアンクラブもアルコール度数は、40度が定番となっています。カナディアンクラブで市販され、手に入りやすいものは6年熟成~12年ですが、いずれもアルコール度数は40度です。
価格
カナディアンクラブの価格は、定番の「カナディアンクラブ」はホワイトラベルといわれるもので、6年熟成のものでが700ml入り1,300円ほどです。ラベルが黒いものになると、熟成期間が長くなり、「カナディアンクラブ・クラシック12年」は2,000円ほど、「カナディアンクラブ・ブラックラベル」は4,000円ほどの価格になっています。
さらに熟成させたカナディアンクラブである「カナディアンクラブ20年」は、濃い琥珀色で750ml入りが15,000円前後の価格となっています。
カナディアンクラブを初めて味わうのであれば、カナディアンクラブ・クラシックがおすすめで、ほのかな甘みで後味はドライという特徴的な味を楽しむことができます。
プレ・ブレンディングとは?
一般的なウイスキーは、樽詰めして熟成されたウイスキー同士を数種類ブレンドして、瓶詰めしています。これに対し、カナディアンクラブの場合は「プレ・ブレンディング」といって、ベース・ウイスキーとフレーバリング・ウイスキーをブレンドしてから、樽に詰めて熟成させています。
カナディアンクラブは、プレ・ブレンディングにすることで、特徴となる味と香りを造り出しています。蒸留させるときには原料が別々のもので、特徴ある味と香りを持っていたベースとフレーバリングが、樽の中で混じり合い、熟成する期間に味がなじんでまろやかに風味を造り出しています。
カナディアンクラブの評価/口コミ
【カナディアンクラブ】
— 劣等生のバーボン@1浪1留 (@bourbonk0504) April 29, 2019
カナディアンウイスキーといえば、9割これですね笑。味は軽め、初心者におすすめ。ロックが今まで飲んだ中で1番飲みやすい! pic.twitter.com/oDbZBcJZo8
久々にカナディアンクラブを買ってきた!
— Finbar (@Finbar112358) April 27, 2019
まだお酒をあまり飲まなかった頃に飲んだウイスキーだから懐かしい pic.twitter.com/XsKA0dgql4
カナディアンクラブ12年
— 醉生夢死 (@pastis_137) March 10, 2018
口当たりが良くて飲みやすい。バニラのような甘い香りがする。ダークラムのように甘くて吃驚した。 pic.twitter.com/GWpmrqXja9
カナディアンクラブを味わっている人の口コミをみると、価格的に手ごろで定番としている人と、ハイボールで味わうのにおすすめしているという評価が多く見られます。また、バニラのような甘さや、ストレートやロックでも飲めるような味わいといった評価もあります。
アルコールを提供しているお店の評価では、カクテルベースとしてカナディアンクラブを使っているところも多く、またカナディアンクラブを高く評価している愛飲者の中では、もっといろいろなお店で熟成期間の長いものが味わえればよいのに、といった口コミもみられます。
カナディアンクラブを造り出したのは、アメリカ生まれのハイラム・ウォーカーです。禁酒法が施行される以前に醸造されていて、アメリカ紳士の社交場であった「ジェントルメンズ・クラブ」に売り込まれて人気が出てくると「クラブ・ウイスキー」と言われるようになりました。
アメリカのウイスキー業界は、自国のウイルスを守るためにも、クラブ・ウイスキーとして広まるウイスキーを外国産として区別するための法律ができ、「カナディアンクラブ」と改名されました。それがブランド名となり、19世紀末にはイギリス王室御用達の認定を受けるまでの評価が高まり、世界中で飲まれるようになっています。
カナディアンクラブの飲み方はロック?ストレート?
