バジルの栄養素と効果効能5選！効果のある食べ合わせ/レシピも紹介！

日本でバジルが販売され、あるいは家庭でも栽培されるようになったのは、ここ数十年のことです。そんなバジルの特徴である、良い香りはどなたもが承知しているでしょうが、バジルには驚くほどたくさんの栄養素が詰まっています。バジルがもつ栄養素の栄養価も高くて、また、バジルの栄養価による効果効能も少なくはありません。

この記事では、バジルの栄養成分を探るとともに、バジルの効果効能を調べて、効果的なバジルの食べ合わせやバジルを使ったレシピ、バジルの特徴や栄養素が妊婦におすすめかどうかまで、併せて紹介していきます。

バジルは香りとともに、その鮮やかな緑色もヘルシーさを感じさせる特徴となっています。そのバジルの栄養成分は90%が水ですが、その他にはミネラルやビタミンなど多くの栄養素が含まれています。それらの栄養素を紹介します。

バジルにはニンジンなどともに、野菜の中ではトップクラスの栄養素βカロテンを含んでいます。βカロテンは緑黄色野菜に多く含まれる栄養成分ですが、食品100g当りの栄養素βカロテン量はニンジンが8600μgで、バジルは6300μgです。ちなみにニラは3500μg、リーフレタス2300μgで、バジルの栄養素の豊富さが分かります。

バジルはカルシウムという栄養素も多く含む特徴をもっています。100g当りで見ると、240mgです。分かりやすくするために前章の野菜と栄養価を比べてみます。ニンジンが29mgで、ニラは48mg、リーフレタス58mgとなっています。栄養素カルシウム含有量1位はパセリで、290mgでした。バジルは、カルシウムの栄養価でもトップクラスです。

バジルが含む栄養成分のカリウム量は、100g当りで420mgです。これまでと同様に栄養価を比較すると、ニンジンは260mgで、ニラが400mg、リーフレタス490mgとなっています。栄養素カリウム含有量トップの野菜は、切干大根の3200mgでした。バジルは野菜全体の中位よりは上に位置していて、少なくはないカリウムの栄養価と言えます。

ハーブであるバジルの香りは、葉に含まれている二次代謝物である精油に由来しています。生命活動に必須な一次代謝物とは異なる栄養素である精油は、バジルの育ち初めには6%程度の含有量ですが、開花期には35%前後まで増加します。これによって訪花昆虫を誘引し、受粉を補助してもらっているわけです。リナロールは精油の一栄養成分です。

開花する頃のバジルの葉の香りがきわめて強い特徴は、これが理由です。バジルはリナロールを発散することによって、そのハーブとしての生命活動を維持していると言えます。

バジルに含まれる栄養成分にはサポニンもあります。大豆や高麗人参、ゴボウなどに多く含まれる栄養成分ですが、栄養素サポニンには抗酸化作用をはじめ、免疫力の向上、肥満予防、血流改善、肝機能の強化など多くの効能効果が期待できます。刺激も強い栄養成分なので、ハーブティなどの形で摂るのがおすすめになります。

バジルに含まれる栄養成分にはシネオールがあって、リナロールと同じく香りの成分です。バジルの葉の腺毛という器官をつぶすとシネオールが香ります。シネオールには虫が嫌がる成分が含まれていて、防虫効果があります。バジルオイルを虫よけスプレーとして使用することもできます。バジルの栄養素は口中清涼剤や咳止めにも配合されています。

ハーブであるバジルの香りの素は、どんな栄養成分に由来しているのか？バジルを含むシソ科のハーブには、腺毛という器官があります。この器官が香りの素になるのがバジルの特徴です。腺毛がつぶれると、香りが発現します。バジルでは、シネオールやリナロール、オイゲノールという香りの栄養成分が空中に拡散します。

栄養素シネオールはスーッとした清涼感のある香りで、栄養素リナロールはフローラルな香り、また栄養素オイゲノールは重厚なクローブの香りを発散します。腺毛の中にあるうちはオイゲノールが主ですが、葉から漂う香りはシネオールやリナロールが主体に変わっていて、フローラルで柔らかいバジルの香りの特徴になります。

