2019年04月18日公開
2024年09月12日更新
ビーフィーターは初心者向けジン?おすすめの銘柄/飲み方/カクテルを紹介
ビーフィーターはロンドン発のポピュラーなジンとして、いまや日本でも人気の銘柄となっています。そのビーフィーターは初心者向けのジン?という疑問があります。ビーフィーターは知名度が高いジンで、それが初心者向けのイメージを作り出しているのかもしれません。けれども、ビーフィーターは実は辛口でクセのある味でもあります。この記事では、ビーフィーターの味や香り、あるいは9種類のボタニカルを使用した製法などを紹介していきます。ジントニックなどの、おすすめの飲み方も併せて紹介します。
目次
ビーフィーターとは?
ビーフィーターとは?ロンドン発のドライ・ジンの一種です。ラベルに描かれた、屈強な兵士である、赤い制服をまとったビーフィーターの姿で、あまりにも有名なロンドン・ドライ・ジンになります。
ビーフィーター社の創立者であるジェームス・バローは、自分が丹精込めて造り上げた、芳醇で力強い風味をもつドライ・ジンの銘柄に、ビーフィーターのイメージを重ね合わせたものと思われます。
ロンドン発のポピュラーなジン
ビーフィーターは、ロンドン発のポピュラーなドライ・ジンになります。かつては、ジンはカクテルのベースとして知られているくらいでしたが、近年ではジンをいろいろなシチュエーションで、ふつうに飲むシーンが見受けられるようになってきました。
近親感がグンと増したなかで、知名度の高い本格的なドライ・ジンとして、ビーフィーターは人気を博しています。ビーフィーターとは、イギリス王政で重要な役割を果たしてきたロンドン塔を守護する「ヨーマン・ウォーダーズ」(通称ビーフィーター)と呼ばれる、屈強な兵士のイメージに重ねて銘柄名が付けられました。
ビーフィーターは歴史ある銘柄
ビーフィーターは、1820年に発売された、歴史のあるロンドン・ドライ・ジンの製品銘柄です。イギリスのビーフィーター社の確立されたブランドでもあります。薬剤師であった創業者のジェームス・バローが考案した、オリジナルレシピによって現在でもビーフィーターは造られています。
しかし、現在ではフランスに本社がある世界的酒造メーカー「ペルノ・リカール」の傘下に入って、営業されています。また、日本におけるビーフィーターの輸入及び国内販売権は、サントリーが取得して、営業販売を行っています。
ビーフィーターの香りや味
創業者ジェームズ・バローが生み出した、ビーフィーターのオリジナルレシピについては、細部にわたる部分は明らかにされていません。ビーフィーターの香りや味は、トウモロコシと大麦を発酵、蒸留した蒸留酒をベースに、ジュニパー・ベリーやコリアンダーなどで、風味付けがなされています。
ボタニカル成分の浸透を図るために、アルコール度数は最低40%以上で製品化されています。ジュニパー・ベリーの芳醇な香りとスッキリ爽やかで力強い味が、ビーフィーターの特徴です。
ビーフィーターの度数
前章で述べたような香りづけの製法上の理由から、ビーフィーターのアルコール度数は、ほぼすべての銘柄がアルコール度数40%以上となっています。通常のビーフィーター銘柄は2種類あって、アルコール度数は40%と47%です。
プレミアム・ジンとして製造されている銘柄の「クラウン・ジュエル」は、50%のアルコール度数となります。この基本的なアルコール度数の高さも、香り高いビーフィーターの特徴と言えます。
ビーフィーターのボトルは特徴的
ビーフィーターのボトルは特徴的です。ロンドン塔を守護する、赤い制服をまとった屈強な兵士のラベルは、いまやロンドン・ドライ・ジン「ビーフィーター」の代名詞となっています。少し角ばった武骨ともいえるボトルのフォルムも、いかにもイギリス風で、フランスやイタリアのようなオシャレというよりは、素朴な感じさえします。
また、それがいかにもビーフィーターの香りや味とも結びついていて、違和感が少しもありません。限定販売の「ロンドンシネマボトル」の絵柄も、赤い制服こそ変わっていますが、全体のボトルコンセプトは何も変わっていません。
9種類のボタニカルを使用
ロンドン・ドライ・ジンのビーフィーターは、ジンの香りを決定づけるボタニカル(香料植物)として、代表的なジュニパー・ベリーをはじめ、オレンジの皮やレモンの皮、コリアンダーなど、すべてで9種類のボタニカルを使用しています。
これら9種類のボタニカルを蒸留前に、24時間浸漬させることによって、多彩な香りをジンに含ませることができるのです。ビーフィーターの芳醇な香りと力強い風味は、多くの種類のボタニカルによって生まれます。
ビーフィーターの製法
ビーフィーターの製法は、9種類ものボタニカルを使用した独特のものです。ビーフィーターの香りづけの方法は、前章でも触れたように、蒸留前にボタニカルをグレーンスピリッツへ24時間丸1日浸漬させる製法にあります。
そして、浸漬される側のグレーンスピリッツも、高品質・高純度のものを使用していることで、ビーフィーターの特徴である、切れ味鋭い洗練された風味と多彩な香りをもったドライ・ジンを生んでいるのです。
ビーフィーターは初心者向けのジン?
