生くるみとは?生のくるみの食べ方やローストくるみとの栄養の違いなど
くるみというと通常はローストくるみが多く、生くるみを食べることは少ないのではないでしょうか?そもそもくるみは生で食べて大丈夫なのでしょうか?実は生くるみにはローストくるみよりも多い栄養が含まれていて、さまざまな健康効果が期待できるのです。そんな生くるみは栄養の多さから摂取量に注意が必要なくらいなのです。生くるみの持つ栄養やさまざまな健康効果を始め、その味や上手な割り方に保存法、おすすめの食べ方やレシピも紹介します。
目次
生くるみってどんなくるみ?
生くるみとは読んで字のごとく、生のままのくるみのことをいいます。私たちが普段ミックスナッツなどで食べているくるみは、すでにローストして加熱処理されたくるみです。そもそも生のくるみを生で食べても大丈夫なのかと不安になりますが、実はローストしたくるみよりも栄養が多いというのです。
ですが生くるみは硬い殻で覆われていて、殻を割らないと食べることもできません。そんな生くるみの上手な殻の割り方も含め、生くるみの持つ栄養効果や保存法、美味しい食べ方やおすすめのレシピなどを紹介していきます。
生くるみとは?
生くるみとは先ほども紹介したように、生のままの状態のくるみです。日本ではすでに剥かれてローストされたくるみが一般的で、殻付きの生くるみは滅多に目にすることがないものです。実は生くるみはそのまま食べることができるというのですが、その食感や味は一体どのようなものなのでしょうか?
殻と食べられる部分
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生くるみを覆う殻はもちろん食べることができないため、割って剥く必要があります。殻を割ると出てくるのが、ミックスナッツでもおなじみのあのデコボコの中身です。つまりくるみは、殻を割ったら出てくる中身全てが食べられる部分、ということになります。
私たちが普段食べているくるみとは、「仁」と呼ばれる種の核の部分になります。つまりくるみが芽を出すために栄養を溜め込んだ部分を食べているのです。そのためくるみには豊富な栄養と健康効果が詰まっているのであり、生くるみはその栄養をそのまま摂ることのできる健康食ということになるのです。
食感
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ローストくるみは加熱することによってカリッとした、歯ごたえのある食感になっています。では加熱をしていない生くるみの食感はどうなのでしょうか?
生くるみの食感はローストくるみと違って柔らかい食感を楽しむことができます。通常のナッツやローストくるみと違って食感の主張が穏やかなので、ヨーグルトやケーキ、アイスクリームなどのトッピングに使っても食感が邪魔することなく、適度な歯ごたえで楽しむこともできます。
味
ローストくるみは加熱された際に、歯ごたえのある食感のほかにも香ばしい香りがつくのが特徴です。では加熱されていない生くるみはどうかというと、柔らかい食感の中にほのかな甘味が感じられるだけでなく、くるみ本来の素朴な味わいが楽しめます。
海外では生くるみが殻付きのまま売られていることも多く、生のまま殻を割って食べるほうが主流といいます。くるみ本来の味が楽しめる食べ方のためか、くるみ好きにとってはつい食べ過ぎになりやすい、くるみを味わうのにもっとも適した食べ方でもあるのです。
生くるみの殻の割り方
生くるみを食べるのに最大の障害ともいえるのが、その硬い殻でしょう。生くるみをできるだけ潰さない殻の割り方とは、一体どうしたら良いのでしょうか?生くるみの上手な殻の割り方とそのコツのほか、生くるみの効果の高まる食べ方や、食べる前のおすすめのひと手間などを紹介します。
生くるみを食べるときの最大の障害である殻の割り方は、専用のくるみ割り器を使うと上手に割りやすいです。くるみ割り器にもペンチのようなタイプやハンマーのようなタイプなど、さまざまな形があります。使用法もくるみ割り器によって異なるので、説明書をよく確認して使いましょう。
