2019年02月03日公開
2024年09月02日更新
ラードとは?牛脂と違う?代用品や健康への影響などまとめ!
ラードとは何か知っていますか?ラードとは主に豚肉の背脂から作った調味油のことです。例えば、ラーメンのスープでよく使われている「背脂」もラードの一種で、ラードを使うことで料理に動物性油ならではのコクや香りを加えることができます。今回はそんなラードの栄養成分や、健康への影響についてまとめてみました。同じ動物性の脂質である牛脂との違いや、保存方法や使い方の注意点、また、ラードがない時の代用品についても調べてみましたのでチェックしてみましょう!
ラードとはどんな食材?
ラードがどんな食材か知っていますか?ラーメンのスープに浮いている背脂(せあぶら)なら、聞いたことがあるという人も多いのではないでしょうか?ラードは加えるだけで料理にコクと香りを足すことができる動物性由来の調味油で、使い方を覚えれば料理の幅が広がる食材です。本項ではラードとはどんな食材か、また、同じ動物性油である牛脂との違いについて解説しています。
ラードは豚の脂
ラードとは広義の意味では豚の脂質全般を指します。そして狭い意味でのラードとは、豚の脂肪の不純物を取り除いて練り固まらせ、香料を足して作った調味脂のことです。ラーメンのスープに浮いている白い背脂は、ラードの一種です。料理に足して使うと、動物性油脂ならではの深いコクと香りを加えることができ、焼き菓子やフライ、中華料理の炒め物などに広く活用されています。
栄養成分
ラードとは豚の背脂を中心に作った動物性脂質の調味料ですが、その栄養成分について紹介しましょう。100gあたりのラードの主な成分は脂質であり、脂質の内訳としては飽和脂肪酸が約39g、一価不飽和脂肪酸が約43g、多価不飽和脂肪酸が約10gです。また、ラードの栄養成分として、脂質の他には微量のビタミンA、B1、B2、E、Kや、糖質も含まれています。カロリーは100gで940kcalです。
ラードの使い方
ラードとはどのような使い方をされているのでしょうか?ラードの上手な使い方について紹介します。まず、一番簡単な使い方は、普段サラダ油を使う場面でラードを代用する方法です。例えば、チャーハンや中華風炒め物など、サラダ油の代わりにラードを使ってみましょう。べたっとした仕上がりを避けられ、パラっとした軽い仕上がりになります。
他にも、パンを発酵させるときに少しラードを混ぜ込むと、ふんわりとふくらみ、味わいも甘さが増します。また、白米を炊くときにも塩とラードを少量混ぜ込むことで炊き上がりの風味がアップするなど、意外な使い方もあります。
ラードと牛脂の違いとは?
同じ動物性の油脂と言えば牛脂を思い浮かべる人も多いかと思います。では、牛脂とラードの違いとは、どんな点にあるのでしょうか?本項では似ているようで違いの多い、ラードと牛脂について解説しています。それぞれの使い方の違いにも注目してみましょう。
原料が違う
同じ動物性の脂質であるラードと牛脂ですが、大きな違いは原料が異なる点にあります。ラードは豚の脂肪を、牛脂は牛の脂肪を原料としています。より詳細に言えば、ラードは主に豚の背脂を原料としているのに対し、牛脂の場合「ケンネ脂」と呼ばれている腎臓の周りにつく脂を主な原料としています。このようにラードと牛脂では原料が異なりますが、どちらも動物性脂質のため主な栄養成分が脂質である点は共通しています。
旨味や風味が違う
ラードと牛脂は同じ油脂としての性質がありますが、それぞれ使い方に違いはあるのでしょうか?また代用が可能か注意してみてみましょう。実はラードと牛脂では旨味や匂いなど、風味が異なります。具体的には、ラードのほうはこってりとしており口に甘みが残る風味が特徴です。一方、牛脂は比較的あっさりとしており、匂いもラードに比べると控えめなのが特徴です。
また、ラードが常温ではクリーム状になるのに対し、牛脂は常温では固形のままという違いもあります。このため料理全般に調味脂として使うのであれば、ラードのほうが使いやすく、料理に幅広く活用しやすいという違いがあります。
牛脂よりラードのほうが日持ちする
ラードと牛脂では保存する時の注意が異なります。実は、常温でも冷蔵庫保存でも、ラードのほうが牛脂よりも日持ちがするという特徴があります。牛脂の日持ちについては生の肉と同じ感覚で、冷蔵庫保存であっても3日を過ぎると徐々に悪くなってしまいます。一方、ラードは冷蔵庫保存であれば、1週間から2週間持ちます。調味脂は一般的に一度に多量に使うことはないので、日持ちがするのはありがたい特徴と言えるでしょう。
どちらも動物性!