ロンドン発のドライ・ジンであるビーフィーターは、たしかに知名度も高く人気のジンです。けれども、本当に初心者向けのジン?というと、ちょっと異議あり!ということになります。
知名度が高い銘柄
ビーフィーターは知名度も高く、メジャーな銘柄のドライ・ジンです。たくさん種類のあるジンの中のスタンダードと言ってもよく、ウオツカで例えるのなら「スミノフ」であり、ラムで言うのなら「バカルディ」のような存在になります。知名度が高いことから、ジン初心者にも手が出しやすいとも言えます。
けれども、ビーフィーターがジン初心者には、少し骨っぽいジンであることもたしかです。ビーフィーターは甘みが少なく、鋭い切れがあります。ジンの特徴である、ジュニパー・ベリーの香りも強めです。これらの要素が、ジン初心者に受け入れられやすいとは思えませんが、どうでしょうか?
実は辛口
ビーフィーターは実のところ、辛口のジンになります。いわゆるジンらしいジンと言ってよい銘柄です。カクテルに向いているのは、その所為もあります。したがって、ビーフィーターを初心者が最初のジンとして口にした場合、いきなりハマる可能性もありますが、これがジン?となって敬遠される可能性も十分に考えられます。
初めてゴルフ場デビューを果たした初心者が、シングルプレーヤーと勝負を競うような危惧を覚えるのも正直なところです。
初心者には癖のある味
どんな道でもそうですが、何かの初心者には少し手加減した入門方法がおすすめになります。その意味でビーフィーターは、仮にジントニックなどで飲んだとしても、正直に言って初心者には、癖のある味と言わざるを得ません。
まだジンに慣れていない初心の人には、ビーフィーターの辛口の味とアルコール感だけが、残像のように記憶に残ってしまうのではないでしょうか。あくまでも、ジン愛好の立場で言うならば、初心者にはもっとおすすめのジンがあります。
ビーフィーターの初心者におすすめの銘柄
ジンのスタンダードである、ビーフィーターの初心者におすすめの銘柄種類を紹介します。おすすめできるジンは、風味が柔らかでアルコール感がきつくないタイプになります。
ゴードン ドライジン
ビーフィーターと同じように知名度の高いジンで、おすすめの銘柄は、少しアルコール度数も低めの「ゴードンドライジン」です。容量が700ml、アルコール度数は37.5%で、価格は1,098円になります。値段もリーズナブルですが、まろやかな味のジンです。
それでいて、ジュニパーの香りはしっかりと感られる、ジンらしいジンでもあります。アルコール度数も、ジンとしてはひかえめな種類で、初心者向きと言えます。
ヘンドリックスジン
少し風変わりな、おすすめのジンの銘柄種類は「ヘンドリックスジン」です。容量は700ml、アルコール度数は44%で、価格は3,002円になります。キュウリとバラで香りづけをした、変わりダネのジンでとにかく爽やかな風味があります。
ヘンドリックスは、口当たりがスムースでクリアーな味わいです。飲み干した余韻には、青草のような清々しいものが残ります。あまりの口あたりの良さに、それほどアルコールが強くない人でもストレートで飲めてしまうほどです。
タンカレーNo.10
ジン初心者から1歩前へ踏み出したい方に、おすすめな種類の銘柄は「タンカレーNo.10」です。容量は700ml、アリコール度数が47.3%と高めで、価格は2,268円になります。オレンジなどのフレッシュボタニカルを使用し、伝統製法で少量蒸留という丁寧に造られた、最高品質のプレミアムジンです。
タンカレーNo.10は、芳醇で品のある香りが、エレガントな爽やかさを呼ぶジンとなります。アルコール度数も高く、ビーフィーターとはまた違う意味で、ジンらしいジンを味わうことができます。
ビーフィーターのおすすめの飲み方
