2019年04月04日公開
2024年09月10日更新
名古屋めし「きしめん」とは?うどんとは違う?歴史や食べ方を調査
きしめんといえば名古屋きしめんが有名な平打ち麺です。きしめんといえば名古屋だけでなく、日本各地にもあります。またきしめんに良く似た山梨名物のほうとうという料理もあります。そんなきしめんですが、うどんとは何が違うのでしょうか?それとも単に見た目が違うだけで同じものなのでしょうか?きしめんについてのそんな素朴な疑問から、きしめんの歴史やどんな食べ方があるのかを始め、手軽に取り寄せられる通販情報まで紹介します。
目次
きしめんについて詳しく知りたい!
きしめんといえば、名古屋の人でなくても知っている人は多いのではないでしょうか?きしめんは平たい独特の麺ですが、幅広のうどんのようにも見えます。そんなきしめんと良く似た麺類には、ほうとうという食べ物もあります。きしめんとうどん、きしめんとほうとう、それぞれの特徴と違いを調べてみました。
きしめんは名古屋の名物料理
きしめんといえば名古屋の名物料理です。そんなきしめんにはどんな歴史と特徴があるのでしょうか?まずはきしめんという食べ物についての基礎知識をまとめてみました。
歴史
きしめんの起源は諸説あるため定かにはなっていません。ですが江戸時代から親しまれてきた、平打ちのうどんであることは事実です。江戸時代の「東海道名所記」には三河(現在の愛知県の東部)の芋川の名物と記述があり、江戸時代の文芸作品である「好色一代男」でも出てくるほどです。
そんなきしめんは江戸では「ひもかわ」と呼ばれていましたが、江戸時代の風物などを記した「守貞謾稿(もりさだまんこう)」では、「ひもかわ」は芋川の訛りであり、名古屋では「きしめん」と呼ぶとの記述があります。
ただしきしめんの起源同様、きしめんの語源の由来にも諸説あります。きしめんの起源は芋川名物の平打ちうどんとも言われていますが、名古屋市教育委員会では別の起源・語源説を提唱しています。
名古屋市教育委員会が提唱しているのは、三河池鯉鮒宿(現在の愛知県知立市)で好評だった、キジの肉を使ったうどんで、キジ麺と呼ばれていたものが名古屋に伝わったという説で、名古屋城内にある「きしめん亭」前に教育委員会の説明看板まで立てているのです。
この他にもきしめんの語源にはいくつもの説があり、今もはっきりとは定まっていないのが実情なのです。
特徴
名古屋きしめんは一般的なうどんと比べても、幅が広く薄いだけでなく麺が長いのも特徴であり、茹でる時間も短くて済みます。表面の口当たりは滑らかでツルッとしている反面、コシが弱く柔らかいので、小さい子供やお年寄りでも食べやすいのが特徴です。
定義
乾麺について日本農林規格(JAS)では、「乾麺類品質表示基準」で「幅を4.5mm以上、かつ、暑さを2.0mm未満の帯状に整形したものは、「干しひらめん」、「ひらめん」、「きしめん」または「ひもかわ」と記載することができる」とされています。
名古屋きしめんのお店の主流は、幅7mm~8mm、厚さ1mmが一般的で、濃い塩水を使って作るのが特徴です。作るのには手間がかかりますが、ゆでた後ののびにくさに差があるといいます。乾麺としての名古屋きしめんの定義は、幅5mm~7mm、厚さ1.5mm未満と、より平たい形状が基準となるのです。
きしめんとうどんの違い
きしめんも麺類には違いありませんが、うどんとは一体どんな違いがあるのでしょうか?見た目だけでしょうか?味にも違いがあるのでしょうか?きしめんとうどんの違いについて調べてみました。
原料
きしめんとうどんの違いについて、まずはうどんの定義から見てみましょう。全国製麺協同組合連合会という、生めんの製造業者団体のホームページでは、うどんとはひらめん、冷麦、そうめん、その他の名称のいかんを問わずに、小麦粉に水を加えて練り合わせた後製麺したもの、または製麺後加工したものとしています。
つまり原料として指定されているのは「小麦粉」と「水」のみであり、このことからわかるのはきしめんもうどんの一種であり、きしめんとうどんは同じものということになるのです。
厚さ・太さ
きしめんとうどんの原料については、全く同じものであるということがわかりました。では麺の規格については違いはあるのでしょうか?先ほどの全国製麺協同組合連合会の規定には、生うどんに関しての麺の厚さや太さに関しての規定は一切ありません。
さらに公正競争規約においてもあくまで規定があるのは乾麺のみであり、生めんは厚さ・太さに関係なく全て「うどん」と定義されるのです。つまりここでもきしめんとうどんは同じものということになります。
