授乳中はコーヒーが飲めない?1日何杯まで?母乳に与える影響を調査
授乳中はコーヒーを我慢してしまいがちですが、好きなものを我慢するとイライラしてしまい、授乳中で疲れているママは余計にストレスが溜まってしまいます。実は授乳中でも、量や飲むタイミングに気を付ければコーヒーを飲んでも大丈夫なのです。今回は授乳中にカフェインを取ったときの母乳や赤ちゃんへの影響や、1日に飲んでも良い量、コーヒー以外で授乳中に注意したい飲み物や授乳中でも飲んでも良いおすすめの飲み物などを紹介していきます。
目次
授乳中のコーヒーやカフェインの影響が知りたい!
授乳中や妊娠中にコーヒーなどからカフェインを取ると、母乳や赤ちゃんに影響が出ることは広く知られています。でも、毎朝のコーヒーを習慣にしていたママにとって、授乳中に大好きなコーヒーを我慢するのはストレスが溜まってしまうことでしょう。
では授乳中の場合、1日にどれくらいまでならカフェインを取っても母乳や赤ちゃんに影響が出ないのでしょうか?授乳中に飲んでも良いコーヒーの量や赤ちゃんへの影響について見ていきましょう。
授乳中にコーヒーに含まれるカフェインを取った時の影響
それではまず、授乳中にコーヒーを飲むと、母乳や赤ちゃんにどんな影響を与えるのでしょうか?授乳中にコーヒーに含まれるカフェインを摂取した時の影響について解説します。
カフェインの効果
コーヒーを筆頭に、紅茶や緑茶、ウーロン茶などにも含まれているカフェインは、覚醒・興奮作用をもたらし、眠気を覚ましたり利尿効果があることで広く知られています。カフェインによる覚醒・興奮作用によって、自律神経の働きや集中力を高めたり、体内の老廃物を排出したりします。また血流を促進してダイエット効果も得られる期待ができます。
しかしカフェインを摂り過ぎると、不眠や吐き気を訴えたり、心拍数の増加、強い不安感にかられて精神的に落ち着かなくなったりなどの影響が出ることがあります。またカフェインは血中のカリウム濃度を下げて、不整脈や筋肉の細胞の破壊などの可能性もあり、カルシウムが排出されて骨粗しょう症になるリスクが高まると言われています。
母乳に出る影響
コーヒーなどからカフェインを摂取すると、30分から60分後くらいでカフェインの血中濃度が最高まで高まります。その後肝臓で代謝され、6時間ほどで半分ほどに減少します。しかし赤ちゃんは肝臓の代謝機能が弱いので、カフェインを分解するのに時間がかかってしまいます。
授乳中にママが摂取したカフェインが母乳に含まれる量は1%未満と考えられていますが、カフェインの摂取量によっては、授乳中の赤ちゃんに影響が出るほどの濃度になる可能性もあります。授乳中は1日のカフェインの摂取量は常にチェックしておき、コーヒーを飲んだ後は授乳中の赤ちゃんの様子に気を配るのがおすすめです。
生後3ヶ月以内の赤ちゃんに出る影響
授乳中の赤ちゃんがカフェインを摂取すると、興奮して落ち着かなくなったり、情緒不安定になってぐずぐず泣き続けたり、眠れなくなったりなどの影響が現れる可能性があります。特に生後3か月以内の赤ちゃんは、まだ消化器官が発達していないので、カフェインを分解するのにおよそ100時間、3日もかかるといわれています。
授乳中のママが毎日コーヒーを飲んでカフェインを摂取すると、母乳に含まれるカフェインが授乳中の赤ちゃんの体内に蓄積されてしまいます。またカフェインは血管を収縮する作用もあります。
月齢が低いほどカフェインの影響を受けやすいので、特に生後3か月以内の小さな赤ちゃんが授乳中のうちは、カフェインを含んだ飲み物や食料をできるだけ控えたほうが良いでしょう。
生後3ヶ月以上の赤ちゃんに出る影響
生後3か月以上経つと内臓の機能が発達してくるため、授乳中のママがある程度コーヒーを飲んでカフェインを摂取する分には、さほど問題ありません。ただしカフェインの量をたくさん摂取してしまうと悪影響がでる可能性が高いので、妊娠中や授乳中は量を控えめに摂取するのがおすすめです。
授乳中にカフェインを摂取して、1%ほど母乳に移行するのに変わりはありませんが、授乳中の赤ちゃんに変わったことがなければ大丈夫です。授乳中にカフェインを摂取した後は、赤ちゃんの寝つきが悪くないか、特に理由がないのにぐずっていないか、様子を気を付けてみてあげると良いでしょう。
授乳中のコーヒーは1日何杯まで?飲むコツは?
授乳中にコーヒーを飲むと赤ちゃんに影響を与えると紹介してきましたが、コーヒーが好きな人にとって毎朝のコーヒーを我慢するのはとてもつらく、ストレスにもなりかねません。では授乳中は1日にどれくらいまでなら飲んでもコーヒーを大丈夫なのでしょうか?