ビーフィーターをはじめ、ジンにはクセがあります。むしろ、クセがあるからこそ根強いファンもできるのです。そんなビーフィーターの、おすすめな飲み方を紹介していきます。
お洒落な瓶のままストレートで
ビーフィーターは、他のジンと比較してもクセのなさが、カクテルなどの飲み方に向いている理由です。けれども、クセの少なさはビーフィーターをストレートで飲む、飲み方にも向くということでもあります。冷蔵庫で冷やして飲めば、とろみが出る上にジュニパー・ベリーの香りも抑えてくれます。
ロックで飲む、氷で冷やす飲み方よりも、冷蔵庫であらかじめキンキンに冷やした上での、ストレートの飲み方は口当たりも香りも最高のジンを楽しめます。
ライムやレモンをプラス
ビーフィーターの飲み方としては、カクテルやロック、ストレートといろいろあります。ビーフィーターは柑橘系との相性が抜群です。そんなことから、レモンやライムのスライスを加えることで、ビーフィーターはさらに飲みやすいジンとなります。元々のビーフィーターにある、爽やかな切れ味が、一段と増す飲み方であることが分かります。
カクテルのベースに
ビーフィーターがジントニックなどの、カクテルのベースの飲み方に向くことは再三述べました。風味を主張しすぎないのも、ビーフィーターの特徴です。そんなことから、甘いカクテルを楽しむ、飲み方のベースとしておすすめになります。
基本的にフルーツとの相性は抜群ですから、トロピカルジュースを使って、いろいろな種類のオリジナルカクテルを作り上げる、飲み方もおすすめです。
ビーフィーターのおすすめカクテル
カクテルこそ、ビーフィーターを活かす真骨頂と言えます。ここでは、ビーフィーターを使用した、おすすめのカクテルをいくつか紹介します。
人気のジントニック
ビーフィーターを使って作る、人気のカクテル「ジントニック」です。ジントニックは、もっともポピュラーなカクテルの一つでもあります。ジントニックは、ビーフィーターとトニックウォーター、ライムスライスで作ります。
ジントニックは、ドライ・ジンとしてビーフィーターの特徴が、もっともよく活かされたカクテルとも言えます。自己主張をあまりしないビーフィーターが、ジントニックではカクテルとして、強く自己主張しているとも思えます。
手軽で飲みやすいジンバック
ジントニックに続いて、おすすめしたいカクテルが「ジンバック」です。飲みやすく、しかも手軽に作れるジン・バックは、ビーフィーターとレモンジュース、ジンジャーエールで作ります。氷を入れたグラスに軽くそそいで、そっとステアします。
シンガポールスリング
トロピカルカクテルの傑作と言われる「シンガポールスリング」です。シンガポールスリングの作り方は、ビーフィーターとフレッシュレモンジュース、砂糖をシェイクして、氷を入れたグラスにそそぎます。ソーダで満たしたら、そっとステアします。
好みで、リンゴやレモン、レッドチェリーを飾ります。シンガポールスリング出された女性が、うっとりとする光景が目に浮かびます。
青い珊瑚礁
ミントの甘い香りと爽快さが複雑にからんだ「青い珊瑚礁」です。青い珊瑚礁の作り方は、ビーフィーターとグリーンペパーミントをシェイクし、カクテルグラスのふちをレモンの切り口で濡らしてから、そそぎ入れます。マラスキーノチェリーを沈めて、ミントの葉を飾ります。爽やかで、美しいカクテルです。
ビーフィーターをジントニックにして風味を愉しもう!
ロンドン・ドライ・ジンのビーフィーターについて、香りや味をはじめ、いろいろな特徴を紹介してきました。ビーフィーターが初心者向けかどうかとか、初心者におすすめのジン銘柄や、ビーフィーターのおすすめの飲み方などに至るまで詳しく解説しました。
また、ビーフィーターを使ったおすすめのカクテルも紹介しました。この記事を参考にして、ビーフィーターをジントニックにして風味を楽しもう!ではありませんか。