一味唐辛子と七味唐辛子の違いとは?材料の違いや使い分けなど
一味唐辛子と七味唐辛子の違いを知っているでしょうか?どちらも辛さを楽しむスパイスですが、実はそれぞれで相性の良い料理が異なります。ここでは、一味唐辛子と七味唐辛子の材料や香り、歴史について詳しく調査しました。2つの違いを知ると、料理の使い分けもしやすくなります。一味唐辛子を使ったおすすめのレシピも紹介しているので、辛い料理が好きな方はぜひ参考にしてください。
目次
一味唐辛子と七味唐辛子の違いを知ってる?
料理にピリッとした辛さを加えてくれる一味唐辛子と七味唐辛子ですが、この2つの違いを知っていますか?ここでは、普段何気なく使っている一味唐辛子と七味唐辛子、それぞれの材料や使い分けの方法を詳しく紹介します。
スパイスの種類を使い分けることで、さらに料理に深みを与えることも可能です。ぜひ一味唐辛子と七味唐辛子をレシピごとに使い分け、それぞれ美味しさを引き立てる料理作りに挑戦してみてください。
一味唐辛子と七味唐辛子の違い【一味唐辛子編】
まず一味唐辛子の材料や辛さ、香りについて紹介します。一味唐辛子の歴史についても触れているので、気になる方はぜひチェックしてみて下さい。
材料
一味唐辛子は、唐辛子を材料にしたスパイスです。唐辛子の実を乾燥させたものを細かくすりつぶし、粉末状にしたものが一味唐辛子と呼ばれており、料理に辛さを加えるときに利用されます。
一味唐辛子は赤唐辛子を使用した、赤い見た目が特徴です。唐辛子と一言で言っても日本でなじみのある鷹の爪を始め、世界には色や辛さの異なるさまざまな種類のトウガラシがあります。
辛さや香り
一味唐辛子は、トウガラシそのものの香りと辛さを楽しむスパイスです。トウガラシの辛さには、種類によって大きな差があります。一味唐辛子と言っても、使用するトウガラシの種類やメーカーによって辛さはさまざまで、一定の辛さで統一されている訳ではありません。
意外に感じるかもしれませんが、同じメーカーの一味唐辛子を購入しても、以前に使ったものと辛さが全く同じとは限らないのです。
歴史
トウガラシは、中南米が原産のスパイスです。メキシコでは古くから料理にトウガラシを使用しており、栽培も行ってきました。このトウガラシが世界に広く知れ渡るようになったのは、15世紀に活躍したコロンブスがきっかけだと言われています。
コロンブスがトウガラシを胡椒と勘違いして伝えたことから、現在でも英語ではトウガラシのことを「red pepper(レッドペッパー)」、日本でも九州や長野県の一部で「胡椒」と呼ぶ名残りがあります。
またトウガラシを漢字で「唐辛子」と書くのは、「外国(唐)」から伝わった辛子であることを意味しています。
一味唐辛子と七味唐辛子の違い【七味唐辛子編】
次に七味唐辛子の材料や辛さ、香りを見ていきましょう。七味唐辛子が作られるきっかけになった歴史も紹介しているので、ぜひ一味唐辛子との違いについて学んでみてください。
材料
七味唐辛子はトウガラシを主体とし、計7種類のスパイスを粉末状にした日本独特の調味料です。地域やお店によってブレンドされるスパイスは異なりますが、一般的に七味唐辛子と呼ばれる材料には山椒、麻の実、ケシの実、青のり、陳皮(みかんの皮)、黒ゴマ、紫蘇(シソ)などがあります。
辛さや香り
七味唐辛子は、辛さのメインとなるトウガラシに加えて香りの高いスパイスをブレンドするため、一味唐辛子よりは辛さが控えめだと言われています。
陳皮(みかんの皮)や黒ゴマを加えるので香りや旨みも同時に楽しむことができ、「風味付き唐辛子調味料」とも言えるでしょう。
歴史
七味唐辛子の誕生は、1625年(寛永2年)にまでさかのぼります。当時、江戸の薬研堀にあった「やげん堀中島」の初代が漢方薬にヒントを得て生み出したのが七味唐辛子です。
江戸で流行っていた蕎麦との相性が良かったため、七味唐辛子の人気は瞬く間に江戸中に広がりました。漢方がきっかけで生まれた七味唐辛子は、実際に健康効果の期待できる調味料だったこともあり、江戸の人々の風邪予防などに役立っていたとも考えられます。
一味唐辛子と七味唐辛子の使い分け
続いて、一味唐辛子と七味唐辛子の使い分けについて見てみましょう。それぞれの特徴や辛さのポイントを押さえておくと、料理への使い分けもできるようになります。おすすめの料理も紹介するので、ぜひ自宅で調理する際の参考にしてください。
