幻の高級魚アラとはどんな魚?釣り方からさばき方・食べ方まで紹介!

アラは希少な魚で味が美味しいことからから、値段的にも高級魚といってよいでしょう。時にクエとよく混同されますが、クエとアラは別種類の魚です。と言っても、希少で美味しくて高級魚という点ではよく似た魚でもあります。そんなアラの特徴や旬の時期あるいは良質なアラの選び方を紹介します。また、アラの釣り方からさばき方や、いろいろとあるアラ料理の食べ方までも、併せて紹介していきます。

幻の高級魚アラとはどんな魚?釣り方からさばき方・食べ方まで紹介!のイメージ

目次

  1. 1アラがどんな魚なのか魅力に迫ろう!
  2. 2アラの釣り方を覚えて高級魚を釣る!
  3. 3アラのさばき方の手順
  4. 4アラの今すぐ試したいおすすめの食べ方
  5. 5アラという魚はどんな料理にもぴったりの高級魚!

アラがどんな魚なのか魅力に迫ろう!

アラの旬の時期

アラは日本全国で獲れる魚と言ってもよいでしょう。そして、一年中獲れる魚とも言えます。けれども、福岡県から福井県にかけての日本海沿岸部で一般的に獲れるのは、底引き網によって幼魚から若魚の小型のアラが多いのが特徴です。大型のアラは鹿児島県や長崎県で、底延縄や一本釣りで多く獲れます。日本全国で獲れるとは言っても、アラが広く分布しているのは間違いないのですが、その数はきわめて少ないものです。

アラの旬の選び方については、アラの産卵時期である夏場も旬と言えるかもしれませんが、やはり11月から2月にかけてアラに脂がしっかりとのり、鍋料理の旬でもある冬場がアラの旬というのが妥当でしょう。アラは大きければ大きいほど、美味しい魚です。もちろん、値段のほうも飛びっきりの1匹数万円という価格になります。

アラの特徴と味わい

アラは日本全国の近海に棲息していますが、水深70~360mの沿岸や大陸棚周辺部の、貝殻交じりの砂底や岩礁域で、魚類や甲殻類、イカ類を捕食するのが特徴の魚です。夏場が産卵期となります。体長は80cmほどが標準で、大きなものは1mに及びます。高級魚としてのアラの選び方は大きいものになります。アラはハタ科ですが、姿はスズキによく似ています。ハタ科の特徴である、前エラ蓋骨の下角に長く鋭い棘が一本突き出ています。

アラの背の部分は褐色で腹は銀白色をしています。目の前部から第二背ビレにかけて白いスジが入っているの特徴ですが、成魚になるとこのスジは消えていきます。九州ではクエのことをアラと呼ぶことで有名です。それ以外にもアラの呼び名は、地方によって20種類以上も数えられます。アラの身は白身ですが、脂はしっかりのっているのに、上品なあっさりとした味が特徴です。1~2日寝かせたほうが旨味が増す特徴もあります。

アラの身は鮮度がよいと硬すぎる傾向があるので、フグのように薄造りする食べ方が適しています。骨をはじめとした「あら」からも旨い出汁が出るので、鍋やあら煮で味わう食べ方も絶品です。

アラの選び方

全国的にみれば、アラは大衆的な魚と言えません。日本海の沿岸では、底引き網にかかった幼魚や若魚を地産地消して、アラがめずらしくもない地方もあります。けれども多くの人にとって選び方以前に、大きいか小さいかを問わず食べたことがないばかりか、アラを見たこともない人も少なくはないでしょう。そんなアラの選び方を紹介します。アラは鮮度が良ければ褐色なり茶系の色をしています。

そのアラは時間経過とともに表面が白っぽくなっていきます。また、これはアラにかぎらず魚全般の選び方に言えることですが、エラが赤いツヤを保っているアラは新鮮で美味しいと言えます。エラも鮮度が落ちてくると、茶褐色を帯びてきます。選び方としてはこれらの二点がポイントになります。

アラが高級魚である理由

アラはどこか特定の地方ではなく、日本の沿岸に広く分布して棲息している魚であるが、漁獲量が極端に少なく幻の魚とも呼ばれています。鯛や平目とは違って、大きければ大きいほど味も良い傾向にあるため、5kgを超えるような大型のアラになれば、kg当り単価は1万円を超えることも珍しくありません。逆に1尾100g程度の小さなアラは「コアラ」と揶揄されて、100円しないような価格で取引されています。

けれども。コアラと侮ってはなりません。アラの場合、小さいから不味いというようなことはなく、コアラも味はりっぱな高級魚です。1尾のコアラを1貫の握りにした鮨は絶品です。ハタ科の魚はクエもそうですが、高級魚が多く、アラも例外ではありません。漁師ばかりでなく、釣り好きの人にも夢のターゲットとなっています。

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アラの釣り方を覚えて高級魚を釣る!

