2019年04月13日公開
2024年09月11日更新
湯引きの方法!魚の生臭さが取れる?煮魚など湯引きレシピ5選
湯引きはどのようにおこなうか知っていますか?湯引きは簡単に言えば熱湯をかけて冷やす調理方法のことです。湯引きをおこなうことによって魚などの生臭さを取り除くことができ、その後のレシピでは生臭さが気にならず食材の味をしっかりと味わうことができます。煮魚など湯引きをおこなわないと臭いにおいが残ってしまいます。今回は湯引きについて紹介していきます。湯引きの方法、霜降りとはなにか、湯引きを使ったレシピを紹介します。
湯引きは素材を活かす料理法
魚を調理する際に気になることはありますか?捌き方や美味しい食べ方などいろんな気になることはありますが、魚の生臭さが残ってしまうということも気になるポイントでしょう。せっかく美味しく味付けをしても魚の生臭いにおいが残っていると味や風味の邪魔をしてしまって美味しさが半減してしまいます。
魚の生臭いにおいは時間がたつごとに強くなっていってしまいます。そのため新鮮な魚をその日のうちに煮魚にしたり焼いたりと調理をしてしまうことは基本です。
それに加えて今回は、魚を調理するうえで生臭さを取り除くための湯引きについて紹介していきます。湯引きは魚だけに使い調理法方ではなく、お肉にも使える調理方法になります。
湯引きとは?
湯引きとはどのような方法かを、まずは見ていきましょう。湯引きとはどのような方法か、湯引きをおこなう食材を紹介します。
生の食材の嫌な臭いを取る
魚の嫌な生臭いにおいはなぜ発生するのかというと、魚の身に残っている血液中のトリメチルアミンオキサイドが分解されてトリメチルアミンという成分が原因になります。トリメチルアミンは特性として気化しやすい、水に溶けやすいです。
そのため、揚げたり焼いたりすると成分が揮発しやすいですし、臭い原因になる血合いもなくなるので生臭いにおいは残りにくくなります。ですが、煮魚などは煮汁に成分が溶けて残ってしまいますし、調理する過程で臭みが取り除かれることもありませんので嫌な臭いが残りやすくなってしまいます。そこで湯引きをおこなって生臭さを取り除きます。
殺菌消毒をする
湯引きは、食材を調理する前に熱湯をかけてすぐ冷やす方法、熱湯にくぐらせる方法になります。湯引きで血合いや嫌な臭いの成分を落とす下処理をおこないます。熱湯で熱を表面にだけ通す方法で、熱を通したあとは冷水でしっかりと身を冷まして引き締めます。
生臭さは食材の美味しさを邪魔してしまいますが、湯引きをおこなって生臭さを取り除くことで食材の本来の美味しさを味わうことができます。
また、湯引きでは食材の表面の殺菌消毒も兼ねています。刺し身の一種として湯引きが扱われることもあります。安全に食材を食べることができるように生み出された方法でもあります。
湯引きと霜降りの違い
霜降りは、食材の表面が白くなった状態をいいます。魚や肉は熱が加わると白っぽくなります。この状態が霜降りに見えるので、霜降りと言われています。湯引きの工程自体が霜降りと言われることもあります。
湯引きは食材に少し熱を通して臭みの元を取る方法になります。湯引きは調理方法のことをいい、霜降りは状態のことをいいますが、工程自体が霜降りと言われたりもします。
魚だけじゃなく肉も湯引きする
湯引きはアラを調理したり、タイやハモの刺し身をつくったりする際に使われる方法です。魚だけでなく鶏肉にも湯引きは使われます。
魚の臭みを取る下処理である湯引きは、煮魚や鍋をつくるには欠かせません。タイやブリのあら調理をする際には湯引きをおこなうことで汁もにごりにくくなりますし、生臭さが減りますので湯引きはぴったりの調理方法になります。
刺し身の霜降りとして湯引きがおこなわれ、臭みを取る、殺菌する、中まで火が通っていないので食感を楽しむことができます。湯引きがおこなわれる魚は、タイ・コイ・ふぐ・ハモなどがあります。
お肉では半生の状態で新鮮な鶏肉やミノが湯引きされます。お肉の臭みが気になる場合は汁物にする際の汁の濁りが気になる場合などにも、湯引きを下処理でおこなってから調理される場合があります。霜降りにしたミノは熱を加えすぎないのでやわらかな食感になります。中華料理では鶏の羽をとりやすくするために湯引きがおこなわれるようです。
湯引きの方法
実際に湯引きの方法を見ていきましょう。湯引きは熱湯を使う方法になりますが、熱湯に入れる方法と熱湯をかける方法があります。
熱湯にくぐらせる方法
まずは熱を通したあとに冷やす冷水を用意しておきます。鍋にお湯を沸かしてから食材を熱湯にくぐらせます。お湯にくぐらせる時間は、しっかりと鱗を落とした皮を熱湯にさっとくぐらせていきますが、魚の皮の厚みによっても時間が変わります。箸で持った際に皮が丸まることがなく、だらっと垂れ下がりはじめた直後くらいがいいでしょう。
