2019年04月07日公開
2024年09月10日更新
「かぼす」と「すだち」と「ゆず」の違い!おすすめの使い方とレシピ4選
「かぼす」と「すだち」、それに「ゆず」はどんな違いがあるか知っていますか?爽やかな香りと酸味が特徴の日本の柑橘類、かぼす、すだち、それにゆずですが、意外と区別がはっきりしていない人も多いのではないでしょうか?今回はかぼす、すだち、ゆずそれぞれの特徴と見分け方、また、使い方の違いについてまとめてみました。また、似ている青い柑橘としてライムとの違いを解説しているほか、かぼす、すだち、ゆずのおすすめの保存方法、それに美味しいアレンジレシピを紹介しています。
目次
かぼすとすだちとゆずの違いを知っておこう!
「かぼす」や「すだち」、また「ゆず」はいずれも香酸柑橘類と呼ばれ、強い酸味と爽やかな香りが特徴で、料理のアクセントに調味料としてよく使われます。
これらの柑橘類は見た目や香り、味わいが似ていることから混同する人も多いです。意外にも知られていないかぼす、すだち、ゆずの違いについて今回は詳しく解説していきます。
外見上の違いや、産地、風味の違いのほか、よく似たライムとの違いやそれぞれの柑橘類の使い方と保存方法、おすすめレシピまで紹介していますのでチェックしてみてください!
かぼすとは?
まずは、香酸柑橘類のひとつ、かぼすについて解説していきましょう。爽やかな酸味と独特の香りが美味しいかぼすは特に九州ではよく見かける柑橘類で、焼き魚に添えたり、絞って調味料にしたりと、日本料理にはよく使われています。本項ではかぼすの生産地、特産地のほか、味の特徴や語源について紹介しています。
生産地・特産地
かぼすの主要な生産地は大分県で、全国生産の9割を占めています。大分県の他には愛媛県や宮崎県でも生産されています。
大分県臼杵市では江戸時代に京都から医者が苗木を持ち帰ったのがかぼす栽培の始まりと言われています。一方で臼杵市には樹齢200年前後のかぼすの古木があることから、大分県が原産地ではないかとする説もあります。
特徴
かぼすの大きさはテニスボールくらいのサイズで、1個当たり100gから150gくらいの重量があります。混同されがちな「すだち」はもっと小ぶりで、大きさの違いがあります。
かぼすの収穫時期は8月から10月で、露地物はその時期に出荷されています。10月中旬から春前までは貯蔵されたかぼすが流通し、3月から7月頃まではハウスものが出荷されています。
かぼすは熟すと黄色になりますが、青いうちに出荷されるのが一般的です。味の特徴としては、香酸柑橘類のなかでは強すぎない酸味と、ミネラル由来の苦み、塩味、甘みがあり、使い方としては焼き魚など素材の味を引き立たせるような料理に使うと相性が良いです。
語源
かぼすの語源は諸説あります。その一つには、昔かぼすの皮を刻んで燻し蚊除けにしたことから「蚊いぶし」がなまり「かぼす」となったという説があります。また、他の地域で呼ばれている「かぶす」、「かむし」、「かぶち」という名前との関連を指摘する説もあり、正確な由来は不明です。
すだちとは?
続いては、かぼすと混同されがちな「すだち」について解説します。すだちはかぼすと同じ香酸柑橘類の一種ですが、小さな実に栄養がたくさん含まれ、近年では血糖値の上昇を抑える効果があるなど、すだちの持つ成分と薬効に注目が集まっています。本項ではすだちの生産地や特徴など、かぼすとの違いについて注目しながらチェックしてみましょう。
生産地・特産地
すだちの主要な生産地は、徳島県です。徳島県はすだちの原産地でもあり、全国生産量の9割を栽培しています。
すだちの出荷時期はかぼすとほぼ同じであり、旬である8月から10月は露地物のすだちが流通し、10月中旬から春までは貯蔵物が、また春から夏にかけてはハウス物が流通しています。
特徴
すだちを他の香酸柑橘類と見分ける最大の違いは、その大きさです。すだちは1個当たり30gから40g程度でゴルフボールくらいのサイズです。すだちは成熟すると果皮がみかんのようにオレンジ色に変化しますが、青いうちに出荷されるのが一般的です。
すだちの風味は、かぼすよりもやや酸味が強くライムにも似た凛とした香りが特徴です。果汁を食用酢として利用したり、青い皮を薬味おろしで擦って薬味として使用することもあります。