アラ釣りのベストシーズン

アラの釣り方についてベストシーズンは?と言えば、アラは一年魚ではないため偏った漁獲シーズンはなく、一年中アラ釣りを楽しむことはできます。けれども、やはりアラに脂がのる旬の時期である、冬場の1~4月がベストシーズンといってよいでしょう。アラは釣り方のむつかしい魚です。なんと言っても極上の味をもつアラを、脂がのり切った冬場に釣り上げられたら、釣り人冥利に尽きるに違いありません。

アラ釣りの仕掛け

アラの釣り方は、オフショア(船)から水深200~300mの海底を狙うのが一般的です。アラは深くて狭いスポットに群れが寄る習性があるので、釣り方としてはイカやサンマ、サバなどの切り身をエサにした、ドウヅキ仕掛けやテンビンなどで狙うのが一般的な釣り方でしたが、最近ではジグを使用したジギングで狙う釣り方の人も増えてきています。アラの釣り方で必要なのはスローな仕掛けのようです。

アラ釣りのポイント

アラは漢字で表す場合には𩺊で、魚偏に旁が荒と書くように、底棲魚のなかでもチャンピオンクラスのパワーを持っています。深い海底から激しく竿を絞り込んできます。このため釣り方のポイントはタックルも強力なものを用意する必要があります。また、アラは海底に落ちてくるものに反応する習性があるので、木の葉型の抵抗の大きなジグを使って、ゆっくりとしたフォールを演出する、スロージギングの釣り方が人気となっています。

海底へ着底させては引き上げるの動作を、ゆっくり繰り返すことがアラの釣り方の大切なポイントとなります。特に、大型なアラほど海底付近に棲息しています。

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アラのさばき方の手順

さばき方①ウロコを取る

魚のさばき方のセオリーであるウロコをまず取り除きます。アラの場合はウロコ掻きでウロコを剥がしていくのではなく、皮ごと剥いでいくのがさばき方の特徴です。尾の部分で下の白い皮との間に包丁を入れたら、頭のほうに向かって包丁をすべらせて剥いでいきます。胸鰭まで剥いだら、これを繰り返して全体をきれいな白い皮の状態にします。アラのさばき方の手順①が完了です。

さばき方②内臓を取って身をおろす

アラのさばき方手順②では内臓を取り除いて、身を三枚に下ろします。ここで大事なことは、高級魚アラは捨てる部分がないということが特徴でもあります。すべての部位を料理にできて、味わうことができるのです。アラの一番の特徴は、たいていの魚では食べられないエラを味わうことができます。包丁で軽くしごいてエラを掃除してから、流水できれいに流したエラを軽く湯通しすると、きれいな白身がフワっとした独特の食感です。

つづいて内臓のさばき方の手順は、腹を開いて肝臓や胃袋、腸を取り出し、切り分けておきます。肝臓は鍋で食べても肝醤油にしても味を堪能できます。胃袋のさばき方は湯通ししてヌメリを除いたらしっかりとボイルします。食べ方は、刻んで食べればコリコリとした食感と甘い味がたまりません。腸のさばき方は外側も内側も裏返してきれいに掃除すれば、シャキシャキした食感の珍味になります。

また、アラは頭や中骨などの骨からも良質な出汁が摂れるので、料理の食べ方や選び方に工夫を加えれば、鍋物をはじめ兜煮、骨蒸し、潮汁、障子焼きなどレパートリーが拡がります。

さばき方③柵取りをする

アラは脂がのっていることが特徴で、旬のアラならなおさらですが、包丁にからんで切り進めにくい身質をもっています。その点だけに気をつけて一般的な魚と同じように下ろしていきます。とりあえず三枚に下ろしたら、腹骨をすき取り五枚に切り分けます。後は、料理法や食べ方に応じて冊取りします。冊取りを終えたら、キッチンパーパーに包んで、余分な水分を取り除きます。冷蔵庫で寝かせると死後硬直が取れて柔らかくなります。

アラの今すぐ試したいおすすめの食べ方

アラ料理①刺身で高級魚の味わいを楽しむ

アラという魚料理①の食べ方は、旬のアラを刺身でいただくことです。白身の魚なのに脂がしっかりのっていて、それでいてプリプリとした食感のなかに上品な甘みもあります。アラは鮮度が良いと身が締まりすぎていて硬い魚なので、薄くへぎ切りにするのもよいし、フグのように薄造りにしても美味しいのです。まずは、高級魚アラの素の味を堪能してみてください。どんな魚とも比べられない旨味を感じることができます。