ラードと牛脂には風味の違いや、使い方の違いはあれど、動物性の油脂としての共通点があります。主な栄養成分は脂質であり、そのため、ある程度の代用も可能です。揚げ物や炒め物、また汁物であればラードの代わりに牛脂を代用しても大きな違和感は感じないでしょう。しかしながら、豚肉料理や牛肉料理などは、それぞれの原料であるラードと牛脂を分けて使用したほうが相性が良いので使い分けがおすすめです。
ラードがない時の代用品や保存法とは?
揚げ物や炒め物をするときに独特のコクと風味を足すことができるラードですが、家庭にラードがない時はどんなもので代用できるのでしょうか?また、料理では少量しか使わないためラードの保存方法について気になっている人も多いでしょう。本項では、ラードがない時の代用品と、保存する時の注意点をまとめています。
豚肉バラで代用できる
市販のラードが自宅にない時の代用品について解説します。ラードは本来豚肉の脂質からできているので、豚肉を代用品として利用することが可能です。なかでも、豚バラ肉なら簡単にラードを自作できるので覚えておきましょう。作り方としては豚バラ肉を弱火で煮て、豚の脂肪が水に溶け出すのを待ちます。次に、水の表面に黄色の油膜が張られたところで火を止め、冷まします。この表面に固まった脂が、ラードとして代用できます。
余ったラードの保存方法
スーパーなどで市販されているラードは、プラスチックチューブなど、たっぷりと容器に入っているものが多いです。料理にラードを使用する時は、あまり多くを使いません。余ったラードはどのように保存すればいいのでしょうか?ラードは基本的に常温でも保存できる食材ですが、より安定して保存するためには開封後は冷蔵庫で保存するのがおすすめです。冷蔵庫であれば、固形を保ち、ラードが酸化するのを防いでくれます。
ラードの気になる健康への影響とは?
ラードは動物性脂質の一種です。動物性の油と聞くと、肥満のもとになるとか、はたまた動脈硬化を引き起こす原因となるなど、美容と健康に日ごろ注意している人にとっては、なんとなく避けたい食材のイメージがあるのではないでしょうか?そこで、本項ではラードの気になる健康への影響について紹介しています。意外にも美容や健康に役立つ成分を多く持っているラードの一面について注目してみましょう!
美容やアンチエイジング効果が期待できる
ラードが美容と健康に役立つ側面があるというのは、ラードの主な成分である脂質の種類に理由があります。すでに述べたとおり、ラードの主成分は脂質で、その内訳は、飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸です。この飽和脂肪酸のなかには、パルチミン酸が多く含まれているのですが、これが肌の健康を保つ効果があることが知られています。
また、ラードのアミノ酸の構成は、人間の皮膚のアミノ酸の構成に似ていると言われています。このため、ほんの少量のラードを保湿クリームとして肌に塗ることで美肌効果、保湿効果が期待できます。
ラードの油が腸内環境を良くする
ラードが健康に役立つ効果として、腸内環境を良くすることが知られています。ラードの脂質の一つである一価不飽和脂肪酸には、オレイン酸が比較的多く含まれています。オレイン酸を含む油は、腸の蠕動(ぜんどう)運動を促し、また油が腸内で潤滑油として働くため、老廃物の排出が期待できます。食物繊維を良くとっているのに便秘に悩んでいるという人は、ぜひ試してみてはいかがでしょうか?
ラードの健康面への影響で注意すること
ラードを日常生活に取り入れる上で、どんなことに注意すれば良いのでしょうか?健康面への影響について調べてみました。すでに述べた通り、ラードは飽和脂肪酸を多く含んでいます。この飽和脂肪酸は過剰摂取すると血中コレステロールの増加を招くことが分かっています。このため、動脈硬化で治療中の人や、健康診断でコレステロール値に異常がある人は特に注意が必要です。
また、ラードには腸内で潤滑油としてお通じをよくする効果があります。ですから、お腹が緩くなりがちな体質の人や、下痢の症状がある時にはラードの摂取を避けた方が良いでしょう。
ラードは脂質をコントロールしながら活用しよう!
ラードは豚の背脂を主に使って作られた調味脂です。ラーメンのスープや、炒め物、揚げ物などに使うと独特のコクと風味、香りが出て美味しくなる、便利な食材です。今回はラードとは何かという基本的な知識から、同じ動物性油脂である牛脂との違い、ラードの使い方や保存方法まで詳しく紹介しました。健康に悪い影響が出ないように使う量に注意して、上手にラードを使ってみましょう!