ブラックペッパーと胡椒の違い/使い分け！香り高いおすすめ12選も

最初にブラックペッパーとは一体どんなスパイスなのか考えてみます。日本では一般的に「ブラックペッパー」と「胡椒」を使い分けて料理に使います。しかし、ブラックペッパーを直訳すると「黒胡椒」という意味で、胡椒には変わりありません。そこで、ブラックペッパーと胡椒の違いはどこにあるか検証してみましょう。

「ブラックペッパー（黒胡椒）」はコショウ科コショウ属のつる性植物から出来た胡椒の実を完熟する前に収穫し、長時間天日乾燥させ黒色に変色したものを言います。乾燥させるとシワシワになりますが、そのまま使います。

産地はインドやマレーシア、ベトナムなどで、独特の辛い風味が特徴です。特に肉料理に使うことが多く、欧米諸国では、ミルで挽いたブラックペッパーは欠かせない調味料の一つになっています。

そこで、ブラックペッパーと胡椒の違いを考えてみます。まず、一般的に日本で「胡椒」と呼ばれるものにはブラックペッパーとホワイトペッパーが入っています。これらを粉末状にして混ぜたものを胡椒として店頭で売られているのです。

実は日本で売られている胡椒、海外では見られません。ブラックペッパーとホワイトペッパーを混ぜるのは日本独自の方法だと言って良いと思います。

「ホワイトペッパー（白胡椒）」はブラックペッパーとの収穫時期が違います。ホワイトペッパーは完熟した後の赤色の胡椒の実を収穫し乾燥させた後、水に漬けます。そして外皮が柔らかくなったら皮をむいて出てきた白い実がホワイトペッパーです。ホワイトペッパーはブラックペッパーより辛味が少なく香りも高いため、魚料理に適していると言われています。

この他にも同じ胡椒の木から、完熟前に収穫し、塩漬けにするか短期間で乾燥させたものを「グリーンペッパー」、赤色に完熟した後に収穫し外皮をはがさない「ピンクペッパー」があります。

これらは、ブラックペッパーやホワイトペッパーと同じ胡椒の木からつくられていますが、収穫時期や製造方法の違いによって４つに分類することができ、様々な料理に使うことが出来ます。

ブラックペッパーの香り成分は加熱によって飛んでしまいます。なので、粒の大きさを料理によって使い分ける方法を知ることによって、格段と風味に違いが出ます。そこで、ブラックペッパーの５つの粒の大きさを紹介します。

「ホール」とはそのままの粒のことを言います。じっくり煮込む料理やマリネなどに漬け込むときに使うことが多いです。スープの最後の香り付けやピクルスに少し辛味を付けたいときにも使えます。

「クラッシュ」はホールを粗く砕いたものを言います。風味はホールに近く辛味が強いので、お酒のおつまみなどで辛さを際立たせたいときにカルパッチョやチーズの上にかけると、香りのよい辛さが口の中に広がります。

粗挽きはクラッシュよりも細かく砕いたものを言います。辛味も和らぐので炒め物に使ったり、パスタの具材と一緒に混ぜるとピリッと辛味の効いた料理が出来上がります。またブラックペッパーの食感も風味と合わせて味わえると思います。

グラインドは粗挽きより細かく挽いたもので、オールマイティーに使えるスパイスとしての粒の大きさです。料理中や料理の最後の味付けとしても使えるので、風味のアクセントとして使う人が多いと思います。

パウダーはかなり細かく粉砕したものです。日本の食卓にある胡椒はだいたいがパウダー状のものが多いと思います。粒が大きいほど香りの持ちがよいので、パウダーは料理の最後の仕上げとして使うのが理想的です。

次にブラックペッパーの栄養や効果効能について考えてみます。実はブラックペッパーには塩分が含まれていません。なので、ダイエット方法の一つとして、塩分を気にせず風味を増すためにブラックぺッパーが使えます。また、塩分以外にもダイエット中の人におすすめの栄養もあります。

まず、ブラックペッパーにはカリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄分、マンガン、ビタミンB1、ビタミンB2、ピペリンが含まれています。このピペリンというのが、ホワイトペッパーなどよりも豊富に含まれており、重要な効果効能があるのです。

食物の栄養吸収率をアップさせるにはピペリンが大切な役割を果たします。ピペリンはコショウ科の植物に含まれる独特の辛み成分で、消化器系への血液供給を増やしてくれます。最後の仕上げでブラックペッパーを使うのは、風味を増すだけではなく、その料理の栄養を最大限に引き出し、体の隅々まで血液中の栄養を運んでくれるのです。