世界的にも高い評価を得ているカナディアンクラブのおすすめの飲み方を紹介します。カナディアンクラブを置いているお店に行ったら、ロックやストレートの他にも味わってほしいものもあります。
ロック
カナディアンクラブは、華やかな香り、バニラのような甘さがありながら、後味は軽快なところが評価の高いポイントです。このカナディアンクラブらしさを楽しむには、ロックがおすすめです。氷で冷やされることで、香りよりも甘さを堪能しやすく、ストレートではきついと感じた人でも飲みやすい飲み方になります。
氷が少しずつとけて、冷やされたカナディアンクラブのとろみやまろやかに変化するのは、ロックならではの楽しみ方です。
ハーフロック
ハーフロックは、ロックに近い飲み方ですが、ミネラルウォーターが加わります。基本の作り方は、グラスに大き目の氷をいれて、カナディアンクラブを氷の半分くらの高さくらいに注ぎ、先ずしっかりとかき混ぜます。そこにウイスキーと同量のミネラルウォーターを注ぎ入れて、軽く混ぜるのがハーフロックです。
氷とカナディアンクラブなどをしっかりと合わせることで、ウイスキーの甘さを感じやすいようにしておきます。ロックよりマイルドになり、水割りほど薄くならず、カナディアンクラブのハーフロックで晩酌と言ったシーンにおすすめです。
ストレート
ウイスキーのストレートは、美味しいけれど香りがきつくて苦手という方でも、カナディアンクラブであればストレートも味わってほしい飲み方です。スコッチウイスキーなどに比べて、カナディアンクラブはスモーキーな香りはなく、リキュールのようなとろみや、バニラのような香りと甘味をストレートなら味わうことができます。
水割り
ゆっくりとカナディアンクラブを味わいたい時や、食事と合わせて飲みたい時におすすめの飲み方が水割りです。グラスに氷をいれそこにウイスキーを注ぎ入れて混ぜて、ウイスキーを冷やします。そこにミネラルウォーターを2~3倍の量を注ぎ入れて軽く混ぜれば、美味しい水割りができます。
ウイスキーの持つ個性は薄まりますが、その分、氷と冷えたミネラルウォーター、グラスで味わうことで、すっきりと味わうことあができます。カナディアンクラブの場合は、少し物足りなく感じるかもしれませんが、ミネラルウォーターの量で濃度を調整してください。
カナディアンクラブの特徴を引き立てるために、より爽快さを求めるなら、ミネラルウォーターに替えて炭酸水で割れば、ハイボールになります。カナディアンクラブはハイボールの方が、爽快さのなかにウイスキーの風合いを感じられておすすめです。
トワイスアップ
トワイスアップはカナディアンウイスキーに限らず、ウイスキーの香りを比べるのにおすすめの飲み方です。ワイングラスのように、ふくらみがあって、口が少し小さくすぼまったグラスを準備して、そこにカナディアンクラブなどのウイスキーを注ぎ入れ、そこに常温のミネラルウォーターをウイスキーと同量注ぐだけです。
グラスの脚をもって、静かにまわることで空気とふれあい、さらに香りが立ち上ります。他のウイスキーにくらべて強い香りがないカナディアンクラブでも、この飲み方なら、香りもしっかりと楽しむことができます。
カナディアンクラブなどおすすめのカナディアンウイスキー
カナディアンウイスキーには、カナディアンクラブの他にも、味わって欲しいウイスキーがあります。手に入りやすくおすすめなカナディアンウイスキーをカナディアンクラブと合わせて紹介します。
カナディアンクラブ
カナディアンウイスキーの定番と言えるのが「カナディアンクラブ」です。香りと甘みがそれほど強くなく、柔らかな口当りなのでカクテルベースとしても使われることが多いです。
バーなどでは「C.C.」と名前の付くカクテルの場合は、カナディアンクラブとフルーツジュースや炭酸水を合わせているものになります。「C.C.ジンジャーエール」であれば、カナディアンクラブをジンジャーエールで割ったもの、「C.C.マンハッタン」は、定番カクテルのマンハッタンをカナディアンクラブを使い作ったものになります。
カナディアンクラブの6年熟成のホワイトラベル、12年熟成のものと両方をそろえて、熟成による味や香りの違いを試してみるのも、ウイスキー好きな方にはおすすめです。
クラウン ローヤル
カナディアンウイスキーの中でも、プレミアムなものとして世界で高評価を得ているのが、「クラウン ローヤル」です。ボトルそのもの、キャップ、メインのシンボルとして王冠が描かれ、英国王室との関係が深いカナディアンウイスキーです。
1939年にイギリス国王ジョージ6世夫妻がカナダを訪問した時に献上され、その上質さから来賓用に少量生産されていたものが、プレミアムなものとして市販されるようになった歴史があります。
大麦の甘みとライ麦由来のスパイシーな刺激がバランスよくブレンドされ、はちみつのような香りがし、口に含むと甘味と苦みが絶妙に広がり、ライトな仕上がりとの評価があります。チェイサーを準備してストレートで味わうか、ロックでの味わい方がおすすめです。
アルバータ プレミアム
カナディアンウイスキーの中でも、原料の51%以上がライ麦のものを、カナディアン・ライウィスキーと分類されます。ライ麦が多くなると、スッキリと素朴な味わいになるのが特徴ですが、「アルバータ プレミアム」はライ麦100%という、カナダの中でも珍しいウイスキーです。
口当たりこそスムースで素朴な雰囲気ですが、口の中にはいるとリッチな香りが開き、ライ麦ならではのコクが控えめに感じられるライトな飲み口のものです。先ずはストレートで味わうのがおすすめで、世界の中でも珍しいライ麦由来の味を感じられます。
カナディアンクラブはリーズナブルなのに美味しい!
カナディアンクラブは、ライ麦とトウモロコシを原料としたウイスキーをプレ・ブレンディングしたウイスキーです。バニラのような甘さと強すぎない香りが飲みやすく、ストレートでも味わいやすいウイスキーに仕上げられています。価格もリーズナブルなので、常備してストレート、ロック、ハイボールでカナディアンクラブを味わってください。