一味唐辛子がおすすめの料理
一味唐辛子がおすすめなのは、シンプルに辛さを楽しむ料理です。例えば麻婆豆腐やエビチリ、唐揚げなど料理に辛味をプラスしたいときに使うのがおすすめです。
七味唐辛子と違って香りなどに際立った特徴がないため、どんな料理と合わせても味そのものの邪魔をしないこともメリットです。お好み焼きやカレー、ピザにふりかけても美味しく仕上げることができるでしょう。
七味唐辛子がおすすめの料理
一方、七味唐辛子におすすめなのは、料理に風味をつける使い方です。例えば蕎麦やうどん、牛丼などし七味唐辛子をふると、程よい香りがプラスされて食欲増進にもつながります。
特に日本料理は味付けが控えめなので、風味を加えるのにぴったりです。焼き鳥や漬物との相性もよいでしょう。
一味唐辛子を使ったおすすめレシピ
最後に一味唐辛子を使ったおすすめのレシピを紹介します。一味唐辛子は辛さを加えるのに抜群の調味料なので、あらゆる料理に合うと言っても過言ではありません。ここでは、その中でも特におすすめのレシピを3選紹介しましょう。
オイルサーディンともやしの簡単ニンニクポン酢
- もやし200g
- オイルサーディン1缶
- しめじ100g
- 青ネギ適量
- 一味唐辛子適量
- Aポン酢醤油小さじ4
- Aおろしにんにく小さじ1/5
- A粗びき黒こしょう適量
- もやしは水で軽く洗います。しめじは石づきを切り落とし、小房にほぐします。青ネギは刻んでおきましょう。
- ボウルにAの材料を混ぜ合わせます。
- 別のボウルにもやしとしめじを入れ、ふんわりとラップをかけて電子レンジで4分加熱します。ラップを外して2を小さじ1加えて混ぜ合わせ、3分置いて味をなじませます。
- 3の汁気を切って器に盛り、上からオイルサーディンと残りの2をかけます。仕上げに青ネギ、一味唐辛子をふったら完成です。
「オイルサーディンともやしの簡単ニンニクポン酢」2人分の材料、作り方を紹介しました。一味唐辛子は好みに合わせて量を調節してください。ピリッとした辛さが淡白な具材と相性抜群で、ポン酢醤油のドレッシングの程よいアクセントになっています。
食欲そそる鶏のネギごま油かけ
- 鶏もも肉600g
- 塩こしょう適量
- A長ネギ2本
- A顆粒中華スープの素小さじ1
- A醤油小さじ1/2
- A一味唐辛子適量
- ごま油大さじ4
- 鶏肉は食べやすい大きさにカットし、塩こしょうして5分ほどなじませます。長ネギは2~3mm幅の小口切りにしましょう。
- フッ素加工のフライパンを中強火にかけ、鶏肉を皮目から焼いていきます。焼き目がついたら裏返し、中火にしてこんがりと焼き上げます。
- 別の小さなフライパンにAの材料とゴマ油大さじ2を入れ、好みに合わせて火を通します。仕上げにゴマ油大さじ2を加え、なじませたら火を止めます。
- さらに2の鶏肉を盛りつけ、3のネギごま油をかけたら完成です。
「食欲そそる鶏のネギごま油かけ」4人分の材料、作り方を紹介しました。一味唐辛子の辛さがネギごま油に深みを加えてくれる食欲のそそる一品です。鶏肉にしっかり焼き目をつけると、ご飯もどんどん進む味付けに仕上がります。
一味と味噌のピリ辛ザンギ
- 鶏もも肉2枚
- Aホエー(ヨーグルトの上澄み)大さじ2
- Aおろしにんにく(チューブ)3cm
- Aおろし生姜(チューブ)3cm
- A一味大さじ1~2
- A味噌大さじ2
- 片栗粉適量
- 揚げ油適量
- 鶏肉はひと口大にカットし、Aの材料を混ぜ合わせてしばらく置きます。
- 1の鶏肉に片栗粉をまぶし、中火に熱した揚げ油でカラッとするまで揚げたら完成です。
「一味と味噌のピリ辛ザンギ」の材料、作り方を紹介しました。味噌の香ばしさに一味唐辛子の辛さが加わり、お酒のおつまみにもぴったりな唐揚げに仕上がります。味噌を入れると焦げやすいので、油で揚げるときは温度調整に気をつけましょう。
一味唐辛子と七味唐辛子の使い分けを料理に活かそう!
一味唐辛子と七味唐辛子は、料理ごとに使い分けると本来の美味しさを楽しむことができます。一味唐辛子は辛さを楽しむ、七味唐辛子は辛さと風味を楽しむと覚えておくと、料理の使い分けもしやすいでしょう。
どちらも使い勝手のよい調味料なので、2種類ともそろえておけば料理もバリエーションも広がります。ぜひ一味唐辛子と七味唐辛子を使って、美味しい料理作りを楽しんでください。