1日に飲めるコーヒーの目安
授乳中にカフェインを摂取すると、母乳から赤ちゃんに影響を与えますが、すぐに危険になるという心配はありません。むしろ大好きなコーヒーを我慢することで、ただでさえ授乳中という産後の育児で大変な時期ですから、余計にストレスを抱えてしまいがちです。
授乳中のコーヒーは、1日に2~3杯までが赤ちゃんに影響を与えない目安になります。これは世界保健機関WHOがカフェインの最大摂取量を1日300mgまで、コーヒーなら3杯までと推奨していることに基づいています。
授乳中に推進量を超えたからといってすぐに赤ちゃんに影響が出るわけではありませんが、授乳中は母乳からのカフェインの移行量が多くなると、赤ちゃんの寝つきが悪くなったりする可能性があるため、授乳中のコーヒーはできるだけ1日2~3杯までにとどめておくのがおすすめです。
授乳後に飲むようにする
大人がコーヒーからカフェインを摂取して半分の量を分解して排出するまで、5時間かかるといわれます。カフェインを摂取してから15分から2時間の間に、母乳内のカフェイン濃度がピークに達します。授乳中はコーヒーを飲んでから授乳をすることは、できるだけ避けたほうが良いでしょう。
授乳中にコーヒーを飲むなら、授乳直後がおすすめです。コーヒーを飲んでから2時間はカフェイン濃度が高いので、授乳までの間隔をできるだけ空けることで、赤ちゃんへの影響が出ることをなるべく避けたいものです。また、授乳中はできるだけカフェインが少ないコーヒーを選ぶのも良いです。
飲まない日を作る
カフェインを含んでいる飲み物や食べ物は、コーヒーだけではありません。紅茶や緑茶、栄養ドリンク、コーラ、チョコレート、コーヒーやチョコレートを使用した製品などたくさんあります。
知らないうちに1日のカフェイン摂取量が増えているということもあるので、授乳中はカフェインを多く含むコーヒーを飲まない日を作るのも、授乳中の赤ちゃんに与える影響を減らすためにもおすすめです。
最近は、妊娠中や授乳中の方のためにカフェインレスやノンカフェインのコーヒーも多く出回っています。授乳中にどうしてもコーヒーが飲みたいときにはこれらを利用してみるのも良いでしょう。またコーヒー以外のハーブティーなどでリラックスするなど、いろいろ試してみるのもおすすめです。
授乳中にコーヒー以外で注意したい飲み物・食べ物
コーヒー以外にはどんな飲み物や食べ物にカフェインが含まれているのでしょうか?授乳中にコーヒー以外で注意したい飲み物や食べ物を紹介します。
お茶
お茶はカフェインを多く含んでおり、コーヒーのカフェイン含有量が100mlあたり60mgなのに対し、玉露は100mlあたり160mg、抹茶は64mgものカフェインを含んでいます。また紅茶や煎茶、ほうじ茶、ウーロン茶なども20~30mgのカフェインを含んでいます。
玉露や抹茶を除けば、コーヒーに比べるとお茶のカフェインは少なめですが、ある程度カフェインが含まれているので、1日300mgを超えないように気を付けながら飲むのが良いでしょう。
またペットボトルのお茶は1本500mlの場合、商品によって差がありますが、例えば伊右衛門なら濃さに応じて50~90mgものカフェインを含んでいます。ペットボトルは気軽に飲めるのでつい飲み過ぎてしまいがちになるため、特に濃いお茶はカフェイン量も多いので、飲み過ぎないよう注意が必要です。
コーラ
コカ・コーラに含まれているカフェインの量は、日本食品標準成分表によるとレギュラーコーヒーの約6分の1、紅茶の3分の1、煎茶の1/2とされています。コーヒー100mlあたりのカフェイン量は60mgなので、コーラ100mlあたりのカフェイン量は10mgということになります。
1杯当たりに換算すると、コーヒー1杯は180mlが基本なのでカフェイン量は100mgになります。一般的なコカ・コーラの缶は350mlなので、カフェイン含有量は35mgです。またペットボトルのコカ・コーラは500mlなので、1本当たりのカフェイン量は50mgになります。
コーラはカフェイン含有量がコーヒーの6分の1でも、一度に飲む量がコーラのほうが多くなるため、思っているよりカフェインを多く取ってしまいがちです。
栄養ドリンク
栄養ドリンクやエナジードリンクにもカフェインが含まれています。商品によって差がありますが、栄養ドリンクには1本当たり50mg程度のカフェインを含んでいるものが多いです。また「眠眠打破」や「メガシャキ」など眠気をすっきりさせる栄養ドリンクには1本に100~120mgものカフェインが含まれています。
またエナジードリンクには、「レッドブル」1缶250mlには80mg、「モンスターエナジー」1缶355mlには142mgのカフェインが含まれています。いずれも1本に含まれるカフェイン量がコーヒーやお茶よりずっと多いので、栄養ドリンクを飲む場合には、商品表示を必ずチェックしてカフェイン量を確認するのをおすすめします。