くるみ割り器をつかった生くるみの割り方のコツは、生くるみの殻の合わせ目にくるみ割り器の歯を当てることです。生くるみの殻の合わせ目は柔らかく、別の生くるみの合わせ目を当てて握ると、コツさえ掴めば素手でも割ることができるくらいなのです。
くるみ割り器も無い、素手で割るのも無理、という場合には、生くるみを一晩水に浸けておいて殻を柔らかくしてから、フライパンで炒る割り方もあります。
この割り方の場合、フライパンで軽く炒るとくるみの殻の合わせ目に隙間ができます。粗熱をとったら、その隙間にドライバーなどを差し込んで開ける割り方です。時間はかかりますが道具が無い場合にはおすすめの割り方です。
生くるみの食べ方
生くるみはナッツの仲間だけあって、豊富な栄養を持っています。そんな生くるみの栄養効果を高める食べ方としては、食べるタイミングもとても大切です。生くるみの効果を高める食べ方は、食前に少量食べるのがおすすめです。
生くるみを食前に食べると、くるみに含まれた豊富な脂肪分や食物繊維のおかげで、食べ過ぎる前に満腹感を感じられるようになります。くるみを使ったダイエット法がまさにこれで、くるみによる栄養補給と食べ過ぎ予防を兼ねた食べ方なのです。
ソークの方法
生くるみの食べ方には、ソークとローストという2つの食べ方があります。ソークとはレシピというより、生くるみの下ごしらえのことを指して言います。具体的には剥いた生くるみを2時間以上水に浸しておくのです。水の色が黄色や茶色に変わればちゃんとソークできた証拠です。
ソークするのにはちゃんと意味があります。生くるみには活きた酵素だけでなく、酵素抑制物質も含まれているのです。この酵素抑制物質をそのままにしておいては、酵素を摂っても打ち消されてしまいます。ですが水に浸けておくことでこの酵素抑制物質を中和することができるのです。
何時間も水に浸けておいたら味が落ちるのかと心配になるかもしれませんが、浸水による味の劣化は起こりませんので、ソークした生くるみもそのまま美味しく、レシピにも使ったりして食べることができます。
ローストの方法
生くるみのもうひとつの食べ方であるローストは、剥いた生くるみをソークすることなく、そのままフライパンで炒りあげるだけの簡単なレシピで作れます。フライパンで炒るだけでなく、トースターでローストするレシピもあります。
ローストする食べ方に慣れた人には、ローストならではの香ばしさが欲しくなることもあるでしょう。そんなときは生くるみをフライパンで香ばしく炒って、ローストくるみにしてから食べたりレシピを楽しんだりすると良いでしょう。
生くるみの栄養と効果
生くるみには豊富な栄養と健康効果があります。特に生くるみは、くるみ本来の栄養素をそのまま摂れるのが魅力です。生くるみの持つ主な栄養とその健康効果についてまとめてみました。
ポリフェノール
生くるみには豊富なポリフェノールとビタミン、ミネラルが含まれています。ポリフェノールは抗酸化物質として体の老化を防ぐ効果が有名ですが、生くるみには他にも抗酸化ビタミンであるビタミンCやビタミンEも含まれています。
さらに疲労回復効果のあるビタミンB1や、アレルギーの予防や肌や髪の健康を守るビタミンB6といったビタミン類に、カルシウムの吸収を助け骨を作るマグネシウムや、貧血予防に効果のある鉄といったミネラル類も豊富に含まれているのです。
脂肪酸
生くるみには良質な脂肪分も含まれています。生くるみはその70%近くが脂肪分であり、リノール酸やオメガ3系脂肪酸と呼ばれる不飽和脂肪酸の一種で、体内で合成できない必須脂肪酸を豊富に含んでいるのです。
特にこのオメガ3系脂肪酸のひとつであるα-リノレン酸の含有量が他のナッツ類と比較しても群を抜いています。このα-リノレン酸はその10%~15%程を体内でDHAやEPAに変換することができるため、記憶力の向上や脳機能の強化による認知症の予防などに効果が期待できます。