バジルの栄養成分にはさまざまな効能効果があります。前章で述べたいろいろなバジルの栄養成分がもたらす、バジルの主な効能効果を5選して、紹介していきます。

バジルの栄養成分がもつ効能効果の一つめは、アンチエイジングの効果です。バジルに豊富に含まれるβカロテンには、抗酸化作用という働きがあります。体内で作られる活性化酸素の過剰は、細胞にダメージを与えて老化現象や生活習慣病につながります。βカロテンの抗酸化作用は活性酸素の過剰を抑え、アンチエイジング効果を発揮してくれます。

また、バジルに含まれる栄養素ビタミンCやEなども、βカロテンとともに、その抗酸化作用でがんをはじめとする、さまざまな病気の予防効果も期待できます。

バジルの栄養成分がもつ効能効果の二つめは、丈夫な骨つくりに役立つ効能です。バジルに豊富に含まれている栄養素カルシウムは、周知のとおり骨の形成に寄与しています。同時に、バジルに含まれるビタミンKは、カルシウムの骨形成機能の補助作業を果たしてくれます。

栄養素であるビタミンKとβカロテンが協力して、骨の形成や骨の健康維持、骨のタンパク質活性化などに寄与することで、骨粗しょう症を予防する効果も期待されています。

バジルの栄養成分がもつ効能効果の三つめは、貧血予防の効能です。バジルに含まれる栄養素である、鉄分などのミネラルは、貧血を防ぐという効能があります。貧血予防にはレバーばかりでなく、ヘルシー食材としてある、バジルを食べることで鉄分の摂取はできるのです。

バジルの栄養成分がもつ効能効果の四つめは、妊婦に必要な栄養素をたっぷりと供給できる効能です。バジルに含まれる栄養素の葉酸は、DNAの構成やタンパク質の生成に関与する、重要な栄養成分になります。特に妊婦は多く摂取することがすすめられています。葉酸の不足は、胎児の神経発達に障害を及ぼす恐れがあるからです。

バジルの栄養成分がもつ効能効果の五つめは、バジルの栄養素がもたらす香り成分によるリラックス効果です。バジルの腺毛という器官にある、シネオールやリナロール、オイゲノールという芳香成分の香りには、鎮静作用や強壮作用があり、イライラした気分を抑えてリラックス効果を生んでくれるのです。バジルの香りには食欲増進効果もあります。

バジルの栄養成分の効果的な食べ合わせがあります。ここでは、バジルとどんな食材が効果的な食べ合わせになるのか？を探って紹介します。

トマトに含まれるリコピンと、バジルに含まれるβカロテンやビタミン類は、食べ合わせることで最強の美容食やアンチエージング食です。トマトとバジルのおすすめの食べ合わせは、加熱せずに食べるサラダやマリネになります。トマトとバジルをオリーブオイルで和えた、食べ合わせのサラダがおすすめになります。

トマトとモッツァレラチーズ、バジルで、これも加熱せずに作る栄養価の高い食べ合わせのカプレーゼを作ります。トマトバジルの間にモッツァレラチーズを挟む食べ合わせで、特に、食欲の落ちる夏場にはおすすめの栄養ある一品です。赤、白、緑の彩りはイタリアの三色旗に似ていて、イタリアそのものの味と色になります。

バジルの栄養成分の効果的な食べ合わせには、肉や魚との食べ合わせもあります。バジルでバジルソース作っておきます。フライパンを加熱して鶏肉やサーモン切り身、たらの切り身などをオリーブオイルで焼き上げます。焼き上げた肉や魚にバジルソースをかけて食べ合わせれば、美味しいうえに栄養価も高くなって、おすすめの食べ合わせになります。

栄養成分たっぷりのバジルを使用した、おすすめのレシピを紹介します。ジェノベーゼソースやマルゲリータピザ、バジルオイルなどのレシピです。

• バジルの葉100g
• オリーブオイル200cc
• 胡桃・松の実各30g
• ニンニク3片
• 塩5g

1. 胡桃と松の実はフライパンで軽く加熱して、香りを出します。
2. すべての材料をフードプロセッサーで混ぜ合わせたら完成です。

ハーブである栄養素たっぷりのバジルを使って、人気の「ジェノベーゼソース」を作る、加熱も不要なレシピです。そのままバゲットに付けて食べたり、ソテーした肉や魚に掛けたりと用途は広いものがあります。