味
きしめんと一般的なうどんの違いは、麺の特徴からくる食べたときの食感や、味の違いといえるでしょう。きしめんの麺は薄く平らなため茹で時間が短いといえるメリットがありますが、うどんよりも平たく伸ばすために途中で切れやすく、一般的なうどんと比較してコシが弱いというのは紹介した通りです。
きしめんには平打ち麺だからこその柔らかい食感と滑らかさがあり、一般的なうどんにはうどんならではのコシの強さが楽しめるのが大きな違いといえるでしょう。
きしめんの食べ方
きしめんもうどんには違いありません。そのためさまざまな食べ方を楽しむことができます。きしめんの基本的な食べ方を始め、本場名古屋流の食べ方まで紹介します。
基本の食べ方
きしめんの基本的な食べ方は、醤油ベースの温かいつゆをかけて、具としてかつお節やネギ、油揚げ、鶏肉が一般的とされます。このほかにももやしや絹さやといった野菜や、かまぼこを乗せることもあります。
ただしきしめんもうどんのため、きつねうどんやカレーうどん、煮込みうどんなどにも使われます。夏の暑い時期にはざるうどんとしての食べ方も人気で、地域によってさまざまな食べ方が楽しまれています。
名古屋流の食べ方
きしめんの本場・名古屋流の食べ方は、トッピングにはほうれん草や名古屋きしめんの基本といえるかつお節、そこに大量の揚げ玉を入れることが多いです。きしめん専門店によっては、各テーブルに揚げ玉の入った器が置かれている場合もあります。
つゆは濃い目のかつお節ベースの醤油だしで、名古屋醤油とも言われるたまり醤油を使うのが一般的です。ただし名古屋のきしめんのつゆの味の特徴は、関西風と関東風の中間のような多少甘さを感じさせる味をしています。
きしめんのアレンジレシピ
きしめんはうどんなので、さまざまな味付けで楽しむことができます。そんなきしめんのアレンジレシピをいくつか紹介します。
名古屋みそ煮込みきしめん
- きしめん2人分
- 八丁味噌大さじ2
- みりん大さじ2
- 出し汁500cc
- 鶏肉100g
- ニラ適量
- 人参適量
- しめじ適量
- かぼちゃ適量
- 卵2個
- 揚げ玉適量
- 出し汁にみりんを入れて火にかけ沸騰してきたら、鶏肉と野菜を入れて煮込みます。
- 具材が煮えたところで味噌を加え、さらにきしめんを加えて煮込みます。
- いい感じで煮あがったら、最後に卵を入れて好みの硬さになるまで煮ます。
- 丼に盛って揚げ玉をトッピングしたら完成です。
カルボナーラきしめん
- きしめん(乾麺)360g
- ベーコン適量
- オリーブオイル適量
- にんにく1片
- ホイップクリーム200ml
- ナチュラルチーズ適量
- 塩コショウ適量
- 卵2個
- パルメザンチーズ適量
- 黒コショウ適量
- にんにくはみじん切り、ベーコンは食べやすい大きさに切ります。
- きしめんを大きい鍋で表示時間通りに茹でます。
- 茹でている間にフライパンでオリーブオイルとにんにくを熱して、香りが出てきたところでベーコンを入れて炒めます。
- ベーコンがこんがりしてきたらホイップクリームを入れて、クリームが沸騰したところでナチュラルチーズを好みの量を入れ、塩コショウで味を調えます。
- クリームとチーズが混ざり合ったら火を止めてから卵を入れます。茹で上がったきしめんを入れて、混ぜ合わせます。
- 盛り付けたらお好みで黒コショウとパルメザンチーズをかけて完成です。
磯辺揚げ風竹輪&きしめんの味噌焼きうどん
- きしめん1玉
- ちくわ2本
- ニンジン1/3本
- ピーマン1個
- キャベツ1/4個
- 油大さじ1
- A・片栗粉大さじ1
- A・酒大さじ1
- A・青海苔小さじ1
- B・味噌大さじ3
- B・酒大さじ3
- B・醤油大さじ1
- B・白出し大さじ1
- B・砂糖小さじ1
- 刻み海苔小さじ1
- 人参・ピーマンは細切りに、キャベツは一口大に切ります。ちくわは斜め切りにしてAを混ぜて作った衣を絡ませておきます。
- フライパンに油を入れて温め、衣を絡ませたちくわを入れて、衣を揚げるような感覚で焼いていきます。
- 人参・ピーマン・キャベツを入れて炒めていきます。Bを混ぜて作った合わせ調味料を入れて味を調え、きしめんを入れて混ぜ合わせます。
- 調味料が馴染んだら器に盛り付け、刻み海苔を散らして完成です。
きしめんとほうとうの違い
きしめんと良く似た麺類に、山梨名物のほうとうがあります。ほうとうときしめんの違いとは一体何なのでしょうか?きしめんとほうとうの違いもはっきりさせてみましょう。
ほうとうとは?