チョコレート
チョコレートの原料であるカカオマスには、カフェインが含まれています。明治のミルクチョコレート1枚50gの場合、コーヒー1杯(150g)の約6分の1のカフェイン量を含んでおり、約10mg程度のカフェインが含まれていることになります。またホワイトチョコレートに含まれるカフェイン量は微量で、2~2.5mg程度とされます。
カカオ含有量が70%以上のチョコレートの場合は、ミルクチョコレートの2~4倍のカフェインが含まれいるとされています。板チョコ1枚を食べてしまうと、カフェインだけでなく糖分も過剰摂取になる可能性があります。特に授乳中には、食べる量に注意して少しずつ食べるのがおすすめです。
コーヒー味やチョコレート味の食品
コーヒー味やチョコレート味、抹茶味、紅茶味などの食品やお菓子にも、たいていカフェインが含まれています。食品の中で最もカフェイン量が多く含まれているのはブラックガムで、1枚あたり11mg、100gに換算すると370mgものカフェインを含んでいます。ただしガムなので、一度に摂取する量はさほど多くはなりません。
食品に含まれるカフェインの量は多くありませんが、一緒にコーヒー、紅茶などを飲むとカフェイン摂取量が増えていくので注意が必要です。また頭痛薬や風邪薬にもカフェインが含まれていることがあるので、内容表示に気を付けておきましょう。
授乳中のコーヒーの代わりにおすすめの飲み物
授乳中にはカフェインが多く含まれているコーヒーをたくさん飲めない代わりに、では授乳中にはどんな飲み物を飲んだらいいでしょうか?授乳中でも飲める、カフェインの少ないおすすめの飲み物をいくつか紹介していきます。
麦茶
麦茶は、カフェインを含んでいないノンカフェインの飲み物です。自宅で簡単に自分で作ることもできて手軽に飲めます。ミネラルを豊富に含んでいるので、特に暑い夏など不足しがちなミネラルを摂取することができ、熱中症の予防にもつながるので授乳中にはおすすめです。
また利尿作用も少なく、授乳中だけでなく妊娠中や小さい子供など水分補給するにはぴったりなおすすめの飲み物です。冷たい麦茶をたくさん飲むと、お腹を壊したり冷えの原因になったりもするので、常温やホットで飲むのも良いでしょう。
たんぽぽ茶
たんぽぽ茶とは、焙煎したたんぽぽの根から作られたお茶で、別名たんぽぽコーヒーとも呼ばれるノンカフェインの飲み物です。たんぽぽにはクロロゲン酸化合物が含まれているため、見た目や風味がコーヒーに似ていると言われますが、味はどちらかというと麦茶に近いようです。
二日酔いや肝臓、便秘にも効果があるといわれており、漢方では他の生薬と一緒に煎じて飲まれることもあります。またたんぽぽの根含まれるタラキサシンは、母乳の出を良くする効能があるといわれており、授乳中にぴったりです。鉄分やビタミンなどの成分も豊富で、授乳中のママや赤ちゃんどちらにも良い影響を期待できます。
カフェインレスコーヒー
最近ではデカフェと呼ばれるカフェインレスのコーヒーが人気を集めています。カフェインの入ったコーヒー豆からカフェインを取り除いたもので、ノンカフェインとは違いほんのわずかにカフェインが残っています。
カフェインを97%カットしたネスカフェの「ゴールドブレンドカフェインレス」や、ノンカフェインバージョンのアーマッドのアールグレイ、カフェインゼロのペットボトルの緑茶など、手軽に変えて自宅でも楽しめる商品があるほか、デカフェのコーヒーを注文できるお店もあり、お友達と気兼ねなくカフェタイムを楽しむこともできます。
ハーブティー
ハーブティーは大半がノンカフェインのため、コーヒーの代わりにティータイムで楽しんでリラックスするのにおすすめです。ただし、マテ茶のように微量ですがカフェインを含んでいるものがあり、さらに授乳中には避けておいたほうが良いハーブティーもあるので、ハーブの種類に気を付けて楽しむのが良いでしょう。
ティータイムに2~3杯飲む分には問題ありませんが、たくさん飲む場合は成分表示をきちんとチェックしておくことが大切です。
授乳中はカフェイン量に気をつけてコーヒーを楽しもう!
授乳中にコーヒーは1日どれくらいまでなら飲めるのか、また母乳や赤ちゃんに与える影響、カフェインを多く含んだ飲み物や授乳中でも飲めるおすすめのカフェインレス飲料などを紹介してきました。
コーヒーは授乳中だからと我慢しなくてもよく、量に気を付けて授乳の後に飲むなど工夫をすれば、授乳中でも問題なく飲むことができます。カフェインのバランスをうまく取って調整しながら、ティータイムにコーヒーを楽しんで、育児疲れやストレスで疲れた心をリラックスさせましょう!