さらにこのオメガ3系脂肪酸には血栓ができるのを予防するだけでなく、コレステロール値を下げて動脈硬化を予防するといった働きもあるため、生活習慣病の予防にも効果が期待できるのです。
食物繊維
生くるみには食物繊維も豊富に含まれています。食物繊維といえば便秘の解消が真っ先に浮かびますが、腸内環境を良くすることで基礎代謝の向上や免疫力の強化、デトックスや美肌に導く美容効果など、ダイエットや美容にも欠かせない栄養素なのです。
免疫力の効果はもちろん生活習慣病の予防にも効果的です。デトックス効果によって体の有害なものを排出するため、アンチエイジングにも効果があります。生くるみにはこれだけの栄養と健康効果が詰まっているのです。
生くるみとローストくるみの栄養の違い
生くるみとローストくるみに栄養の違いがあるのでしょうか?実は生くるみとローストくるみには、栄養に明確な差があるのです。くるみをローストすることで栄養にどんな違いが出るのかまとめてみました。
生くるみは栄養価が高い
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生くるみはくるみがもっている栄養をそのまま持っています。そのためくるみの含む栄養を何一つ欠くことなく、豊富な栄養をそのまま摂取することが可能です。ではローストすることによって、くるみの持つ栄養はどのように変化するのでしょうか?
ローストで減少する栄養
生くるみをローストすると、ビタミンKやビタミンE、そしてくるみの栄養の中でも特に重要といえるα-リノレン酸が酸化して減少してしまいます。いずれも熱に弱い栄養ですが、α-リノレン酸が減ってしまうことは大きな損失といえます。さらに酸化した油は健康にも良くないだけでなく、栄養の吸収も悪くなってしまいます。
ですが減ってしまう栄養があるとはいえ、全ての栄養が減っているわけではありません。増えている栄養というのもあるのでしょうか?
ローストで増加する栄養
生くるみをローストした場合、増える栄養もあるのです。ポリフェノールや食物繊維、カリウムにビタミンA、ビタミンCは増加するのです。特にポリフェノールは生のときの2倍にまで増えます。このことから欲しい栄養が何かで、くるみを生のまま食べるかローストするか決めるのも良いでしょう。
ただし注意したいのが、ローストすると酸化しやすくなる点です。そのため含まれる脂肪分も酸化されてしまい、動脈硬化を起こす原因にもなってしまうのです。ローストくるみは早めに食べきるようにしましょう。
生くるみの1日の摂取量
生くるみが健康に良いのはわかりましたが、摂取量などに注意点はあるのでしょうか?生くるみを食べるときの1日の目安となる摂取量と、食べる際の注意点を調べてまとめてみました。
生くるみは栄養の塊ですが、1日の摂取量に制限は無いのでしょうか?もちろん生くるみの摂取量には制限があります。生くるみはその70%近くが脂肪分のため、カロリーの摂取量過多に注意が必要なのです。
生くるみのカロリーは1個を約4gとして計算した場合、27kcalという高カロリー食品でもあるのです。そのため1日の摂取量の目安は、5粒程度の約20gに抑えるよう注意しましょう。それでも135kcalとなり、ご飯100g(168kcal)よりも少し少ない程度なのです。
くるみは美味しくて栄養も豊富なため、ついつい食べ過ぎになりがちです。きちんと量を量って、摂取量を守って楽しむよう注意しましょう。
生くるみのカロリーに注意
先にも紹介したように、生くるみは高カロリー食品です。生くるみ100gあたりのカロリーは674kcalとなるため、ほぼ1食分のカロリーに匹敵することになります。いくら栄養豊富とはいえ、このカロリー量には当然摂取量を決めて守るよう、注意する必要があります。
先にくるみダイエットについて触れましたが、食前に食べる生くるみの摂取量にももちろん注意が必要です。特にお腹が空いているときはついつい食べ過ぎになりがちなので、必要量を出したら残りはしまうなど工夫をすることで、摂取量過多にならないよう注意すると良いでしょう。
食べ過ぎるとどうなる?