刺身をそのままでポン酢でいただく食べ方もおすすめになります。また、薄く切ったアラをしゃぶしゃぶにしていただく食べ方もあります。山葵醤油ばかりでなく、いろいろな付けダレで楽しむことができます。

アラ料理②塩焼きやホイル焼きで楽しむ

アラという魚料理②の食べ方は、アラを塩焼きやホイル炊きで楽しむ食べ方です。美人は素顔でも化粧をほどこしても美しいように、高級魚で旬のアラは刺身でも手を加えても美味しいのです。ただシンプルに塩焼きしても、おどろくほどの旨味が襲ってきます。アルミホイルで蒸し焼きにするホイル焼きもアラの美味しさを際立たせる一品です。けれども、アラの持ち味を殺さないためにも合わせる具はシンプルにします。

アルミホイルの上に冊取りしたアラを適当な大きさに切り分けて並べます。合わせる具の選び方はエノキやスライス玉ねぎ、シメジぐらいにします。バターをひとかけのせて、醤油をたらし塩、コショウをふってアルミホイルを閉じたらオーブンで焼き上げます。

アラ料理③唐揚げでさっくりふわっと楽しむ

アラという魚料理③の食べ方は、旬のアラをあえて唐揚げにする食べ方です。鶏の唐揚げとはまったく異なる味で、旬のアラがさっくりふわっと揚げられて、上品で極上の唐揚げと言えます。鮮度の良いものでなくても、料理で余った時やいったん冷凍にかけたアラを、唐揚げにしてもかまいません。頭部や中骨あるいはカマ下などを使用して、骨や鰭が付いているような場合は、二度揚げがおすすめになります。

味つけは香辛料や塩、醤油などでしますが、何も味付けしないで唐揚げしてもかまいません。フグやクエもそうですが、アラもまたどう料理しても美味しい魚と言えます。

アラ料理④鍋や汁物で出汁まで楽しむ

アラという魚料理④の食べ方は、これぞアラ料理の神髄かもしれない、アラ鍋です。また、しゃぶしゃぶや汁物の潮汁なども紹介します。幾度も申しますが、アラの旨味はどう食べても美味しいのです。アラ鍋は味つけも他の具の選び方も、シンプルなもので十分です。アラ料理の〆にいただくわけですから、当然にアラが主役となります。したがって、アラの切り身の他はエノキや春菊、豆腐くらいが適当になります。

アラ鍋の味つけは、出汁に塩と酒少々で十分です。アラ自身から出るダシで得も言われぬ極旨な味を堪能できます。同じアラの鍋料理の選び方にはしゃぶしゃぶと言う手もあります。刺身用に多めに切っておいて、残ったアラを昆布出汁の鍋で泳がせてから、もみじぽん酢でいただきます。フグを上回る絶品の旨さに舌鼓を打ちます。しゃぶしゃぶと湯引きすることで、脂が適度に抜けて本来の甘みがさらに増します。

もみじぽん酢の辛味と酸味が、アラの旨味を一段と引き上げるのです。また、アラのあらを使った潮汁もけっこうな逸品です。あらの残ったウロコやヌメリをよく洗い落として、昆布出汁と塩や酒で味付けしネギなどを散らしていただきます。アラの旨味を残らずいただくことができます。なぜか?潮汁の薬味にはコショウが合います。

アラ料理⑤アラのあらを荒炊きして食べ尽くす

アラという魚料理⑤の食べ方は、アラの兜や中骨などのあらを荒炊きして食べ尽くす、これぞアラあら尽くしのあら煮です。これも、骨まで旨い出汁が出るアラならではご馳走です。まちがってもアラのあらは捨ててしまわないようにしてください。アラの兜を梨子割りにして、中骨などと一緒に酒、ミリン、醤油で味付けをして煮上げます。緑色の野菜を添えれば完ぺきなあら煮となります。

あら煮は作り立ての温かいものも旨いのですが、冷めてもあまり硬くはならないので変わらず美味しくいただけます。大量に作り置いても問題はありません。あら煮だって、元はアラですからその旨さはハンパではないのです。

アラという魚はどんな料理にもぴったりの高級魚!

庶民には素性のよく分からないアラという高級魚を、ここまで探ってきました。まだ食べたことのない、あるいは見たこともない方も、きっとおられるのではないでしょうか。ただ、一度は食べてみたいという思いに駆られた方も、きっといらっしゃるはずです。アラが幻の魚と呼ばれるほどに稀有な魚と知れば、なおさら食べてみたいと考えるのが人情です。自分で釣ってみることに挑戦するのも一手です。

また、何かの記念日に大枚をはたいて召し上がってみるのも一手です。ここで紹介した記事を参考にしていただいて、アラというどんな料理にもぴったりの高級魚を一度は堪能してみてください

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