熱湯に通したら冷水につけて熱がこれ以上通らないようにします。熱の通り加減を確認してもう少しだった場合には少し鍋の外で時間をおいて冷水にいれましょう。だいたいの火の通り加減はお湯にくぐらせている時間でおこなってから、少しの微調整は冷水に入れる時間でおこなってみてください。
上から熱湯をかける方法
鍋ややかんに90℃~95℃の熱湯を沸かします。食材をザルやトレイ、まな板に並べ、食材の両面にまんべんなく熱湯をかけていきます。食材の表面全体が白っぽくなったら完成になります。
お湯が熱すぎると魚の皮がやぶれてしまう場合もありますので、沸騰する直前か沸騰したお湯に水を差して使ってみてください。
氷水で血合など汚れを取りしめる
氷水は湯引きを始める前に用意しておきます。熱湯から出した食材をすぐに氷水に入れれるようにするためです。ボウルに水か塩水を入れて氷を浮かべておきます。
氷水の中で食材のヌメリや血合い、鱗をきれいに取ることで生臭さをなくして身を引き締めます。美味しさも閉じ込められますのでしっかりと丁寧におこなっていきましょう。
水気をしっかり拭き取る
湯引きをおこなって氷水での処理が終わった食材はキッチンペーパーなどをつかってしっかりと水分を拭き取りましょう。水分をしっかりと拭き取ると調理をする際に味の染み込みもよくなります。油で揚げる場合には油がハネたり酸化するのを防ぐことになります。
湯引きをしたレシピ5選
最後に湯引きをしたレシピ5選を紹介していきます。煮魚など湯引きが活用できるレシピがいろいろとありますので、素材を引き立てる調理法の湯引きを活用してみてください。
サバの味噌煮
- さば4切れ(400g)
- 水1カップ
- Aお酒・みりん2分の1カップ
- A砂糖大さじ2
- A醤油大さじ2分の1
- 味噌70g
- さばはペーパータオルをかぶせて上から熱湯をかけ湯引きします。
- 鍋にAの材料を混ぜて合わせて煮立たせ、さばを重ならないように並べて中火で3分ほど煮ます。
- 味噌を煮汁2分の1カップほどでとき入れて紙ぶたをして弱中火で5分~6分煮ます。
- 煮汁がとろっとするまで煮こんだら4人分の完成です。
鯛のあら汁
- 鯛のあら2匹分
- 塩適量
- 大根4分の1本
- 万能ネギ適量
- 味噌40g~
- お酒50cc
- みりん大さじ2
- 薄口醤油大さじ2
- 水700cc
- 昆布10g
- 鰹節2つかみ程度
- 鯛のあらにはきつめに塩をしてから30分程度おいておきます。80℃くらいのお湯をかけて冷水で冷まし鱗と血合いを流し湯引きしましょう。
- 鍋に水と昆布をいれて出汁をとります。沸騰直前に鰹節を入れてから火を止めて10分ほどおいて、こします。
- 出汁をとった鍋に鯛といちょう切りにした大根とお酒を入れて火にかけましょう。
- 沸騰したら弱火にしてアクとにごりをとります。
- 大根に火が通ったら味噌を溶かして、みりんと薄口醤油も入れます。
- 器に持って万能ネギをちらして4人分のレシピの完成です。
鶏ささみの和え物
- 新鮮なささみ3本
- 紫蘇5枚~6枚
- ネギ少し
- わさび少し
- だし醤油少し
- 鍋にお湯を沸騰させてささみを1本ずつ湯引きします。表面が白くなったらあげましょう。
- ささみの筋をとってから食べやすい大きさにそぎ切りにします。
- 薬味をかけて、だし醤油をかけて完成です。
冷たいハモの湯引き
- 生のハモ1匹
- 片栗粉少し
- 梅干し(南高梅)大きいの2個
- みりん大さじ1
- お酒小さじ1
- ハモは3cmくらいにカットして片栗粉を薄く軽くかけます。南高梅は種をとってから包丁で叩いて調味料を混ぜ合わせます。
- お湯に塩を入れて沸騰させ、ハモをお湯にさっと入れて身がそりかえるようになったら氷水で冷やします。
- 器に氷砕いて氷水で締めたハモをのせて南高梅を載せたら完成です。
鯛の湯引き
- 鯛やチヌ半身
- お好みのつま(大根・大葉など)適量
- 鱗と骨を取った魚の皮に、包丁で薄く縦と横に切れ目をいれます。
- ザルに入れて熱湯をさっとかけて湯引きします。氷水で身を締めましょう。
- キッチンペーパーなどで水気をしっかりと切り、5mm程度の食べやすい大きさにカットします。
- 器にもって好きなつまを飾り完成です。わさびや醤油で食べましょう。
湯引きの一手間でさらに美味しく食べられる!
湯引きは食材の生臭さを取り除く調理方法です。煮魚は煮汁も使うことで生臭さが気になったりします。簡単な手間で素材の味を楽しめたり、生臭さを消すことができますので、煮魚など湯引きが活用できるレシピで実践してみてください。