生くるみを食べ過ぎると一体どんな副作用があるのでしょうか?問題となるのはその脂肪分の多さです。脂肪摂取過多により、肌荒れや吐き気、軟便といった症状が出ることがあるのです。さらにげっぷが何かと出たり、鼻血が出ることもあります。摂取量をきちんと守って、注意して楽しみましょう。
生くるみの保存
生くるみはどのように保存したら良いのでしょうか?すでに剥いてしまった生くるみと殻つきでは、当然保存方法も変わってきます。生くるみの上手な保存方法について紹介します。
保存方法
生くるみを保存する場合、すでに剥いてある生くるみは空気を抜いた密封袋に入れて、冷蔵庫で保存しましょう。ローストくるみの場合は冷暗所でも保存できますが、生の場合は冷蔵庫での保存が一番です。
また生くるみは冷凍保存も可能です。とくに殻つきのものは長く保存できるため、すぐに食べない分は剥いたりせずに、そのまま殻ごと密封容器に入れて冷凍しておくのがおすすめです。
保存期限
生くるみの冷蔵庫での保存期間は、決まった期間はないものの酸化しやすいため、1ヶ月以内に料理レシピにも応用するなどして、食べきるようにしましょう。冷凍の場合は1年ほど保存しておくことが可能です。
ただしソークした後の生くるみは、密封容器に入れて冷蔵庫で保管しても、保存期間は1週間ほどになります。摂取過多にならないように、ソークする量はきちんと計算した上で処理するように注意しましょう。
生くるみを使ったおすすめレシピ
生くるみはさまざまなレシピで楽しむこともできます。そんな生くるみを使ったおすすめレシピをいくつか紹介していきます。時にはくるみレシピで一息ついてみてはどうでしょうか?
生くるみのスパニッシュオムレツ
- A・くるみ(少し砕いたもの)約15粒
- A・卵3個
- A・牛乳20cc
- A・塩コショウ少々
- A・クミンパウダー少々
- バター10g
- イタリアンパセリ飾り用
- サラダ油少々
- Aをボウルで混ぜ合わせます。
- フライパンにサラダ油をひいてからバターを入れて、バターが溶けたところで1を流しいれます。
- 中火で混ぜ合わせながら火を通して、スクランブルエッグの手前くらいまで固まったところで、耐熱皿に移します。
- 180度~190度のオーブンで約10分焼き上げます。
- 少し冷めたところで耐熱皿から取り出して、切り分けたら器に盛り付けます。仕上げにイタリアンパセリを飾って完成です。
生くるみときのこのボロネーゼ
- くるみ80g
- しいたけ2個
- エリンギ2本
- えのき1パック
- 玉ねぎ1/2個
- にんにく1片
- オリーブオイル大さじ1.5
- A・トマト水煮缶350g~400g
- A・コンソメスープの素小さじ2
- A・塩コショウ適量
- スパゲティー200g
- 粉チーズ適量
- バジル適量
- 卵黄適量
- くるみをみじん切りに、きのこ類も石突を取ってみじん切りに、玉ねぎとにんにくもみじん切りにします。
- フライパンにオリーブオイルとにんにくを弱火で熱して、香りが出てきたら玉ねぎを入れて炒めます。玉ねぎがしんなりしてきたら、きのこ類とくるみを入れて炒めます。
- 2にAを加えて蓋をし、弱火にして煮込みます。とろみが少ない場合はパスタの茹で汁を加えて調節します。
- 茹でたパスタにソースをかけて、お好みで卵黄や粉チーズをかけて完成です。
生くるみとローストくるみで摂りたい栄養で食べ分けよう!
生くるみとローストくるみには、それぞれ長所と短所があります。ですがどちらにも特徴があり、栄養も違います。くるみの持つどんな栄養が欲しいかで上手に食べ分けて、ぜひ健康に役立ててください!