栄養成分的にはかぼすと同様、クエン酸やビタミンCを多く含んでいることが分かっています。また、すだちにはフラボノイド系の成分エリオシトリンが多く含まれており、抗酸化作用に効果があると言われています。エリオシトリンはかぼすやゆずにはない成分で、すだちの果皮や果汁に含まれています。
すだちの一般的な使い方は、焼き魚、刺身、豆腐などに果汁を絞って香りを楽しむほか、主な生産地である徳島県内ではすだち果汁を使ったお酒やジュースが多く販売されています。夏にはそばの上にすだちを乗せて食べる「すだちそば」や、秋にはサンマとともに添えられるのが定番です。
語源
すだちの語源について紹介しましょう。すだちの名称は、その果汁を食用酢として使っていたことから「酢の橘(たちばな)」がなまり、スダチになったとされます。昔はすだちのことを「スダチバナ」と呼んでいたそうです。
かぼすとすだちとゆずの違い
青い果皮の間に出荷され、旬の時期も同じ「かぼす」と「すだち」、またすだちの近縁種と言われる「ゆず」はどういう点が異なるのでしょうか?本項ではそれぞれの香酸柑橘類の違いについて簡単にまとめています。かぼす、すだちと同じ青い果皮であるライムとの違いについても解説しています。
生産地・特産地
かぼす、すだち、ゆずの生産地についてまとめましょう。かぼすの主要生産地は九州大分県です。すだちの主要生産地は徳島県で、ゆずの生産地は日本国内では四国四県が主要栽培地となっています。
特徴
上の画像は香酸柑橘類の外観を示したものです。同じ香酸柑橘類でも大きさの違いがはっきりと分かります。徳島県が産地のすだちが一番小さく、大き目のピンポン玉からゴルフボールくらいの大きさです。
もっとも大きいサイズが柚子で、鮮やかなな黄色とデコボコとした果皮が特徴です。すだちとかぼすは成熟すると果皮が黄色に変わりますが、青いうちに流通することが多いです。また、同じ青い果皮でもライムの大きさは、かぼすやすだちよりも大きいです。
味・香り
香酸柑橘類の味の特徴をまとめましょう。どの果実も強い酸味と香りが特徴ですが、ライム、すだち、かぼすは、ゆずに比べ酸味が強いのが特徴です。
かぼすの風味はすだちに比べてまろやか、まったりとした風味があると形容されます。一方ですだちは強い酸味が特徴的です。また、ゆずは酸味が抑えられている分、甘みのある爽やかな風味があります。
ライムとは?
ライムもまた香酸柑橘類の一種です。ライムはすだちやかぼすと同様に青色の果皮が特徴的で、強い酸味があります。酸味の度合いだけでいえば、ライムはすだちやかぼすよりも強く、ピリッとした風味があります。
ライムの香りはレモンに比べると少し淡いのが特徴で、淡いながらフレッシュで心地よい香りがします。ライムの使い方としてはレモンと同様にカットして料理に付け合わせるほか、果汁を絞ってカクテルなどの飲料に使われてることが多い柑橘類です。
かぼすとすだちとゆずのおすすめの使い方
本項ではかぼすとすだち、ゆずの使い方を紹介しています。それぞれよく似た香酸柑橘類ですが、特徴をしっかり把握しておすすめの使い方を覚え、食卓に生かしてみましょう!
香りづけにはすだち
まずはすだちの使い方について紹介しましょう。すだちは独特で爽やかな香りが特徴的であり、料理の香りづけとしての使い方がおすすめです。
焼きサンマに添えたり、冷奴、肉料理など素材の味を生かせる料理の仕上げとして、最後にすだちをきゅっと絞ると良いでしょう。食材の味を損なうことなく、香りが一層料理の味を引き立てます。
酸味付けにはかぼす
次に、かぼすのおすすめの使い方を紹介します。かぼすはすだちに比べ、酸味がややまろやかなのが特徴です。この特徴を生かし、酸味付けにかぼすを使うのはいかがでしょうか?
手づくりのポン酢やタレを作る際にかぼすの果汁を絞って作ったり、ケーキなどのお菓子や紅茶に入れてもいいでしょう。強すぎずまろやかな酸味が口当たりよくおすすめです。
皮も有効活用できるゆず
次に、ゆずのおすすめの使い方を紹介します。ゆずはかぼすやすだちに比べ、酸味のなかに甘みがあるのが特徴です。また黄色い果皮は刻んで料理の仕上げに使うと見映えよく、香りだけでなく見た目でも楽しむことができます。甘みを生かしてジャムにしたり、お菓子作りの材料に使うのもおすすめです。
かぼすとすだちとゆずのレシピ4選
本項では爽やかな風味と香りがおいしいかぼすとすだち、また、ゆずを使ったレシピを紹介してします。かぼすとすだち、ゆず、それぞれの特性を生かしたスイーツレシピから日々のおかずレシピなど、ユニークで美味しいレシピをチェックしてみてください!