ほうとうとは、水を加えた小麦粉を練って作った生地を、うどんと違って寝かせることなくすぐに切って、そのまま野菜などの具と共に味噌仕立ての汁で煮込んだ料理です。
ほうとうの麺にはうどんと違ってコシが求められません。そのため塩を使ってグルテンを生成させることがないため、先に湯がいて塩抜きをする必要もありません。そんなほうとうでは、作るときにも生めんの状態でそのまま入れて煮込むため、汁にとろみが付くのも特徴のひとつです。
厚さ・太さ・味
ほうとうの麺にはいくつか特徴があります。ひとつが先ほど紹介した、水と小麦粉だけで練ることです。さらにほうとうは麺料理とは限らない点です。すいとんのように練った小麦粉をちぎった「みみ」と呼ばれるものを、麺の代わりに使う場合もあるのです。
具は季節の野菜を中心に使いますが、かぼちゃを入れることが多いです。ほうとうでは基本的にはかぼちゃを中心とした野菜や山菜を具としますが、観光客が増えると共に豚肉や鶏肉を入れるお店が増えたといいます。一般家庭で作るときには油揚げを入れるのが普通です。
ほうとうは味噌味が基本ですが、使う味噌は家庭や地域で異なります。信州味噌や甲州味噌のほか、自家製味噌を使うこともあります。
食べ方
ほうとうは麺が煮崩れして、汁と混ざり合った旨味を楽しむ料理でもあります。そのためかぼちゃを煮溶かしたものが美味とされる地域もあります。余ったほうとうを翌日温めなおした「沸かし返し」は、よりとろみが出て味がなれるため、沸かし返しを好む人も多いといいます。
ほうとうは通常味噌仕立ての汁で煮込む料理ですが、ほうとうの麺を冷水でさらしてざるうどんのようにし、少し温かいつゆに付けて食べる「おざら」という食べ方もあります。1970年ごろに甲府市内のほうとう専門店の夏限定メニューを起源とし、今では多くのほうとう専門店でも期間限定メニューとしておかれています。
きしめんの通販情報
名古屋きしめんは通販でも取り寄せることができます。そんな通販で取り寄せ可能なお店から人気のお店をいくつか紹介します。時には自宅で本場の味を楽しんでみてはいかがでしょうか?
宮きしめん
宮きしめんは大正12年創業のお店で、きしめん以外にもいろいろと取り扱っています。主力は当然名古屋きしめんで、醤油や味噌煮込みなど定番の味も揃っています。
そんな宮きしめんの味は通販で取り寄せることができます。半生麺や乾麺のほか、冷凍麺や季節限定メニューなど、さまざまな商品を通販で購入することができるのです。お使い物用も揃っているので、一度通販でも利用してみてはいかがでしょうか?
名古屋よしだ麺
名古屋よしだ麺は、創業明治23年の名古屋きしめんの老舗です。名古屋市内に3店舗を構えるほか、お土産店も広く展開しています。
そんな名古屋よしだ麺では通販も行っています。半生乾麺のきしめんから乾麺のきしめんまで、さまざまな商品を取り扱っています。パッケージや味の種類も豊富なためお使い物としても使いやすい商品が多く、手軽に通販で取り寄せて味わうことができます。
金トビめん
金トビめんは大正6年創業の製粉・製麺業専門のお店です。地元愛知産の小麦を使った限定品を始め、きしめんまどさまざまな麺類を作っていて、通販でもその商品を取り寄せ可能です。贈答用の詰め合わせから自宅用のものまで幅広く揃っているので、一度覗いてみてはいかがでしょうか?
きしめんという名古屋めしを作ってみよう!
きしめんは名古屋飯に数えられる、歴史ある名古屋の名物料理です。きしめんと呼ばれるものには数がありますが、そんな本場のきしめんを通販で取り寄せて、自宅でも作って味わってみませんか?