• ピザパイ1枚
• モッツァレラチーズ100g
• ミニトマト（半分にカット）4個
• ジェノベーゼソース適量

1. ピザパイにジェノベーゼソースをたっぷりめに塗り、ミニトマトを飾ってモッツァレラチーズをのせたらオーブンで焼き上げます。

栄養成分たっぷりのバジルを使って作った、ジェノベーゼソースをたっぷり塗ることで、栄養価も十分で美味しい「マルゲリータピザ」ができあがります。バジルの風味も栄養も活かされた一品です。

• バジルの葉適量
• オリーブオイル適量
• 鷹の爪（輪切り）適量
• 黒粒コショウ5粒

1. 保存する容器を煮沸消毒しておきます。バジルは軽く洗って水気をよく拭き取っておきます。
2. 容器にすべての材料を入れて、冷蔵庫で保存します。
3. 2～3日したらバジルの葉は取り除いて、残ったバジルオイルは常温で保存します。

栄養成分たっぷりのバジルのエキスをオリーブオイルに移して、「バジルオイル」を作り置いて、パスタやサラダのドレッシングに利用します。バジルの葉が余った際には、加熱も不要で簡単なレシピです。

• バジルの葉（冷凍のものでも可）適量
• ジッパー袋（保存用）1枚

1. 耐熱皿にバジルを入れて、電子レンジで加熱します。
2. 一気に長時間ではなく、5分間隔くらいでバジルの乾燥具合を見ながら、繰返し加熱します。
3. 加熱乾燥が終わったら、ラップなどにくるんで手で揉みこむようにして細かくします。バジルが細かくなったらジッパー袋に入れて冷凍庫で保存します。

色変わりしやすいバジルを、レンジで加熱して乾燥させることで、長期保存が可能な「乾燥バジル」になります。これはパセリなどでも、まったく同じレンジで加熱する方法で、ドライパセリにすることができます。

シソ科のハーブであるバジルの特徴は、多年草ですが日本の冬を越えることがむつかしいために一年草のように思われています。傷み方などもシソとほとんど同じ特徴をもっています。そんなバジルの特徴を紹介します。

バジルは家庭のベランダのプランターでも栽培できる、育てやすいハーブでもあります。少しうっかりしていれば、シソと同じように黒く変色してしまうこともあります。けれども、バジルの香りと栄養成分は捨てがたいものです。料理に食べ合わせるだけでなく、香りからリラックス効果も得られるうえに、栄養成分がもつ効能効果もたくさんあります。

バジルの栄養成分がもたらす香りには、リラックス効果だけではなく、防虫効果や鎮静作用、強壮作用などのいろいろな効果があります。したがって、バジルは美味しい食材でもありますが、薬草としての役割も十分もっているハーブなのです。

栄養豊富なバジルは、古代から薬草としての役目もありました。バジルは古代ギリシャでは「王家の薬草」という存在でした。日本でも江戸時代には中国から薬草として到来していて、種子に水を含ませてゼリー状にしたものが、洗眼に使用されて「メボウキ」と呼ばれて重宝していました。

妊婦さんはバジルを食べてはいけない？という都市伝説めいたウワサがあります。これは、薬でもあるバジルは毒でもある、ということの裏返しです。どんなものでも食べ過ぎはイケナイというふうに受け止めて置けばよいでしょう。

妊婦さんにとって、良くないのはバジルを料理として口から摂取する分には、よほど大量でないかぎり問題はありません。濃度の強いアロマを直接に嗅ぐとか、異常な量のバジルを食べるケースは別にして、妊婦さんが普通にバジルを摂取することに問題はないと言えます。

妊婦さんにとって、妊娠初期は早産などの危険もあるので、バジルの食べ過ぎは特に注意が必要です。バジルには栄養素による薬効で、多量の場合には子宮を収縮させてしまうことがあり得ます。したがって、受精卵を傷つけたり、早産に至ったりするリスクが心配されます。

妊婦さんにとって、どのくらい食べても大丈夫か？の、目安が欲しいと思います。バジルソースであれば30g、バジルの葉であれば10数枚が、問題ない目安です。妊婦さんでなくとも通常、これだけの量は食べないはずですから、神経質なる必要はありません。

栄養豊富なバジルは香りにも癒されます。バジルの栄養成分をはじめ、効果効能や美味しいレシピ、効果的な食べ合わせ、加熱して保存する方法、バジルの特徴、妊婦さんの注意事項まで、詳しくバジルを紹介してきました。バジルは使い方も効果効能も沢山ある優れたハーブです。