かぼすのスノーボール
- 小麦粉(140g)
- バター(60g)
- きび砂糖(40g)
- かぼす果汁(1個分)
- かぼす皮すりおろし(1個分)
- 粉砂糖(適量)
- バターは角切りにしてレンジで少し温める。
- かぼすは皮をすりおろし、果汁をとっておく。
- オーブンを170度で予熱し始める。
- 1のバターに小麦粉をふるい入れ、かぼすの皮、果汁、砂糖を順に入れ泡だて器で混ぜる。
- まとまった生地を30等分に分けてまるめ、天板に並べる。オーブンで20分焼く。
- 焼き上がり後に冷ましてから粉砂糖をふるって完成。
おすすめのかぼすレシピ、まず最初に紹介するのはかぼすを使ったスイーツレシピです。レシピではかぼすを使っていますが、すだちを使っても美味しく爽やかに仕上がります。すだちを使う場合は小さいので2個使いましょう。レシピの分量はスノーボール30個分です。
簡単湯豆腐手作りすだちポン酢
- 白菜(1/8個)
- もやし(1袋)
- 豆腐(1丁)
- 豚しゃぶしゃぶ肉(半パック程度)
- 鶏ガラスープの素(小さじ1)
- 醤油(好みの量)
- すだち(1個)
- 酢(大さじ1)
- 鍋に水を入れ野菜を柔らかくなるまで煮て、最後に豆腐を入れる。
- 豚しゃぶしゃぶ肉と鶏ガラスープの素を入れて少し火を通し、火を止める。
- 器に醤油とすだち、お酢を入れて混ぜる。食べるときに具とスープを入れ完成。
おすすめのすだちレシピ、こちらは簡単に手作りできる湯豆腐のすだちポン酢レシピです。しぼったばかりのすだちを使ったポン酢はフレッシュで香りよく、いつもの湯豆腐レシピでも贅沢な気分になること間違いなしでしょう。レシピの分量は3人前です。
鶏もも肉の味噌だれ焼き柚子風味
- 鶏もも肉(300g)
- 味噌(50g)
- 日本酒(大さじ1)
- みりん(大さじ1)
- 砂糖(大さじ2)
- 水(50㏄)
- 柚子(1個)
- 大根(拍子切り適宜)
- 人参(拍子切り適宜)
- サラダ油(適量)
- カットした大根と人参を耐熱容器に入れラップをして電子レンジで4分加熱する。
- 砂糖以外の調味料を混ぜ合わせ、味噌は溶いておく。
- 熱したフライパンに油をひき、カットした鶏もも肉と野菜を入れ強火で焼く。
- 鶏肉の表面が白っぽくなったら2と砂糖を加え中火で加熱、煮立ったら中弱火で煮る。
- 柚子のカットして汁を絞り、表皮をみじん切りより大き目に切る。
- ソースが煮詰まったら柚子の皮を加え1分煮て、火を止めて柚子の絞り汁を加え混ぜたら完成。
おすすめのゆずのレシピ、鶏もも肉の味噌だれ焼き柚子風味を紹介します。ゆずの果汁だけなく皮を加えることでいつもの鶏の味噌煮が上品な味わいになります。レシピの分量は3人前です。
えのきの香ばし肉だんご
- えのき茸(100g)
- 豚ひき肉(150g)
- かぼす(1/2個)
- 酒(大さじ1)
- 醤油(小さじ1/2)
- 塩(ひとつまみ)
- ごま油(小さじ1)
- えのき茸は2センチにカットし、かぼすは適宜切る。
- ボウルにひき肉、えのき、調味料を入れてよく混ぜ食べやすい大きさに丸める。
- フライパンにごま油を熱し、2を入れてフライ返しなどで表面を押さえながら両面をこんがり焼く。
- 仕上げにかぼすをきゅっと絞って完成。
おすすめのかぼすレシピ、こちらはえのきの香ばし肉だんごです。かりっと焼いた肉だんごにかぼすをきゅっと絞り、アクセントにします。お酒のつまみにもおすすめのレシピです。分量は2人前です。
かぼすとすだちとゆずの保存方法
本項ではかぼすとすだち、ゆずの保存方法について解説しています。香酸柑橘類は一度にたくさん入手しても、短期間に使いきることはなかなか難しいものです。また、独特の香りや風味は日が経つにつれ失われてしまいます。上手な保存方法を覚えて、できるだけフレッシュな状態で保存できるようにチェックしましょう!
冷蔵保存
おすすめの保存方法、まず最初に紹介するのは冷蔵庫保存の方法です。果実表面の水分をふき取り、2~3個単位でポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室などで保存します。表面の水分をふき取るのは、皮が湿っていると傷みやすいためで、忘れずに行いましょう。
冷凍保存
おすすめの保存方法、次は冷凍保存について紹介します。果物を使いやすい大きさにカットし、ジップロックなどに入れてそのまま冷凍します。袋に入れるときはできるだけ空気を抜くのがフレッシュさを保つポイントです。使う時には使う分量だけを取り出し自然解凍して使います。
保存期間の目安
冷蔵保存する場合、野菜室の温度であれば少しずつ熟成は進むため、できるだけ1か月以内に使い切るほうがいいでしょう。冷凍保存であれば3~4か月くらいは保存することができます。ただし、冷蔵保存に比べ冷凍保存は風味が落ちてしまうのがデメリットです。
かぼすとすだちとゆずを上手に使い分けよう!
かぼすとすだち、ゆずはいずれも爽やかな香りと酸味が特徴の香酸柑橘類です。外観や風味などが似ており混同されがちですが、それぞれ特徴が異なります。今回は日本でよく流通している香酸柑橘類の特徴や使い方について調査しました。上手に使い分けて料理に生かしましょう!