また、ピペリンの効果で食欲増進効果や消化の働きをサポートする効果があります。ピペリンの辛み成分が脳の味覚を刺激し、食欲を増加させ消化不良を軽減させます。また、殺菌効果もあるので、胃腸疾患にも効果があると思います。

またブラックペッパーの皮の成分にはフィトケミカルという脂肪細胞を分解する成分が含まれています。また、ピペリンには脂肪燃焼効果も期待できるので、ホールのブラックペッパーを野菜たっぷりのスープに入れるだけで、栄養が摂れてダイエット効果も抜群になります。

ブラックペッパーが入っている料理を食べると、体がポカポカと温まる感じになったことがありませんか？これは、代謝が上がり、血管が広がることによって血行が良くなるからです。血行が良くなることによって、冷え性の改善になります。

ブラックペッパーはアロマの精油にも使われるくらいの成分が含まれています。ピペリンには脳に刺激を与え、疲労やストレスを緩和してくれる働きもあるのです。なので、ブラックペッパーを摂るだけで自然とストレスが和らぐ精神安定剤の役割を担ってくれるのです。

ブラックペッパーは摂取するだけで色々な効果効能があることがわかりました。それを日常生活で習慣づける方法として、自分に合ったブラックペッパーを見つけることが大切です。そこで、おすすめのブラックペッパーを紹介するので、参考にしてください。

ブラックペッパーと言えば「GABAN（ギャバン）」というくらい有名なメーカーの荒引は、どんな料理の用途にも使えると思います。香りが高いので、お店でも使われるおすすめの商品は内容量100gで486円とお手頃な価格だと思います。家庭で使うスパイスのひとつとして常備するのも良いでしょう。

ヱスビー食品から販売している「ORGANIC SPICE 有機ブラックペッパー」シリーズは安心・安全・環境に配慮し、有機栽培原料を使用した有機JAS認定の商品です。内容量19gで199円とコンパクトなので、使い分けするにはちょうど良い量です。パウダーの他にホールや粗挽きなど粒の大きさで色々あるのが嬉しいです。

コストコでおなじみのKIRKLANDから出ている「ブラックペッパー粗挽き」は内容量が359gとコストコらしい量となっています。しかし値段は948円と実はコスパの高いこの商品。料理方法によっては大量に使うこともあるので、保存しておくのも良いと思います。使いきれない人はミル付きの小さい小瓶をおすすめします。

スパイスを販売する有名なメーカー「マスコット」からでているブラックペッパーはカルディなどでも買える商品です。内容量30gで324円とそれほど高くない値段です。インドの沿岸でとれる最高品質のブラックペッパーで香りが高く、最後の仕上げとしてのスパイスにおすすめです。この他にも粒のままホールタイプもあります。

デザインがおやれなこのブラックペッパーは、パリの美食ブランドとして有名な「FAUCHON（フォション）」のスパイスです。マレーシア産のブラックペッパーで、ミル付きのものになると、ギフトとしても大変喜ばれます。内容量100gで475円とやや高めですが、おもてなしなどの時に使い分けて重宝したい調味料です。

「SONNENTOR（ゾネントア）」はオーストリア・チロル地方で設立された自然由来のオーガニックのスパイスやハーブティーを扱っているブランドです。有機ブラックペッパーは、普通のとは違い香りが高く風味が良い辛味が最後まで感じられます。内容量が37gで1296円とかなり高い値段ですが粒がホールでミルで挽くブラックペッパーは、格段に美味しさが違うのでおすすめです。

有機JASとは農林水産大臣が定めた品質基準や表示基準に合格した農林物資の製品につけられる認定マークです。これがパッケージについているブラックペッパーなら安心してスパイスに使えると思います。有機ブラックペッパーを購入したいときは、葉っぱのマークがついたJAS規格を探してください。

パッケージが可愛らしい「TIRAKITA ブラックペッパー」。インド雑貨なども取り扱っているこのお店は、パウダーの他にそのままの粒（ホール）状のブラックペッパー、ホワイトペッパーなど種類が豊富に取り揃えています。パウダー状のブラックペッパーは内容量50gで422円です。他のスパイスと一緒にキッチンに飾りたくなる調味料です。

パッケージがポップで人気のある「スパイスアップ ブラックペッパー ミル付き」はカルディで買うことができます。ミルで挽いたブラックペッパーは香りが強く、リピートして買う人が沢山います。価格も内容量50gで309円とお手頃価格で、スパイスアップシリーズを何種類も買って使い分けしている人もいるそうです。

ユウキ食品から出ている「マコーミック T&Tミルブラックペパー」は強い辛味と言うよりは、ハーブに近い香り高い風味が特徴です。料理方法としては、肉などの下ごしらえにおすすめのスパイスだと思います。内容量35gで268円とミル付きながらにこの価格は嬉しい限りです。

「MARICHA（マリチャ）」とはインドのサンスクリット語で「胡椒」を意味する言葉です。イタリアのジャマイカカフェのオーナーが探し出したマレーシア産のブラックペッパーは、知る人ぞ知る、一度使うとやめられないと言われるほどの風味が高いスパイスです。内容量は90gで1652円とかなりの高級スパイスですが、病みつきになること間違いなしです。

紅茶やお菓子などで有名な「DEAN&DELUCA」からもブラックペッパーが出ています。ホールタイプで内容量が34gで702円、ミル付き（価格1296円）もあります。食にこだわったディーン&デルーカのブラックペッパーは、ギフトとしても大変喜ばれる調味料だと思います。

せっかく料理を美味しく作っても、最後の仕上げの味が整ってなければ台無しです。ジッパー付きの袋に入っているものもありますが、キッチンのインテリアとしてミル付きのブラックペッパーを置いておくのも良いと思います。

最近はブラックペッパーもミル付きの容器で販売している商品が多くなりました。これは、挽いてから時間がたつと、ブラックペッパーの風味の大部分損なわれてしまうということが関係していると思います。ブラックペッパーの成分は揮発性が高く、コーヒー豆と同じで、空気に触れると格段に味わいが落ちてしまうのです。

また、ミルの利点として、粒の大きさを調節できるものもあるので、料理方法によって使い分けが出来ることです。料理中に使うなら細引きで、最後の仕上げには粗挽きというように使い分けが出来ることによって料理の幅も広がると思います。

おすすめのペッパーミルは「京セラ ペッパーミル」です。5.2x13cmと縦長でコンパクト。中もセラミックの刃を分解して洗えます。もちろん、粒の粗さも調節可能で料理方法によって色々選べます。価格も615円と低価格。残りの残量も見えるので使いやすさナンバーワンだと思います。

ブラックペッパーは様々な料理に適しています。そこで、ここではブラックペッパーを使った美味しい料理メニューを紹介していきます。

• ジャガイモ300g～400g
• ベーコン50g
• 玉ねぎ1/2個
• オリーブオイル大さじ1/2
• 塩小さじ1/3
• ブラックペッパー適量
• パセリ適量

1. ジャガイモ、玉ねぎ、ベーコンを適当な大きさに切ります。
2. ジャガイモを耐熱皿に乗せ、ふんわりラップをかけて竹串が通るくらいレンジで加熱する。（600Wで5分程度）
3. フライパンにオリーブオイルを引き、ベーコンを炒める。
4. ベーコンに焼き色がついたら玉ねぎを入れ、透明になったらジャガイモを炒める。
5. 塩、パウダーのブラックペッパーで味を整える。
6. 器に盛った後、粗挽きのブラックペッパーとパセリを適量振りかけたら完成です。

• もやし一袋
• 日本酒大さじ1
• 水100cc
• ※めんつゆ小さじ1
• ※ごま油小さじ1
• ※酢小さじ1
• ※粗挽きブラックペッパー小さじ1

1. ※の調味料を混ぜ合わせておく。
2. フライパンか鍋にもやし、日本酒、水を入れ蓋をし2分ほど蒸し煮する。
3. 蓋を取り全体をまぜ、加熱が足りない時は余熱で炒める。
4. もやしの水気をとり、※の調味料を混ぜれば完成です。

• 豚ロース肉2枚
• ※醤油大さじ1と1/2
• ※酒大さじ1と1/2
• ※みりん大さじ1と1/2
• ※砂糖大さじ1
• ※チューブにんにく1cm
• ※チューしょうが1cm
• 胡椒適量
• ブラックペッパー適量

1. 豚ロース肉を食べやすい大きさに切って片栗粉をまぶす。
2. ※の調味料を混ぜる。
3. フライパンに油を入れ、豚ロース肉をこんがりなるまで焼く。
4. 火が通ったら。※を入れ混ぜ、胡椒で味を整える。
5. 最後にブラックペッパーを振りかければ完成です。

ブラックペッパーは胡椒と同じ感覚で使っていた人が多かったと思いますが、胡椒はホワイトペッパーを混ぜたものと知ると、料理方法によってブラクペッパーと胡椒は使い分けるのが大事だとわかりました。料理の他にも精油としても効果が高いブラクペッパー。おすすめのブラックペッパーを参考にして、ミルを使って風味や香りを楽しんでください。